【ヘルシーレシピ】秋に旬を迎える野菜は栄養豊富!健康や美容への効能とおすすめレシピ【管理栄養士監修】

【ヘルシーレシピ】秋に旬を迎える野菜は栄養豊富!健康や美容への効能とおすすめレシピ【管理栄養士監修】

(2023年10月13日公開)
秋が旬の野菜やきのこは、おいしいだけでなく栄養素も豊富です。健康へのうれしい効能はもちろん、美容面にもうれしい働きが期待できます。この記事では、秋野菜の中でも栄養豊富なさつまいも、ごぼう、れんこん、きのこをピックアップして、特長や期待される効能を解説します。また秋の食材をたっぷりと使った、健康や美容にうれしいレシピもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

               

歯の健康や腸活にぴったり「さつまいも」

さつまいもの旬は10~1月頃の、秋から冬にかけてです。秋のさつまいもはホクホクとしていて甘く、まさに秋の味覚の代表です。
さつまいもは、皮の色があざやかで、傷や黒ずみがないものを選びましょう。皮の状態がよいものは、健康に育っているサインといわれています。

栄養素

さつまいも(皮つき)はビタミンC(25 mg/100 g)や食物繊維(2.8 g/100 g)が豊富です。ビタミンCは通常、加熱により壊れてしまいやすいのですが、さつまいもに含まれるビタミンCは、でんぷんに守られているため熱に強いのが特長です。
ほかにも、カリウム(380 mg/100 g)を含み、血圧を下げるのに役立ったり、むくみを解消したりするなど、健康づくりや美容に役立つ効能が期待できます。

期待される効果

さつまいもを取り入れることで期待できる効能はどのようなものがあるのか、見てみましょう。

ビタミンC:歯と口の健康を守る

ビタミンCには、強い抗酸化作用があり、炎症によって生じる酸化ストレスから歯ぐきを守る効果が期待できます。また、ビタミンCはコラーゲンの生成にも関わるため、歯ぐきの修復を助けて、歯周病の予防にも役立ちます。
コラーゲンの生成は肌の健康を守る働きもあります。さらに、ビタミンCは免疫機能の維持にも関わっています。寒く乾燥する季節は、意識して取り入れたい栄養素です。

食物繊維(レジスタントスターチ):腸内環境を整える

さつまいもは食物繊維だけでなく、レジスタントスターチも含むため、腸内環境を整える働きが期待できます。
レジスタントスターチとは「難消化性でんぷん」ともいわれ、食物繊維と同様の働きをすることが知られています。腸内で善玉菌のエサとなり腸内環境を良好に保ってくれることから、食物繊維の働きを後押しし、腸活に良いとして注目が集まっている成分です。
また通常、でんぷんはエネルギー源となる栄養素ですが、レジスタントスターチは小腸の消化酵素で分解しにくいためエネルギーになりにくく、ダイエットにもよいとされています。

おすすめの調理法

さつまいもの食物繊維をたっぷり摂るなら、皮ごと調理するのがおすすめです。100gあたりの食物繊維は、皮なしは2.2 gに比べ、皮つきは2.8 gであり、皮つきのほうがたっぷり食物繊維を摂れます。
また、食物繊維やレジスタントスターチは善玉菌のエサとなるため、善玉菌となるものを一緒に摂取しましょう。例えばヨーグルトやチーズに含まれる乳酸菌は、腸内で善玉菌として働き、腸内環境を整えるのに役立ちます。さつまいもと一緒のタイミングで食べたり、サラダや和え物などのメニューにしたりするとよいでしょう。

生活習慣病対策や美容にもうれしい「ごぼう」

ごぼうがもっとも出回る時期は、10~12月頃です。
おいしいごぼうを選ぶなら、まっすぐでひげ根が少なく、太すぎないものにしましょう。ひげ根が多いと筋っぽい場合や、太すぎると「す」という空洞が入っている場合があり、食感が悪くなってしまいます。注意してチェックしてみてください。

栄養素

ごぼうは特に食物繊維(5.7 g/100 g)が豊富です。水溶性食物繊維であるイヌリンや、不溶性食物繊維であるリグニンを含み、健康によいさまざまな働きをしてくれます。
ほかにも、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸やタンニン、カリウム(320 mg/100 g)、カルシウム(46 mg/100 g)、鉄(0.7 mg/100 g)なども含まれます。

期待される効能

ごぼうを食べることで、さまざまな効能が期待できます。

水溶性食物繊維(イヌリン):血糖値の上昇を抑える

水溶性食物繊維であるイヌリンは、糖の吸収を妨げて、血糖値の上昇を穏やかにする働きがあります。血糖値が気になる方は、ごぼうのような水溶性食物繊維を含む食べ物をたっぷり食べることが大切です。

不溶性食物繊維(リグニン):腸内環境を整える

不溶性食物繊維であるリグニンは、便の材料となり腸を刺激して排便を促してくれます。ごぼうを食べることで、便秘を解消して、腸内環境を整える働きが期待できます。
また不溶性食物繊維を多く含むことで、シャキシャキとした歯ごたえになるのも特長です。よく噛むことを促されるため、満腹中枢を刺激して食べすぎ防止にもつながります。さらに唾液分泌を促して、口の健康を守るのにも役立ってくれるでしょう。

クロロゲン酸・タンニン:抗酸化作用・美肌づくり

ごぼうに含まれる「アク」は、クロロゲン酸やタンニンというポリフェノールの一種です。強い抗酸化作用を持つといわれ、肌のたるみやシワの原因を作る「活性酸素」の発生を抑える作用が期待されています。

おすすめの調理法

ごぼうは調理する際に水にさらしてアク抜きをすることがありますが、栄養成分をムダなく摂りたい場合は、アク抜きをしなくてもOKです。先ほどお伝えしたクロロゲン酸やタンニンはアクの成分であるため、アク抜きをすると減ってしまいます。
アク抜きをするのは、えぐみや変色を抑えるためですが、アクは食べても問題のない成分です。油と一緒に調理するとアクが気になりにくくなるため、きんぴらや炒め煮などにするとよいでしょう。
もし色味をきれいに仕上げたい場合やえぐみが気になる場合は、水にさっと浸ける程度にしてみてください。

むくみ解消や食べすぎ防止に「れんこん」

れんこんは9月頃から出回りはじめ、10~12月頃が旬となります。
れんこんを選ぶ際は、表面に傷や色ムラがなく、持ったときに重みを感じるものを選びましょう。カットされたものであれば、画像のように、穴の中が黒くなっておらず穴のサイズがそろったものがおいしいれんこんといわれています。

栄養素

れんこんは、特にカリウム(440 mg/100 g)、ビタミンC(48 mg/100 g)を豊富に含み、歯と口や全身の健康づくり、美容に役立ってくれます。
ほかにも、ごぼうと同様にポリフェノールの一種であるクロロゲン酸やタンニン、食物繊維(2.0 g/100 g)を含みます。

期待される効能

れんこんを取り入れることで、さまざまな効能が期待できます。

カリウム:むくみ解消

むくみの原因のひとつにナトリウム(塩分)の摂りすぎがあります。カリウムはナトリウムを排出する働きがあるため、むくみの解消に役立ちます。
すっきりとした顔や手足を目指したい場合は、カリウムを含むれんこんのような食べ物を意識して摂取しましょう。

ビタミンC・食物繊維:歯と口の健康を守る

ビタミンCは歯ぐきの修復を助ける働きがあり、食物繊維は噛む回数を増やして唾液の分泌を促す働きがあることから、歯と口の健康を守るのに役立ちます。
さらには、よく噛むことで食べられるため、食べすぎ防止にもぴったりの食材です。

おすすめの調理法

れんこんに含まれるカリウム、ビタミンC、ポリフェノールは水溶性の成分のため、長時間アク抜きをすると流れ出てしまいます。アクは食べても問題のない成分のため、これらの栄養成分をムダなく摂りたい場合は、アク抜きをしないか、1~2分ほどの短時間で済ませるようにするとよいでしょう。
また歯ごたえが残るよう、大きめにカットすると噛む回数を増やせるため、食べすぎ防止になり、唾液の分泌も促してくれます。

丈夫な骨や歯を作る「きのこ」

1年を通して手に入りやすいきのこですが、本来の旬は10~12月頃です。
おいしいきのこのサインは、弾力があり、カサが開きすぎていないものです。ほとんどのきのこに共通する見分け方なので、ぜひチェックしてみてください。

栄養素

きのこに共通して豊富な栄養素は、β-グルカンなどの食物繊維(3.0~4.9 g/100 g)やビタミンD(0.3~4.9 µg/100 g)があります。
ほかにも、カリウム(230~370 mg/100 g)を含み、カロリー(22~34 kcal/100 g)が低いことから、美容やダイエットにも役立ちます。

期待される効能

きのこに共通して期待される効能について、詳しく紹介します。

ビタミンD:骨や歯を丈夫にする

ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるため、骨や歯を丈夫にしてくれます。
きのこの中でも、特にまいたけ(4.9 µg/100 g)に豊富です。
日本人の平均的なビタミンD摂取量は男女ともに不足気味です。またビタミンDは紫外線により生成される性質もあり、紫外線ケアをしている女性は特に不足の心配があるとされています。
ビタミンD不足は、骨折や寝たきりを起こす恐れのある骨粗しょう症の原因のひとつとなります。ビタミンDは野菜や果物には含まれない栄養素です。きのこ以外では、魚介類にも多く含まれています。

β-グルカン:腸内環境を整える・がんを防ぐ

きのこに含まれるβ-グルカンは、きのこの細胞壁を構成している成分です。腸内環境を整えたり、免疫力を高めてがんを予防したりする働きが期待されています。

おすすめの調理法

きのこはカルシウムを含む食べ物と組み合わせるようにしましょう。きのこに含まれるビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるため、効率的に栄養補給できます。
カルシウムを含む食べ物は、牛乳やチーズなどの乳製品、小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜、煮干しや小あじなどの小魚があります。きのことほうれん草の入ったグラタンや、小松菜ときのこの炒め物などのメニューがよいでしょう。

歯にも美容にもうれしい「鮭と根菜のシャキシャキ甘酢炒め」のレシピ

秋が旬の鮭、さつまいも、ごぼう、れんこん、しいたけを使った甘酢炒めのレシピを紹介します。
鮭はカルシウムとビタミンDを共に多く含んでいます。しいたけにもビタミンDが含まれるため、合わせて摂ることで歯や骨の健康づくりを支える栄養素を補給できます。
また鮭に含まれるアスタキサンチンは、抗酸化作用のある成分です。さつまいもに含まれるビタミンCの抗酸化作用を後押ししてくれ、美肌や口の健康を守るのに役立ってくれます。
さらに、よく噛んで食べられるよう、ごぼうやれんこんは食感を残すように工夫しています。唾液の分泌が促されたり、食べすぎ防止になったりとうれしい効果が期待できるため、口や歯の健康づくりや、ダイエットにもぴったりのレシピです。

<材料>(2人分)

  • 鮭:2切れ
  • ごぼう:1/2本
  • さつまいも:1/2本
  • れんこん:1/2節
  • 生しいたけ:2枚
  • 塩、こしょう:少々
  • 片栗粉:適量
  • サラダ油:適量
  • (A)酢:大さじ1
  • (A)しょうゆ:大さじ1
  • (A)砂糖:大さじ1
  • 白いりごま:適量
  • 小ねぎ:適量

<作り方>

  1. 鮭は一口大に切り、塩、こしょうをふり片栗粉をまぶします。ごぼうは 5mm幅の斜め切り、さつまいもは皮付きのまま7~8 mmの半月切り、れんこんは7~8 mmの半月切りにします。
  2. フライパンにサラダ油を入れ弱めの中火で熱し、鮭を両面こんがりと焼きます。中まで火が通ったらいったん取り出します。
  3. 2のフライパンの汚れを軽くふき取り必要に応じてサラダ油を足し、ごぼう、さつまいも、れんこんを入れて表面に焼き色をつけます。水50ml(分量外)を入れてふたをして、3分蒸し焼きにします。
  4. 水気が残っていたら火を強めて飛ばし、2の鮭を戻し入れ(A)を回し入れて照りが出るまで炒め合わせます。器に盛り、いりごま、小口切りにした小ねぎを散らします。

<ポイント>

小さなお子様がいる場合は、蒸し焼きにする時間を5~6分ほどと長めにして、やわらかくなるようにしましょう。水気がなくなったら水を大さじ1ほど足してください。

栄養豊富な秋の食材をおいしく楽しもう!

秋が旬の野菜やきのこは、歯や口、全身の健康づくりや、美容にうれしい効能が期待できるものばかりです。ぜひ積極的に取り入れて、秋の実りを楽しみながら健康づくりに活かしましょう。

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
ホームページ>
https://hirotachihiro.com/
Instagram>
https://www.instagram.com/chihiro_eiyo/

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