抜歯後の歯磨き やり方と注意点を紹介【歯科医師監修】

抜歯後の歯磨き やり方と注意点を紹介【歯科医師監修】

抜歯後は出血しないように気をつけて歯磨きをすることがポイントです。この記事では、抜歯後に歯磨きをするときのポイントについて紹介しています。

               
歯科医院で抜歯した後、「いつも通りに歯磨きしていいのはいつから? 」「歯磨きするのが怖い…」そう思ったことはありませんか? 抜歯した部分は、非常にデリケートです。血餅(けっぺい)がはがれないように気をつけて磨くことがポイントです。この記事では抜歯後の歯磨きの仕方と、その際の注意点について詳しく解説していきます。

抜歯後にできる傷口を守るための血餅(けっぺい)

口の中では、血が乾いてかさぶたのように固まることはありません。その代わりに、傷口をふさぐように血餅(けっぺい)という柔らかい血液の塊ができます。血餅は、抜けた歯の穴(抜歯窩・ばっしか)をふさいで、細菌などが入り込むのを防ぐ役割があります。血餅は、抜歯してから二日程度で形成されます。
また、親知らずを抜歯する場合には、血餅ができやすいように傷口を糸で縫うことが多いです。糸は、抜歯から1週間後をめどに、歯科医院で抜いてもらいます(抜糸)。

血餅は非常に脆くはがれやすいため、うがいをするだけでも取れてしまうことがあります。そこで重要なのは、血餅がはがれないように気をつけて歯磨きをすること。血餅は一週間ほどで自然とはがれるので、それまでの間は無理に取ろうとしたり、触ったりしないようにしましょう。血餅がはがれてしまうと、血が止まらなくなったり、傷口がむき出しになり「ドライソケット」になったりします。また、激しい痛みを感じることもあります。
<sillHa.com編集部コメント>
ドライソケットとは、抜歯後の穴の奥にある骨が露出してしまっている状態のことを指します。骨が露出していることにより、細菌に感染しやすい状態です。通常、抜歯後1~2日経過すると痛みが治まりますが、ドライソケットになると抜歯後1~2週間経過しても痛みが続きます。

ドライソケットに関することをもっと詳しく知りたいという方は、下記の記事で解説しているので参考にしてみてください。

抜歯後の歯磨きの仕方と注意点

脆くてはがれやすい血餅が自然になくなるまで、歯を磨く時にはいくつか注意すべき点があります。ここでは、抜歯から1週間以内とそれ以降の、それぞれのタイミングでの注意点や、食べかすが抜歯窩に挟まってしまった際の対処法を解説します。

抜歯から1週間以内:抜歯部分に歯ブラシを当てずに磨く

歯を抜いた直後の患部は非常にデリケートで、出血しやすい状態になっています。血餅が形成されるまでの2,3日間は、歯ブラシを抜歯部分に当てないように磨きましょう。

この時、いつも使っている歯磨き粉を使用しても構いません。抜歯した部分以外は、いつも通りに磨きましょう。次に気を付けたいのは、口をゆすぐ際です。「強くブクブク」とゆすぐのではなく、口に含んだ水を、顔を傾けて口内に行き渡らせるようにして吐き出す程度の「優しいうがい」を3回ほど繰り返すようにしましょう。
抜歯した当日は歯磨きをするのが怖い、という方もいるでしょう。抜歯した後の傷口周辺は歯ブラシを当てることで細菌に感染するリスクもあるため、無理に歯磨きを行う必要はありません。ただし、口内をできる限り清潔に保つため、抜歯した箇所以外はいつも通りしっかりと磨きましょう。

抜歯から1週間後:通常通りの歯磨きをしてもOK

抜歯から1週間ほど経過すると、患部に新たに歯肉が出てきて、血餅も自然とはがれるでしょう。その状態になれば、いつも通りに歯磨きとうがいをしても大丈夫です。ただし、抜歯から1カ月程度は歯肉の回復期間でもあるため、毛が柔らかいタイプの歯ブラシを使うと、より安心です。

食べかすが抜歯部分に付着してしまった場合は? 

食べかすが抜歯部分に挟まってしまった場合も、歯ブラシを患部に直接当てたり、つまようじで汚れを取ろうとしたり、強い水圧を与えたりしないようにしましょう。汚れがうまく取れなくても、患部は時間の経過とともに歯肉が盛り上がってくるので、汚れは自然と取れてきます。特に、親知らずの抜歯の場合は、縫合糸に食べかすがついてしまう場合もありますが、その際も無理に取ろうとしない方が、患部を傷つけずに済みます。

どうしても汚れが気になる場合は、歯科医院を受診して取り除いてもらいましょう。

うがい薬は使っていい? 

抜歯後に歯科医院からうがい薬を処方された場合には、使い切るようにしましょう。その際も、うがいはやさしく、「強くブクブク」としないように気を付けてください。また、市販のうがい薬を使いたい場合は、刺激が少ないものがおすすめです。

抜歯後に関するQ&A

抜歯後は、せっかくできた血餅がはがれないように気を付けて歯磨きをしましょう。ここでは、それ以外にも抜歯後に心配な「出血が止まらない時」の対応の仕方や、食事内容、避けた方がいい食べものをご紹介します。

抜歯した翌日も出血が止まらないときは?

患部に歯ブラシを当てないように歯磨きをしても血が止まらない場合には、抜歯部分に清潔なガーゼなどを当てて噛み、圧迫止血をして安静にしましょう。また、激しい運動などは血行をよくしてしまい、出血につながるため控えてください。抜歯の当日は、熱い湯船に浸かることは避けて、シャワーを浴びる程度に留めておきましょう。

また、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、血が止まるかどうかが心配になるかもしれません。薬の影響はほとんどないとされていますが、もしも気になる場合は、抜歯の際に歯科医師に薬を服用している旨を伝えたり、専門の医師に相談したりするようにしましょう。

抜歯後の食事はどんなものを食べるべき?

抜歯後に硬いものを食べたりすると、患部に食べ物が当たり、血餅がはがれてしまうことがあります。また、香辛料などの刺激が強いものも、患部に付着すると炎症につながる恐れがあるので、注意が必要です。抜歯後はおかゆなどの、やわらかく、味が薄いものを食べるようにして、抜歯後1週間程度から徐々に通常の食事に戻すようにするとよいでしょう。その場合も、できるだけ抜歯したのと反対側の歯を使って噛むようにしてください。

また、アルコールは血流を促進する作用があるため、血が止まりにくくなるおそれがあります。そのため、一般的には抜歯当日から3日後までは控えましょう。特に、処方された痛み止めの薬を服用している間は、アルコールの摂取は避けてください。自分で判断せずに、抜歯する際に必ず医師に確認するようにしてください。

血餅がはがれてしまったら? 

口の中から白や赤の塊が出てきたら、血餅がはがれてしまったことが考えられます。抜歯してから1週間後に自然と取れたのであれば問題ありませんが、それよりも前にはがれてしまったら、「ドライソケット」になる場合があります。早めに歯科医院を受診して、治療してもらいましょう。

抜歯後はいつからタバコを吸っていい?

喫煙には、血流を悪化させる作用があります。また、喫煙者の場合は、血餅の量が非喫煙者の半分くらいの大きさにしかならないという報告もあります。そのため、抜歯から抜糸までの約1週間は喫煙を控えるようにしましょう。

抜歯後の歯磨きの仕方 まとめ

シルハは口の中を10秒すすぐだけで、むし歯菌の活性度や、歯を溶かす酸の強さがわかる酸性度、酸に対する防御力の緩衝能、口内の炎症がわかる白血球、タンパク質の量、口内清潔度の指標となるアンモニアの6項目を検査・測定することができます。

下記サイトから、かかりつけの歯科医院でシルハが導入されているかどうかをチェックすることができます。サイトにシルハについての記載がない医療機関でも、シルハを導入している場合があるので、「シルハで唾液検査はできますか? 」と問い合わせてみてくださいね。

監修歯科医師:吉竹 啓介 先生

東京都中央区京橋駅直結の「京橋 銀座みらい歯科」院長。
2010年神奈川歯科大学 卒業。2014年に医療法人社団港成会 理事に就任し、同年にせたがや歯科室を開設。2020年に京橋 銀座みらい歯科を開設し、翌年移転・名称変更。現在は京橋 銀座みらい歯科として東京スクエアガーデン2Fで診療を行っている。

京橋 銀座みらい歯科のホームページはこちら
https://www.miraishika-ginzain.tokyo/

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