ナイトガードとは?
睡眠中の歯ぎしりや、食いしばりに悩んでいる方におすすめなのが、ナイトガードを使用することです。まずは、ナイトガードを使用する目的や種類、市販品と歯科医院で作るナイトガードの違いについて見ていきましょう。
ナイトガードを使用する目的
ナイトガードとは、睡眠時専用のマウスピースです。睡眠中の歯ぎしりや食いしばりが続くと、歯の摩耗や破損、顎関節症など、さまざまな障害が起こりやすくなります。ナイトガードで歯列全体を覆うと、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりから歯や顎を守ることができます。
食いしばりの原因や予防方法については、こちらの記事をご覧ください。
ナイトガードは子どもにも使える
ナイトガードは、大人だけではなく子どもにも使用することができます。3、4歳から12歳の間は、乳歯から永久歯への生え代わりの調整などで歯ぎしりをすることが多くありますが、基本的に心配はありません。
ただし、詰め物がはずれたり、擦り減り過ぎた歯が欠けたり、極度に歯ぎしりがひどい場合は、噛み合わせや顎へ影響が及ばないように、ナイトガードの使用がすすめられています。
子どもの歯ぎしりの原因や治療法については、こちらの記事をご覧ください。
ナイトガードの種類
ナイトガードには、ソフトタイプとハードタイプの2種類があります。
<ソフトタイプ>
ゴム製でやわらかく、装着時の違和感が少ないタイプです。初めてナイトガードを付ける方や、付け心地が気になる方におすすめです。ただし、やわらかい素材のため、歯ぎしりの力が強い方はゴムが削れてしまう場合もあり、注意が必要です。
ゴム製でやわらかく、装着時の違和感が少ないタイプです。初めてナイトガードを付ける方や、付け心地が気になる方におすすめです。ただし、やわらかい素材のため、歯ぎしりの力が強い方はゴムが削れてしまう場合もあり、注意が必要です。
<ハードタイプ>
レジン(樹脂)でできています。ソフトタイプと比べると硬い素材のため、付け心地に違和感を抱きやすいですが、その分歯ぎしりなどへの改善の効果は高いと言われています。
レジン(樹脂)でできています。ソフトタイプと比べると硬い素材のため、付け心地に違和感を抱きやすいですが、その分歯ぎしりなどへの改善の効果は高いと言われています。
市販と歯科医院で作るナイトガードの違い
市販品と歯科医院で作るナイトガードには、次のような違いがあります。
<市販のナイトガード>
①奥歯固定タイプ
奥歯のみを固定するタイプです。装着した時の違和感は少ないですが、安定性に欠けるため、誤って飲み込んでしまう危険性があります。装着時には、ナイトガードが自分の奥歯に合っているかどうかを確認する必要があります。
①奥歯固定タイプ
奥歯のみを固定するタイプです。装着した時の違和感は少ないですが、安定性に欠けるため、誤って飲み込んでしまう危険性があります。装着時には、ナイトガードが自分の奥歯に合っているかどうかを確認する必要があります。
②成型タイプ
お湯でやわらかくして、自分で歯にはめ込んで成型するタイプです。自宅で気軽に作ることができますが、噛み合わせの調整が自分では難しく、かえって顎や歯に負担をかける可能性もあります。
お湯でやわらかくして、自分で歯にはめ込んで成型するタイプです。自宅で気軽に作ることができますが、噛み合わせの調整が自分では難しく、かえって顎や歯に負担をかける可能性もあります。
③成型不要タイプ
既に作られた型をそのまま装着して使うタイプです。自分の歯型と合わない場合、効果が発揮されにくく、装着した時の違和感が大きいなどの難点があります。
既に作られた型をそのまま装着して使うタイプです。自分の歯型と合わない場合、効果が発揮されにくく、装着した時の違和感が大きいなどの難点があります。
<歯科医院のナイトガード>
歯のかみ合わせや歯並びは一人ひとり異なります。歯科医院でナイトガードを作る場合は、歯ぎしりや食いしばりによる影響を可能な限り抑えるために、精密な診断を行ってから自身の歯型に合わせたものを作成します。
歯のかみ合わせや歯並びは一人ひとり異なります。歯科医院でナイトガードを作る場合は、歯ぎしりや食いしばりによる影響を可能な限り抑えるために、精密な診断を行ってから自身の歯型に合わせたものを作成します。
睡眠中の歯ぎしりや食いしばり、嚙み合わせの不具合などが気になる方は、歯科医院で相談してみてくださいね。
ナイトガードを使用するメリット
ナイトガードを使うことで、歯ぎしりや食いしばりによる歯と顎への影響を抑えられます。次に、ナイトガードの使用で得られるメリットをご紹介します。
歯や顎への負担が軽減できる
歯ぎしりや食いしばりをしている時は、歯への負荷が自分の体重の約2~5倍もかかると言われています。この状態が続くと、歯が削れて、顎の筋肉が疲労してしまいますが、ナイトガードを使うことで、歯や顎への負担を軽減することができます。
また、歯ぎしりや食いしばりは、歯のかぶせ物の破損、歯周病の悪化、顎関節症などを招くこともあります。これらもまた、ナイトガードを使用することにより影響を軽減できます。
顎関節症の原因や症状、対処法については、こちらの記事をご覧ください。
歯科医院で作るナイトガードは調整が可能
嚙み合わせは、大人になってからも少しずつ変化するため、ズレたことを自覚するのは難しいものです。噛み合わせが悪いと、食事がしにくくなるだけではなく、体全体の歪みを招いてしまうことがあります。ひどい場合、肩こりや頭痛、顎関節症を引き起こすこともあります。
市販のナイトガードは、噛み合わせのズレを自分で調整することができません。一方、歯科医院で作る場合、正しい噛み合わせになるように調整してもらうことができます。
睡眠中の歯ぎしり・食いしばりを確認できる
睡眠中、無意識に歯ぎしりや食いしばりをしている方もいます。しかし、歯科医院で歯ぎしりや食いしばりの痕跡を説明されても、自覚がないため本当にしているのかどうかが分からないケースも少なくありません。ナイトガードを使ってみて、少しずつ傷がついたり削れたりしていく場合、睡眠中に歯ぎしりや食いしばりをしているということがわかります。
歯ぎしりの原因や対策方法については、こちらの記事をご覧ください。
ナイトガードを使用するデメリット
ナイトガードは口に入れて使うものなので、装着に慣れることが必要です。また、購入や作成にかかる費用についても考えておきましょう。次に、ナイトガードを使う際のデメリットについて見ていきます。
違和感や起床時に顎の痛みを覚える
ナイトガードを使い始めた時に、違和感を覚えて眠れないという方もいるようです。ナイトガードを使うと、普段とは違う位置で歯が固定されるため、起床時に顎の痛みやだるさを感じることがあります。また、ナイトガードにより口が少し開いた状態になることから、口の渇きを感じる方もいます。しかし、使用を続けていると次第に慣れてくるようです。
購入や作成にコストがかかる
ナイトガードの耐用年数は一般的には2~3年程度と言われていますが、これには個人差があります。歯ぎしりや食いしばりがひどい方の場合、1年もかからないうちに穴が開いたり、割れたりしてしまいます。その場合は新しく購入するか、作り直す必要があるため、コストがかさんでしまいます。
歯科医院で作る場合は、自身の歯型に合わせて作るオーダーメイドなので、費用がやや高くなります。とはいえ、治療用として保険適用が認められているため、4,000~5,000円程度に抑えられます。
ナイトガードのお手入れ方法と注意点
ナイトガードのお手入れや保管方法が適切ではないと、傷がついたり破損してしまったりすることがあります。ナイトガードを使用する前に、適切なお手入れ方法と保管時の注意点についてチェックしておきましょう。
専用の洗浄剤で汚れを落とす
起床後はナイトガードを取り外し、やわらかい歯ブラシを使って洗います。歯磨き粉には研磨剤が含まれているものが多く、歯ブラシで強くこすると傷つけてしまうため、歯磨き粉の使用は避けましょう。しかし水で洗い流すだけでは雑菌が繁殖しやすいため、専用の洗浄剤による消毒や洗浄をおすすめします。
高温な場所を避けて保管する
ナイトガードは熱に弱い素材で作られています。夏場の車内など高温になる場所での保管や、お湯による煮沸消毒は、変形する恐れがあるため、避けましょう。
また、ハードタイプは乾燥に弱く、変形したり割れたりすることがあるので、水を張った容器の中で保管してください。ソフトタイプは洗った後に水分をふき取り、通気性の良いケースに入れて保管すると良いでしょう。
歯科医院で定期的にチェックしてもらう
歯科医院で作ったナイトガードだとしても、毎日のように歯ぎしりや食いしばりをしていると、すり減ったり、穴が開いたりしてしまうことがあります。また、噛み合わせにも変化が起こるため、定期的に歯科医院でのチェックが必要です。数ヵ月に1度の定期検診時に、あわせて確認してもらうと良いでしょう。
定期検診の際には、自分の口内環境もチェックしてみてはいかがでしょうか。唾液検査シルハは、口内の清潔度や歯と歯ぐきの健康など、口内環境にかかわる項目がチェックでき、むし歯や歯周病、口臭予防にも役立ちます。
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ナイトガードで大切な歯を守ろう
ナイトガードの使用により、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりによる歯と顎への負担を軽減することができます。市販のものを使う、または歯科医院で自分の歯型に合ったものを作成してもらい、歯ぎしりや食いしばりから大切な歯を守りましょう。