この記事では、2月が旬の食材の栄養価や効能を解説します。また、旬の食材をたっぷり使った、スタミナアップを期待できる簡単レシピを紹介します。
2月が旬のにら、なばな、キウイは栄養価が高く、寒い時期にうれしい働きが期待できます。寒さを乗り切り健康を守るために、旬の食材を活用しましょう。
香り成分による健康効果を期待「にら」
にらの旬は、1〜5月の冬から春にかけてです。にらは通年手に入りますが、冬は寒さに耐えるため葉がやわらかく、風味もよくなります。
にらは葉の緑色が鮮やかで、葉先がしおれておらずピンと張っているものが新鮮な証拠です。葉の幅が広く、肉厚なものがおいしいにらです。
栄養素
にらはカリウム(510 mg/100 g)、食物繊維(2.7 g/100 g)などの栄養素を含みます。
また、「ビタミンエース」と呼ばれるビタミンA(290 μg/100 g)、ビタミンC(19 mg/100 g)、ビタミンE(2.5 mg/100 g)の含有量が豊富です。
ほかにも、アリシンという成分を含み、さまざまな効果が期待されています。
期待される効能
にらに含まれる栄養素と成分には、下記の効能が期待できます。
アリシン:スタミナアップを期待
にらに含まれるアリシンにより、スタミナアップが期待できます。
アリシンとは、強い香りを持つにらの香り成分です。アリシンはビタミンB1の吸収を助けることや、食欲増進に役立つことから、スタミナをつけたいときにぴったりだと考えられています。
また、アリシンは消化液の分泌を促して、消化を助ける働きも期待されています。
食欲がないときや、スタミナをつけたいときに取り入れると良いでしょう。
ビタミンA・C・E:抗酸化作用
ビタミンA・C・Eは高い抗酸化作用を持っています。
抗酸化作用とは、体内に過剰に発生した活性酸素を取り除いたり、働きを抑えたりする作用のことです。過剰な活性酸素は細胞を傷つけ、がん、動脈硬化、免疫機能の低下、老化などの原因となることが知られています。
健康づくりだけでなく美容にも役立つため、積極的に取り入れたい栄養素です。
おすすめの調理法
にらに含まれるアリシンは熱に弱いため、ムダなく摂りたい場合は生で食べたり、サッと加熱したりすると良いでしょう。
ただし、アリシンは強烈なにおいを持つ成分です。生でたくさん食べると口臭や体臭の原因となるおそれがあるため、においが気になる場合は加熱しましょう。
加熱するとアリシンが減るので「健康効果が薄れるのでは?」と思うかもしれません。しかし、アリシンは加熱によりスコルジニンという成分に変化し、新陳代謝を促すなどの作用が期待できます。
加熱してもしなくても健康効果が期待できるため、さまざまな食べ方を楽しむと良いでしょう。
春の訪れを感じさせる「なばな」
菜の花などのつぼみ、花茎、若葉を「なばな」といい、1〜3月の春先に旬を迎えます。春の訪れを感じさせる野菜で、ほろ苦さや豊かな風味が特徴です。
なばなは、つぼみが硬く、花が開いていないものがおいしいサインです。また葉先がしおれておらず、葉や茎の緑色が鮮やかな新鮮なものを選びましょう。
栄養素
なばなには、カルシウム(160 mg/100 g)、ビタミンC(130 mg/100 g)、食物繊維(4.2 g/100 g)、葉酸(340 μg/100 g)など、さまざまな栄養素が含まれます。
特に鉄(2.9 mg/100 g)が豊富で、ほうれん草(2.0 mg/100 g)の約1.5倍の含有量です。
期待される効能
なばなに含まれる栄養素は、健康づくりに欠かせないものばかりです。どのような働きか、見てみましょう。
鉄:貧血を防ぐ
なばなに含まれる鉄は、赤血球中のヘモグロビンの材料となり、貧血を防ぎます。
貧血になると全身に酸素が運搬されにくくなり、頭痛やめまい、疲れやすさ、集中力の低下、歯ぐきのトラブルなどのさまざまな症状を起こすおそれがあります。
また、貧血により冷えの原因になることもあるため、寒さの厳しい時期は特に貧血対策が重要です。
葉酸:体の成長をサポートする
葉酸はDNAやタンパク質の合成に必要で、細胞の増殖に関わっています。そのため、細胞が盛んに増える、妊娠中や成長期の子どもに欠かせない栄養素です。
ほかにも、赤血球の分裂にも関わり、正常な赤血球を作るのに欠かせないため、貧血を防ぐ役割もあります。
おすすめの調理法
なばなに含まれる鉄は、植物性の食品に含まれる「非ヘム鉄」です。動物性タンパク質と合わせて摂ると吸収されやすくなるため、卵、肉、魚などと組み合わせて食べましょう。
また、ビタミンCや葉酸は水溶性であるため、水に長時間つけたり、長く茹でたりすると損なわれてしまいます。茹でる際はサッと加熱するようにすると、栄養素をムダなく摂取できます。
品種が豊富で味わい豊か「キウイ」
国産のキウイは11〜4月が旬です。輸入キウイの旬は5〜12月頃であり、出回る時期が異なるため、1年を通してキウイを楽しめるようになっています。
以前、国産キウイは「酸っぱい」というイメージを持たれることもありましたが、最近では追熟技術の向上により、甘みのあるキウイが出回るようになりました。また、国産キウイは品種が豊富なため、さまざまな味わいを楽しめます。
キウイは、果皮の産毛が密についており、太くてずっしりとしたものがおいしいものです。また、やさしく触った際に、弾力のあるものは熟していて甘いサインです。
栄養素
キウイはカリウム、ビタミンC、食物繊維などの栄養素を豊富に含みます。グリーンとゴールドで含有量が異なります。
【色によるキウイの栄養成分値の違い(100 gあたり)】
|
グリーン |
ゴールド |
エネルギー |
51 kcal |
63 kcal |
カリウム |
300 mg |
300 mg |
ビタミンC |
71 mg |
140 mg |
食物繊維 |
2.6 g |
1.4 mg |
出典:文部科学省「
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
グリーンは食物繊維、ゴールドはビタミンCの含有量が優れているため、摂取したい栄養素によって種類を選んでも良いでしょう。
ほかにもキウイは、アクチニジンという成分を含むのが特徴です。
期待される効能
キウイに含まれる栄養素・成分には、下記の効能が期待できます。
アクチニジン:消化を助ける
キウイに含まれるアクチニジンはタンパク質分解酵素の一種であり、食べ物の消化をサポートしてくれると考えられています。
タンパク質を含む肉や魚を食べるときや食後に、胃もたれ防止を期待してキウイをとるのも良いでしょう。
ビタミンC:健やかな肌を作る
ビタミンCはコラーゲンを作る際に欠かせない栄養素です。乾燥する時期の肌のトラブル防止はもちろん、歯ぐきの健康維持にも役立ちます。
おすすめの食べ方
キウイは皮ごと食べられる果物のため、食物繊維をよりたくさん摂りたい場合は、皮ごと食べると良いでしょう。産毛が気になる際は、丸めたアルミホイルでやさしくこすり落とすと、気になりにくくなります。特に皮の薄いゴールドキウイは、皮ごと食べやすいでしょう。
また、キウイが硬い場合は、追熟させることで甘みが増しておいしくなります。より速く追熟させたいなら、追熟を促す「エチレンガス」を発生させるバナナやりんごと一緒にポリ袋に入れて保存しましょう。
2月が旬の食材を使った「スタミナ満点カレーにらだれ」のレシピ
2月が旬のにらを使った「スタミナ満点カレーにらだれ」のレシピを紹介します。
スタミナアップが期待できるにらを使った、スパイシーで食欲をそそるカレー風味の万能だれです。冷ややっこや温奴、蒸し鶏、チキンソテー、豚しゃぶなど、さまざまな料理によく合います。
にらは生のまま食べるので、アリシンや水溶性の栄養素をムダなく摂れるのがうれしいポイントです。ごま油を使うため、脂溶性であるビタミンA・Eの吸収率も高まります。
また、抗酸化作用のあるビタミンをたっぷり摂れるため、口の健康維持にも役立ちます。
<材料>(約8~10食分)調理時間:5分(漬け込む時間は除く)
- にら:1束
- (A)しょうゆ:大さじ4
- (A)酢:大さじ2
- (A)砂糖:大さじ2
- (A)ごま油:大さじ1
- (A)カレー粉:小さじ2
<作り方>
- にらは2〜3 mm幅に刻みます。
- 保存容器やボウルに(A)を入れてよく混ぜ、1を入れます。10分ほど置いて、再びよくかき混ぜます。
<ポイント>
10分ほど置くと、にらから水分が出て味がなじみます。
10分ほどで食べられますが、さらに半日ほど置くと、より味がなじみます。冷蔵庫で保存し、3〜4日を目安に食べ切りましょう。
にらは生のまま食べると辛みや刺激が強いため、お子さんが食べづらい場合は、完成したにらだれを取り分けて、電子レンジでよく加熱しましょう。また、カレー粉を控えめにすると、さらに食べやすくなります。
寒い時期を栄養価の高い旬の食材で乗り切ろう
2月の寒い時期の体調管理には、栄養価の高い旬の食材が大活躍してくれます。積極的に取り入れて、暖かな春を迎えましょう。