【ヘルシーレシピ】夏野菜は栄養たっぷり!口や体の健康・美容にうれしい効果やおすすめレシピを紹介【管理栄養士監修】

【ヘルシーレシピ】夏野菜は栄養たっぷり!口や体の健康・美容にうれしい効果やおすすめレシピを紹介【管理栄養士監修】

(2023年7月19日公開)
旬の野菜には栄養素が豊富に含まれており、健康づくりにはもちろん、美容面や、歯と口の健康にもうれしい効果が期待できます。この記事では、夏野菜の中でも特に栄養豊富なトマト、ゴーヤ、オクラ、かぼちゃを取り上げて、栄養成分の特徴や機能を詳しく解説します。また夏野菜をたっぷり摂れて、夏バテ予防にもおすすめのレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

               

美容にうれしい成分がたっぷり「トマト」

夏が旬のトマトは、8月が出荷量のピークです。旬の時期はトマトの栄養価がさらにアップします。

トマトはヘタがみずみずしくて皮にハリがあり、ずっしりとした重みを感じるものが新鮮な証拠です。お尻側に放射線状の筋が出ているものは、味が濃いサインといわれています。

栄養素

トマトの特徴的な栄養成分は、リコピンという色素成分です。生のトマト100 gあたりのリコピン量は4.8~9.0 mgほどとされていますが、冬に比べて夏のトマトは、リコピンの量が3倍も高くなるといわれています。

また、β-カロテン(540 μg/100 g)やカリウム(210 mg/100 g)、食物繊維(1.0 g/100 g)も含み、野菜から摂りたいさまざまな栄養素の補給に役立ちます。

期待される機能

トマトを取り入れることで、下記の機能が期待できます。

リコピン:抗酸化・美肌づくり

トマトに含まれるリコピンは強い抗酸化作用を持ち、体内の過剰な「活性酸素」の働きを抑えてくれます。活性酸素は細胞にダメージを与え、肌のたるみやシワなどの老化の原因を作ってしまいます。そのため美肌づくりには、抗酸化作用のある成分を含む食品の摂取が欠かせません。

β-カロテン:粘膜の正常化・感染症予防・口の健康づくり

β-カロテンは体内でビタミンAとして働き、粘膜を正常に保つ働きをします。粘膜の乾燥を防いで感染症を予防したり、口の粘膜を守って口のトラブルを予防したりする効果が期待できます。

おすすめの調理法

トマトは油と一緒に加熱調理するのがおすすめです。これはトマトに含まれるリコピン、β-カロテンは脂溶性であり、油と一緒に摂ることで吸収率が高まるからです。

またリコピンは加熱する方が吸収されやすいともいわれています。美容や健康づくりにうれしい効果を期待するなら、トマトをカレーに入れたり、炒め物、スープにしたりするとよいでしょう。

夏バテ予防にぴったり「ゴーヤ」

6月から8月が旬であるゴーヤは、夏に摂りたいさまざまな栄養素が豊富です。

ゴーヤを選ぶ際は、緑色が濃く鮮やかで、表面にハリやみずみずしさがあるものにしましょう。また、持ってみてイボがしっかりしているものや、ずっしりと重みを感じるものもおいしい証拠です。

栄養素

ゴーヤの優れた栄養成分には、ビタミンCがあります。ビタミンCの含有量は100 gあたり76 mgで、野菜の中でもトップクラスです。同じ夏野菜と比較すると、きゅうりの5.4倍、なすの19倍もの含有量です。

他にも、カルシウム(14 mg/100 g)、β-カロテン(160 μg/100 g)、食物繊維(2.6 g/100 g)などを含み、不足しがちな栄養素の補給に役立ちます。

期待される機能

ゴーヤを食べることで期待される機能は下記があります。

モモルデシン+ビタミンC:食欲増進・夏バテ予防

ゴーヤの苦み成分であるモモルデシンは、苦みによって食欲アップを助けてくれます。また、ビタミンCは不足すると疲労感の原因となるため、疲れを溜めたくないときにしっかり摂りたいビタミンです。モモルデシンの食欲アップと、ビタミンCの効果により、夏バテ予防が期待できます。

ビタミンC:歯と口の健康を守る

ビタミンCは、歯の象牙質(歯の内側の部分)の土台を作るために必要で、歯を丈夫にするために欠かせません。また、コラーゲンの生成に関わることから、歯ぐきの修復を助け、歯周病の予防にもつながります。

おすすめの調理法

ゴーヤの栄養をムダなく摂るなら、生のまま食べたり、加熱時間を短くしたりするのがおすすめです。ビタミンCやモモルデシンは水溶性であることと、ビタミンCが熱に弱いことから、長時間加熱したり水にさらしたりすると、栄養成分が損なわれてしまいます。

また、β-カロテンの吸収を助けてくれる油と一緒に調理するのもおすすめです。サッと炒めたゴーヤチャンプルーや、生のまま食べられるサラダなどがよいでしょう。

反対に、ゴーヤの苦みが苦手な方は、水にさらしたり加熱時間を長くしたりすることで苦み成分を少なくできます。栄養成分がすべてなくなってしまうわけではないため、食べやすい方法でゴーヤを取り入れてみましょう。

腸内環境改善に役立つ「オクラ」

オクラは6~8月が旬の野菜です。

おいしいオクラの特徴は、緑が鮮やかで産毛がしっかりとしているものです。大きすぎるオクラは硬いことがあるため、なるべく避けた方がよいでしょう。

栄養素

オクラの注目の栄養素は、ネバネバ成分のひとつである水溶性食物繊維のペクチンや、カルシウムです。100 gあたりの水溶性食物繊維は1.4 g、カルシウムは92 mgであり、野菜の中でも豊富です。β‐カロテンも100 gあたり520 μg含んでおり、トマトと遜色ないレベルです。

他にも、タンパク質(2.1 g/100 g)、ビタミンC(11 mg/100 g)などの栄養素を含んでいます。

期待される機能

オクラはさまざまな栄養素を含むため、下記の機能が期待できます。

食物繊維:生活習慣病予防・腸内環境を整える

オクラに含まれるペクチンなどの水溶性食物繊維は、食後の血糖値の上昇や血中コレステロール値の上昇を抑えるため、生活習慣病予防に役立ちます。
また、水溶性食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり菌数を増やしてくれるため、腸内環境の改善にもつながります。便秘対策としてオクラを取り入れるとよいでしょう。

カルシウム:骨や歯を丈夫にする

カルシウムは骨や歯の材料となるミネラルであり、骨や歯を丈夫にするために欠かせません。また、神経や筋肉の働きにも重要な栄養素です。

おすすめの調理法

オクラのおすすめの調理法は、サッと加熱することです。よく噛んで食べられるだけでなく、ビタミンCなどの水溶性の栄養素の流出も防ぎます。

茹で時間は1分ほど短くして、和え物やサラダ、カレーのトッピングなどに活用しましょう。

むくみ対策に取り入れたい「かぼちゃ」

かぼちゃの旬は、夏頃と秋~冬頃の2回あります。夏は収穫が盛んな時期であり、秋から冬は貯蔵したかぼちゃの甘みが増す時期です。夏のかぼちゃは比較的さっぱりとした味わいであるため、食欲が低下しがちな暑い時期にぴったりです。

かぼちゃを選ぶ際は、皮にツヤがあり、硬いものを選びましょう。カットされたものは種が詰まっていて鮮やかな黄色のものを選ぶと、味の濃いかぼちゃを選べます。

栄養素

かぼちゃの優れた栄養素には、β-カロテンとカリウムがあります。100 gあたりの含有量は、β-カロテンが2500 μg、カリウムは430 mgであり、夏野菜の中でもトップクラスです。

他は、カルシウム(22 mg/100 g)、食物繊維(3.5 g/100 g)、ビタミンC(43 mg/100 g)なども含み、栄養がたっぷりと詰まっています。

期待される機能

かぼちゃには下記の機能が期待されます。

カリウム:むくみの予防や解消

カリウムにはナトリウムの排出を促す作用があります。ナトリウムはむくみの原因となるナトリウムを排出する作用があるため、むくみの予防や解消にカリウムは欠かせません。夏は冷房の使用により体が冷えてむくみやすい時期です。体を温めるのと同時に、カリウムを摂ることでもむくみ解消が期待できます。

β-カロテン+ビタミンC:口の健康づくり

口の粘膜を守るβ-カロテン(ビタミンA)やビタミンCにより、口の健康づくりにも役立ちます。

おすすめの調理法

かぼちゃに含まれるβ-カロテンをムダなく摂るなら、油と一緒に調理する方法がおすすめです。油とあわせることで、β-カロテンの吸収を助けてくれます。

また、硬いかぼちゃの調理が苦手な方は、冷凍のかぼちゃを使用してもOKです。急速冷凍により栄養素の損失が少なくなるよう工夫されていることや、栄養が豊富な旬の時期に冷凍されることから、冷凍カボチャでも栄養補給にしっかりと役立ってくれます。

夏野菜を使った「カラフル夏野菜カレー」のレシピ

夏野菜をたっぷり使ったカレーのレシピを紹介します。

夏野菜の栄養を摂れるだけでなく、シャキシャキとした歯ごたえでよく噛んで食べられる点もポイントです。しっかり噛むことで歯や顎へのよい刺激となったり、唾液の分泌を促して口の中をきれいに保ってくれたりします。

また油を使って調理しているため、野菜のβ-カロテンを効率よく摂れます。さらに、豚ひき肉を使う点もポイントです。疲労対策として取り入れたいビタミンB1や、カルシウムの吸収を助けて骨や歯を丈夫にするビタミンDも強化できます。

彩りもよく、スパイスの香りが食欲をそそるため、夏バテ対策としてもおすすめのレシピです。

それでは作り方を紹介します。

<材料>(2人分)

  • 豚ひき肉:100 g
  • 玉ねぎ:1/2個
  • トマト:1個
  • オリーブ油:大さじ1/2
  • 水:150 ml
  • ケチャップ:大さじ1/2
  • ウスターソース:大さじ1/2
  • カレールウ:1/4箱(50 g)
  • 【トッピング用】
  • トマト、ゴーヤ、かぼちゃ、なす:4切れずつ
  • オクラ:2本
  • サラダ油:適量

<作り方>

  1. 玉ねぎはみじん切り、トマトは1 cmの角切りにします。トッピング用のトマトは薄く切り、ゴーヤ、かぼちゃは5 mmの厚さに切り、なすは1 cmの輪切りにします。オクラは塩(分量外)をふってまな板でこするようにして産毛をとり、硬い部分をとって縦半分に切ります。
  2. フライパンにオリーブ油を入れ中火で熱し、玉ねぎ、ひき肉を炒めます。ひき肉の色が変わったらトマトを加えてサッと炒め、水を加えます。沸騰したら弱火にし、ふたをして10分煮込みます。
  3. いったん火を止めてカレールウを入れて溶かし、再度火をつけて弱火で5分煮込みます。
  4. フライパンにサラダ油を多めに入れて中火で熱し、ゴーヤ、かぼちゃ、なす、オクラを入れて、両面揚げ焼きにし、油をよく切ります。
  5. 器にご飯を盛り、3のカレーをかけ、4の野菜、トマトをトッピングします。

夏野菜で夏を元気に乗り切ろう!

栄養豊富な夏野菜を取り入れることで、健康や美容にうれしいさまざまな効果が期待できます。夏野菜はみずみずしく、食欲が落ちていても食べやすいのもうれしいポイントです。ぜひ毎日の食事に夏野菜を取り入れて、夏を元気に乗り切りましょう!

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
ホームページ>
https://hirotachihiro.com/
Instagram>
https://www.instagram.com/chihiro_eiyo/

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