歯に茶渋が付くのはなぜ?つきにくくする対策も解説

歯に茶渋が付くのはなぜ?つきにくくする対策も解説

この記事では、歯に付いた茶渋の原因や自宅でできる対策を詳しくご紹介します。

               
人の第一印象に歯の美しさは大きく影響します。しかし歯に付いた「茶渋」にお悩みの方は多いのではないでしょうか。今回は「普段から歯磨きをしているのに付いてしまう」「一度付いたらなかなか落ちない」と感じている方に向けて、茶渋の原因や自宅でできる対策を詳しくご紹介します。

歯に茶渋が付くのはなぜ?

お茶に含まれるポリフェノールが歯表面の「ペリクル」に付着すると、「ステイン」となって色素沈着を招きます。ステインが何度も付着するとしつこい茶渋になりやすくなります。

キーワードは、“ポリフェノール・ペリクル・ステイン”

お茶やコーヒーなどに含まれるポリフェノールは植物由来の成分で、歯のエナメル質表面にあるペリクルと結合しやすい成分です。ペリクルとは、歯にできた傷を修復するために大切な成分です。歯の成分はその内側から歯髄、象牙質、エナメル質で構成されていますが、エナメル質の表面を覆う生体膜がペリクルです。ペリクルには、歯の再石灰化によってむし歯を予防する役割があります。

一方で、外からの色素の沈着を引き起こす一面もあります。ステインは、ペリクルにポリフェノールの色素が付着したものです。ステインの生成を繰り返すことで色が濃くなり、普通の歯磨きでは落ちにくい茶渋として歯に残ります。

自宅でできる茶渋をおとす方法

茶渋対策として真っ先に思い浮かぶのが、歯科医院でクリーニングやホワイトニングをしてもらうことでしょう。しかし「歯に付いてしまった茶渋をなんとかしたいが、仕事が忙しくて歯科医院には行けない」という方は少なくありません。そこでここでは、自宅でできる歯の茶渋対策をご紹介します。

歯専用の消しゴムを使う

歯専用の消しゴムの特徴は、ピンポイントで茶渋が付いている場所をケアできることです。消しゴムなので好みの形状に切って調整ができます。小さく加工して小刻みに動かすと、気になる部分にピンポイントでアプローチしやすく、前歯などには先端をカットして合わせると便利です。また、不用な場所を傷付けるリスクも減らせます。歯磨きでは落としきれなかったステインでも、ある程度まで除去ができます。

歯専用の消しゴムは、歯の表面を消しゴムで擦るだけで茶渋などの着色汚れを除去しやすいアイテムとして、比較的軽度な茶渋が付いている方に選ばれます。使い方はまず歯間ブラシやフロス、タフトブラシなどで口内を清潔にしてから、歯の表面をティッシュで乾かします。水分を減らしてから消しゴムを歯に当てると効果を発揮しやすくなります。

ただし「消しゴム」といってもゴムだけが成分ではなく、研磨剤が入っている製品が多いため、強く擦ると歯のエナメル質や歯ぐきを傷付けるおそれがあるため、注意が必要です。歯ぐきはやわらかいので当たるとトラブルが起きやすく、扱いに注意が必要になります。また、硬い歯もやさしくケアしないと歯の表面を傷付けるリスクを高めてしまいます。

軽度の着色なら短時間で落ちやすい一方、深く沈着したステインには効き目が限定的な場合もあるので注意しましょう。使用後はしっかりうがいをして、再度歯磨きを行うなど、口内を清潔に保つことをおすすめします。

ホワイトニング成分配合の歯磨き粉を使う

ホワイトニング成分が配合された歯磨き粉には、ステインを物理的または科学的に除去する成分が含まれていることが多いです。ステインの除去や、ステインにつながりやすい歯石の除去につながる製品を使えば、軽度な茶渋を改善できるかもしれません。

ステインを物理的に除去する歯磨き粉には、研磨剤が入っています。場合によっては強い研磨剤が含まれる場合もあり、一度で茶渋をすべて落とそうと力を込めると歯や歯ぐきを傷めてしまうかもしれません。少しずつ着色を減らす気持ちで毎日ケアしていくと、無理なく活用でき、茶渋予防にもなるでしょう。研磨効果が低めの商品もあり、歯表面を傷付けにくい選択肢もあります。歯磨き後はよく口をすすぎ、刺激を最小限に抑える工夫を重ねると、より快適に使えるでしょう。

化学的にステインを除去するもうタイプの歯磨き粉は、歯磨き粉に含まれる薬品がステインをやわらかくして浮かび上がらせ、ブラッシングで除去しやすくします。研磨剤で口内を傷付けたくない方が選ぶ場合があります。しかし注意が必要なのは、化学的に茶渋を除去する効果が立証されている薬品を歯磨き粉に含ませることはできない点です。パッケージでは科学的なアプローチをうたっていても、公的に立証されていないおそれもあることは考慮しましょう。

重曹で歯磨きをする

重曹は研磨作用があるため、茶渋などのしつこい着色もある程度落としやすいとされています。少しの水に重曹を溶かしてペースト状にし、歯ブラシに付けて歯磨き粉のように使われることが多いです。

重曹は食品添加物としても使われるなど、人体に摂取しても問題ありません。安価なので使いやすく、研磨力も非常に強いため安全で便利なイメージをもたれますが、実は危険性の高い歯磨き法です。重曹は非常に研磨作用が強いため、強く擦るとエナメル質に傷を付けるリスクがあります。強く擦るほど歯の表面に細かな傷が増え、その部分に沈着汚れが再付着して逆効果になることもあります。使う場合は逆効果になることなども理解しておきましょう。

茶渋のセルフケアで大事なのは「やりすぎないこと」

セルフケアで使える茶渋対策グッズは手軽に使えて軽度な着色にも対応しやすい反面、強く研磨しすぎるとエナメル質を傷付け、かえって色素が沈着しやすい環境をつくることがあります。丁寧に使えば手軽に歯に付いた茶渋を改善できますが、無理に力を入れるほど歯の表面に傷が生まれ、見た目の悪化につながりやすい点は注意しましょう。

取り組んでみてもすぐに効果が出なければ不安になるかもしれませんが、焦る必要はありません。適度な力で焦らずにケアすることが、セルフケアによる茶渋対策のポイントといえるでしょう。

茶渋が付きにくいお茶の選び方

先にご紹介した通り、茶渋はお茶に含まれるポリフェノールが原因で引き起こされます。ポリフェノール含有量が少ないお茶を選ぶのも、茶渋対策になるでしょう。ウーロン茶や緑茶、紅茶などはポリフェノールの量が多いため、歯に茶渋が付きやすいといわれています。一方で、ほうじ茶やそば茶、麦茶はポリフェノールが少ないため茶渋が付きにくいといわれています。

まとめ:しつこい茶渋は歯科医院でクリーニングを。日々の対策はセルフケアで。

ここまで読んでいただいた方の中には「だったら歯科医院に行った方がよいのでは」と考える方もいるでしょう。たしかに、重度の茶渋が歯にこびりついて自宅ケアで改善が難しい頑固なステインがある場合は歯科医院に行くのが有効です。歯の状態を確認しながらクリーニングを進めると、歯を傷付けすぎたりせず、歯石も同時に除去できるため、歯の健康面を保つ上でも利点が大きいでしょう。ホワイトニングも茶渋を取れますが、歯を漂泊するため、元の歯よりも白さを求める場合は選択肢になるでしょう。

一方で、セルフケアも有効です。茶渋は日々のステインの蓄積により目立つようになります。逆にいえば、ステインを放置しすぎて目立つようになったため「茶渋」と呼ばれるのです。日々のセルフケアで、色素沈着が起きる前にポリフェノールとペリクルの接合を防止して、ステインが生まれないようにしたり、重度なケアが必要ない段階でステインを除去したりするのも重要な対策なのです。

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