女性の口臭の原因と治し方|対処法だけではなく予防法も紹介

女性の口臭の原因と治し方|対処法だけではなく予防法も紹介

誰でも口のニオイは気になってしまう悩みのひとつです。口臭は生活習慣や病気などが原因で強くなることもありますが、女性の場合には生理や妊娠、更年期といった女性ホルモンの影響によって口臭が強くなることもあります。
この記事では、女性ならではの口臭の原因と対処法や、口臭のセルフチェック、予防法まで詳しくご紹介します。

               

女性ならではの口臭の種類

口が臭くなる原因には女性ならではのものもあります。はじめに女性特有の口臭について、種類別に特徴と対処法を解説していきます。

女性ホルモンが影響している口臭

女性は、生理や妊娠、更年期などのライフサイクルのなかで女性ホルモンの分泌量が大きく変化します。それに伴い体調も変化して、口のニオイにも影響することがあります。

生理前・生理中

生理前や生理中は、女性ホルモンのバランスが変わります。それに合わせて、口臭が強くなることがあります。女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは唾液の分泌に関係しています。生理によって体内のエストロゲン量が減少すると、唾液の分泌量も低下します。
唾液には、歯についた食べかすなどを洗い流す自浄作用や、口内細菌の増殖を抑える抗菌作用があります。唾液の分泌量が低下すると自浄作用や抗菌作用が弱まり、細菌が増殖しやすい環境となるため、口臭の原因となります。

■対処法

・バランスの良い食事を摂る
生理に伴うエストロゲンの量の変化は避けられないものです。ただし、エストロゲンの分泌量が下がり過ぎないようにするには、エストロゲンの原料となる栄養素を摂ることが大切です。特定の食事や栄養に偏らず、バランスの良い食事を心掛けましょう。

・水分補給
口が乾いて細菌が繁殖してしまわないようにすることがポイントです。こまめに水分補給を行って、なるべく口内の乾燥を防ぐようにしましょう。なお、糖質を多く含む飲み物は、細菌の繁殖を促してしまいます。水分は「水」で補給するのがおすすめです。

・よく噛む
よく噛むことで唾液の分泌を促すことができます。食事の際には噛む回数を増やすように意識をしてみましょう。

・唾液腺マッサージ
唾液腺は口周りにある唾液を分泌する組織です。耳の下から顎のラインにかけてほぐすようにマッサージすると唾液の分泌に効果的です。

唾液腺マッサージの方法や効果についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
https://sillha.com/column/210416039

妊娠中

妊娠中は、ホルモンバランスが大きく変化する上、口内環境も整えづらいため、口臭が起きやすくなります。妊娠をすると、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が多くなります。これらのホルモンは歯周病菌の餌にもなってしまうため、菌の繁殖により歯ぐきが炎症を起こしてしまう、妊娠性歯肉炎を発症しやすくなります。また、つわりの影響によって食生活が不規則になったり、吐き気で十分に歯磨きができなかったりすると、口内を清潔に保つことも難しくなってしまうため、歯肉炎が悪化しやすくなります。
この歯肉炎が悪化していくと口臭の原因にもなってしまいます。

■対処法

・ガムなどで唾液の分泌を促す
ガムを噛むことで唾液の分泌を促すことにより、唾液による自浄作用などが働き、口臭の原因となる口内細菌の増殖を抑えてくれます。糖類を含む甘いガムはむし歯の原因にもなるので避けるようにして、キシリトール含有率が高いガムを選びましょう。キシリトールは、むし歯菌の繁殖や酸の生成を抑える作用がある天然の甘味料です。歯科医院で販売されているガムであれば、キシリトール100%であるため安心です。

・歯磨きに使うブラシを変える
つわり中でしっかりと歯磨きを行なうことが難しい場合は、普段使っている歯ブラシよりも小さめの歯ブラシに変えてみましょう。奥歯を磨くときにはヘッドがとても小さいタフトブラシを活用するのもおすすめです。また、歯ブラシだけで汚れを落とそうとせず、歯間ブラシやデンタルフロスなども活用しましょう。

・無理に歯磨きをしない
歯磨きは毎食後におこなうことが理想ですが、つわりで吐き気がひどく歯磨きが困難な場合には、体調のよいタイミングで行なうとよいでしょう。
一時的にマウスウォッシュを活用したり、歯磨きとマウスウォッシュを併用したりするのもおすすめです。

更年期

更年期にもホルモンバランスが乱れ、エストロゲンが減少します。更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間、合わせて10年の期間を指します。エストロゲンの減少が唾液の分泌量の減少につながることは上述したとおりですが、生理前や生理中とは異なり、更年期の期間は長年続きます。しかも、更年期以降もエストロゲン量は減少をしたままとなります。そのため口内が乾燥する症状が長期的に続いてしまい、口臭につながるおそれがあります。

■対処法

・唾液の分泌を促す
唾液の分泌を促すことは更年期にも効果的です。よく噛んだり、唾液腺マッサージを行ったりして、唾液の分泌を促して口内の乾燥を防ぎましょう。また、水分不足の場合は唾液の分泌も少なくなるため、こまめな水分補給も行ないましょう。

・定期的な歯科検診
唾液量が減少している状態であるため、自浄作用や抗菌作用が働かず、むし歯や歯周病など口内トラブルのリスクが高まっています。そのため歯や歯ぐきに異常を感じていなくても、定期的に歯科検診を受けるようにしましょう。

・エストロゲンの減少を抑える
エストロゲンの減少は、唾液の分泌量だけではなく心身にも影響します。心への影響では、不眠や不安、イライラなどの精神的な神経症状があります。
更年期障害のレベルになると、動脈硬化や骨粗鬆症など体の不調も引き起こします。更年期症状を改善するために、エストロゲンを補う薬を服用する治療法もあります。エストロゲンの補充療法については、投与方法を間違えると発がんリスクのおそれもあるため、医師の指示に従う必要があります。

便秘による口臭

女性だけの悩みではありませんが、多くの女性が悩みを抱えている便秘も、口臭の原因となる場合があります。
腸内に便が長く留まると、腸内に悪玉菌が増殖して有害物質を発生させます。この有害物質は腐敗臭を伴っており、血液によって全身を巡り、肺に送られて呼吸と共に排出されます。また、血液によって全身を巡り、汗腺などから分泌されることで、体臭の原因にもなります。

■対処法
便秘を解消するには、定期的な運動と水分補給が大切です。食物繊維や乳酸菌が豊富な食材を意識して食事に取り入れるのもポイントです。食物繊維が豊富な食材には、海藻やキノコ、根菜類などがあり、腸内環境の改善におすすめです。

思春期の口臭

思春期は生活習慣が大きく変化する時期です。食習慣が変わって糖質過多になったり間食が増えたりする人もいれば、生活リズムが変化してオーラルケアがおろそかになる人もいるかもしれません。これらの変化によって口内に汚れが溜まり、細菌が繁殖して口臭を発生させることがあります。
さらに女性の場合は生理が始まったばかりであり、生理周期が不安定な時期です。そのためホルモンバランスが乱れやすく、その影響から腸内の働きが鈍くなり便秘になりやすいといわれています。便秘は上述したとおり、口臭の原因となります。

■対処法

・歯磨きを丁寧におこなう
毎食後のブラッシングや、歯間ケアを行うなどの基本的な口内のケアが大切です。「ながら歯磨き」が習慣化していたり時短歯磨きになっていたりして、口の中を隅々まで磨けていない可能性もあります。とはいえ、磨き残しがないか思春期の子どもの歯を保護者が確認することは、反抗期を迎える時期でもあるため、なかなか難しいことです。思春期は口臭リスクが高くなることを伝えつつ、子どもが食後に歯磨きを行っているか、歯ブラシだけでなく歯間ケアアイテムを使用しているかなど、丁寧な歯磨きの習慣がついているかの確認が大切です。歯科医院で歯磨き指導を受けることも有効な対処法となります。

・口内の乾燥を防ぐ
思春期にはストレスや悩みを抱えることも多くなるため、口内が乾燥して口臭の原因となっているかもしれません。ストレスを感じると自律神経の働きに影響し、唾液の分泌量が低下して口内が乾燥する原因となります。口内の乾燥を防ぐにはこまめな水分補給を促しましょう。また、口呼吸も乾燥の原因となります。自分では気づいていない場合もあるため、保護者の方が確認をしてあげましょう。

・栄養バランスのよい食事と規則正しい生活
食習慣や生活習慣に改善すべき点がないか注意しましょう。
インスタント食品などの加工品やスナック菓子を食べ過ぎないようにする、朝食を抜かないようにする、などの規則正しい食習慣も口臭対策になります。
また、睡眠不足になると自律神経の働きに影響して唾液の分泌量の低下につながり、口臭の原因となるおそれがあります。夜更かしをせずに十分な睡眠をとるといった生活習慣も口臭の対策につながります。

女性・男性共通の口臭の種類

ここまでは女性ならではの口臭について解説してきましたが、口臭は性別にかかわらず発生します。続いて男女に共通する口臭として、病気による口臭と食事による口臭についてご紹介します。

病気が影響している口臭

口臭は病気が影響していることもあります。

歯周病・むし歯

歯周病やむし歯などの口内トラブルは口臭の原因になります。
歯周病の場合は、原因となる菌がニオイの元である揮発性硫黄化合物のガスを放出するため、口臭の原因となります。
むし歯の場合、むし歯であいた穴に食べかすがつまって腐敗したり、むし歯が重症化して血管や神経にまで腐敗が進んだりすると、口臭の原因となります。

■対処法
歯の痛みはグラつきがあったり、歯ぐきからの出血や痛みもあったりする場合は、むし歯や歯周病の疑いがあります。早めに歯科医院で治療を受けましょう。
むし歯や歯周病を予防するには、日頃から歯磨きを適切に行い、定期的に歯科検診を受けることをおすすめします。

ドライマウス

ドライマウスは、唾液の分泌量が減って口内が乾燥する状態のことです。その原因はさまざまであり、過度なストレスや口呼吸のクセ、薬による副作用や口周りの筋力低下から、自分の免疫機構に唾液腺が破壊されるシェーグレン症候群など、病気によるものもあります。自浄作用や抗菌作用のある唾液が減ると、口内に細菌が増殖しやすくなるため、口臭の原因にもなります。

■対処法
何かしらの病気が原因の場合は、まずは原因の治療が必要です。
また、日常生活に唾液の分泌が促されるような工夫を取り入れましょう。たとえば料理の際は、食材を大きくカットしたり噛み応えのある食材を取り入れたりして、自然とよく噛む食事内容にすることがおすすめです。また、口呼吸の場合には、心地よいフレグランスを用意して鼻呼吸の習慣をつける方法もあります。

鼻や喉の不調

副鼻腔炎や後鼻漏などの、鼻や喉の不調が口臭につながることもあります。
副鼻腔炎は、鼻づまりや鼻の周囲にある空間に膿が溜まるなどの症状があり、後鼻漏は副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などによって鼻水が過剰に分泌され鼻水が喉まで流れる病気です。いずれも口呼吸になりやすい上に、溜まった膿のニオイが口臭の原因につながります。

■対処法
鼻や喉の不調は、耳鼻咽喉科にて適切な治療を受ける必要があります。市販薬も多くありますが、活用をする前に医療機関を受診することをおすすめします。

その他の病気

内臓の機能低下により口臭が発生することがあります。たとえば、消化不良を起こして胃腸内で食べ物が腐敗する、肝機能低下によって毒素が分解されずアンモニア臭が生じる、などがあります。糖尿病では、糖質がうまく代謝できなくなり、代わりに脂質がエネルギー源として使われることで、ニオイの原因となるアセトンが生成されます。

■対処法
病気が原因で口臭がしている場合には、ただちに適切な治療を受ける必要があります。胃腸の痛みや下痢などの症状があったり、倦怠感や食欲の低下があったりする場合、消化器内科を受診するようにしましょう。また、喉がよく渇いたりする場合には糖尿病内科や内分泌科を受診するようにしましょう。いずれの病気も初期は自覚症状に乏しい場合があります。日頃から暴飲暴食を避けてバランスの良い食生活を心がけ、定期的に健康診断を受けましょう。
糖尿病を患っている方は歯周病になるリスクが高まっているため、歯科医院の受診もおすすめします。

食習慣・食事内容による口臭

特にニオイの強い食べ物を食べていなくても、バランスの悪い食事内容によって口臭の原因となることがあります。
糖質の多い食事は口内に細菌が繁殖しやすく、口内環境が悪くなることで口臭の原因になります。消化の悪い高タンパク質・高脂質の食べ物に偏っていると胃腸内でニオイの元となるガスが多く発生してしまい、胃腸からくる口臭の原因となります。

■対処法
バランスの良い食事は健康的な体をつくるためにも大切です。無理なダイエットや偏った食事をしていると口臭だけではなくさまざまな悪影響を及ぼします。特定の食材や栄養素に偏らず、さまざまな食材を使って栄養バランスの良い食事を心掛けましょう。

女性ならではの口臭のセルフチェック

口臭は自分で気づきにくく、他人にも確認してもらいにくいものです。続いて口臭のセルフチェック方法をご紹介します。

自分の口臭を確認する方法

自分の口臭に自覚はなくても、簡単かつ客観的に判断できる方法があります。次に挙げるような方法でチェックをしてみましょう。

<自分の口臭をチェックする方法>

●    唾液のニオイを嗅ぐ
清潔にした指で口内や舌をぬぐい、指に付着した唾液を嗅いでみます。ニオイを強く感じる場合は、口臭がしているおそれがあります。

●    ビニール袋に吹き込んだ息を嗅ぐ
ビニール袋に息を吹き込んで、袋に溜めた息を嗅いでみます。ニオイを感じるようであれば、口臭がしているかもしれません。

●    舌の表面色をチェックする
舌の表面が白い場合、口臭がしているおそれがあります。舌の表面が白くなる理由は、食べかすや細菌が溜まってできた舌苔が付着しているからです。細菌によってニオイの原因となる物質が放出され、口臭の原因となります。

●    デンタルフロスのニオイを嗅ぐ
デンタルフロスを使用したあとにニオイを嗅いでみるのもひとつの方法です。普段のデンタルケアのついでに口臭チェックが可能です。

●    市販の口臭チェッカーを使う
口臭レベルを確認できる口臭チェッカーを使用する方法もあります。機械のセンサーに息を吹きかけるだけで客観的に口臭のレベルを把握できます。

ホルモンバランスの乱れをチェック

女性ホルモンのバランスが乱れていないかもチェックしてみましょう。
次の項目のなかに当てはまるものが多いと、ホルモンバランスが乱れていて口臭の発生しやすい状態になっているかもしれません。

<ホルモンバランスの乱れのチェック>
  • 冷え性
  • 疲れが取れない、または疲れやすい
  • イライラしがち
  • 肩こりや腰痛がある
<ホルモンバランスを乱す生活習慣のチェック>
ホルモンバランスは、普段の生活習慣が大きく影響します。生活習慣をチェックすれば、ホルモンバランスが乱れているおそれがあるかを確認できます。
  • 食事内容が偏っている
  • 睡眠不足
  • 不規則な生活習慣

女性の口臭の予防法は?

女性ならではの口臭の原因はさまざまですが、結果的に口内環境か腸内環境が乱れることで口臭につながります。そのため、これらを整えることが予防になります。

口内環境を整える

口内環境は、毎食後にしっかりと歯磨きを行って口内の汚れを落とすことが基本です。歯磨きだけでなく歯間ケアや舌磨きなどのオーラルケアも行ないましょう。
さらに唾液の分泌を促して口内の乾燥を防ぐため、噛む回数を増やして、ストレスフリーな生活を心掛け、こまめな水分補給を行うことが予防法となります。

腸内環境を整える

腸内環境を整えるには、こまめな水分補給と栄養バランスの良い食事、そして適度な運動が大事です。食事には乳酸菌や食物繊維などを取り入れ、腸に良い食事を心掛けましょう。

ホルモンバランスを整える

女性はホルモンバランスの乱れを予防することも大切です。
ホルモンバランスには自律神経の働きも関係しています。リラックスできる環境をつくる、十分な睡眠をとる、バランスのとれた食事を心がけるといった基本的なことが、ホルモンバランスを整えるためには欠かせません。

まとめ ホルモンバランスと口内環境を整えて歯科検診で口臭チェック

口臭には食習慣や病気などさまざまな原因がありますが、女性の場合にはホルモンバランスが影響していることがあります。ホルモンバランスが乱れると口内環境が悪化し口臭の原因となります。
ホルモンバランスと口内環境を整えて口臭予防をすると共に、定期的に歯科検診を受けて、オーラルケアを見直すと共に口内環境をチェックしてもらいましょう。
口内環境は唾液検査でもチェックできます。歯周病やむし歯、口臭の予防のため、定期的な歯科検診と一緒にシルハで口内環境チェックもしてみてください。

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