子どもの口臭 5つの原因と対策を紹介【歯科医師監修】

子どもの口臭 5つの原因と対策を紹介【歯科医師監修】

(2022年10月6日更新)
ニオイの強いものを食べていないのに、お子さんの口臭が強いと、「なにか病気ではないか?」と心配になりますよね。この記事では、子どもの口臭の原因や対策、歯磨きを習慣化させるコツ、さらに口内環境を把握できる唾液検査シルハについてご紹介します。実際に、健康状態の悪化によって口臭が強くなることもあるため、まずはお子さんの様子を観察して、原因を探ってみましょう。

               

原因① 口内の乾燥

子どもの口臭の原因で最も多いのが、口内の乾燥です。口内が乾燥すると唾液の働きが弱まり、口内の細菌が繁殖して、口臭が強くなります。
お子さんの口臭が気になる場合は、寝ている時に口呼吸になっていないかどうかを確認してみてください。

口呼吸になっていないかどうかは、次のチェックリストを参考にしてみてください。お子さんの普段の様子で当てはまるものがあれば、注意してみましょう。

<口呼吸チェックリスト>
□ 口の中が乾きやすい
□ 集中しているとき、無意識に口が開いている
□ 唇が荒れている・唇が乾いている
□ 鼻づまりがある
□ いびきをかく
□ 起床時に口の中が乾燥している
□ 起床時にのどが痛い
□ 起床時に口臭がある
□ 寝ている間によだれが出る
□ 歯並びが悪い
□ 鼻の孔によく手を触れる
□ 話しかけると聞き返すことがよくある
□ 唇にしまりがない
□ 食べ物を食べこぼす

また、口呼吸以外の原因として、水分不足や起きている時に口が開いていることも、口内の乾燥につながります。
口が乾いている傾向があっても先ほどのチェックリストにあてはまる項目がない場合は、これらが原因かもしれません。

対策① こまめに水分を補給

お子さんの口内の乾燥を防ぐためにも、こまめに水分補給をさせてあげてください。子どもは水分保持能力が低く、汗をかきやすいため、いつの間にか水分不足の状態になっていることがあります。水分不足になると、唾液の分泌量が減少して口臭が強くなる原因にもなります。暑い時期や乾燥する時期は、特に気を付けましょう。

水分補給に関する詳しい情報は、こちらの記事で紹介しています。

対策② 「あいうべ体操」をする

口呼吸は、口内が乾燥して口臭が強くなるだけでなく、免疫力を低下させたり、顔の筋肉の発達に影響を与えたりもします。口呼吸がクセになっている場合は、できるだけ鼻で呼吸するように意識させてあげてくださいね。
鼻呼吸に改善する方法としておすすめなのが、「あいうべ体操」です。毎食後に「あいうべ体操」を行うことで、舌力がついて、口が自然に閉じられるようになり、鼻で呼吸できるようになります。
<「あいうべ体操」のやり方>
  1. 口を「あー」の形に大きく開けてください。
  2. 「いー」の形に口を横に大きく広げます。
  3. 「うー」の形にして、口を大きく前に突き出してください。
  4. 「べー」をして、舌をできるだけ下に伸ばしましょう。
1~4を10回繰り返します。毎食後に行いましょう。

対策③ 噛み応えのあるものを食べる

子どもにやわらかいものばかり食べさせていると、噛む力が衰えて、口周りの筋力が衰えていきます。口周りの筋力が衰えると、口が開きやすい状態になってしまい、口呼吸の原因にもつながります。
これを改善するために、噛み応えのある野菜や果物を意識して食事の中に取り入れる方法がおすすめです。よく噛んで食事をすることで、唾液の分泌を促して口内の乾燥を防げるため、口臭対策にもつながります。

噛み応えのある食材をいくつかご紹介します。ぜひ食事に取り入れてみてくださいね。
<噛み応えのある食材例>
  • 果物:りんご、なし
  • 根菜:にんじん、れんこん、たけのこ
  • 葉物:小松菜、ほうれん草
  • 魚介:わかめ、昆布、貝、干物、煮干し
  • その他:さつまいも、いんげん、大豆

原因② 副鼻腔炎・扁桃炎

副鼻腔炎になると、鼻腔に鼻水や膿がたまり、その膿のニオイが吐息に混じって、卵が腐ったような強い口臭を放つことがあります。
扁桃炎も強い口臭を発する原因になります。扁桃が肥大すると、膿汁や膿栓(ニオイ玉)が溜まり、強い口臭を発します。また、扁桃炎は大人よりも子どもの方がなりやすいようです。

対策① 耳鼻科を受診して膿を取り除く

副鼻腔炎、扁桃炎の症状が見られる時は、耳鼻科を受診して治療を行い、口臭の原因となる膿を取り除いてもらいましょう。副鼻腔炎の治療では、鼻の中の分泌物や鼻汁を吸い取り、鼻の中の空気の通りをよくし、ネブライザー(吸入薬を噴霧する、直接気管支に届けるための器具)で粘膜をきれいにします。

対策② 歯科で顎顔⾯矯正を行う

顎顔⾯矯正とは乳⻭期〜混合⻭列期に行う治療で、上顎⾻急速拡⼤装置という固定式の矯正装置を使⽤して上顎の成⻑をコントロールしながら顎の⾻を広げて、正しい顎の成⻑を促す治療法です。
扁桃腺が腫れやすかったり、鼻づまり、いびき、ぜんそくなどは上顎を広げてあげることで鼻腔も広がり鼻呼吸がしやすくなるので鼻のフィルター機能が発揮されウィルスや細菌が入るのを防いだり、喉の乾燥なども改善されます。

原因③ 胃の消化不良

胃の調子が悪いと、食べ物の消化をスムーズに行うことができず、消化しきれなかった食べ物が体内で腐敗してニオイを発する場合があります。

対策 消化に良いものを食べる

胃の調子が悪い時は、体を休めて胃を回復させましょう。消化に良いものを食べることで口臭が落ち着くようであれば、一時的なものと考えられます。慢性的に口臭が続き、お子さんの胃の調子で気になることがあれば、小児科や消化器内科を受診しましょう。

原因④ ストレス

ストレスが原因で、唾液の分泌量が減り、口臭が強くなることもあります。

対策 ストレスの原因を解消する

口臭が気になる時には、お子さんがストレスを抱えていないかどうか観察してみてください。
子どもの場合、ささいなことがストレスになっている場合もあります。お子さんがストレスを抱えていたら、その原因を解消できるようにサポートしてあげてくださいね。

原因⑤ 食べかすや歯垢(プラーク)

むし歯や歯周病の原因菌が、歯垢や食べかすを分解する時にニオイを発して、それが口臭となります。

対策① 仕上げ磨きや歯磨き指導をする

磨き残しがないかどうか、仕上げ磨きをしてあげるようにしましょう。
子どもが小学生くらいになると、子ども1人で歯磨きを済ませるご家庭も多いようです。しかし、小学生の1人磨きは、磨き残しが多いため、口臭が強くなりやすいです。最低でも小学校低学年まで、できれば小学校卒業までは保護者が仕上げ磨きをしてあげましょう。
また、仕上げ磨きの際に、磨き残しの部分を指摘して、自分でもきちんと歯磨きできるように教えてあげてください。デンタルフロスを活用した歯間掃除や、舌を清潔に保つことなど、口内を清潔に保つ方法を教えていくことも大切です。

対策② 歯科医院で定期検診を受ける

定期的に歯科医院を受診して、むし歯がないかどうかなど、口内環境をチェックしてもらうことも大切です。歯磨きの際に仕上げ磨きをしていたとしても、磨き残しは発生します。磨き残した歯垢は石灰化して歯石になり、歯磨きでは取り除けなくなります。定期検診の時に、クリーニングや歯垢・歯石を除去してもらい、口臭対策をしましょう。

子どもの口臭予防のために! 歯磨きを習慣化させるコツ

子どもの口臭対策は原因ごとに実施することが異なりますが、なかでも歯磨きが重要です。子どもの歯磨きでは、磨き残しが起きやすいからです。少しでも磨き残しが減らせるように、自分で積極的に歯磨きをする習慣をお子さんに身につけてもらうことも、口臭予防につながります。ここからは、子どもが歯磨きを習慣化できるようにするコツをご紹介します。

子どもが好きなグッズで歯磨きをさせる

お子さんが歯ブラシを嫌がらないように、月齢や年齢に合った歯ブラシを選びましょう。6か月頃の乳児には、歯ブラシが口の奥まで達しないように、柄にプレートが付いているタイプを選んでください。また、毛先の丸いものやシリコン製の歯ブラシは、歯ぐきに当たってもあまり痛くないため、お子さんも嫌がらないでしょう。
お子さん自身に歯ブラシを選ばせることも、歯磨きへの意識を高めるきっかけになるかもしれません。お子さんの好きなキャラクターの歯ブラシなど、好きなものを使わせてあげてみてください。歯ブラシだけでなく、コップやタオルなどのグッズも揃えてあげることもおすすめです。
子どもの歯ブラシの選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ読んでみてくださいね。

楽しい雰囲気で仕上げ磨きをする

仕上げ磨きは「短時間で楽しく終える」ことがポイントです。保護者の方は、笑顔で仕上げ磨きをしてあげるように心がけましょう。歯医者さんごっこをしたり、歯磨きの歌を歌ったりしながらすると、楽しい雰囲気で仕上げ磨きを行えます。

小学生以上の子どもには歯磨きアプリを活用する

歯磨きアプリを活用することもおすすめです。子どもが喜ぶ仕組みになっているものが多く、仕上げ磨きをしたことが記録できたり、アドバイスがもらえたりもするので、保護者にとっても便利です。いくつか種類があるので、調べてみてください。

小学校高学年以上になると、仕上げ磨きを嫌がるお子さんもいます。しかし小学校高学年でも、仕上げ磨きなしでキレイに歯を磨けている子は少ないです。永久歯への生え変わりは中学2年生ごろまであるため、この時期まで仕上げ磨きを続けることが望ましいです。アプリを活用して、仕上げ磨きを促しましょう。

子どもの口臭の原因を知り、対策しよう

子どもの口臭の原因はさまざまです。まずは、口呼吸などにより口が乾燥していないかどうかを確認してみましょう。鼻づまりや胃の消化不良などの症状がある場合は、それぞれ専門の診療科を受診するようにしましょう。また、口呼吸をしている場合は、「あいうべ体操」や食事の改善などで鼻呼吸へと改善できるように意識してみてください。そして、磨き残しが少なくなるように歯磨きの指導をすることも大切です。子どもの口臭の原因や対策を知り、お子さんの口臭改善に取り組んでくださいね。

定期検診の際に唾液検査シルハも受けてみよう!

シルハで唾液検査をして、お子さんの口内環境を把握しましょう。シルハは水で口を10秒間ほどすすぐだけで簡単に行える唾液検査なので、お子さんでも気軽に行えます。
シルハは、むし歯菌の活性度や、口内清潔度の指標のアンモニアなどの全6項目が測定できます。検査結果から、子どものむし歯のなりやすさや口内の清潔度を把握して、お子さんの口臭予防に役立ててくださいね。
シルハは全国1,500件以上の医療機関で導入されています。こちらからシルハを導入している医療機関をチェックしてみてください。

医療法人社団徳昌会パラシオン歯科医院 小山安徳先生

埼玉県越谷市にある「パラシオン歯科医院」診療医長。東京歯科大学卒業。口腔衛生学を専門とし、衛生学歯学の博士号も取得。日々の診療に加えて東京歯科大学でも非常勤講師を務める。「歯科医院に対するイメージが当院で少しでも変わってもらえれば」との思いで、良い治療を多くの患者さんに届けることをモットーに日々診療を行っている。

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https://sillha.com/clinic/saitama/koshigaya/parasion-dental

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