食べ過ぎ・飲みすぎは太るだけじゃない!口臭や口内炎の原因にも

食べ過ぎ・飲みすぎは太るだけじゃない!口臭や口内炎の原因にも

この記事では、食べ過ぎ・飲み過ぎによる口内環境への影響とおすすめの食習慣について解説します。


               
食べすぎや飲みすぎ口臭や口内炎などの口内トラブルにつながる場合があります。口臭や口内炎を改善するためには、口内を清潔にするだけでなく、暴飲暴食を避け、栄養バランスの取れた食事も大切です。食べ過ぎ・飲み過ぎが口内環境に与える影響とおすすめの食習慣、口内炎に効果的な栄養素や食材について紹介します。

食べ過ぎ・飲み過ぎによる健康トラブル

食べ過ぎ・飲み過ぎは、消化器官である胃に負担をかけるとともに、カロリー過多で体重増加を招きます。起こり得る健康トラブルについて詳しく見ていきましょう。

胃もたれ・胃痛

胃は消化器官として、食道から送られてきた食べ物を一時的に溜め、胃液で消化して細かくドロドロの状態にし、それを十二指腸に送り出します。この一連の消化プロセスには通常2~3時間が必要です。

しかし、食べ過ぎて大量の食べ物が胃に入り込むと、胃の消化活動が滞ります。結果として、胃の中に消化しきれない食べ物が残ってしまい、消化不良の状態を引き起こします。この消化不良が原因で、胃の負担が増し「胃もたれ」や「胃痛」を伴う不快感が生じるのです。

体重増加

体重が増加し肥満の状態が続くと、さまざまな健康リスクを引き起こします。肥満の基準となるBMI(体格指数)は、体重と身長から算出され、日本ではBMIが25以上の場合を肥満と判定します。特に、日本人は軽度の肥満でも内臓脂肪がたまりやすく、内臓脂肪型肥満が引き起こす病気のリスクが高いと言われています。

肥満は単なる体型の変化だけではなく、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病をはじめ、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気の原因となる可能性があります。

食べ過ぎや飲みすぎが口内に悪影響を与えることも

暴飲暴食気味になると、内臓にトラブルが起きたり、アルコールや食べ物のニオイが口内に残ったりして、口臭を発する可能性があります。また栄養が偏ることで口内炎ができやすくなったり、口内が清潔に保たれていないことでも、口臭や口内炎の原因になったりすることもあります。まずは、食べ過ぎ・飲み過ぎを原因とした口内トラブルについて見ていきましょう。

飲食物により口臭が強くなる

口臭の原因の多くは、むし歯や歯周病、舌苔(ぜったい)など、口内にありますが、飲食物によって起こる口臭もあります。例えばニンニクやニラ、ネギなどニオイが強いものや、アルコール類を多く摂ると、それらのニオイが口内に残り、一時的に口臭が強くなることも。また微量ではあるものの、ニンニクなどに含まれるガスが、腸を介して肺などから排出されて口臭を発することもあります。

内臓トラブルで口臭が強くなる場合も

口内環境によるものに比べると限定的ですが、内臓のトラブルから来る口臭もあります。暴飲暴食を続けると、胃腸や肝臓などに影響を与え、体調のトラブルを招くことも。胃腸の働きが低下すると食べ物が胃腸の中に長時間とどまって異臭が発生したり、肝機能の低下により血液中にアンモニアが増え、肺へ運ばれ呼吸からニオイが出たりすると言われています。

口内炎ができやすくなる

口内炎ができるのは、睡眠や栄養不足、ストレス、細菌やウィルスによる感染など、さまざまな要因が関係していると言われています。暴飲暴食により栄養が偏ると、口内炎ができてしまうこともあります。また食べかすが口内に残ると細菌も増え、口内炎が悪化する場合があるので、口内環境を清潔に保つことが大切です。

食べ過ぎ・飲み過ぎを防ぐための食習慣

暴飲暴食をしないように、食習慣を見直すことで健康を保つことができます。ここでは、暴飲暴食をしないための、おすすめの食習慣について紹介します。

規則正しく食事を摂る

暴飲暴食をしている人は、無意識のうちに食生活のサイクルが不規則になっている可能性があります。例えば朝食を抜いた場合、その反動で1回の食事量が多くなってしまうことも。また、唾液は口内をキレイにし、口臭を抑える働きもありますが、食事を抜くと唾液の分泌が抑えられるため、口臭が強くなると言われています。口臭を抑えるためにも、1日3回、規則正しく食事を摂ることが大切です。

早食いせずによく噛んで食べる

満腹を感じる食欲中枢は、食事後20分以上経過してからはたらくと言われています。そのため、早く食べる習慣が身に付いていると、必要以上に食べ過ぎてしまうのです。また食べるスピードが速いということは、食べ物をよく噛んでいない可能性もあります。噛むことで唾液の分泌が促進されるため、意識的に噛み応えのあるものを選ぶなどして、よく噛んで食べる習慣をつけましょう。

用意する食事の量を調整する

食事を用意する量を調整することも効果的です。ただし、少なすぎるともっと食べたい欲求が強まり、間食が増えるかもしれません。

この程度であればちょうどよいと感じる程度の量を見極めることが大切です。

また、大皿から取り分ける際は、最初は控えめな量を盛り、足りない場合は追加することで食べる量を抑えることができます。

盛り付けられた料理は、つい食べてしまいます。また、心理的にも「全部食べなければならない」という気持ちを引き起こしがちです。そのため、適切な量を盛り付けることを心がけると、食べ過ぎの防止につながります。

口臭や口内・腸内環境悪化を防ぐための食事の工夫

暴飲暴食によって、口臭が強くなったり、口内・腸内環境が悪化したりすることもあります。どうしても暴飲暴食をしてしまったときは、日々の食習慣を意識することで、これらの悪化を少しでも防ぎましょう。

こまめに水分補給をする

暴飲暴食により唾液の分泌が減ると口内が乾燥し、口臭が強くなります。そのため、1日当たり約1.2リットルを目安に、食事のとき以外にも、こまめに水分補給をするのがおすすめです。水分補給には、水やスポーツドリンクが適しています。スポーツドリンクには糖が含まれているものがあるので、糖質の摂りすぎには注意が必要です。コーヒーやお茶などカフェインが多いものは、唾液の分泌が抑制されるので、摂りすぎには注意しましょう。

口内・腸内環境を整える食材を摂る

腸内と同じように、口内にも善玉菌と悪玉菌、どちらにもなる日和見菌が存在していると言われています。それらの菌がバランスを保っているときは、口内も腸内も健康な状態です。口内と腸内の環境を整えるために、食物繊維を多く含むものや、発酵食品などの食材を摂ることをおすすめします。

口臭や口内・腸内環境悪化を防ぐ食材

暴飲暴食などにより偏った食事を続けると、口内炎ができやすくなります。口内炎は粘膜にできやすいので、皮膚や粘膜の修復に効果がある栄養分の摂取が有効です。ここでは、口内炎に効果的な栄養素と食材を紹介します。    

ビタミンB2を含む食材

ビタミンB2は脂肪の代謝や免疫の維持に関係しており、皮膚や粘膜の炎症を抑えたり、保護したりするはたらきがあります。そのため、ビタミンB2が不足すると口内炎ができやすくなります。ビタミンB2は、卵・魚・乳製品などに多く含まれています。うなぎ・レバー・サバなどの青魚・牛乳・納豆などを積極的に摂取しましょう。

ビタミンB2を多く含む植物性食品と動物性食品は下記のとおりです。

植物性食品(100 gあたり)

食品名 ビタミンB2 (mg)
納豆 0.56
玉ねぎ
(蒸し焼き)
0.11
アーモンド
(フライ味付け)
1.07
グリーン
アスパラガス
(ゆで)
0.14
そうめん
(ゆで)
0.18
スイートコーン
(電子レンジ)
0.11
アボカド 0.20
焼きのり 2.33
エリンギ
(油いため)
0.24
まいたけ
(油いため)
0.21

動物性食品(100 gあたり)

食品名 ビタミンB2 (mg)
豚レバー(生) 3.60
牛レバー(生) 3.00
鶏レバー(生) 1.80
うなぎ
(かば焼き)
0.74
豚ヒレ(焼き) 0.44
低脂肪牛乳 0.18
ぶり(焼き) 0.39
普通牛乳 0.15
さんま(焼き) 0.30
まがれい(焼き) 0.27
鶏卵 全卵
(ゆで)
0.32

ビタミンCを含む食材

ビタミンCは出血を止めたり、免疫力を高めたりする働きがあります。熱に弱く酸化しやすい性質があることから、生のまま量を多めに摂るのがおすすめです。またビタミンCは体外へ排泄されるスピードが早いため、こまめに摂取する必要があります。ビタミンCを多く含む食材は、緑黄色野菜やオレンジなどの柑橘系、イチゴ、パイナップルなどの果物です。

ビタミンCを多く含む植物性食品と動物性食品は下記のとおりです。

植物性食品(100 gあたり)

食品名 ビタミンC (mg)
赤ピーマン
(油炒め)
180
キウイフルーツ 71
ブロッコリー
(電子レンジ)
140
いちご 62
青ピーマン
(油炒め)
79
菜の花
(ゆで)
55
ネーブルオレンジ 60
にがうり
(油炒め)
75
みかん 33
西洋かぼちゃ
(ゆで)
32
さつまいも
(蒸し)
29
ブロッコリー
(ゆで)
55
カリフラワー
(ゆで)
53
じゃがいも
(蒸し)
11
レモン 100

動物性食品(100 gあたり)

食品名 ビタミンC (mg)
からしめんたいこ 76
牛レバー(生) 30
ボンレスハム 49
豚レバー(生) 20
ロースハム 25

ビタミンB6を含む食材

ビタミンB6は皮膚や粘膜を強化し、炎症を抑えたり、疲労を回復したりする働きがあります。腸内でも作られる栄養素のため通常は不足しにくいですが、口内炎や肌荒れがあるときに摂ると良いとされています。ビタミンB6が多く含まれる食材は、マグロやカツオ、赤ピーマン・キャベツなどです。

ビタミンB6を多く含む植物性食品と動物性食品は下記のとおりです。

植物性食品(100 gあたり)

食品名 ビタミンC (mg)
赤ピーマン
(油炒め)
180
キウイフルーツ 71
ブロッコリー
(電子レンジ)
140
いちご 62
青ピーマン
(油炒め)
79
菜の花
(ゆで)
55
ネーブルオレンジ 60
にがうり
(油炒め)
75
みかん 33
西洋かぼちゃ
(ゆで)
32
さつまいも
(蒸し)
29
ブロッコリー
(ゆで)
55
カリフラワー
(ゆで)
53
じゃがいも
(蒸し)
11
レモン 100

動物性食品(100 gあたり)

食品名 ビタミンC (mg)
からしめんたいこ 76
牛レバー(生) 30
ボンレスハム 49
豚レバー(生) 20
ロースハム 25

葉酸を多く含む食材

葉酸は細胞の合成や修復、赤血球の合成を促します。粘膜では新陳代謝が活発に行われているため、葉酸が不足すると、口内の皮膚にも影響が出やすいです。果物、特にアボガドや、モロヘイヤ、ホウレン草、枝豆などに含まれています。

葉酸を多く含む植物性食品と動物性食品は下記のとおりです。

植物性食品(100gあたり)

食品名 葉酸 (μg)
玉葱
(浸し焼き)
150
なばな
(ゆで)
240
とうもろこし
(電子レンジ)
97
えだまめ
(ゆで)
260
ほうれんそう
(ゆで)
110
ブロッコリー
(電子レンジ)
160
グリーンアスパラ
(ゆで)
180
いちご 120
そうめん
(ゆで)
120
焼きのり 1,900
豆乳 28
青汁
(ケール)
820

動物性食品(100gあたり)

食品名 葉酸 (μg)
鶏レバー(生) 1,300
牛レバー(生) 1,000
豚レバー(生) 810
フォアグラ
(ゆで)
220
生うに 360
ほたて貝柱
(生)
61
鶏卵(ゆで) 140
かき(生) 39

春夏秋冬の暴飲暴食につながりやすいイベント

春夏秋冬それぞれに食べ過ぎ・飲み過ぎになりがちなイベントがあります。対策とあわせて詳しく見ていきましょう。

春はお花見でお酒やおつまみを楽しむ機会が増えます。特に脂っこいおつまみや揚げ物が多く、アルコールの摂取量も増えがちです。さらに、新年度が始まる春は歓迎会などのイベントが多く、新しい環境での食事の機会が増える時期でもあります。

これにより胃もたれや肝臓への負担、体重増加につながることがあります。

健康トラブルとしてはアルコールの過剰摂取で肝臓への負担が増加し、揚げ物などで胃もたれが起きることが考えられます。

対策としては、アルコールと一緒に水を飲んで摂取量をコントロールする、ヘルシーなおつまみ(枝豆や野菜スティック)を選ぶ、翌日は消化の良い食事を心がけるなどするとよいでしょう。

夏はアウトドアイベントでバーベキューやビアガーデンが定番です。焼肉やソーセージなど脂肪分の多い食事や冷たいビールの摂取が増え、胃腸に負担をかけることがあります。
健康トラブルとして胃腸が冷えて消化機能が低下する、過剰な脂肪摂取による体重増加などがみられます。

対策としては、冷たい飲み物ばかりでなく常温の水やお茶を飲む、脂肪分が多い食事の代わりに焼き野菜や魚介類を積極的に取り入れる、食後に軽く散歩をすることで消化を助けるなどがあります。

秋は美味しい旬の食材が豊富で、つい食べすぎてしまいます。特に食材の炭水化物(栗やサツマイモ)が多いうえ、それらを使ったスイーツ類も多くなる時期です。これらを摂りすぎると血糖値の急上昇を招きます。

健康トラブルとしては、血糖値の乱高下で疲れやすくなる、脂肪肝のリスク増加などが挙げられます。

一度に大量に食べるのではなく、少量をよく噛んで食べる。食物繊維が豊富な野菜や海藻を先に摂取して、血糖値の急上昇を抑える工夫をしましょう。

冬は忘年会や新年会、お正月などのイベントが続き、ついつい暴飲暴食しがちです。特にお餅やおせち料理は糖質や塩分が高いメニューが多く、高血圧や血糖値上昇につながる恐れがあります。

お餅は1食で2個までに抑え、野菜中心のスープや汁物を先に摂取してバランスを取り、アルコールを飲む場合は適量を守りましょう。

食欲がおさまらない原因

食欲がおさまらず暴飲暴食してしまう方は少なくありません。原因として、ストレスと睡眠不足が関係している場合があります。食欲とストレス、睡眠の関係について詳しく見ていきましょう。

ストレス

日常生活で嫌な事がありイラっとしたとき、ついお酒を飲み過ぎたり、いつも以上に食べてしまったりして暴飲暴食をしてしまった経験はないでしょうか。イライラを解消するために食べ過ぎてしまうのには理由があります。

ストレスを感じると、脳からドーパミンというホルモンが分泌されます。実は、このドーパミンが脳にある摂食中枢という神経に働き、食欲を増大させてしまいます。さらに、ストレスは、レプチンというホルモンの働きを鈍くするとも言われています。レプチンは満腹中枢という神経を刺激して食欲を抑える作用があるため、ストレスによりレプチンの働きが弱くなると、食欲のブレーキが利きづらくなります。

普段は食べないジャンクフードを食べたくなったり、イライラして食欲がおさまらなかったりしたときはストレスのサインかもしれません。

睡眠不足

「早く寝たいと思っていてもなぜか食欲が湧いてきて何か食べたくなる。」そのような経験はないでしょうか。

実は、日頃の睡眠不足が食欲を増進させる原因の1つかもしれません。睡眠不足は、先述したレプチンという満腹中枢を刺激するホルモンの分泌を抑制します。しかも、食欲を増進するグレリンというホルモンの分泌も促進してしまいます。

そのため、食欲の増進につながります。10時間睡眠をとった人よりも1日4時間を二日間続けただけでレプチンの分泌が抑制され、グレリンの分泌が促進した例もあるそうです。食べ過ぎを防ぐためには、忙しい中でもできるだけ睡眠時間をとるようにしましょう。

参考:厚生労働省e-ヘルスケアネット

食べ過ぎ・飲み過ぎを控えて食生活を見直し、口内環境を整えよう

口臭や口内炎などの困ったトラブルは、食べ過ぎ・飲み過ぎによっても起こります。口内を清潔に保つための日々のオーラルケアに加えて、食事の仕方や水分補給にも気を配り、口内環境を正常に整えていきましょう。

近隣のクリニックを検索

関連記事

ピックアップ

医療機関の方へ

シルハは口腔環境6項目を簡単操作で5分でスクリーニングできる口内環境測定システムです。
製品情報・お問い合わせはコチラ

SillHa.comでは全国の歯科医院の情報を掲載しています。
より詳細なご施設情報の掲載をご希望される場合はこちら