【ヘルシーレシピ】ビタミンB1の働きや豊富な食べ物は?取り入れ方のポイントやレシピも紹介【管理栄養士監修】

【ヘルシーレシピ】ビタミンB1の働きや豊富な食べ物は?取り入れ方のポイントやレシピも紹介【管理栄養士監修】

(2023年12月11日更新)
ビタミンB1は、別名でチアミンともいわれる水溶性ビタミンのひとつです。ビタミンB1が不足すると、だるさや食欲不振などさまざまな不調に影響します。ビタミンB1が豊富な食べ物を意識して取り入れるようにしましょう。
この記事ではビタミンB1の働きや豊富な食べ物、取り入れ方のポイントについて解説します。またビタミンB1をたっぷり摂れるおすすめレシピも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

               

ビタミンB1の働きと摂取量の目安

ビタミンB1は、糖質の代謝に関わる栄養素で、糖質からエネルギーを作り出す際に大切な働きをしています。他にも、中枢神経や末梢神経の働きを正常に保つ作用や、皮膚や粘膜の健康維持にも関わる栄養素でもあります。

ビタミンB1の1日に必要な量は、下記が推奨されています。
▼ビタミンB1の食事摂取基準(1日あたりの推奨量)
年齢 男性 女性
1~2歳 0.5mg 0.5mg
3~5歳 0.7mg 0.7mg
6~7歳 0.8mg 0.8mg
8~9歳 1.0mg 0.9mg
10~11歳 1.2mg 1.1mg
12~14歳 1.4mg 1.3mg
15~17歳 1.5mg 1.2mg
18~29歳 1.4mg 1.1mg
30~49歳 1.4mg 1.1mg
50~64歳 1.3mg 1.1mg
65~74歳 1.3mg 1.1mg
75歳以上 1.2mg 0.9mg
妊婦(付加量) +0.2mg
授乳婦(付加量) +0.2mg
ビタミンB1は水溶性の栄養素であり、体の中で血液や体液に溶け込んでいます。体に溜め込むことができないため、一度にたくさん摂っても尿として溢れ出てしまいます。毎回の食事でこまめに摂ることを意識しましょう。

ビタミンB1に期待される機能

ビタミンB1には「疲労回復」の機能があるとされています。これは、ビタミンB1が不足すると、糖質からエネルギーをうまく産みだせずに疲労感や倦怠感を作ってしまうことがあるからです。

ビタミンB1は「摂れば摂るほど疲労回復する」というわけではありませんが、不足しないように注意することで、疲れにくい状態をキープできます。特に、食事が偏りやすい夏に意識してビタミンB1を取り入れるようにすると、夏バテ対策の一環となるでしょう。

ビタミンB1と歯と口の健康への関わり

ビタミンB1は粘膜の健康維持に役立つため、口の中を正常な状態に保ってくれるのに役立ちます。

また、ビタミンB1が不足して疲労が溜まり、体がストレス状態になると、むし歯や歯周病などの原因を作ることもあります。ストレス状態では唾液の分泌が少なくなったり、免疫が低下したりしてしまうため、口のトラブルにつながってしまいやすいのです。

全身の健康管理だけでなく、口の健康を守るためにも、ビタミンB1が不足しないよう、食事に取り入れましょう。

ビタミンB1が不足しやすい食生活とは

ビタミンB1は、偏った食生活や糖質の多い食品、お酒の摂取が多い場合に不足する心配があります。これは、糖質からエネルギーを作り出す際にはビタミンB1が必要なためです。つまり、糖質の摂取量が多い場合には、ビタミンB1も多く必要になります。

例えば、麺やご飯ばかりなどの主食に偏った食生活や、ビールや日本酒などの糖質の多いお酒をたくさん飲んだ場合は、不足のリスクがあります。

特に夏は「そうめんだけ」「パンだけ」などと食事が偏ったり、冷たいビールばかり飲んだりするなど、糖質の摂取量が増えがちな時期です。ぜひ次に紹介する食べ物を取り入れて、疲れにくい体の土台を作りましょう。

ビタミンB1を豊富に含む食べ物

ビタミンB1を含む食べ物は「動物性食品」と「植物性食品」の2種類があります。それぞれ詳しく紹介します。

動物性食品

ビタミンB1は植物性食品に比べ、動物性食品に多く含まれる傾向があります。特に豚肉に豊富であるため、意識して取り入れるとよいでしょう。
▼100gあたりのビタミンB1含有量
食品名 含有量
豚ヒレ肉(赤身) 1.32mg
豚もも肉(赤身) 0.96mg
鶏レバー 0.38mg
うなぎ 0.37mg
豚レバー 0.34mg
たい 0.32mg
さば 0.21mg
鶏もも肉(皮なし) 0.12mg
牛ヒレ肉(赤身) 0.12mg
鶏むね肉(皮なし) 0.10mg
他にも、鶏・牛レバー、鶏肉、牛ヒレ肉などの肉類や、うなぎ、たい、さばなどの魚介類にも含まれています。さまざまな食品をバランスよく取り入れることが大切です。

植物性食品

植物性食品では、玄米、蕎麦、オートミールなどの穀類に多く含まれています。

玄米やオートミールには、穀類を精製するときに通常は取り除かれてしまう「ぬか」や「外皮」が残っているため、ビタミンB1をはじめとする栄養素が豊富です。

また栄養豊富な蕎麦の実から作られる蕎麦も、ビタミンB1を含んでいます。夏はそうめんやうどんではなく、蕎麦を選ぶようにするとビタミンB1を効率よく補給できるでしょう。
▼100gあたりのビタミンB1含有量
食品名 含有量
玄米 0.41mg
蕎麦(乾燥) 0.37mg
枝豆(冷凍) 0.28mg
えのきたけ 0.24mg
オートミール 0.20mg
大豆(ゆで) 0.17mg
ブロッコリー 0.17mg
しめじ 0.15mg
アスパラガス 0.14mg
他にも、ビタミンB1は野菜類、きのこ類など、さまざまな植物性食品に含まれます。毎日取り入れるようにしてみましょう。

ビタミンB1を上手に摂るコツ

ビタミンB1を上手に摂るには、豊富な食品を取り入れる他にも、次に紹介する工夫をぜひ取り入れてみてください。

主食を精製されていないものに変える

主食は精製されていない玄米やオートミール、栄養豊富な蕎麦などの、ビタミンB1を含むものに変えてみるとよいでしょう。精製されている白米やうどんなどは、ビタミンB1をほとんど含みません。

主食を変えることで、主食に多く含まれる糖質とビタミンB1を同時に摂取できるため、効率的といえます。さらに玄米やオートミールはよく噛んで食べる必要があるため、自然と顎が鍛えられたり、唾液の分泌を促してくれたりする効果もあります。口の健康を守るためにもおすすめの食材です。

玄米はまとめて炊いて冷凍しておいたり、パックご飯を利用したりしてもOKです。オートミールは牛乳でふやかすだけでなく、チャーハンやお茶漬けなど、ご飯のようにも使えます。ぜひさまざまな取り入れ方を試してみましょう。

ニラ・ねぎ・にんにくを一緒に摂る

ニラ・ねぎ・にんにくと、ビタミンB1を含む食品を一緒に摂るようにしてみましょう。

ニラ・ねぎ・にんにくに含まれるにおい成分である「アリシン」は、ビタミンB1の吸収を助けることが知られています。例えば、豚肉とニラ・ねぎ・にんにくなどを組み合わせた炒め物は、効率的にビタミンB1を摂れる組み合わせです。

また、香りもよく食欲アップを助けてくれるため、スタミナをつけたいときにもおすすめです。疲れが気になるときにもぴったりでしょう。
<ニラやにんにくを食べたいけど口臭が気になる。という方はこちらの記事を参考にしてみてください>

おつまみにビタミンB1を含む食品を取り入れる

ビールや日本酒、梅酒、ワインなどの糖質を多く含むお酒を飲むときは、ビタミンB1を含む食品を使ったおつまみを取り入れるようにしてみましょう。

豚肉を使ったおつまみはもちろん、豚肉から作られる生ハムやチャーシューなどでもOKです。他にも焼き鳥のレバーや、枝豆などもビタミンB1をたっぷり摂れます。

ビタミンB1たっぷり!「炒めないから簡単!豚肉とニラのスタミナ春巻き」のレシピ

ビタミンB1をたっぷり摂りたいときにおすすめの「豚肉とニラのスタミナ春巻き」のレシピを紹介します。

ビタミンB1が豊富な豚肉を使い、ビタミンB1の吸収を助けるニラを組み合わせているので、効率的にたっぷり補給できます。
また、野菜の歯ごたえが残るように工夫しているため、よく噛んで食べられるのもうれしいポイントです。歯や顎を丈夫にしてくれて、唾液の分泌も促して口の中をきれいに保ってくれる効果も期待できます。

さらに、香りのよいニラで食欲アップも期待できるため、夏バテしているときや食欲がないときでも食べやすいレシピです。おつまみとして取り入れるのもよいでしょう。

春巻きは手間がかかるイメージがあるかもしれませんが、具材に火が通りやすいものを使っているため、炒める手間は不要!簡単に作れるのがうれしいポイントです。

それでは作り方を紹介します。

<材料(5本分)>

  • 豚こま切れ肉:100g
  • ニラ:1/3束
  • にんじん:1/3本
  • (A)オイスターソース:小さじ2
  • (A)ごま油:小さじ1
  • (A)砂糖:小さじ1/2
  • (A)こしょう:少々
  • (A)片栗粉:小さじ1
  • 春巻きの皮:5枚
  • (B)薄力粉:小さじ1
  • (B)水:小さじ1/2~
  • サラダ油:適量

<作り方>

  1. 豚肉、ニラは1 cm幅に切り、にんじんは千切りにします。
  2. ボウルに1を入れ、(A)と混ぜ合わせます。
  3. 2を5等分して春巻きの皮で包みます。ひし形になるように春巻きの皮を置き、皮の手前に具材を乗せます。左右を折って手前から折り返すように包み、巻き終わりは(B)の水溶き小麦粉をつけてとめます。
  4. フライパンにサラダ油を2 cmの高さになるまで入れて弱火で熱し、春巻きを揚げます。低温でじっくりと揚げ、両面こんがりとした色になったら、油をよく切ります。

<ポイント>

春巻きを包むときは、空気が入らないように包みましょう。味がついているためそのまま食べられますが、お好みでポン酢しょうゆ、辛子をつけて食べるのもおすすめです。

スタッフで実際に作ってみました!【SillHa.com編集部】

SillHa.com編集部より

実際に作ってみました!作り方がシンプルなので、簡単においしく作ることができました。包丁を使わずに調理ばさみやスライサーだけでも調理ができたので、お子さまと一緒でも調理ができそうです。私は、約20分くらいで作れました。少し甘めの味付けなのでお子さまでも嫌がらずに食べられます。とても簡単にできるので、ぜひ皆さんも献立に取り入れてみてください。

体調管理に欠かせないビタミンB1を意識して取り入れよう

ビタミンB1は疲労への対策や、口や歯の健康を守るためにも意識して取り入れたい栄養素です。水溶性栄養素であるため、毎日欠かさずに摂取しましょう。豚肉や玄米、蕎麦などの豊富な食品をぜひ取り入れてみてください。

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
ホームページ>
https://hirotachihiro.com/
Instagram>
https://www.instagram.com/chihiro_eiyo/

近隣のクリニックを検索

関連記事

医療機関の方へ

シルハは口腔環境6項目を簡単操作で5分でスクリーニングできる口内環境測定システムです。
製品情報・お問い合わせはコチラ

SillHa.comでは全国の歯科医院の情報を掲載しています。
より詳細なご施設情報の掲載をご希望される場合はこちら