猫舌とは、熱い食べものや飲みものを口にするのが苦手な方のことを指します。猫舌は遺伝や体質が原因ではないため、対策をすれば症状を改善できます。猫舌である原因を把握し、改善するコツや便利なアイテムなど猫舌に役立つ情報をご紹介します。
猫舌とは?
猫舌が、熱いものを食べられない人、口に入れられない人を指す言葉であることはよく知られているでしょう。熱いものを食べられない猫を比喩で表現し、「猫舌」といわれるようになったようです。ただし、これは猫に限ったことではなく、人間以外は火を使わないことから、熱いものに適応する機会や手段がないため、ほとんどの動物に当てはまります。
ここでは、猫舌のメカニズムを説明します。
ここでは、猫舌のメカニズムを説明します。
猫舌のメカニズム
舌の構造は、先端ほど熱さを感じる「温点」という神経が集まっています。したがって、舌先ほど熱さに敏感で、奥に行くにつれて鈍感になっていきます。猫舌の人は、熱さに敏感な舌先を使って食べたり飲んだりしているのです。
一般的に、猫舌は病気ではないとされており、猫舌になるおそれは、後天的に、猫舌にならない食べ方ができるようになるかに左右されます。
一般的に、猫舌は病気ではないとされており、猫舌になるおそれは、後天的に、猫舌にならない食べ方ができるようになるかに左右されます。
猫舌の原因

口内が耐えられる温度は、本来50~60 ℃とされています。また、人間の粘膜が耐えられる温度にあまり個人差はないともいわれます。では、なぜ猫舌になってしまうのか、猫舌になる原因を解説します。
猫舌の人と猫舌じゃない人の違い
猫舌の人と猫舌じゃない人の間には、舌の構造や、温度感覚などに特別な違いはありません。明確な違いは、「食べ方」にあります。猫舌じゃない人は舌の使い方がうまいとされています。舌の使い方が下手だといわれる猫舌の人と、具体的な動きの違いをご紹介します。
猫舌じゃない人は、熱いものを食べたり飲んだりする際、舌を引っ込める、または下顎に舌先を隠すなどの動きをとり、舌先が熱いものに接触することから守っています。猫舌の人の場合、このように舌をうまく動かせず、熱いものに直接舌先をつけてしまっているのです。
MRIを使って熱いものを食べるときのどちら舌の動きを検証したところ、猫舌の人と猫舌じゃない人とでは、まったく違う舌の動きをしていることがわかりました。調査方法は、熱いお茶を飲んだときの舌の動きを再現してもらうというものです。その結果、猫舌じゃない人の場合、お茶を口に入れると舌を後方に移動し、一旦下の歯と舌の間のスペースにお茶を溜めたのち、のどへ流し込むという動きでした。一方猫舌の人は、最初に舌先をお茶につけていました。両者の明確な違いは、舌の動かし方にありました。
猫舌じゃない人は、熱いものを食べたり飲んだりする際、舌を引っ込める、または下顎に舌先を隠すなどの動きをとり、舌先が熱いものに接触することから守っています。猫舌の人の場合、このように舌をうまく動かせず、熱いものに直接舌先をつけてしまっているのです。
MRIを使って熱いものを食べるときのどちら舌の動きを検証したところ、猫舌の人と猫舌じゃない人とでは、まったく違う舌の動きをしていることがわかりました。調査方法は、熱いお茶を飲んだときの舌の動きを再現してもらうというものです。その結果、猫舌じゃない人の場合、お茶を口に入れると舌を後方に移動し、一旦下の歯と舌の間のスペースにお茶を溜めたのち、のどへ流し込むという動きでした。一方猫舌の人は、最初に舌先をお茶につけていました。両者の明確な違いは、舌の動かし方にありました。
「思い込み」や「家庭環境食習慣」の影響
親が猫舌の場合、猫舌になる人が多いといわれることがあります。しかし、遺伝によって猫舌になることはないとされています。子どもの頃は、そもそも舌の使い方がうまくありません。成長する過程で、熱を感じにくい舌の使い方を自然と習得するのです。
しかし、親が猫舌の場合、食卓に熱い料理があまり並ばないことが多くなるかもしれません。そうすると、子どもは熱い食べものや飲みものを口にする機会が少なくなり、うまく舌を使えるようになる機会を失うことになるのです。また、「熱いものが苦手」と自分で思い込んでいるケースもあります。この場合、子どもの頃の環境が影響すると考えられます。
このように親が猫舌なことで、子どもにもよく冷まして食べさせ、熱いものに慣れる機会がないなどが影響することで、熱いものを口にするのが苦手になる場合があります。
しかし、親が猫舌の場合、食卓に熱い料理があまり並ばないことが多くなるかもしれません。そうすると、子どもは熱い食べものや飲みものを口にする機会が少なくなり、うまく舌を使えるようになる機会を失うことになるのです。また、「熱いものが苦手」と自分で思い込んでいるケースもあります。この場合、子どもの頃の環境が影響すると考えられます。
このように親が猫舌なことで、子どもにもよく冷まして食べさせ、熱いものに慣れる機会がないなどが影響することで、熱いものを口にするのが苦手になる場合があります。
猫舌を克服するコツ

猫舌は体質だとあきらめている人もいるかもしれませんが、猫舌への対策はあります。猫舌を克服するコツを、いくつかご紹介します。
「アールタベール法」で舌の動きを変化
猫舌の原因の1つは、舌の先が前に出てしまうことであるとご紹介しました。そこで、非猫舌の人と同じ舌の動きをできるようにする効果的な方法が、「アールタベール法」です。「アール」と発音するときに舌が自然と後ろに行くため、非猫舌の人と同じ動きができ、その結果、熱さを感じにくい状態がつくれます。
姿勢を正す
猫背の姿勢でいると落ちベロの状態になり、食べものが舌の先端に接触しやすくなります。
落ちベロとは舌が本来よりも低い位置にある状態のことで、「低位舌(ていいぜつ)」ともいわれます。噛む力が弱まってしまったり、唾液が出にくくなったり、睡眠中にいびきや無呼吸症候群を招いたりもするリスクがあります。
逆に、落ちベロにより口呼吸になることで、猫背の原因になることもあります。猫舌と猫背の両方を避けるためにも、しっかりと背筋を伸ばして食事することが大事です。
落ちベロとは舌が本来よりも低い位置にある状態のことで、「低位舌(ていいぜつ)」ともいわれます。噛む力が弱まってしまったり、唾液が出にくくなったり、睡眠中にいびきや無呼吸症候群を招いたりもするリスクがあります。
逆に、落ちベロにより口呼吸になることで、猫背の原因になることもあります。猫舌と猫背の両方を避けるためにも、しっかりと背筋を伸ばして食事することが大事です。
舌のトレーニング
猫舌を改善する方法は、舌の使い方がうまくなることです。そのためには、とにかく舌をよく動かすことがポイントです。舌はほぼ筋肉であり、筋力が弱ってくると落ちベロの原因にもなりえます。
「あいうべ体操」は舌と口周辺の筋肉を鍛えるトレーニング法としてよく知られています。「あ」「い」「う」と発声するときの口の形に大きく開き、最後に「べー」と舌を思いきり突き出します。舌トレーニングによって唾液腺を刺激することで、唾液の分泌により口内が清潔に保たれ、むし歯や歯周病、口臭などの予防効果が期待できます。
「あいうべ体操」は舌と口周辺の筋肉を鍛えるトレーニング法としてよく知られています。「あ」「い」「う」と発声するときの口の形に大きく開き、最後に「べー」と舌を思いきり突き出します。舌トレーニングによって唾液腺を刺激することで、唾液の分泌により口内が清潔に保たれ、むし歯や歯周病、口臭などの予防効果が期待できます。
猫舌の方におすすめのグッズ
株式会社ドウシシャは、猫舌の方向けに「猫舌専科シリーズ」を販売しています。通常のステンレスタンブラーの場合、キープされる温度が猫舌の人には熱すぎることがあります。ドウシシャが開発した製品は、ただ温度を保つのではなく、猫舌の人が飲みやすいとされる温度(約60~70℃)に下がったのちに、猫舌の人にとっての適温をキープするようにつくられています。
ちょっとした意識や工夫で猫舌を改善できる
猫舌は病気ではないため、改善できないとしても深刻になる必要はありません。ただし、普段猫舌で困っていてどうにかしたい気持ちがある場合には、克服する方法はいくつかあります。
姿勢を正すことや舌のトレーニングは、猫舌の改善だけでなく、口内や体の健康にも効果が期待できます。ちょっとした工夫や意識で熱さを感じにくくできるため、今回ご紹介した方法を試してみてはいかがでしょうか。
姿勢を正すことや舌のトレーニングは、猫舌の改善だけでなく、口内や体の健康にも効果が期待できます。ちょっとした工夫や意識で熱さを感じにくくできるため、今回ご紹介した方法を試してみてはいかがでしょうか。