口臭を予防するには?よくある原因と対策、すぐできる口臭ケアも紹介

口臭を予防するには?よくある原因と対策、すぐできる口臭ケアも紹介

(2023年12月5日更新)
自分の口臭が気になる方も多いでしょう。口臭がきついと、周りの方を不快にさせるおそれがあり、ネガティブな印象も与えてしまいます。正しい知識があれば口臭の予防はできます。本記事では、口臭に効果的な方法や口臭予防におすすめの食べ物・飲み物などを解説します。

               

口臭を予防するには? 効果的な対策

口臭の大きな原因として、唾液の分泌量が減っている時や胃腸の調子が悪い時、にんにくなどニオイの発生しやすい食べ物を食べた時などがあります。そのため、口臭を予防するには、唾液を増やす、適切な口内のケアを行う、胃腸の調子を整える、口臭予防に効果的な食べ物や飲み物を摂取するなどです。口臭予防の効果的な対策を詳しく解説します。

食後すぐにできる口臭予防

口臭が発生する原因の1つに口内細菌の増殖があります。一部の研究では、食後3時間後に、口臭の原因となる口内細菌が作る物質が急増するという報告があります。細菌増殖による口臭を防ぐには、食後そのまま放置せず、口内を清潔にすることが大切です。
最も良いのは、食後すぐに歯磨きをすることですが、職場や外出先などでは難しい方も多いと思います。ここでは、唾液の分泌量を増やして予防する方法と口の中を洗って予防する方法の2つについて紹介します。

参考:各種口腔病態における口臭成分の基礎的臨床的研究

ミント入りのガム・タブレットを食べる

唾液の分泌を増やすには、ガムやタブレットを食べるのがおすすめです。ガムやタブレットを噛むことで唾液の分泌を促すことができます。唾液には、口臭を抑える成分が含まれています。他にも自浄作用や抗菌作用があるため、唾液を増やすことで効果的な口臭予防につながります。
また、口内の乾きが口臭の原因となりえることも覚えておきましょう。ストレスの影響で唾液の分泌が減少し、口内の乾燥することで、口臭が発生することがあります。このようなとき、ガムを噛むことで唾液の分泌を促すだけでなく、リラックス効果を得られ、ストレス緩和につながり唾液の分泌も促進します。
唾液の役割については後半で詳しく解説します。
ガムを噛む効果は唾液を出す以外にもフェイスラインのアップなどがあります。ガムを噛む効果については下記の記事をご覧ください。

口の中を水やマウスウォッシュで洗う

口内で繁殖した細菌がガスを発生させると、口臭の原因となります。食事の後、すぐに口の中を水で洗うと細菌が繁殖する前に口内を清潔にでき、ニオイの発生を予防することができます。
マウスウォッシュを使用するのもおすすめです。マウスウォッシュは、殺菌効果があるものもあり、口臭予防として有効です。また、マウスウォッシュには歯垢の沈着や歯肉炎などの予防効果も期待できます。
特にエタノールを含むマウスウォッシュは高い殺菌作用が期待できますが、使用頻度が高いと、口内の乾燥を起こしやすくなります。また、口内環境を整えるために必要な細菌も殺菌してしまうため、使いすぎに注意しましょう。

口臭予防におすすめの食べ物・飲み物

細菌の繁殖を防止する効果や腸内環境を改善する効果が期待できる成分を含む食べ物、飲み物を摂取することも口臭予防として有効です。日ごろからこれらの食べ物や飲み物を口にすることで、効果的に口臭予防をおこないましょう。

緑茶

緑茶には、ポリフェノールの一種であるカテキンが豊富に含まれています。カテキンには抗菌や殺菌の作用があり、口臭の原因となる細菌の繁殖を防ぎます。また、カテキン類は化学反応によって嫌なニオイを消臭する効果もあるため、口臭予防に有効です。
ただ、カテキンのとりすぎには注意しましょう。カテキンの大量摂取はタンニンの生成を招きます。タンニンは酸化しやすく、体内でさまざまな悪影響をもたらすため、緑茶を飲みすぎないよう注意が必要です。

シナモン

シナモンに含まれるフラボノイドとシナモンアルデヒドとという2つの成分が口臭予防に効果を発揮します。フラボノイドとシナモンアルデヒドは、どちらも口内の細菌が増殖するのを抑制するため、口臭予防に効果があります。また、フラボノイドには、酸の生成を抑える作用もあるため、細菌が生成する酸による歯や歯ぐきの破壊を防ぐことができます。そのため、むし歯や歯周病の予防にも効果があります。シナモンの過剰摂取は肝臓に障害を招くおそれがあるため気を付けましょう。

牛乳

にんにくを食べる予定がある時には、牛乳が効果的です。にんにくによる口臭は、アリインという成分が、アリシンという成分に変化して発生します。このアリインに牛乳に含まれるタンパク質が結合することで、アリシンに変化するのを防ぎニオイの発生を予防します。

ヨーグルト

口臭の原因として、腸内環境の悪化が挙げられます。腸内環境の乱れに伴い消化吸収が上手くできなくなると、食べ物が腸内で腐敗し、有害物質が増加します。それらは、やがて肺へ届き呼吸と共に悪臭を発してしまいます。腸内環境が悪くなることで、便秘の原因にもなります。便秘になることで、食べ物が長期間残り腐敗することでニオイが体内に吸収されてしまいます。
腸内環境を整えるには、ヨーグルトが改善に有効です。ヨーグルトには、ビフィズス菌をはじめとした善玉菌が含まれており、腸内環境を整える働きをしてくれます。腸内環境が整うと口臭予防だけでなく、肌トラブルの防止や基礎代謝のアップといった効果も期待できます。

乳酸菌入りタブレット

口臭を予防には乳酸菌も効果があります。乳酸菌の種類の内、乳酸菌LS1、WB21乳酸菌、ロイテリ菌(L8020)は、むし歯菌や歯周病菌の繁殖を阻止する効果があり、口臭の予防にもつながります。これらを摂取するために作られた乳酸菌タブレットを活用することで効率的に摂取することができます。

日常の口腔ケアで口臭予防

効果的に口臭を予防するには、日常の口内のケアも欠かせません。適切な口内のケアは口臭予防に役立つだけでなく、むし歯や歯周病の予防にもつながります。

丁寧に歯を磨く

口内に細菌が繁殖すると口臭の原因となるため、丁寧な歯磨きで除去することが口臭予防につながります。歯に磨き残しがあると、細菌が繁殖しやすいため、隅々まで1本1本丁寧に磨きましょう。磨き残しを防止するために、磨く順番を決める、歯と歯ぐきのあいだをじっくり磨くなどが有効です。
隅々まで丁寧な歯磨きをしやすくするには、ヘッドの小さな歯ブラシを選ぶのがおすすめです。また、持ちやすく動かしやすいグリップかどうかもチェックしましょう。
口臭予防の効果を高めるため、使用する歯磨き粉にも配慮しましょう。下記にあるような殺菌作用のある成分が入っている歯磨き粉を選ぶと良いでしょう。殺菌作用によって、口臭の原因となるガスを発生させる細菌を効率よく取り除くことができます。
<歯磨き粉で使われる殺菌作用のある成分>
  • イソデシルガラクトシド液
  • ラウロイルサルコシン
  • ナトリウム(LSS)
  • 塩化セチルビリジニウム(CPC)
  • トリクロサン(TC)
  • 塩酸クロルヘキシジン
  • 塩化亜鉛

デンタルフロスなどで歯間も清潔にする

歯と歯のすき間で細菌が繁殖しやすく、口臭を発生させる原因となります。歯と歯の狭いすき間は、通常の歯ブラシだけでは汚れを除去しにくいため、デンタルフロスの使用がおすすめです。
デンタルフロスを使用する際には、丁寧にゆっくりと動かしながら汚れを除去しましょう。力を入れすぎると、歯ぐきにダメージを与えてしまいます。歯の汚れ除去に効果的ですが、1日に何度も使用すると歯や歯ぐきに負担をかけてしまいます。1日あたりの使用は1回を目安にしましょう。

舌ブラシを使う

舌の表面に食べかすや細菌が蓄積すると、舌苔(ぜったい)と呼ばれる白い苔のようなものが発生します。これを放置すると口臭の発生につながるため、舌ブラシを使って除去しましょう。
力強く磨いたり、頻度が多すぎたりと舌を傷つけてしまいます。舌には味を感じるための味蕾(みらい)があるため、傷つけてしまうと味覚に影響をおよぼす恐れがあります。力加減に注意して、1日1回を目安に行いましょう。

マウスウォッシュで洗浄する

マウスウォッシュは、殺菌作用など口臭の発生を抑えるのに有効な成分を含んだ製品もあります。口内の洗浄に使用することで効率よく口臭予防を行えます。マウスウォッシュを使用する際には、口の中全体にいきわたるよう意識しましょう。また、使用後は、水で口の中をすすぐ必要はありません。

歯科医院で定期検診とクリーニングを受ける

定期的に歯科検診を受けることで、歯周病の予防にもつながります。歯周病を予防することで、歯周病が原因となる口臭の発生を予防できます。併せて口内のクリーニングも定期的に受けると良いでしょう。日頃のケアだけでは、落としきれていない口内の汚れを綺麗にしてもらうことができます。

よくある口臭の原因

よくある口臭の原因を理解しておくことで、効果的な対策を行えます。ここでは、よくある口臭の原因を紹介します。心当たりがないかチェックしてみましょう。
女性に多い口臭の原因や子どもに多い口臭の原因について、下記の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

ニオイの原因となる食べ物を食べた

ニンニクやニラ、ネギなど強烈なニオイを発する食べ物を食べると、口臭の原因となりえます。これらの植物にはアリシンと呼ばれる、強烈なニオイのもととなる成分が含まれています。
アリシンによって、口や胃から発生しているニオイが口臭となります。そのため、食べた後は、すぐに歯磨きを行いましょう。一緒に舌磨きとマウスウォッシュもおこなうときれいにすることができます。胃から上がってくるニオイは、食前に、牛乳やヨーグルトを食べることで口臭の発生を予防することができます。

唾液量の低下

唾液には、口内の汚れを洗い流してきれいにする自浄作用や、細菌の侵入を阻止する抗菌作用があります。十分な量の唾液が分泌されていないと、これらの機能も低下するため、細菌が増殖し口臭の原因となります。唾液に含まれる成分の一つである、リゾチームは細菌の増殖防止に有効です。リゾチーム以外にも、唾液には抗菌作用を持つ成分が10種類含まれています。
唾液が足りない原因としてドライマウスが挙げられます。唾液の分泌量が少なくなり口内が乾燥してしまう疾患であり、唾液量の減少に伴い口臭の発生原因になるため注意が必要です。

歯垢(しこう)がたまっている

歯垢は、細菌が歯に付着して増殖したものです。増殖した細菌は食べかすを分解して嫌なニオイを発生させます。歯垢は口臭のみならず、歯周病の原因にもなります。歯垢を構成する細菌が毒素を発生させ、その結果歯ぐきが炎症を起こします。
歯垢の増加によって、歯周病菌が増加すると歯周病菌が発生させるメチルメルカプタンや硫化水素など、嫌なニオイのもととなる物質も多くなるため口臭の原因となります。

舌苔(ぜったい)ができている

舌の表面に細菌が付着した状態の舌苔は、見た目が悪いだけでなく悪臭の原因になります。ストレスや血行不良などで引き起こされることもあり、除去には舌ブラシの使用が有効です。
就寝前に歯磨きをしない、間食の頻度が多い、会話が少ないといった方は、舌苔の発生を招くおそれがあるため注意しましょう。実は、会話が少ないと口を動かす頻度も減り、唾液の分泌も阻害します。舌苔は味覚が鈍くなったり、細菌の誤嚥による肺炎の発症リスクを高めたりするおそれもあるため、舌のケアも忘れずおこないましょう。

鼻や口内の病気にかかっている

むし歯や歯周病以外にも、口腔がんや蓄膿症、咽頭炎、扁桃炎などが口臭の原因となるケースもあります。鼻と口内はつながっているため、周囲の組織の炎症があると、蛋白質を含む膿や血液が口腔内や上気道(鼻から喉までの気道)内に出てきて、吐く息に混じり口臭が起こります。これらの病気は、耳鼻咽喉科で検査や治療しましょう。

口臭予防には原因に予防をおこないましょう。

口臭予防として、歯周病菌やむし歯菌が発生するニオイは、歯磨きや舌磨き、ガムやタブレットを食べて唾液を増やす、口内を水やマウスウォッシュで洗うなどの予防法が有効です。ただ、セルフケアだけでは完全に汚れを除くことは難しく、状態も把握しにくいです。また、口臭の原因が口内の細菌ではなく、鼻や胃、腸などが原因であることもあります。セルフケアだけでなく歯科医院でのクリーニングも活用して清潔に保つことで口臭予防につながります。口臭が気になる際は、歯科医院や耳鼻咽喉科、口臭の専門外来などの医療機関に相談することも検討しましょう。

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