口の中が酸っぱいと感じる時は体調不良? 原因と対処法を解説

口の中が酸っぱいと感じる時は体調不良? 原因と対処法を解説

何も食べていないのに、口の中が酸っぱいと感じることはありませんか? もしかしてどこか体調が悪いのかと不安になってしまうこともあるでしょう。
口の中が酸っぱいと感じる原因はさまざまです。病気が原因となっている場合もあり、そのまま放置しておくと思わぬトラブルにつながるおそれもあります。
この記事では口の中が酸っぱいと感じる原因や、対処法についてご紹介します。

               

口の中が酸っぱいと感じる原因は?

口の中が酸っぱいと感じる原因について詳しくご紹介します。なにか酸味がある食べ物を口にしたわけでもないのに口の中が酸っぱく感じる場合は、なにか病気が影響しているおそれもあります。次に挙げる病気の諸症状がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

逆流性食道炎や胃炎

逆流性食道炎や胃炎によって口の中が酸っぱく感じることがあります。
逆流性食道炎とは、胃の中の酸(胃酸)が食道に逆戻りすることで食道部分が炎症を起こす病気です。通常、胃の入り口部分は筋肉によって閉じられています。食事を摂ると、この筋肉が開いて食道から胃に食べ物が流れ落ちます。しかし逆流性食道炎になると、食べ物を飲み込んだとき以外にも胃の入り口部分の筋肉が緩まり、食べ物が胃酸と共に食道まで戻ってしまい、胃酸によって食道が炎症を起こしてしまうのです。この胃酸や食べ物の逆流が、口の中が酸っぱく感じる原因となります。
逆流性食道炎は、ストレスや食べ過ぎ、アルコールの過剰摂取、姿勢の悪さや肥満による胃の圧迫などが原因となります。

一方、胃炎とは、胃内部の粘膜が炎症する病気の総称で、感染性胃炎や急性胃炎などがあります。食べ物が適切に消火されずに胃の中で腐敗し、胃酸が喉元まで逆流することで酸っぱいと感じることがあります。胃炎を起こす原因は、ストレスや過度なアルコール摂取、ピロリ菌への感染など、さまざまです。

逆流性食道炎や胃炎の症状にはどちらも、胃の痛みや胸やけ、吐き気、喉が詰まったような感じなどがあります。

自律神経失調症

自律神経失調症が原因となって口の中が酸っぱく感じることがあります。
自律神経失調症とは、自律神経の交感神経と副交感神経の働きが乱れることで、さまざまな症状が現れる病気です。
自律神経失調症は味覚にも影響を与え、味覚障害になることもあります。味覚がにぶくなることや異常な味覚を感じることがあり、口の中が酸っぱいと感じるケースもあるのです。
自律神経には、体を活発にさせる働きのある交感神経と、リラックスさせる働きのある副交感神経の2種類があります。これらが互いにバランスをとって機能することで、体温や血圧をはじめとした全身の状態を微調整して体を維持しています。
食事や睡眠といった生活習慣の乱れや過度なストレスは、自律神経の働きに影響を与えて自律神経失調症を引き起こし、さまざまな体調不良の原因となります。
自律神経失調症の主な症状は、口の中が酸っぱくなる以外にも、情緒不安定などの精神的な不調から、不眠、頭痛、動悸、息苦しさ、めまいなどまで、さまざまなものがあります。

過度なストレス

過度なストレスを抱えていることが原因で、口の中が酸っぱいと感じているかもしれません。ストレスを感じると、自律神経の働きに影響して唾液の分泌量が減少し、口内の乾燥につながります。
通常、口内は中性に保たれていますが、食事をとることによって酸性になります。酸性化した口内は唾液の働きによってまた中性へと戻ることを繰り返しています。唾液が分泌されないことで酸性の状態が長引き、酸っぱいと感じることがあるのです。
過度なストレスは、口の中が酸っぱくなる以外にも、次のようなさまざまな不調を感じさせることがあります。
  • よく眠れない
  • 睡眠をとっても疲れが取れない
  • めまいがする
  • 動悸がする
また上述したとおり、ストレスが逆流性食道炎や胃炎、自立神経失調症などの原因にもなっています。

むし歯の進行

むし歯が進行していると口の中が酸性化し、酸っぱいと感じることがあります。
口内が酸性化するのは、食べかすを元に繁殖したむし歯菌が酸を作りだすためです。適切に歯磨きがおこなえていれば、食べかすを落としてむし歯菌の繁殖を防ぐことができます。
口内が酸っぱい場合、汚れが落とし切れずにむし歯菌が多く繁殖し、酸を作っている可能性があります。そのため日常的に口内が酸っぱい状態ならば、むし歯が進行しているおそれがあります。また、この状態は、むし歯だけではなく歯周病の原因にもなります。
酸っぱい以外に、歯ぐきが腫れたり歯がしみたりする場合は、むし歯や歯周病が進行しているのかもしれません。

更年期障害

更年期障害も口内が酸っぱいと感じる原因のひとつです。
閉経の前後では女性ホルモンの分泌量が大きく減少します。これに伴い現れるさまざまな症状により日常生活に支障をきたすことを更年期障害といいます。女性ホルモンが減少すると唾液の分泌量も減少して口内が乾燥する原因となります。上述したとおり口内が乾燥して酸性化が進むと酸っぱいと感じる場合があります。
更年期障害はその他にも、ほてりや動悸、めまいといった身体的な症状や、情緒不安定やイライラなど精神的な不調が出ることがあります。

口の中が酸っぱく感じるのを放置するとどうなる?

口の中が酸っぱくなる原因はさまざまですが、どの原因も放置をしておくと症状が悪化するおそれがあります。
たとえば、逆流性食道炎を放置すると、食道の粘膜が胃の粘膜に置き換わる状態である「バレット食道」へと進行する場合があります。バレット食道になると、食道がんのリスクが高まるといわれています。
胃炎の状態を放置していると胃潰瘍や十二指腸潰瘍を起こすおそれがあります。潰瘍が悪化すると胃腸内で出血を起こし、ひどい腹痛や出血に伴う真っ黒い下痢などの症状が出ます。
自律神経失調症や過度なストレス、更年期障害では、口内の酸っぱさ以外にも動機やめまいなどのさまざまな症状が重複して現れる場合もあり、日常生活に支障がでるおそれがあります。
どの症状であっても放置をせず、口の中が酸っぱく感じる原因を改善することが必要です。

口の中が酸っぱいと感じた場合の対処法

口の中が酸っぱく感じる場合、原因によっては医療機関の受診が必要です。酸っぱさを感じる以外の自覚症状に合わせて適切な医療機関への受診をおすすめします。
ここでは、医療機関の受診にプラスして自身で取り組める対処法をご紹介します。

ストレスの緩和と生活習慣の改善

過度なストレスを抱えている場合には、まずはストレスの原因を緩和して休息をとることがポイントです。また、栄養バランスの悪い食事やアルコールの過剰摂取、睡眠不足といった普段の生活習慣を改善することも大切です。
ストレスや生活習慣は自律神経の働きに大きく影響します。自律神経の働きを整えて、唾液の分泌状態を改善することで、口内の乾燥をおさえて酸っぱくなる原因を改善します。過度なストレスと生活習慣の乱れは、口内が酸っぱくなる以外の体調不良にもつながるため、日頃からストレスの緩和と良好な生活習慣を意識しておきましょう。

口の中を清潔にする

口の中を清潔に保つことも大切です。
歯磨きが不十分で口内の汚れが落とし切れていないと、口内が酸性に傾いた状態が続き、口の中が酸っぱくなるだけでなくむし歯や歯周病などの口内トラブルにもつながります。
丁寧な歯磨きに加えて、歯間ブラシやデンタルフロス、マウスウォッシュを使用して、汚れをすみずみまで適切に除去して口内を清潔に保てるようにしましょう。
また、ちゃんと歯磨きをしているつもりでも、歯並びや噛み合わせの不良が影響して、汚れを落とし切れていないケースもあります。歯科医院で定期検診を受けて歯並びなどのチェックをしてもらったり、ブラッシング指導を受けたりすることも効果的です。

こまめな水分補給で口内の渇き潤す

口の中が酸っぱいと感じたら、こまめな水分補給をしましょう。一時的な対処法ではありますが、唾液の分泌量が減少している場合に効果的な方法です。
自律神経失調症や過度なストレス、更年期障害などの場合、唾液の分泌量が少なくなったり、ネバネバの唾液が分泌されたりして、口内が乾燥している場合があります。こまめに水分を摂取して、口内を潤しつつ体内の水分量を調節することが大切なポイントになります。

原因によっては受診が必要

口の中の酸っぱさを感じる原因によっては、医療機関の受診が必要になります。

逆流性食道炎や胃炎

胃酸が逆流していることが原因である逆流性食道炎や、胃内部の粘膜が炎症を起こしている胃炎は、放置しているとさらに症状が悪化し、潰瘍やがん発症のリスクを高めるおそれがあります。胃の痛みや胸やけなどの症状がある場合には、まず消化器内科を受診しましょう。診断によっては、胃カメラで詳しく検査をする必要があります。

自律神経失調症

自律神経失調症の場合には、症状が多岐にわたるため、何科を受診すればよいか判断に迷ってしまうかもしれません。その場合には、一番強く現れている症状で受診する診療科を選ぶとよいでしょう。たとえば動悸や息苦しさの場合には循環器内科、情緒不安定などの精神的な不調の場合には心療内科、下痢が続くなどの場合には消化器内科です。

むし歯の進行

むし歯が原因の場合には、歯科医院を受診して治療をしてもらいましょう。歯ぐきの腫れや歯がしみるなどの自覚症状がなくても、むし歯や歯周病を起こしていることもあるため、定期的な受診がおすすめです。

更年期障害

更年期障害が考えられる場合には、かかりつけの婦人科や更年期専門の更年期外来を受診しましょう。
どのようなケースにおいても、放置せずになるべく早めの受診がおすすめです。

まとめ 適切な医療機関の受診と生活改善に取り組もう

口の中が酸っぱいと感じる原因にはさまざまなことがあるため、原因に合わせて適切な対処が必要です。適切な医療機関を受診できるよう、口の酸っぱさ以外の自覚症状を把握するようにしましょう。
いずれの原因においても我慢したり放置したりすると症状が悪化し、さらに別の病気に進行するおそれもあるため、早期に適切な医療機関の受診が必要です。
また、日頃からストレスの緩和や生活習慣の改善に取り組むことも自分でできる対処法の一つです。

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