口呼吸とは
口呼吸は「くちこきゅう」または、専門用語として「こうこきゅう」と呼ばれます。人は無意識に空気を吸ったり吐いたりしています。そのどちらか一方でも口で行っている状態が口呼吸です。
日常生活で考えられる口呼吸の原因
口呼吸の原因は、生活習慣と関係しているものも複数あります。ここでは、日常生活で考えられる口呼吸の原因について見てみましょう。
やわらかい食べ物ばかり食べている
口周りの筋肉低下も口呼吸の原因の1つです。やわらかい食べ物ばかり食べていると噛む回数が減るので、口周りの筋肉が低下します。そのため唇をしっかり閉じられなくなり、口呼吸をするようになってしまうのです。
言葉を発する機会が減っている
現代社会では、人と直接会話をしなくても意思疎通が図れるツールがたくさんあります。メールやSNSなどがその代表格と言えますね。それらのツールを活用することで、言葉を発する機会が以前より減っている人も多いのではないでしょうか。言葉を発する機会が減ることで口周りの筋肉低下につながり、結果的に口呼吸になってしまうことがあります。
マスク着用の機会が増えている
新型コロナウイルスなどの防止策として、マスクを着用する機会が増えています。マスクをすることで暑さや息苦しさを感じ、つい口呼吸をしていることもあるでしょう。また、マスクで顔の約半分が隠れるため、無意識のうちに顔全体で表情を作る機会が減ってしまいます。特に口周りは、常にマスクで覆われているので筋力が低下し、口呼吸につながることもあります。
口呼吸を引き起こすことがある主な疾患
口呼吸の原因には、さまざまな疾患が関係していることもあります。ここでは、口呼吸の症状が見られる主な疾患を紹介します。
アレルギー性鼻炎・花粉症
ダニやホコリ、花粉などのアレルギー原因物質を吸収し、鼻詰まりやくしゃみなどが起きる症状です。鼻呼吸が苦しくなり、口で呼吸をするようになることがあります。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
鼻の周囲や目、頬には、鼻の奥につながる副鼻腔という4つの空洞があります。副鼻腔が何らかの原因で細菌感染をしたり、むし歯で炎症が起きたりすると、副鼻腔炎を起こすことがあります。その症状が慢性化し、膿のような鼻水が出て鼻が詰まるのが慢性副鼻腔炎(蓄膿症)です。鼻呼吸がスムーズにできないため、口呼吸をするようになってしまいます。
口呼吸が体に与える悪影響
鼻呼吸は、空気中に漂うホコリや細菌・ウイルスなどを除去し、外気を体温に近い温度にまで温めることで肺への負担を減らします。一方で、口呼吸ではこれらの機能が使われなかったり、体にさまざまな悪影響を与えるとされています。ここでは、口呼吸が体に与える影響について見ていきましょう。
歯並びや顔の骨格に影響が出る
正常な歯並びは、舌からの圧力と、唇や頬の筋肉が与える圧力のバランスで保たれています。口呼吸を長く続けると、唇や頬から圧力がかかりません。そのため、歯並びが乱れる原因になることもあります。歯並びの乱れは噛み合わせの悪化につながり、その結果、顔の骨格にも影響を与えると言われています。
口周りの筋力が低下しシワやたるみの原因になる
口呼吸を続けていると口周りの筋力が低下し、周辺の表情筋もゆるんでいきます。表情筋のゆるみは、目や口元にシワができやすくなる原因になります。また、舌を支える筋肉が低下することで、二重顎やたるみにつながります。
細菌やウイルスに感染しやすくなる
口呼吸は鼻呼吸と異なり、外気に含まれる細菌やウイルスなどが排除されずに入ってきます。空気が直接気道に送り込まれるため、ウイルスや細菌感染などによる風邪や、アレルギー性の病気にかかりやすくなると言われています。
唾液で口内が潤わず、むし歯や歯周病、口臭を招く
唾液には、食べ物の消化だけでなく、口内の自浄作業や殺菌作用、保護作用などさまざまな働きがあります。口呼吸により口内が乾燥すると、唾液が口内に十分に行き届きません。そのため、むし歯や歯周病、口臭の原因になることがあります。
ドライマウス(口腔内乾燥症)の原因になる
口呼吸が慢性化すると口内が乾燥し、ドライマウス(口腔内乾燥症)になることがあります。症状が進行することにより、むし歯や舌表面のひび割れ、口臭、摂食障害などを引き起こすことがあるので、そうなる前に口呼吸をやめることが大切です。
ドライマウスになってしまう原因は日常生活にあるといわれています。ドライマウスの原因や関連する疾患、予防法について詳しく知りたい方はこちらの記事からご確認ください。
口呼吸の改善方法
口呼吸を改善したい時は原因に適した対策方法を取る必要があります。ここでは、口呼吸を改善する方法について見ていきましょう。
口呼吸の改善方法①病気の治療を受ける
口呼吸を起こす原因は、先に述べたようにさまざまな疾患も考えられます。鼻炎などの症状があって鼻呼吸ができない場合は、耳鼻咽喉科で見てもらうなど、疾患に適した治療を受けることが大切です。
口呼吸の改善方法②口周りの筋肉を鍛える
口周りの筋肉を鍛えるトレーニングをして、口呼吸から鼻呼吸に改善するのも1つの方法です。自分でできる口周りの体操として「あいうべ体操」があります。「あいうべ体操」のやり方は、次の通りです。
①「あ」と口を大きく開きます。
②「い」と口角を上に引きながら、大きく横に広げていてください。
③次に、「う」と口をすぼめて前に突き出します。
④最後に「ベ」と舌を下に伸ばしましょう。
また、歯科医師の指導により受けられる舌の筋力トレーニング「口腔筋機能療法」もあります。どこの筋肉が低下しているか、舌癖があるかなどをチェックした後、各自に応じたトレーニングを行います。子どもの場合は矯正装置を使用して口周りの筋肉を鍛える方法もあるようです。
①「あ」と口を大きく開きます。
②「い」と口角を上に引きながら、大きく横に広げていてください。
③次に、「う」と口をすぼめて前に突き出します。
④最後に「ベ」と舌を下に伸ばしましょう。
また、歯科医師の指導により受けられる舌の筋力トレーニング「口腔筋機能療法」もあります。どこの筋肉が低下しているか、舌癖があるかなどをチェックした後、各自に応じたトレーニングを行います。子どもの場合は矯正装置を使用して口周りの筋肉を鍛える方法もあるようです。
口呼吸の改善方法③口にテープを貼る
昼間は鼻呼吸をしているのに睡眠中だけ口呼吸をしてしまう人や、意識すれば鼻呼吸できる人は、口元にテープを貼って寝る方法もあります。専用のテープなど、肌に優しいテープを使うようにしましょう。唇が閉じられることで、鼻呼吸が徐々にできるようになるはずです。口呼吸が改善されることで、いびき防止や睡眠の質の向上にもつながるでしょう。
マスク着用で息苦しい時の対処法
マスク着用で息苦しさを感じて、ついつい口呼吸をしてしまうことがありますよね。ここでは、マスク着用で息苦しさを感じた時の対処法を紹介します。
自分に合ったマスクを着用する
マスクの素材や形状、大きさはさまざまです。まずは、着用するマスクが自分に合っているか改めてチェックしてみましょう。息苦しさを感じるほど鼻や口に密着しすぎるものは避けます。ただしサイズに関しては、大きすぎると飛沫が飛び出す危険性があるので、自分の顔にほど良くフィットする大きさを選ぶことが大切です。
鼻呼吸を意識した呼吸法をする
電車や会議などの密集空間で酸素濃度が低い環境にいる際、マスク内で口呼吸を続けると、苦しさを助長することがあります。酸欠状態を回避するためにも、鼻呼吸での呼吸法を意識的に取り入れましょう。まずは一度、鼻から息を大きく深く吸って、同じく鼻からゆっくりと下へ吐き出します。この時、吐くときと吸うときの時間割合を同じにします。その後、浅く短い鼻呼吸を繰り返すことで効率的に酸素を取り入れられます。
唾液検査「シルハ」で口内環境をチェックしよう
シルハは、水で口をすすぐだけで口内環境を簡単にチェックできる唾液検査です。口内環境にかかわる歯の健康(むし歯菌・酸性度・緩衝能)、歯ぐきの健康(白血球・タンパク質)、口腔清潔度(アンモニア)の6つの項目をチェックできます。
口呼吸により口内が乾燥すると、口内が唾液で潤わず、口内環境が悪くなり、むし歯や歯周病、口臭を招きます。シルハでは、むし歯、歯周病、口臭に関係する6つの数値から、口内環境を分析できます。分析結果をもとに、歯科医からアドバイスを受けることが可能です。
口呼吸により口内が乾燥すると、口内が唾液で潤わず、口内環境が悪くなり、むし歯や歯周病、口臭を招きます。シルハでは、むし歯、歯周病、口臭に関係する6つの数値から、口内環境を分析できます。分析結果をもとに、歯科医からアドバイスを受けることが可能です。
シルハは全国の歯科医院で検査できます。シルハができる歯科医院はコチラ。
口呼吸の原因を知り、適切な改善方法で美容と健康維持をしよう
生活習慣や疾患など、さまざまな要因が口呼吸に関係しています。鼻呼吸ができていないと感じたら、病院で診察を受け、治療や改善策を取ることが大切です。口呼吸の原因を知り、適切な改善策を取りながら、美容と健康維持につなげてくださいね。