ボトックス治療とは歯ぎしりの治療方法の1つで、下顎を引き上げて歯を噛み合わせたり、口を閉じる役割をもつ咬筋(こうきん)の動きを弱める注射をしたりすることで、顎や歯への負担を軽減する治療です。ボトックス治療のメリットや注意点、治療内容の詳細を解説しますので、歯ぎしりの改善をしたいと考えている方はご覧ください。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりが起こるメカニズムはいまだ完全には明らかになっていません。しかし、主な原因はストレスとされており、ストレスを解消するために筋肉が運動し、歯ぎしりが発生するといわれています。
他には、「歯並び」「枕が合わない」などが原因としてあげられます。噛み合わせの悪さを調整しようと、歯ぎしりが起きてしまうことがあります。歯ぎしりは睡眠中に起きるケースが多いため、眠りが浅いと起こりやすいともいわれます。
歯ぎしりの治療には、一般的なマウスピースを使用する方法の他に、筋肉の動きを抑える注射をするボトックス治療という方法があります。
他には、「歯並び」「枕が合わない」などが原因としてあげられます。噛み合わせの悪さを調整しようと、歯ぎしりが起きてしまうことがあります。歯ぎしりは睡眠中に起きるケースが多いため、眠りが浅いと起こりやすいともいわれます。
歯ぎしりの治療には、一般的なマウスピースを使用する方法の他に、筋肉の動きを抑える注射をするボトックス治療という方法があります。
歯ぎしり・食いしばりを放置するリスク
歯ぎしりや食いしばりを単なる癖と考えている方も多いかもしれません。しかし、歯ぎしりを放置すると歯や顎に負担がかかり、さまざまなリスクを引き起こします。
- 顎関節症(がくかんせつしょう)になる
- 歯や歯の根っこが割れる
- 歯周病悪化につながる
- 歯並びや噛み合わせに影響する
ボトックス治療(ボツリヌス治療)とは?
歯ぎしりの治療にはいくつか方法がありますが、ボトックスという治療方法を聞いたことはあるでしょうか。食物を食べる時に使われる筋肉を咬筋(こうきん)といいます。噛みしめや食いしばりなどが原因で咬筋が必要以上に発達すると、顎の痛み、血行不良、ストレス、頭痛、肩こり、エラ張り、むくみなどの原因になるおそれがあります。
ボトックス注射(ボツリヌス療法)とは、この咬筋にボツリヌス菌が作り出す「ボツリヌストキシン製剤」を注射することで、筋肉の動きを抑える治療法です。
過度に動いている筋肉を抑えることで、噛むことによる顎や歯の負担を減らす効果が期待できます。ボトックス治療は日本でも医療領域において厚生労働省の承認を受けています。美容業界では、しわ取り治療、小顔治療として一般的に知られています。
ボトックス注射(ボツリヌス療法)とは、この咬筋にボツリヌス菌が作り出す「ボツリヌストキシン製剤」を注射することで、筋肉の動きを抑える治療法です。
過度に動いている筋肉を抑えることで、噛むことによる顎や歯の負担を減らす効果が期待できます。ボトックス治療は日本でも医療領域において厚生労働省の承認を受けています。美容業界では、しわ取り治療、小顔治療として一般的に知られています。
治療の流れ
ボトックス治療の一般的な流れをご紹介します。
STEP1 カウンセリング・検査
カウンセリングで症状や悩みを聞き、噛む力や顎の状態の診査、レントゲン検査などを行います。診査や検査結果をもとに、ボツリヌス治療が適しているかどうかを判断します。
STEP2 治療計画のご説明
副作用やリスク、メリット・デメリットも含めて治療内容について説明を受け、説明同意書を記入します。
STEP3 ボツリヌス(ボトックス)治療の実施
症状に応じて、注射の濃度や量を調整し、注射部位に目印をつけ、ボツリヌスを咬筋に注入します。通常15分ほどで、表面麻酔をする場合は30〜40分程度で終了します。
STEP4 経過観察・定期受診
ボトックスは、注射後3~7日程度で効果が現れ、効果は3~6か月ほど持続するとされていますが、個人差があります。施術後は定期検診で経過を確認します。
治療費用
ボトックス治療の費用は歯科医院によって違いますが、大体1万4,000円~6万円台です。
かなり金額に幅がありますが、ジェネリックと先発品のどちらを使用するかによって費用が異なるためです。また、症状の強さや口の中の状態によって差が出る場合もあります。
歯ぎしり・食いしばりの改善を目的としたボトックス治療は、健康保険が適用にならない自由診療です。かかった費用の全額を患者側で負担する必要がある点は、注意が必要です。
かなり金額に幅がありますが、ジェネリックと先発品のどちらを使用するかによって費用が異なるためです。また、症状の強さや口の中の状態によって差が出る場合もあります。
歯ぎしり・食いしばりの改善を目的としたボトックス治療は、健康保険が適用にならない自由診療です。かかった費用の全額を患者側で負担する必要がある点は、注意が必要です。
持続期間
歯ぎしり・食いしばりのボトックス治療の効果は、一般的に3~6か月間持続するとされていますが、これには個人差があります。ボトックスの効果は永続的ではないため、歯ぎしりや食いしばりの症状が改善されるまで、定期的な注射を受けることが推奨されます。
効果の持続期間を過ぎると、再び症状が現れることがあるため、継続的なケアが必要です。継続してボトックス治療を受けることで、歯ぎしりの原因となる咬筋自体が弱まってくるため、効果の持続期間が延びる傾向にあります。
効果の持続期間を過ぎると、再び症状が現れることがあるため、継続的なケアが必要です。継続してボトックス治療を受けることで、歯ぎしりの原因となる咬筋自体が弱まってくるため、効果の持続期間が延びる傾向にあります。
ボトックス治療のメリット
ボトックス治療を選ぶとどのようなメリットがあるのでしょうか。
歯ぎしりに伴う不調の改善
ボトックス治療で歯ぎしりが改善されることで、歯ぎしりが原因で起きていた不調の緩和にもつながります。例えば、歯の詰め物や被せ物が欠けるのを防ぐことはもちろん、頭痛・肩こりなども改善できる可能性があります。
顎関節症などの緩和
顎関節症の症状にはいくつかタイプがあり、タイプによって治療方法は異なります。中でも、顎の筋肉(咬筋・側頭筋など)によって引き起こされるものは、ボトックス治療でも効果が期待できます。
フェイスラインの改善
筋力を弱めることで口元のほうれい線を目立たなくさせ、顎の梅干しジワや口周りのしわを解消する効果があります。咬筋が強く緊張することでせり出してしまったエラを縮小し、目立たなくしてくれます。口角が下がった口元の方は、たるみが改善され、口角が上がってキレイな笑顔の口元になります。
ボトックス治療の注意点
さまざまなメリットがあるボトックス注射ですが、いくつか知っておくべき注意点があります。一般的なリスクと副作用について解説します。
注射による内出血
ボトックスの施術では注射針を使用するため、内出血が生じる場合があります。内出血は1週間ほどすれば薄くなりますが、赤みが気になる場合はメイクでカバーするとよいでしょう。
強く噛みにくくなる
ボトックス注射は、注射部位の筋肉を弛緩させる作用がある施術です。咬筋に施術するため、噛む力が一時的に弱まり、食事の際に違和感がある場合があります。ただし、硬い食べ物が噛みにくくなる症状は一時的です。日常生活に支障が出ることはほとんどありません。
頭痛が起きる
ボトックス注射を受けた方の中には、頭痛が起きる方もいます。ボトックスで顔の筋肉のバランスが変化し、普段は使っていない筋肉を動かしたことが、頭痛が生じる原因になります。頭痛は数日間続きますが、自然に治まることがほとんどです。
妊婦、授乳中の方はNG
妊婦や胎児に対する安全性が確立していないため、妊娠中あるいは妊娠の可能性がある場合はボトックスの施術を受けることはできません。
他の治療との比較
ボトックス治療以外にも、歯ぎしりの治療にはいくつか方法があります。(下表参照)
医師や歯科医師と相談し、症状やライフスタイルに合った治療法を選ぶとよいでしょう。
歯ぎしりに悩む方は手軽なボトックス治療を検討してみましょう
ボトックス治療は、歯ぎしりとそれに伴う不調の緩和にも効果的です。日常生活に不便を感じることなく治療できるメリットもあります。ただし、効果を持続するには定期的なケアが必要であったり、自由診療であったりする点も考慮すべき点です。自分のライフスタイルや期待する効果にあわせて検討してみてはいかがでしょうか。