【ヘルシーレシピ】春が旬の野菜はどんな栄養素が豊富?おすすめ野菜の効能やレシピを紹介【管理栄養士監修】

【ヘルシーレシピ】春が旬の野菜はどんな栄養素が豊富?おすすめ野菜の効能やレシピを紹介【管理栄養士監修】

(2024年2月21日公開)
春の訪れを感じさせる旬の野菜たちは、どれも栄養豊富なものばかりです。春野菜の中でも、特に栄養素が豊富なものは、アスパラガス、たけのこ、セロリなどがあります。
今回の記事では、これらの野菜に含まれる栄養素や、その成分に期待できる効能について解説します。また、おすすめの食べ方や春の味わいを楽しめる簡単レシピも紹介するため、ぜひ最後までチェックしてみてください。

               

抗酸化成分がたっぷり「アスパラガス」

アスパラガスは、3~6月頃の春から初夏にかけてが旬です。アスパラガスはハウス栽培で1年中手に入りやすくなりましたが、旬のものは特に甘みがあるのが特長です。

新鮮でおいしいアスパラガスを選ぶなら、穂先が締まっているもの、緑が鮮やかなもの、太くまっすぐ伸びているものを選ぶようにしましょう。

栄養素

アスパラガスは、カリウム(270 mg/100 g)、ビタミンA(31 µg/100 g)、ビタミンC(15 mg/100 g)、食物繊維(1.8 g/100 g)などの栄養素を含みます。

ほかにも特徴的な成分に、グルタチオン、アスパラギン酸などがあります。

期待される効能

アスパラガスに含まれる栄養成分には、下記の効能が期待されています。

ビタミンC:歯と口の健康づくりに役立つ

アスパラガスに含まれるビタミンCは、歯と口の健康を守るために欠かせない栄養素です。

抗酸化作用により歯ぐきを炎症から守るだけでなく、ビタミンCはコラーゲンの生成に関わるため、歯ぐきの修復を助けて歯周病の予防にもつながります。

グルタチオン:美肌づくりをサポート

アスパラガスには、アミノ酸の一種であるグルタチオンが含まれます。グルタチオンは、アスパラガスの穂先に多く含まれており、美容や健康づくりに注目の成分です。

グルタチオンには強い抗酸化作用があり、老化防止に役立ったり、動脈硬化やがんを防いだりする働きが期待されています。

アスパラギン酸:アスパラガスが名前の由来

必須アミノ酸の一つであるアスパラギン酸は、アスパラガスから見つかった成分です。アスパラガスのうまみや甘みを作っている成分であり、タンパク質の合成に関わる働きがあります。

ほかの野菜に比べて必ずしもアスパラガスに多いわけではありませんが、疲労回復や脳の働きにも関与するなど、私たちにとって欠かせない成分です。

おすすめの調理法

アスパラガスの栄養成分をムダなく摂るなら、サッと加熱調理することがポイントです。歯ごたえが残る程度にすることで、加熱に弱いビタミンCの損失を防げます。

また、アスパラガスの根元は、どこまで食べられるかわかりづらいかもしれません。手で折ったときに自然にポキっと折れる、根元から2~3 cmほどのところが、食べられる部分とそうでない部分の境目です。

硬い部分は筋が多く、加熱しても食べづらいため、食べられない部分をしっかり見極めるようにしましょう。

繊維と糖で腸内環境を整える「たけのこ」

たけのこの中でも、一般的な品種であるモウソウチクの旬は3~5月です。ほかのマダケやハチクなどの品種も、春頃に旬を迎えます。

皮付きのものが手に入ったら、すぐに茹でることがおいしく食べるポイントです。時間が経つとえぐみが出やすくなってしまいます。

穂先が開いておらず黄色のもので、切り口がみずみずしいもの、赤い斑点がないものがおいしいたけのこの証拠です。また、根元に赤い斑点がないかどうかもチェックしてみましょう。

栄養素

たけのこはカリウム(470 mg/100 g)や亜鉛(1.2 mg/100 g)を含み、野菜の中でもタンパク質(3.5 g/100 g)が多くなっています。

ほかにも食物繊維(3.3 g/100 g)やオリゴ糖を含み、腸内環境を整えるのに役立ちます。

期待される効能

たけのこに含まれる栄養素に期待される効能を紹介します。

食物繊維:便通をよくする

たけのこに含まれる食物繊維は、不溶性食物繊維であるセルロースやヘミセルロースが多くなっています。不溶性食物繊維は便の材料となり、腸を刺激して便通をスムーズにしてくれます。

また、不溶性食物繊維を多く含むと、シャキシャキとした歯ごたえになるのもポイントです。よく噛んで食べられるため、唾液分泌を促して口の健康を守るのにも役立ちます。

オリゴ糖:腸内環境を整える

たけのこにはキシロオリゴ糖という、オリゴ糖の一種が含まれます。オリゴ糖は腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えるのを助けて腸内環境を整えてくれます。

腸内環境を整えると、便通が整ったり、免疫機能が向上したりするなど、うれしいメリットがあります。

おすすめの調理法

皮付きのたけのこが手に入ったら、すぐに下茹でをして、アクを抜きましょう。米ぬかや米と一緒に茹でると、アクが抜けやすくなります。皮付きのまま40~50分ほど茹で、そのまま冷ませばOKです。

腸内で善玉菌として働く乳酸菌を一緒に摂ると、より腸内環境を整えるのに役立ちます。発酵食品である味噌やチーズを組み合わせたメニューにしたり、ヨーグルトを一緒に食べたりするとよいでしょう。

独特な香り成分でリラックス「セロリ」

セロリの旬は1~5月頃の冬から春にかけてで、もっとも収穫が多いのは3月頃となっています。

セロリを選ぶ際は、葉がみずみずしいもの、茎が肉厚のものを選ぶようにしましょう。茎が白いものはやわらかい傾向があり、緑の濃いものは香りが強い傾向があります。

栄養素

セロリにはカリウム(410 mg/100 g)や食物繊維(1.5 g/100 g)といった栄養素が含まれます。

特に野菜の中でもカルシウム(39 mg/100 g)が豊富で、アピインという特徴的な香り成分も含まれています。

期待される効能

セロリに含まれる栄養素や成分には、下記の効能が期待されています。

カルシウム:骨と歯の材料になる

セロリは野菜の中でもカルシウムが多く、日本人に不足しがちなカルシウム補給に役立つ野菜です。

カルシウムは骨や歯の材料となるため、丈夫な歯を作るのはもちろん、歯を支える骨の強度を維持するのにも欠かせないため、歯の健康づくりにも大切です。

アピイン:心の健康維持に

セロリのさわやかな香りは、アピインという精油成分によるものです。

精神を安定させ、いらいらや不安感などの解消が期待されているため、心の健康維持に取り入れてみるのもよいでしょう。

おすすめの調理法

セロリの栄養素をムダなく摂るなら、生で食べるのがおすすめです。生で食べることで、ビタミンCやカリウムなどの、熱に弱く、水に溶け出やすい栄養素の損失を防ぎます。

また、セロリの葉の部分も、ぜひ食べるようにしましょう。葉の部分には、精油成分であるアピインやβ-カロテン、食物繊維などが豊富に含まれています。

葉の部分はアピイン由来の香りが強いため、しっかり味のつくだ煮にしたり、香りを活かしてふりかけにしたりすると、食べやすくなるでしょう。

春野菜をたっぷりとれる「たけのことアスパラのだしバターご飯」のレシピ

春野菜であるたけのことアスパラガスを使った、だしとバターが香る炊き込みご飯のレシピを紹介します。味付けはめんつゆを使い、バターを使ってコクをプラスします。

また、たけのことアスパラガスのシャキシャキとした食感が絶妙なアクセントになります。よく噛んで食べられるので唾液分泌を促して、口の粘膜を保護したり、細菌の繁殖を防いでくれたりと、口の健康を守るのにもうれしい効果が期待できます。

<材料>(4人分)

  • 米:2合
  • 鶏もも肉(こま切れ):150g
  • たけのこ(茹で):1個(約150g)
  • アスパラガス:2本
  • めんつゆ(3倍濃縮):大さじ3
  • 酒:大さじ1
  • バター:10g

<作り方>

  1. 米は洗い、炊飯釜に入れて2合の目盛りのやや下になるように水加減し、そのまま20~30分浸水させます。
  2. たけのこは1cm角に切ります。アスパラガスは硬い部分を除いて、サッと塩茹でして冷水にとり、1cm幅に切ります。
  3. 1にめんつゆ、酒を入れてサッと混ぜ、鶏もも肉、たけのこを載せて炊きます。
  4. 3が炊き上がったら、アスパラガス、バターを加えて混ぜ合わせ、器に盛ります。

<ポイント>

アスパラガスは最後に混ぜ込むことで、食感や香りを残し、色味が悪くなるのを防ぎます。お好みで黒こしょうをふっても、アクセントになりおすすめです。

さわやかで栄養豊富な春野菜をぜひ取り入れて!

春野菜は春の訪れを感じさせてくれる、さわやかな味わいが特長でもあります。さまざまな栄養素を豊富に含むため、旬の時期はぜひ取り入れてほしいものです。
春は寒暖差が激しく、体調が整いづらくなる時期です。ぜひ栄養豊富な春野菜を取り入れて、体調管理に役立ててくださいね。

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
ホームページ>
https://hirotachihiro.com/
Instagram>
https://www.instagram.com/chihiro_eiyo/

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