緩衝能はむし歯に対する防御力? シルハ項目解説

緩衝能はむし歯に対する防御力? シルハ項目解説

お水で10秒口をすすぐだけで口内環境をチェックできる、唾液検査SillHa(シルハ)。
ここでは、シルハで測れる項目の一つ、【緩衝能】についてご紹介します。

               

はじめに むし歯のできる原因と緩衝能の関係

口の中は食後、むし歯菌が作り出した酸によって酸性となります。口の中が酸性のままだと歯が溶けつづけ、表面のミネラル成分が流れ出てしまいます。そこで唾液の働きによって口の中を酸性から中性に戻し(中和し)、歯が溶けることを食い止めています。この酸性から中性に戻す働きを緩衝能と言います。
唾液が中性に戻ると、唾液に含まれるミネラル成分により一旦溶けた歯を修復する、再石灰化が始まります。したがって、緩衝能が強いほどむし歯になりにくいと言えます。

唾液の酸に対する中和力の指標 【緩衝能】

シルハの【緩衝能】の項目では、唾液が酸をどれほど中性付近に戻せるかをみることで、むし歯菌や食べ物由来の酸を、唾液がどれくらい中和する働きを持っているか、測定しています。つまり、唾液が酸を中和する力が弱いと【緩衝能】の数値が小さくなり、むし歯のリスクが高まることになります。また、唾液がたくさん出ることで緩衝能の働きが良くなることが分かっています。

シルハで測った【緩衝能】が【低め】のとき

唾液の酸を中和する働きが弱い状態です。
そのため、むし歯になりやすい可能性があります。緩衝能には唾液の分泌量が大きく影響します。唾液の分泌を促すために、こまめな水分補給を行いましょう。食前食後の唾液腺マッサージたくさん噛んで唾液を出すことも効果的です。
就寝中は唾液量が減り菌が繁殖しやすい環境であると言えます。夜寝る前の歯磨き習慣をつけましょう。 また、口の中が酸性に傾いたままになり続けることを防ぐため、酸性度の高い飲食物や口の中に残りやすい食品(クッキーやスナック菓子)の摂取を控えましょう。

シルハで測った【緩衝能】が【高め】のとき

口の中を中性に保つ働きが強い状態です。
そのため、口内の酸を中和することができ、むし歯になりにくい状態であると言えます。ただし、測定結果が【高め】でも、加齢やストレス、不規則な生活などで唾液の分泌量が減ってしまうと、緩衝能が弱くなることもあります。こまめな水分補給やよく噛んで食べる習慣、歯科医院での定期的な口腔ケアで今の口の状態を維持していきましょう。

<参考>シルハの【緩衝能】の測定原理

【緩衝能】を測定する試薬は一定量の酸を含んでいます。
【緩衝能】では、試薬により酸性に傾いた唾液が中和されるときの色の変化を測定しています。測定前に採取した口腔すすぎ液をシルハ検査用試験紙に垂らすと、試験紙の中に含まれている複合pH指示薬と口腔すすぎ液に含まれる水素イオンが反応し、呈色変化を示します。この発色が青色に近づくほど、口内で唾液を中和する力が強いと考えられます。

<反応式>
H+ + 複合pH指示薬→→複合pH指示薬の呈色変化(黄から青色へ)
※注意
このページに記載している情報は、シルハに関する参考情報です。シルハの結果を元に、疾病の診断やそれに類する判断を行うことはできません。ご自身の口内環境や症状、疾病の有無については医療機関を受診してください。

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