【ヘルシーレシピ】オリゴ糖の注目すべき機能とは?目安量や摂り方、おすすめ腸活レシピ【管理栄養士監修】

【ヘルシーレシピ】オリゴ糖の注目すべき機能とは?目安量や摂り方、おすすめ腸活レシピ【管理栄養士監修】

この記事では、オリゴ糖の特徴や期待される機能、目安量などを紹介しています。オリゴ糖を効率よく補給する方法と実践できるレシピも公開しています。

               
オリゴ糖は腸内環境を整えるのを助ける働きがあり、優れた機能が注目されている成分です。ほかにも、エネルギーになりにくかったり、ミネラルの吸収を助けたりするなど、さまざまな働きがあります。
この記事では、オリゴ糖の特徴や期待される機能、豊富な食べ物を紹介します。目安量や効率的な摂り方、おすすめ腸活レシピも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

オリゴ糖の特徴

オリゴ糖は、糖質の最小単位である単糖が2個から10個ほど結びついたものを指します。「オリゴ」はギリシャ語で「少ない」という意味であり、少糖類ともいいます。

しかし、実は明確な定義はありません。糖が2つ結びついた「砂糖(ショ糖)」もオリゴ糖の仲間になるので、一般的には3つ以上の糖が結びついたものを指す場合がほとんどです。

オリゴ糖は糖質の一種であるため、エネルギー源になるのが主な役割です。ほかにも、腸内でビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり増やす作用があることから、腸内環境を整える成分として、オリゴ糖の機能が注目されています。

オリゴ糖は腸内環境改善を目的としては必須の栄養素ではなく、目標摂取量などが定められているわけではありません。ここではオリゴ糖の機能性について、詳しく解説していきます。

あれもこれも! オリゴ糖の種類

オリゴ糖はさまざまな種類がありますが、下記の6つがよく知られています。特徴とともに見てみましょう。

オリゴ糖の種類と主な構造

フラクトオリゴ糖

  • 主な構造:フラクトース(果糖)が2個以上連結したもの
  • 製造法:微生物の酵素(移転反応)により合成
  • 原料:ショ頭
  • 甘味度:25~35 %

ガラクトオリゴ糖

  • 主な構造:乳糖にガラクトースが1~4分子結合したもの
  • 製造法:微生物の酵素(移転反応)により合成
  • 原料:乳頭
  • 甘味度:25~35 %

イソマルトオリゴ糖

  • 主な構造:グルコースが3~7個結合した糖のうち分岐構造を持つもの
  • 製造法:微生物の酵素(移転反応)により合成
  • 原料:でんぷん
  • 甘味度:40~50 %

乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)

  • 主な構造:乳糖に果糖1個がつながったもの
  • 製造法:微生物の酵素(移転反応)により合成
  • 原料:ショ糖、乳糖
  • 甘味度:50 %

キシロオリゴ糖

  • 主な構造:キシロースが数個結合したもの
  • 製造法:微生物の酵素により、植物多糖類を分解
  • 原料:コーン軸中のキシランなど
  • 甘味度:25~40 %

大豆オリゴ糖

  • 主な構造:大豆から抽出した少糖類の総称
  • 製造法:植物から抽出
  • 原料:大豆ホエー
  • 甘味度:70 %
参照:独立行政法人農畜産業振興機構法「砂糖以外の甘味料について」,「お砂糖豆知識」

オリゴ糖の種類により、構造や製造法、原料が異なります。また、オリゴ糖は砂糖より甘味度が少なく、甘さが控えめであるものがほとんどです。

オリゴ糖に期待される効果・効能

オリゴ糖の機能がわかってきたのは、ごく最近のことです。まだはっきりとわかっていない部分もありますが、どのような効果、効能が期待されているか詳しく見てみましょう。

腸内環境を整える

オリゴ糖のもっとも知られている機能は、腸内環境を整えることです。オリゴ糖は胃や小腸で消化されずに大腸まで届き、善玉菌のエサとなり菌数を増やすことで、腸内環境を整えてくれます。

そもそも腸内環境の整った状態とは、よい働きをする善玉菌が活発に活動している状態です。腸内には善玉菌以外にも悪玉菌、日和見菌が住みついており、腸内フローラ(腸内細菌叢)と呼ばれます。腸内フローラの理想的な割合は「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」といわれています。

善玉菌は腸内で乳酸や酢酸を作り出して腸内を酸性にし、悪玉菌の活動を抑えます。悪玉菌が活動しづらくなることで、免疫機能の向上やがん予防など、さまざまなメリットをもたらします。

腸内環境を整える働きは、先ほど紹介した上記6つのオリゴ糖すべてに期待されている機能ですが、なかでもフラクトオリゴ糖を1日に1 g、2週間摂取することにより、ビフィズス菌(善玉菌)が有意に増えたという報告があります。

エネルギーになりにくい・血糖値を上昇させない

オリゴ糖は体内で消化・吸収されづらいため、エネルギーになりにくい性質があります。また、一部のオリゴ糖は分解されずに大腸に届くため、血糖値を上昇させないものもあります。

血糖値を上昇させない性質が知られているのは、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖などです。実際に、フラクトオリゴ糖を摂取しても、血糖値、インスリン(血糖値を下げるホルモン)分泌にほとんど影響しないことがわかっています。

オリゴ糖を砂糖の代用として取り入れると、カロリーを抑えたり血糖値をコントロールしたりするのに役立つでしょう。

カルシウム・マグネシウムの吸収を促す

フラクトオリゴ糖はカルシウム・マグネシウムの吸収を促すことが知られています。

これは、フラクトオリゴ糖の整腸作用が関わっています。腸内環境が整うことで腸内が酸性になり、カルシウム・マグネシウムが溶けやすくなり吸収を促すという仕組みです。

カルシウム、マグネシウムは骨や歯の健康づくりに欠かせない役割があります。どちらも不足しがちな栄養素なので、カルシウムやマグネシウムの豊富な食事とオリゴ糖の摂取をあわせることで、効率的に栄養補給できるでしょう。

むし歯になりにくい

フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖などのオリゴ糖は、むし歯になりにくいことがわかっています。

むし歯菌は砂糖などの糖分をエサにして増殖し、酸を作りだして歯の表面を溶かしてむし歯を作ります。フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖などのオリゴ糖はむし歯菌のエサにならない、あるいはされにくい性質を持つことから、むし歯の原因になりづらいのです。

砂糖の代わりの甘味料として、子どもから大人まで、むし歯予防として役立ってくれるでしょう。

オリゴ糖の1日の摂取量の目安

オリゴ糖のみの1日の摂取量の目安は定められていません。ただし、腸内環境を整えることを目的として、効果が期待できるとされる量はあります。

下記は特定保健用食品(規格基準型)で示されている、1日摂取目安量に含まれる関
与成分の量です。
※特定保健用食品(規格基準型)とは、特定保健用食品としての許可実績が十分であるなど科学的根拠が蓄積されている関与成分を含むもので、定められた規格基準への適合性を審査し、許可されたものです。
参照:消費者庁「特定保健用食品について

これはオリゴ糖の量であり、食べ物の量でないことに注意が必要です。オリゴ糖を含む製品を利用する際は、目安の量を確認するようにしましょう。

オリゴ糖が不足するとどうなる?

オリゴ糖単体では、不足の影響をはっきりと伝えることはできません。そもそも1日に摂るべき量が決められているわけではないため、どの程度が不足とはいえないのです。

ただし、オリゴ糖の投与で腸内環境が改善することを考えると、腸内環境を整えたい場合は、オリゴ糖をしっかり摂るとよいといえるでしょう。

オリゴ糖を過剰摂取するとどうなる?

オリゴ糖は消化されづらいため、過剰摂取すると軟便や下痢につながるおそれがあります。

フラクトオリゴ糖の場合、下痢にならない最大摂取量は体重1 kgあたり成人男性で0.3 g、成人女性で0.4 gという報告があります。体重60 kgの成人男性は18 g、体重50 kgの成人女性は20 gが上限量の目安です。

また、エネルギーになりにくいとはいえ、エネルギーがゼロではないため、たくさんとると肥満につながるおそれがあります。1日の目安量の範囲内で取り入れるようにしましょう

オリゴ糖が豊富な食べ物

オリゴ糖は、糖を含むさまざまな食べ物に含まれています。オリゴ糖の種類と含まれる食べ物は下記のとおりです。
乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)と大豆オリゴ糖は、原料をもとに作られるオリゴ糖のため、食べ物からの摂取は期待しづらいオリゴ糖です。

オリゴ糖を含む食べ物を紹介しましたが、注意したいのは含有量がさほど多くない点です。例えば、フラクトオリゴ糖を3 g摂取したい場合は、バナナ10本を食べなければいけません。

オリゴ糖の機能性を期待したい場合は、食べ物の摂取とあわせて、シロップなどのオリゴ糖製品の利用を検討してみるのもよいでしょう。

オリゴ糖製品との上手な付き合い方

オリゴ糖シロップなどの製品は、オリゴ糖をより効率的に摂りたいときに便利です。

市販のオリゴ糖シロップなどのパッケージには「お腹の調子を整える」といった期待される機能が記載されているものがほとんどです。選ぶ際はパッケージをよく見てみるとよいでしょう。

オリゴ糖を取り入れる際は、急に摂取すると下痢やお腹の張りにつながることがあります。少量からはじめてみたり、1日数回に分けて摂取してみたりと工夫するとよいでしょう。

オリゴ糖と相性のよい食べ物とは?

腸内で善玉菌として働くビフィズス菌や乳酸菌を含むものと、これらを増やす作用のあるオリゴ糖を一緒に摂ると、より効果的です。

ビフィズス菌はヨーグルトに、乳酸菌はヨーグルト、チーズ、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品に含まれています。ビフィズス菌や乳酸菌は腸に長く住みつくことが難しいため、毎日補給する必要があります。

先ほど紹介したオリゴ糖を含む玉ねぎ、ごぼう、トマトなどの野菜と味噌やチーズを組み合わせたり、ヨーグルトにオリゴ糖シロップをかけて食べたりすると、より効果的でしょう。

オリゴ糖補給&腸活におすすめの「バナナとベリーのハニーヨーグルトアイス」のレシピ

オリゴ糖を補給でき、腸活におすすめの「バナナとベリーのハニーヨーグルトアイス」のレシピを紹介します。

フラクトオリゴ糖を含むバナナ、はちみつを使い、乳酸菌を含むヨーグルトを組み合わせています。さらに、果物の中でも食物繊維の豊富なブルーベリーを使用。食物繊維も善玉菌のエサとなるため、より腸内環境を整えるのを助けてくれます。

また、ブルーベリーはポリフェノールやビタミンCが豊富で、美容や口の健康にもよい働きが期待できます。

今回ははちみつを使っていますが、代わりにオリゴ糖シロップを使用してもOKです。オリゴ糖ははちみつより甘味度が低いため、約1.5〜2倍の量を入れるとちょうどよい甘みになります。製品によって甘味度が異なるため、味見をして調整してください。

<材料>(作りやすい分量・4人分)調理時間:5分(凍らせる時間は除く)

  • バナナ:1本
  • 冷凍ブルーベリー:100 g
  • ヨーグルト(無糖):200 g
  • 牛乳:50 g
  • はちみつ:20 g
  • ※フラクトオリゴ糖シロップを使用する場合は約30~40 g

<作り方>

  1. ジッパー付き保存袋にバナナを入れ、袋の上から手でもんでつぶします。
  2. 1に冷凍ブルーベリー、ヨーグルト、牛乳、はちみつを加えてもみながら混ぜ、口を閉じて平らにします。
  3. 冷凍庫に入れて2時間経ったら手でよくもみます。さらに3~4時間ほど凍らせます。

<ポイント>

3の工程で、1〜2時間おきに手でもむようにすると、さらになめらかな仕上がりになります。ガチガチに凍ってしまった場合は、室温に5〜10分ほどおくと食べやすくなります。

バランスのよい食事とオリゴ糖で、健康づくりを!

オリゴ糖は腸内環境を整えたり、健康づくりをサポートしたりと、私たちの体にうれしい働きをしてくれる成分です。バランスのよい食事を心がけながら、オリゴ糖を上手に活用してみましょう。

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
ホームページ>
https://hirotachihiro.com/
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