【ヘルシーレシピ】7月が旬の野菜は美容や健康にうれしいものばかり!効能や簡単レシピ【管理栄養士監修】

【ヘルシーレシピ】7月が旬の野菜は美容や健康にうれしいものばかり!効能や簡単レシピ【管理栄養士監修】

7月が旬である、なす、きゅうり、パプリカは、夏に摂りたい栄養素や成分を含み、健康づくりや美容に役立つ野菜です。
この記事では、7月が旬の野菜の特徴や栄養素、期待される効能について解説します。また、旬の野菜を使った、栄養豊富で食が進む簡単レシピも紹介します。

               

色素成分であるナスニンを含む「なす」

なすは1年中出回っていますが、夏が旬の野菜です。出荷量は7〜8月頃にピークを迎えます。
「なすの旬は夏と秋の2回ある」と聞いたことがあるかもしれません。これは、9月に入ると出回る「秋なす」と呼ばれる種類があるためです。夏のなすはみずみずしさが特徴ですが、秋のなすは皮が薄くやわらかく実が引き締まっており、味わいの違いを感じられます。そのため、旬が2回あるといわれているのです。

夏・秋ともに、なすを選ぶ際は皮にハリとツヤがあるものにしましょう。ヘタの切り口がみずみずしいものは新鮮なサインです。

栄養素

なすはカリウム(220 mg/100 g)、食物繊維(2.2 g/100 g)、葉酸(32 µg/100 g)などの栄養素を含みます。なかでも、特徴的な成分にナスニンがあります。

なすは水分が多いため、栄養素がずば抜けて豊富とはいえません。しかし、水分が多いためにカロリー(18 kcal/100 g)が低いのが魅力です。ダイエット中の方や、糖質を控えたい方にもおすすめできるといえるでしょう。

期待される効能

なすに含まれる成分や栄養素には、下記の効能が期待されています。

ナスニン:抗酸化作用

ナスニンは、なすの皮に含まれる特有の色素成分です。ポリフェノールの一種であり、抗酸化作用があります。

抗酸化作用とは、活性酸素の働きを抑えたり、取り除いたりする作用を指します。活性酸素が体内に過剰に発生すると、細胞を傷つけて、老化やがん、動脈硬化、免疫機能の低下を引き起こすといわれています。

美容や健康づくりはもちろん、歯と口の健康を守るためにも、抗酸化作用を持つ成分の摂取が欠かせません。

葉酸:貧血予防に欠かせない

葉酸は細胞分裂に関わり正常な赤血球を作るため、貧血予防に欠かせない役割があります。

また、細胞分裂が盛んな時期である妊娠中や、成長期の子どもも不足することなく摂りたい栄養素です。

葉酸についてはこちらの記事で詳しくご紹介をしています。

おすすめの調理法

なすの栄養素をムダなく摂るなら、皮を剥かずに食べましょう。なすの皮にはナスニンや、食物繊維が含まれています。炒め物や汁物などは、皮ごと調理しましょう。

また、カリウムや葉酸などの水溶性の栄養素は、水に溶け出る性質があります。変色防止でなすを水にさらすことがありますが、変色が気にならない場合は必要なく、そのまま調理して問題ありません。もし水にさらしたい場合は、サッと済ませるようにしましょう。

夏にうれしい栄養素や成分を含む「きゅうり」

きゅうりはハウス栽培の普及や品種改良により、1年中手に入るようになりましたが、本来の旬は7〜9月頃の夏です。

きゅうりは表面にハリがあり、緑色の濃いものを選びましょう。太さが均一のもののほうが、おいしいといわれています。また、いぼが尖っているものは、採れたてであり新鮮です。

栄養素

きゅうりは食物繊維(1.1 g/100 g)、葉酸(25 µg/100 g)、ビタミンC(14 mg/100 g)などの栄養素を含みます。なかでも、カリウム(200 mg/100 g)やククルビタシンといった成分の良い補給源となります。

きゅうりは水分が多いため、夏の水分補給にも良いといわれています。カロリー(13 kcal/100 g)が低いため、カロリーが気になる方にも魅力的な野菜です。

期待される効能

きゅうりに含まれる栄養素や成分には、さまざまな効果が期待されています。

カリウム:むくみ解消

きゅうりに含まれるカリウムは、むくみ解消に役立ちます。カリウムは余分なナトリウムとともに水分を排出してくれるため、ナトリウムの摂りすぎによるむくみを解消してくれるのです。

また、カリウムは汗により失われやすい栄養素でもあります。よく汗をかく夏の時期に、ぴったりの野菜といえるでしょう。

ククルビタシン:食欲増進を助ける

きゅうりに含まれるククルビタシンは、苦味成分のひとつです。ククルビタシンは、その苦味で食欲の増進を助けるといわれており、食欲の低下しやすい夏の時期に良いでしょう。また、抗がん作用などの効果が期待されている成分でもあります。

ただし、きゅうりが苦すぎる場合は注意が必要です。ククルビタシンが多量に含まれている可能性があり、食中毒を起こすおそれがあります。苦味が強いと感じた場合は、食べるのを避けましょう。

おすすめの調理法

きゅうりに含まれる葉酸、ビタミンC、カリウムなどは、水に溶け出やすい性質があります。ムダなく摂りたい場合は、切った後に水にさらさずに、そのまま食べるようにしましょう。

脂溶性ビタミンであるビタミンAやビタミンEは、きゅうりにあまり入っていません。そのため、これらを豊富に含んでいるブロッコリーやほうれん草などの色の濃い野菜と組み合わせると、さまざまなビタミンをまとめて摂ることができます。

優れた栄養価を持つ「パプリカ」

輸入されたパプリカは1年中出回っていますが、本来のパプリカの旬は7〜10月頃です。以前は韓国産やオランダ産のパプリカがほとんどでしたが、最近では国産の生産量も増加してきました。

パプリカはピーマンの仲間で、カラーピーマンの一種です。大型で肉厚、苦味が少なく甘くてジューシーな味わいが特長です。パプリカはピーマンと同じように、はじめは緑色ですが、完熟することで赤や黄になります。ほかにも、オレンジや紫、白などの珍しい色もあります。

パプリカは表面にツヤとハリのあるもので、乾燥していないものを選びましょう。

栄養素

パプリカの栄養成分値は、赤と黄の2色が掲載されています。どちらもピーマンより栄養価が高いのですが、特に赤パプリカの栄養価が優れています。

赤パプリカは、カリウム(210 mg/100 g)、葉酸(68 µg/100 g)、食物繊維(1.6 g/100 g)などが豊富です。なかでもビタミンA(88 µg/100 g)、ビタミンC(170 mg/100 g)、ビタミンE(4.3 mg/100 g)の含有量は特に優れており、健康や美容に良いとされるカロテノイドも含まれています。

期待される効能

パプリカに含まれる栄養素や成分に期待される効能について見てみましょう。

ビタミンA・C・E:美容に欠かせない

パプリカに含まれるビタミンA・C・Eは「ビタミンエース」ともいわれ、美容に欠かせない栄養素です。なかでもビタミンCの含有量は、野菜や果物のなかでもトップクラスです。

ビタミンA・C・Eは抗酸化作用により、細胞を活性酸素から守ってくれ、肌の老化を防ぐのを助けてくれます。さらにビタミンCは、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑える働きが期待されています。

紫外線によるダメージを受けやすい夏の時期は、パプリカのようなビタミンの豊富な野菜を取り入れましょう。

カロテノイド:美容や健康づくりに

パプリカには色素成分である「カプサンチン(赤パプリカに多い)」、「β‐カロテン」、「ゼアキサンチン」「β‐クリプトキサンチン」などのカロテノイドが含まれています。

カロテノイドは抗酸化作用があり、ビタミンA・C・Eの働きを後押ししてくれます。美容はもちろん、健康づくりにも積極的に取り入れたい野菜といえるでしょう。

おすすめの調理法

パプリカに含まれるビタミンA、ビタミンEは脂溶性であり、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。オリーブ油やごま油などの油と一緒に調理したり、肉や魚などの脂質を含む食べ物を組み合わせたりすると良いでしょう。

また、ビタミンCは熱に弱い性質があるため、ムダなく摂りたい場合は生で食べるのがおすすめです。サラダや和え物などの料理に活用してみましょう。

7月が旬の食材を使った「夏野菜の簡単酢豚」のレシピ

7月が旬のなす、パプリカと、彩りにピーマンを加えた、カラフルな酢豚です。豚こま切れ肉を丸めて作るので、やわらかく食べやすくなっています。

油を使うので、パプリカに含まれるビタミンAやビタミンEを効率的に摂取できます。また、豚肉には夏に摂りたいビタミンB1が豊富です。酢の酸味が効いたさっぱりとした味付けで、食欲が落ちていても食べやすいため、夏バテ予防にも良いでしょう。

シャキシャキとした歯ごたえでよく噛んで食べられ、歯と口の健康づくりにも役立ちます。

<材料>(2人分)調理時間:20分

  • 豚こま切れ肉:180 g
  • なす:1本
  • パプリカ(赤):1/2個
  • パプリカ(黄):1/2個
  • ピーマン:1個
  • 塩:少々
  • こしょう:少々
  • 片栗粉:適量
  • サラダ油:大さじ2
  • (A)水:大さじ3
  • (A)ケチャップ:大さじ1
  • (A)しょうゆ:大さじ1
  • (A)砂糖:大さじ1
  • (A)酢:小さじ2
  • (A)片栗粉:小さじ1

<作り方>

  1. 豚肉は塩、こしょうをふり、一口大に丸めて片栗粉をまぶします。なす、パプリカ、ピーマンは乱切りにします。
  2. フライパンにサラダ油を入れ中火で熱し、豚肉を並べます。焼き色がついたら上下を返し、転がしながら全体に焼き色をつけます。
  3. 2になすの皮を下にして加えて1〜2分焼いたら、パプリカ、ピーマンを加えて炒め合わせます。
  4. 3の野菜に火が通ったら、余分な油をキッチンペーパーでふき取り、(A)を加えて煮絡めます。

<ポイント>

豚肉は14〜16等分の大きさに丸めると、食べやすい大きさになります。なすは皮を先に焼くと、彩り良く仕上がります。

7月が旬の野菜は、暑い時期にうれしい栄養素がたくさん!

7月が旬の野菜は、美容に良い栄養素や、食欲のなくなる時期に良い成分などが豊富に含まれています。旬の時期は値段が手ごろになり、手に入りやすくなるのもうれしいポイントです。ぜひ旬の野菜を取り入れて、暑い日を元気に過ごしましょう。

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
ホームページ>
https://hirotachihiro.com/
Instagram>
https://www.instagram.com/chihiro_eiyo/

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