歯ぎしりを治す方法を紹介!治療する場合はどこへ相談するべき?

歯ぎしりを治す方法を紹介!治療する場合はどこへ相談するべき?

(2023年10月30日公開)
朝起きたら顎がだるく感じたり、頬の内側に線ができていたりすることはありませんか?
それは、歯ぎしりが原因かもしれません。歯ぎしりをしていると、歯がすり減ったり、欠けたりする場合があります。さらに、顎関節症や知覚過敏症など、他にも多くの悪影響が出るおそれがあります。本記事では、歯ぎしりの原因や治療法、治療費用について解説します。

               

歯ぎしりの具体的な原因は?

歯ぎしりというと、歯をギリギリとこすり合わせることを想像される方が多いと思います。実は歯ぎしりにも種類があり、前述のこすり合わせるタイプはグラインディングといいます。ほかにも、強い噛みしめや食いしばりをするクレンチング、カチカチと歯を噛み鳴らすタッピングの、3つの種類があります。
歯ぎしりのタイプについて、詳しくはこちらの記事でご紹介をしています。
歯ぎしりの原因は解明されていませんが、主に以下の5つが原因だといわれています。
  • 日常のストレス
  • かみ合わせ・歯並びのずれ
  • アルコールやタバコ・カフェインの摂取
  • スポーツによる習慣化
  • 顎関節の形態変化
一つずつ詳しくみていきましょう。

日常のストレス

歯ぎしりの原因でもっとも多いといわれているのは、日常のストレスです。人は無意識に歯ぎしりをすることで、ストレスを解消しているからです。ストレスを感じると口の周りの筋肉が緊張で張ってしまい、歯ぎしりにつながります。

かみ合わせ・歯並びのずれ

上下のかみ合わせや、歯並びのずれも歯ぎしりの原因です。若い方は、歯並びが悪くても筋肉や骨に柔軟性があるため、影響は少ないです、一方、これらの柔軟性は年齢と共に失われるため、歯並びのずれを補いきれなくなり、歯ぎしりを起こしやすくなるといわれています。
また、歯科治療の詰め物のずれ、歯周病による歯の動揺、歯のすり減りなどで歯の高さがあっていない場合も歯ぎしりの原因になります。

アルコールやタバコ・カフェインの摂取

直接的な原因ではありませんが、飲酒や喫煙、カフェインの摂取も歯ぎしりを引き起こすことがあります。これらは眠りを浅くするためです。歯ぎしりは、浅い眠りであるレム睡眠のときに起こるといわれています。飲酒は睡眠の質を下げ、喫煙はニコチンによる覚醒作用を受けます。カフェインも眠気を作り出す成分をブロックして覚醒作用をもたらすため、眠りを浅くします。

スポーツによる習慣化

スポーツをしていることも歯ぎしりの原因の一つです。瞬発系のスポーツは力を入れる瞬間に歯を食いしばります。これが癖になり、睡眠時や無意識なときも上下の歯が触れたときに食いしばったり、歯ぎしりをしてしまったりすることがあります。

顎関節の形態変化

顎の関節部分は加齢ですり減ったりして形が変わることがあります。その結果、下顎の骨の位置もずれてしまい、かみ合わせに影響をすることがあります。
前述の通り、かみ合わせが悪くなると歯ぎしりの原因となります。

歯ぎしりを解消する方法

歯ぎしりの原因は解明されていませんが、原因と考えられていることを改善したり、対症療法をおこなったりすることで解消が見込まれます。つづいて、歯ぎしりの解消法をひとつずつ解説します。

日常のストレスを解消させる

歯ぎしりの主な原因といわれているのがストレスです。そのため、ストレスを発散することが、歯ぎしりの予防や解消につながります。ストレス解消には、適度な運動と規則正しい生活がおすすめです。

適度な運動をおこなう

ストレス解消に適度な運動は効果的です。運動習慣のなかった方は、散歩から始めましょう。体を動かすことにより、ストレスの解消だけではなく、睡眠の質も上がります。
なお、過度に運動をするとかえってストレスになってしまうおそれもあります。一日20分ほどの有酸素運動がストレス発散には効果的といわれています。汗をかいて気持ちいいと思える運動を続けることが大切です。

朝起きたら日光を浴びる

早寝早起きをすると、ストレス解消にも良い効果があります。朝起きて朝日を浴びることでセロトニンが作られるからです。セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの材料であり、快眠につながります。また、セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、多幸感を感じたり、情緒を安定させたりする効果があり、ストレス解消に効果があります。
早起きをしたら、15~30分は朝日を浴びるようにしましょう。

質のよい睡眠がとれる環境をつくる

質のよい睡眠をとることも、歯ぎしりの改善には重要です。歯ぎしりは浅い眠りのときに起こるためです。質のよい睡眠がとれるよう、エアコンや加湿器などを使って部屋の温度や湿度を調節する、マットレスや枕を体に合うものを選ぶ、季節に合わせて通気性や保温性の異なる布団を選ぶなど、寝床を整え、深く眠れるようにしましょう。
また、寝る前にスマートフォンなどの電子機器を見ないようにするのも、質のよい睡眠のためにはおすすめです。寝る直前まで画面を見ているとブルーライトで覚醒してしまい、寝付きが悪くなるためです。眠前の1時間前、可能であれば2時間ほど前にはスマホなどの使用を控えるように心がけましょう。

歯科医院や歯医者でかみ合わせを調整する

歯ぎしりの原因のひとつに、かみ合わせの悪さがあります。歯のかみ合わせを歯科医院で整えることで、歯ぎしりしてしまう原因のひとつを取り除くことが可能です。一度治療をした歯の詰め物がずれたりすることで、かみ合わせが悪くなっていることもあります。「以前に診てもらったから」と放置をせずに、もし歯ぎしりが気になる場合は歯科医院で診てもらうようにしましょう。

マウスピース(ナイトガード)を使用する

それでも歯ぎしりをしてしまう場合は、マウスピース(ナイトガード)の利用を検討しましょう。睡眠時に起こる歯ぎしりから歯や顎を守れます。
マウスピースによる治療は保険適用も可能です。
詳しくはこちらの記事にまとめています。興味がある方はあわせて読んでみてください。

ボトックス注射を打つ

歯ぎしりは、口内の筋肉が過度に緊張をすることで起こります。筋肉の緊張を取る方法の一つに、ボトックス注射があります。ボトックス注射というと顔のしわを取る用途が有名ですが、それを歯ぎしりに応用しています。歯ぎしりの改善以外にも発達しすぎた咬筋を小さくする作用もあり、小顔効果も期待できます。

筋肉のマッサージをおこなう

緊張してしまった筋肉のマッサージを行うと、口内の筋肉がリラックスして歯ぎしりが抑えられます。筋肉の張りが取れることで小顔効果も見込めます。

歯ぎしりの治療はどこに相談するべき?

歯ぎしりの治療法にはかみ合わせの調整やボトックス注射など様々な方法がありますが、一般的なものはマウスピースの使用です。どの治療法を選ぶ場合でも、まずは歯科医院へ行き診察を受けましょう。

歯ぎしりの治療にかかる費用は?

かみ合わせの調整やマウスピースの作成、ボトックス注射など治療によって費用は変わります。またマウスピースに限定しても素材により費用が異なります。

かみ合わせを調整する場合

かみ合わせを調整するためには、歯科医院で写真やレントゲンを撮って診療を行う必要があります。咬合器を使用し、かみ合わせを再現することもあります。インプラントや歯の詰め物によってかみ合わせがずれている場合は、かみ合わせのバランスを確認しながら歯を削ったり、詰め物やインプラントのかぶせ物の調整をしたりします。歯並びが悪いためにかみ合わせに不具合が出ている場合は、歯科矯正で治療を行います。

歯を削り調整する場合

歯を削って調整する治療法を咬合調整といいます。治療例としては、顎を左右に動かしたときに歯が接触することで問題が起きているなら、そこを削り、不具合を調整していきます。この治療法は保険診療のため、数千円程度の費用です。必要に応じてレントゲン撮影や専用の機械を用いて状態を調べるため、診断料やカウンセリング料などが別途かかる場合もあり、ケースによっては自費診療となることもあります。検査・診断料は6万円ほど、カウンセリング料が5千円ほどの費用が目安です。

歯科矯正をおこなう場合

矯正器具を利用し、歯列を整える治療法です。矯正の方法には、歯の表側や裏側にワイヤーをつける方法やマウスピースを装着する方法などがあります。矯正の範囲によって期間と費用が異なります。自費診療のため、歯科医院によって異なりますが、期間は5か月から3年、費用は10万円から100万円と幅があります。

マウスピースを作る場合

歯ぎしり治療のマウスピースは、保険診療の場合、5千円ほどの費用で制作ができます。マウスピースには、厚みの違うハードタイプや、スポーツ用のマウスガードと同じソフトタイプ、顎関節症の治療にも使えるスプリントがあります。3千円から7千円くらいの幅があるため、歯科医院でしっかりと説明を聞いて、自分にあったものを選ぶとよいでしょう。

ボトックス注射をする場合

ボツリヌス毒素製剤による治療をボトックス注射といいます。ボトックス注射をすることで、筋肉の緊張をほぐし、歯ぎしりの治療を行う治療法です。
ボトックス注射は自費診療の扱いのため、注射1回あたり3万円程度の費用と、診察費が別途かかります。
ボトックス注射の効果は永続的ではなく、6~10か月ほど効果が持続するといわれています。治療効果を見ながら3~6か月ごとに注射をおこなうことが必要なため、その分費用もかさみます。

歯ぎしりの治療は保険適用される?

歯ぎしりの治療には、保険が適用されるものと自費診療のものがあります。マウスピース作成やかみ合わせの調整などの治療法は保険適用できることがありますが、歯科矯正やボトックス注射などは自費診療の治療法です。費用と効果をよく見て自分にあったものを選びましょう。

歯ぎしりのセルフチェック方法

歯ぎしりは、睡眠時や起床時に無意識で行ってしまう動作です。周囲の方から教えてもらえれば気付くことができますが、指摘をしてもらえる環境にない場合は難しいでしょう。
ここでは歯ぎしりをしているかどうかのセルフチェック方法をご紹介します。以下の項目に複数当てはまる方は、歯ぎしりをしている可能性が高いです。

□ 歯にヒビが入っている・削れている
□ あごに痛みがある
□ 口が開きにくい
□ 知覚過敏の症状がある
□ 日常的に噛みしめていることが多い
□ 舌の左右に凹みがある
□ 頬の内側に噛んだ跡がある
□ 頭痛や肩こり・腰痛がある
□ 起床時に口周りに疲労感がある

まとめ

多くの不調につながる歯ぎしりの原因は、ストレスや歯並び、飲酒など多岐にわたります。日ごろからストレスを溜めずに、生活習慣を整えることは必要ですが、それでも歯ぎしりが治まらない場合があります。その際は、顎関節症などの将来的な悪影響を抑えるためにも一度、歯科医院で診察をしてもらうことをおすすめします。

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