12月が旬の小松菜、カリフラワー、ゆずの選び方やおすすめの調理法、ゆずのはちみつ漬けのレシピをご紹介します。
12月が旬の小松菜、カリフラワー、ゆずは忙しい時期を乗り切るための栄養素や成分を豊富に含んでいます。冷えの予防や免疫機能の維持、リフレッシュ作用など、さまざまなうれしい働きが期待できるものばかりです。
この記事では、12月が旬の食材の栄養価や効能を解説します。また、簡単に作れて疲れを取りたいときにぴったりの、おすすめレシピも紹介します。
野菜のなかでもトップクラスの栄養価「小松菜」
小松菜の旬は12〜2月頃の冬です。小松菜は1年を通して手に入りますが、旬である冬は寒さにより葉肉がやわらかくなり、甘みが増しておいしくなります。
小松菜を選ぶ際は、葉が肉厚なもの、茎が太くてハリがあるものを選びましょう。緑色が鮮やかなものは新鮮な証拠です。
栄養素
小松菜は野菜のなかでも栄養豊富で、特にカルシウム(170 mg/100 g)、鉄(2.8 mg/100 g)の含有量が優れています。同量で比較した場合、カルシウムは牛乳(110 mg/100 g)の約1.5倍、鉄はほうれん草(2.0 mg/100 g)の1.4倍の量です。
ほかにも、カリウム(500 mg/100 g)やビタミンA(260 μg/100 g)などの栄養素も含みます。
期待される効能
小松菜に含まれる栄養素には、下記の効能が期待されます。
カルシウム:骨と歯の材料となる
小松菜に含まれるカルシウムは、骨と歯の材料となります。強い骨や歯を作るのに欠かせず、成長期の子どもはもちろん、大人も不足することなく摂りたい栄養素です。
日本人の平均的なカルシウム摂取量は不足気味であるため、牛乳などの乳製品とあわせて、小松菜のような色の濃い野菜を積極的に取り入れましょう。
鉄:貧血を防ぐ
鉄は血液中のヘモグロビンの材料となり、貧血を防ぐ役割があります。
貧血になると全身に酸素が運ばれにくくなり、息切れやめまい、疲れやすさを感じやすくなったり、冷えの原因となったりすることがあります。冬の気になる冷え対策にも、鉄の摂取による貧血予防が大切です。
おすすめの調理法
小松菜に含まれる鉄の吸収を高めるために、動物性タンパク質と組み合わせるようにしましょう。タンパク質と鉄が結びつき、体に吸収されやすくなります。
卵、肉、魚と一緒に調理したり、献立のなかで組み合わせたりすると良いでしょう。
栄養価の損失が少ない「カリフラワー」
カリフラワーの旬は、11〜3月にかけてです。カリフラワーはキャベツと同じアブラナ科であり、キャベツと同じように冬が旬の野菜です。
また、カリフラワーはブロッコリーが突然変異したものといわれており、ブロッコリーの仲間でもあります。
カリフラワーを選ぶ際は、ずっしりと重みを感じて、蕾がよく締まっているものがおいしいサインです。蕾の一部が黄色や黒に変色していたり、グレーがかっていたりするものは鮮度が落ちているため避けるようにしましょう。
栄養素
カリフラワーは、ビタミンC(81 mg/100 g)や食物繊維(2.9 g/100 g)を豊富に含みます。ほかにも、カリウム(410 mg/100 g)や葉酸(94 μg/100 g)といった栄養素を含みます。
ブロッコリーは緑黄色野菜に分類されるためビタミンAや鉄が豊富ですが、カリフラワーにはさほど含まれていません。全体的に、ブロッコリーのほうが栄養価が高い野菜といえますが、カリフラワーは茹でてもビタミンCが失われにくいのが優秀な点です。
【茹でた場合のビタミンC量の変化】
期待される効能
カリフラワーに含まれる栄養素には、どのような働きがあるのか詳しく見てみましょう。
ビタミンC:免疫機能の維持
ビタミンCは免疫機能の維持に関わる栄養素です。ビタミンCは白血球やリンパ球に多く含まれており、体内に侵入したウイルスや病原菌と戦うのをサポートし、私たちの体を守ってくれていると考えられています。
また、ビタミンCはコラーゲンの生成に関わることから、傷ついた歯ぐきを守り、口の健康も守ってくれます。
食物繊維:腸内環境を整える
食物繊維は便の材料となったり、腸内で善玉菌が増えるのを助けたりして、腸内環境を整えてくれます。腸内環境が整うと、便通が良くなるだけでなく、免疫機能の維持にも役立つとされています。
ほかにも、食物繊維は糖や脂質の吸収を穏やかにするため、生活習慣病予防にも摂りたい成分です。
おすすめの調理法
カリフラワーのビタミンCをムダなく摂りたいなら、サッと茹でるようにしましょう。
カリフラワーのビタミンCは茹でても減りにくいとはいえ、長く茹でれば茹でるほど、ビタミンCは減ってしまいます。小房に分けて、茹でる時間を短くするようにしましょう。
カリフラワーを茹でる際に、色をきれいに仕上げるためにレモン汁を入れる方法もありますが、気にならない場合は入れなくても問題ありません。
そして、カリフラワーは電子レンジでも簡単に調理できます。茹でる場合に比べて水溶性の栄養素がムダになりにくいため、電子レンジ調理も上手に活用してみましょう。
香り成分に注目「ゆず」
ゆずの旬は、11〜1月頃の冬です。この時期に旬となるのは「黄ゆず」で、夏に出回る「青ゆず」が熟して黄色くなったものです。
青ゆずはフレッシュで力強い香りがありますが、黄ゆずはさわやかで芳醇な香りが特徴です。
ゆずを選ぶ際は、皮にハリのあるものが良いでしょう。また、新鮮であるかどうかは、ヘタの切り口が茶色くなっていないか、チェックしてみましょう。
栄養素
ゆずの果汁には、ビタミンC(40 mg/100 g)やクエン酸が含まれているのが特徴です。
一方で、香りの高い果皮には、果汁に比べてビタミンA(20 μg/100 g)や食物繊維(6.9 g/100 g)が多く含まれ、香り成分であるリモネンやユズノンも含まれています。
期待される効能
ゆずに含まれる成分に期待される効能について、詳しく解説します。
クエン酸:食欲アップ・消化を助ける
クエン酸は酸味成分であり、ゆずの果汁に多く含まれています。クエン酸は、その酸っぱさから食欲アップを助けてくれ、さらに消化液の分泌を促して、消化を助ける働きも期待できます。
また、クエン酸は疲労感を軽減するのに役立つとされているため、疲れが気になるときに取り入れてみるのも良いでしょう。
リモネン・ユズノン:リフレッシュ・リラックス作用を期待
ゆずに含まれる香り成分のうち、リモネンは主に柑橘類に含まれている成分で、ユズノンはゆず特有の成分です。これらの香り成分は、果皮に多く含まれています。
昔から、香りにはさまざまな効能が期待されており、快適な香りを嗅ぐことでリラックスやリフレッシュ作用が期待できるとされています。ゆずにも同様の効果が期待されており、ゆずの香りを嗅ぐことで、ストレスに関わる交感神経の働きが抑えられ、落ち着いた気分を感じられるのではないかと考えられています。
忙しい年末年始の時期に、ゆずの香りでひと息つくのも良いのではないでしょうか。
おすすめの調理法
ゆずは果汁、果皮の栄養価や成分が異なるため、どちらもムダなく使うようにしましょう。
果汁は料理や鍋物のつけダレに使ったり、果皮は黄色い部分を刻んで香りづけに使ったりできます。
また、ジャムやスイーツを作ったり、ゆず茶にしたりするなど、料理以外に活用してみても良いでしょう。
12月が旬の食材を使った「ゆずのはちみつ漬け」のレシピ
ゆずをはちみつに漬け込んだ「ゆずのはちみつ漬け」のレシピを紹介します。
ゆずの果汁と果皮をどちらも使うため、高い香りとほど良い酸味を感じられ、どちらの良さも取り入れられます。加熱せずに漬け込むだけで、簡単に作れるレシピです。
ゆずと合わせるはちみつには、エネルギー源となるブドウ糖が含まれるため、すばやくエネルギーチャージをしてくれます。さらに、はちみつは殺菌作用があることから、のどに良いといわれています。
ゆずとはちみつの組み合わせは、疲れがたまりやすく、体調を崩しやすい時期にぴったりだといえるでしょう。
ゆずのはちみつ漬けは、お湯で溶いてゆず茶にしたり、ヨーグルトにのせたりと、さまざまなアレンジを楽しめます。
<材料>(作りやすい分量・約10人分)調理時間:15分(漬け込む時間を除く)
<作り方>
- ゆずはよく洗って水気を取り、半分に切ります。果汁を絞り、ザルなどで漉して種を除きます。
- 皮は白い部分を包丁で削るようにして除き、黄色の部分を千切りにします。
- 清潔な保存瓶に1と2、はちみつを入れて、清潔なスプーンでかき混ぜます。
- 常温(日のあたらない涼しい場所)に半日ほど置き、瓶をゆらしてかき混ぜてから冷蔵庫で保存します。1〜2日経つと食べ頃になります。
<ポイント>
ゆずの白い部分は苦みがあるため、取り除くようにしましょう。多少残る分は問題ありません。
瓶から中身を取り出す際は、清潔なスプーンを使用しましょう。冷蔵庫で保存し、約2〜3週間を目安に、早めに食べ切るようにしてください。
ゆずの皮の残留農薬が気になる場合は、流水中でしっかりとこすり洗いをしましょう。
12月が旬の食材で、忙しい時期を元気に乗り切ろう
何かと忙しい12月は、食事のバランスが乱れがちだったり、イベントごとで暴飲暴食したりしやすい時期でもあります。忙しい時期こそ、手軽に取り入れられる栄養価の高い食材を取り入れて、体調を整えたいものです。
ぜひ今回紹介した食材を参考に、年末年始を元気に乗り切れるよう対策してみましょう。