【ヘルシーレシピ】ビタミンDの特徴や豊富な食べ物を紹介!不足の影響や簡単レシピも【管理栄養士監修】

【ヘルシーレシピ】ビタミンDの特徴や豊富な食べ物を紹介!不足の影響や簡単レシピも【管理栄養士監修】

(2024年1月19日公開)
ビタミンDは、骨の健康づくりや免疫機能の維持など、私たちの健康を守るために欠かせない働きがあります。日本人はビタミンD不足が深刻ともいわれているため、しっかり対策したいものです。
この記事では、ビタミンDの働きや不足の影響、豊富な食べ物、効率的に摂るコツを紹介します。おすすめの簡単レシピも紹介するので、ぜひ実践してビタミンD不足を解消しましょう。

               

ビタミンDの特徴

ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種であり、腸管でカルシウムやリンの吸収を促進することが主な働きです。カルシウムとともに骨の健康維持に欠かせない栄養素のため、毎日欠かさずに摂取することが大切です。
さらに詳しく、ビタミンDの特徴を見てみましょう。

食べ物に含まれるビタミンDは2種類

ビタミンDは2〜7の6種類ありますが、食べ物に含まれるビタミンDは主に下記の2つです。

ビタミンD2

  • 一般名 :エルゴカルシフェロール
  • 含有食品:きのこ類など

ビタミンD3

  • 一般名 :コレカルシフェロール
  • 含有食品:魚の身や肝臓など
魚に含まれるビタミンDのほうが効力が大きいともいわれていますが、現時点でははっきりとわかっていません。そのため、ビタミンDの摂取量や食品中の含有量は、この2つを区分せずに、2つをあわせたものが示されています。

体内で働くには「活性型」になることが必要

食べ物から摂ったビタミンDが体内で働くには、肝臓と腎臓で代謝されて「活性型ビタミンD」になることが必要です。活性型になることで、腸管でのカルシウムやリンの吸収を促します。
肝臓や腎臓の機能が低下している方は、活性型ビタミンDを作る力が弱まっているため、カルシウムを十分に吸収できず、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まることが知られています。

食べ物以外でも紫外線により作られる

ビタミンDは食べ物から摂取する以外に、日光に含まれる紫外線を皮膚に浴びることでも体内で生成されます。人の皮膚にはプロビタミンD3という物質が存在し、紫外線と体温によってビタミンD3へと変化するのです。
ただし、ビタミンDが変化するために必要な紫外線B波は、ガラスを通過しません。屋内ではビタミンDが生成されないため、屋外での適度な日光浴が大切です。

ビタミンDの働き

ビタミンDの働きについて、さらに詳しく見てみましょう。

骨の健康を守る

ビタミンDの主な役割は、骨の健康を守ることです。腸管からのカルシウム吸収を助け、骨を丈夫にしたり、骨がもろくなるのを防いだりします。
そのため、ビタミンDの不足は、骨粗しょう症や骨折のリスクとなります。また、小児では骨が軟化して変形する「くる病」、成人では骨の痛みや筋力の低下を起こす「骨軟化症」といった病気の原因となることがあります。

免疫機能を維持する

ビタミンDは免疫機能の維持にも関わっています。体内に侵入してきた細菌やウイルスに対して、正しく免疫機能が働くように調節をすると考えられています。

ビタミンDは歯や口の健康づくりにも役立つ

ビタミンDは歯や口の健康づくりにも欠かせない栄養素です。
ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を促すため、歯の形成に欠かせません。また歯を支える骨を丈夫にする役割もあります。
また、ビタミンDは免疫機能の維持や炎症の抑制、カルシウムの代謝にも関わることから、歯周病とも関連があると考えられています。
歯と口の健康を守るためにも、次に紹介する摂取量の目安を参考に、不足しないようビタミンDを摂取しましょう。

ビタミンDの1日の摂取量の目安

ビタミンDの1日の摂取量の目安は下記のとおりです。
▼ビタミンDの食事摂取基準(1日あたりの目安量)
年齢 男性 女性
0~5か月 5.0 μg 5.0 μg
6~11か月 5.0 μg 5.0 μg
1~2歳 3.0 μg 3.5 μg
3~5歳 3.5 μg 4.0 μg
6~7歳 4.5 μg 5.0 μg
8~9歳 5.0 μg 6.0 μg
10~11歳 6.5 μg 8.0 μg
12~14歳 8.0 μg 9.5 μg
15~17歳 9.0 μg 8.5 μg
18~29歳 8.5 μg 8.5 μg
30~49歳 8.5 μg 8.5 μg
50~64歳 8.5 μg 8.5 μg
65~74歳 8.5 μg 8.5 μg
75歳以上 8.5 μg 8.5 μg
妊婦 8.5 μg
授乳婦 8.5 μg
骨が成長する成長期の子どもはもちろん、成人も骨量を維持するためにビタミンDの摂取が大切です。
不足や過剰摂取の影響について、詳しく見てみましょう。

ビタミンDが不足する原因は?

ビタミンDが不足する原因は、まずは食生活の偏りがあげられます。
ビタミンDは野菜や果物には含まれず、魚やきのこが主な補給源となります。そのため、魚やきのこをほとんど食べない場合は、不足が心配な状況です。
日本人の平均的な摂取量を調査した結果によると、男女ともに7~8歳頃から69歳まで、ほとんどの年代で不足している傾向があります。
また、食べ物以外にも、日光を浴びる時間が少ない場合もビタミンD不足に注意が必要です。日焼け対策をしている女性や、高緯度地域に住んでいる方々は、日光によるビタミンDの生成が少ない可能性があります。
どのくらい日光浴をすればよいかは緯度や季節によっても異なりますが、両手の甲が15~30分くらい日光にあたればよいと考えられています。

ビタミンDを過剰摂取するとどうなる?

ビタミンDを過剰摂取すると、腎臓の機能が低下したり、軟組織(血管や心臓弁を含む)の石灰化が起こったりするとされています。これは、過剰摂取により血液中のカルシウムやリン酸の濃度が高くなることにより、カルシウムがさまざまな箇所に沈着するためです。
また吐き気、おう吐、筋力低下、食欲不振、便秘といった症状を起こすこともあります。
ビタミンDの過剰摂取は、主にサプリメントのとりすぎにより起こることが知られています。日光にあたりすぎても、体がビタミンDの生成量を調整してくれるため、心配ありません。
ビタミンDの1日あたりの耐容上限量は、18歳以上の男女で100 μgです。ビタミンDを含むサプリメントを使用している方は、適正量を使用するように注意しましょう。

ビタミンDが豊富な食べ物

ビタミンDは野菜、果物、芋、豆類、海藻には含まれず、主に魚やきのこに含まれます。偏った食生活では不足のリスクがあるため、下記の食べ物を意識して取り入れることが大切です。

鮭やいわしなどの魚類

ビタミンDはさまざまな魚に含まれていますが、とくに鮭、いわしに豊富に含まれています。
▼100 gあたりのビタミンD含有量
食品名 含有量
32.0 μg
いわし 32.0 μg
まぐろ(脂身) 18.0 μg
さんま 18.0 μg
さば水煮缶 11.0 μg
魚より肉を食べることが多い方は、週に1~2回でも魚料理を増やしてみると、ビタミンDをしっかり補給できるでしょう。

きくらげやしいたけなどのきのこ類

きのこは日光によりビタミンDの含有量が増えるため、日光にあてて乾燥させるきくらげ(乾)やしいたけ(乾)に多く含まれています。
▼100 gあたりのビタミンD含有量
食品名 含有量
きくらげ(乾) 85.0 μg
しいたけ(乾) 17.0 μg
舞茸 4.9 μg
えのき 0.9 μg
しめじ 0.5 μg
きくらげやしいたけは、1食あたりで考えても、きくらげ(乾・2 g)では1.7 μg、しいたけ(乾・1枚4 g)では0.7 μgと、ビタミンDをしっかり補給できます。
また生の状態のきのこも、調理する前に日光にあてるようにするとビタミンDを増やすことができます。

鶏卵、レバー、牛乳などの卵・肉類・乳類

魚やきのこに比べると少なめではありますが、鶏卵、レバー、牛乳などの卵・肉類・乳類にもビタミンDが含まれています。
▼100 gあたりのビタミンD含有量
食品名 含有量
鶏卵(全卵) 3.8 μg
豚レバー 1.3 μg
鶏手羽先 0.6 μg
鶏もも肉(皮つき) 0.4 μg
牛乳 0.3 μg
この中でも、卵はビタミンDのよい補給源であることがわかります。
肉類は種類や部位によって含有量が異なり、ほとんど含まれないものも多くあるため注意が必要です。また、牛乳や乳製品にも含まれていますが、不足分を補えるほどの量ではありません。
やはり、繰り返し伝えているとおり、魚やきのこから積極的に補給するようにするとよいでしょう。

ビタミンDを効率的に摂るポイント

ビタミンDを効率的に摂るには、油と一緒に摂取することがポイントです。ビタミンDは油に溶けやすい脂溶性であるため、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。
魚や肉は食べ物自体に脂質を含みますが、きのこは脂質をほとんど含まないため、意識して組み合わせるようにしてみましょう。
きのこを使う際に、ごま油やオリーブ油を使って炒めたり、スープに「ちょい足し」したりするとよいでしょう。また、ほかのメニューに油を使う形でもOKです。

ビタミンDたっぷりの「カリカリチーズ舞茸」のレシピ

ビタミンDをたっぷり摂りたいときにおすすめの「カリカリチーズ舞茸」のレシピを紹介します。
きのこの中でもビタミンDが豊富な舞茸を使っています。粉チーズをつけることでカルシウムもプラスし、効率的に栄養補給が可能です。
また、舞茸は歯ざわりがよく、よく噛んで食べられるため、唾液分泌を促して口の健康づくりにも役立つうれしいメリットもあります。
カリッとした舞茸、香ばしい風味のチーズが絶妙によく合い、子どもから大人まで食べやすい味付けです。

<材料>(2人分)

  • 舞茸:1パック
  • しょうゆ:小さじ1/2
  • 粉チーズ:大さじ1
  • 薄力粉:大さじ1
  • サラダ油:大さじ2
  • レモン(お好みで):適量

<作り方>

  1. 舞茸は小房に分けます。
  2. 舞茸をポリ袋に入れてしょうゆを絡め、粉チーズ、薄力粉をまぶします。
  3. フライパンにサラダ油を入れ弱めの中火で熱し、1を入れて焼きます。片面約2分ずつ焼き、両面カリッと焼けたら油をよく切ります。
  4. 器に盛り、お好みでくし切りにしたレモンを添えます。

<ポイント>

焦げやすいため、様子を見ながら焼くようにしてください。大人は粗びき黒こしょうをふるのもおすすめです。

骨や歯の健康を守るビタミンD不足を解消しよう!

ビタミンDは骨や歯の健康を守るほかにも、免疫機能の維持にも役立つ栄養素です。日本人は不足が心配な状況のため、豊富な食べ物を取り入れて、不足しないよう工夫することが大切です。
毎日きのこを食べるようにする、魚料理を増やしてみるといった工夫を取り入れて、ビタミンD不足を解消しましょう。

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
ホームページ>
https://hirotachihiro.com/
Instagram>
https://www.instagram.com/chihiro_eiyo/

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