秋は気候と体調の変化が大きい季節 月ごとの注意点や対策を紹介

秋は気候と体調の変化が大きい季節 月ごとの注意点や対策を紹介

この記事では、秋の始まりから冬にかけての季節の変わり目に起きる体調不良について月ごとに解説します。

               
季節の変わり目は気候や環境の変化が激しく、体調管理が一層重要となります。とくに9月から12月の秋口は、気温や湿度の変化により、アレルギー症状や気圧変化による体調不良、さらには乾燥や寒暖差による体の不調が増える時期です。
そこで本記事では、9月から12月までの時期に起こりやすい体調不良と対策について詳しく解説します。
各月の注意点や効果的な対策を理解し、健康維持に努めましょう。

9月から10月はアレルギーと気圧変化による体調不良に注意

9月から10月にかけて、季節の変わり目にはアレルギーや気圧変化による体調不良が多く見られます。

9月から10月にかけては、ダニアレルギーと同様に、ブタクサなどの秋の花粉もピークを迎えるため、鼻水やくしゃみ、目のかゆみといった症状がどのアレルゲンによるものか判断が難しいことがあります。また、口や喉に影響が出る場合も、ダニによるものか花粉によるものかを判断しにくいでしょう。

9月から10月にかけて起きる体調不良について、原因や対策を詳しく見ていきましょう。

ダニアレルギーが増える

ダニアレルギーは、ダニの死骸やフンが含まれるハウスダストに対して、免疫系が過剰に反応することで起こるアレルギーです。ダニは、湿気や温度が高い環境で繁殖しやすいため夏に急増し、秋になるとその死骸やフンが増え、アレルギー症状を引き起こします。

ダニアレルギーの主な症状には、鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、皮膚のかゆみなどがありますが、喉がイガイガする、口内がかゆくなる、口の中に違和感を覚える、唇が腫れるといった症状が現れることもあります。

ダニアレルギー対策

ダニアレルギーを予防するためには、まず家の中を清潔に保つことが重要です。特にカーペットや布団、カーテンなど、ダニが繁殖しやすい場所を定期的に掃除し、布製品はこまめに洗濯しましょう。ダニは50℃以上で10~20分の処理によって死滅するため、寝具は乾燥機にかけることがおすすめです。

また、室内の湿度を60%以下に保つことで、ダニの繁殖を抑えることができます。

秋の花粉飛散は9月がピーク

8月から10月はブタクサ、ヨモギ、カナムグラといった植物の花粉が飛散し、9月にピークに達します。身近な公園や空地、河川敷などに生息しており、外出時に花粉を衣服や靴に付着させてしまうことがよくあります。

花粉症の症状は、くしゃみや鼻水、鼻づまりのほか、目の充血や喉のかゆみ、唇の腫れなどさまざまです。

花粉症の方は、普段は食べることができる果物や野菜でもアレルギー症状が起きることがあるため注意しましょう。
これを口腔アレルギー症候群といいます。口腔アレルギー症候群の原因となる食べ物は、花粉に含まれる原因物質と似た構造をもつタンパク質を含んでいます。
そのため、花粉と同じアレルゲンと体が判断してしまい、アレルギー症状を引き起こす場合があります。たとえば、ブタクサの花粉症がある方が飛散している時期にメロンを食べるとアレルギー症状がでることがあります。

秋に流行する花粉の種類と関連する食べ物については下記のとおりです。
花粉の種類 関連する食べ物
イネ科 コメ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、ライムギ、バナナ、スイカ、トマト、メロン、セロリ、オレンジ など
ブタクサ メロン、スイカ、バナナ、きゅうりなど
ヨモギ キウイ、セロリ、ピーナッツ、ニンジン、リンゴ、パセリ など

花粉症・口腔アレルギー症候群の対策

秋の花粉症対策としては、マスクや眼鏡を着用し、外出時にできるだけ花粉に触れないようにすることが基本です。特にブタクサなど草の花粉は、数kmから数十km程度の飛散距離で、スギ花粉やヒノキ花粉のように数百 km以上の長い距離を飛散しません。そのため、まずは花粉を出す植物に近づかないということも大切です。帰宅後は衣服をよく払ってから室内に入ることや、洗顔、うがいをするなどして、体に付着した花粉を除去することも大切です。

さらに、鼻炎薬や抗ヒスタミン薬を早めに使用することで、症状を軽減させることができます​。また、アレルギーの種類と関連する食べ物を理解して、口にしないようにしましょう。

秋雨前線や台風による気圧変化に注意

9月後半になると、秋雨前線や台風の影響で気圧が急激に変化しやすくなります。これにより、頭痛や耳鳴りだけでなく、歯痛を感じることもあります。気圧の変化によって痛みが生じる理由は、自律神経のバランスが乱れるためです。

自律神経は血圧や呼吸、体温などを調整する役割を持ち、緊張時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経で成り立ちます。この2つの神経がバランスを取ることで体の機能を調節しています。

自律神経が乱れると、交感神経が活発になることで痛みを感じる神経を刺激し、頭痛や歯痛などを引き起こします。また、気圧変化が自律神経のバランスに影響を与えると、口内の細菌叢(細菌の集まり)に影響を及ぼし、歯周病菌が増加することで歯周病が悪化しやすくなるといわれています。

気圧変化の対策

気圧の変化による体調不良を予防するためには、体をリラックスさせることが重要です。十分な睡眠を確保し、リラックスできる環境を整えることが、頭痛や歯痛の予防につながります。また、天気予報などで気圧の変動を確認し、症状が出やすい日は無理をせず、体調を整えることを心がけましょう​ 。

10月から11月は気温差による体調不良に注意

10月から11月にかけては、日中と夜間の気温差が大きくなり、体調不良を引き起こす大きな要因となります。昼間は暖かくても夜になると急に冷え込むため、体が急激な温度変化に対応しきれず、さまざまな不調を感じることがあります。温度差によって起きる体の変化や寒暖差アレルギーについて詳しく見ていきましょう。

温度差による体の変化

気温差が大きくなると、寒暖差疲労によってさまざまな不調が表れやすくなります。寒暖差疲労は、急激な温度変化によって自律神経が乱れ、倦怠感や不眠、めまい、頭痛、肩こりなどを引き起こす状態です。

自律神経には、体を活動的にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経があり、これらが気温に応じてバランスを取りながら働いています。

夏の間は体温を維持するためのエネルギー消費が少なく、副交感神経が優位に働きますが、気温が下がると体温を保つために交感神経が活発になります。気温差が大きいと、自律神経が過剰に働き、多量のエネルギーを消費します。その結果、疲労が蓄積されて倦怠感や不眠、めまい、頭痛、肩こりなどの症状が現れます。

寒暖差アレルギー

気温差が大きくなると、寒暖差アレルギーと呼ばれる症状が現れることがあります。これは、鼻水やくしゃみ、目のかゆみ、喉の痛み、咳といったアレルギーのような症状が見られることが特徴です。特に、日中は暖かく、夜間に急激に冷え込む秋の時期に多く見られます。

寒暖差アレルギーの原因は明らかではありませんが、自律神経のバランスが乱れることで血管の収縮と拡張の調節に不具合が生じ、血管が広がることで鼻粘膜が腫れて、アレルギー性鼻炎のような症状が現れるといわれています。

気温による体調変化への対策

外出時は、薄手のカーディガンやジャケットを携帯し、日中と夜間の気温差に対応できるようにすることが重要です。寒暖差が7℃以上になると、体に負担がかかりやすくなるため、適切な服装で体温を調整しましょう​。

室内にいるときも、急激な温度変化を避けるために、エアコンや暖房の設定温度に注意が必要です。また、体を温めるために、ぬるめのお湯に浸かる入浴を取り入れることで、自律神経を整えることができます。

11月から12月は乾燥に注意

寒さが厳しくなる11月から12月にかけて、空気の乾燥が進むため、口や喉、唇への影響が大きくなります。11~12月に起こりやすい乾燥や暖房器具による体調不良、インフルエンザなどについて詳しく見ていきましょう。

乾燥(口や喉、唇への影響と対策)

乾燥した空気は、口や喉、唇の粘膜を乾燥させることで、炎症や痛み、ひび割れを引き起こします。また、口内が乾燥すると、唾液の分泌が減少し、口内の自浄作用が低下することで、常在菌の中でもむし歯菌や歯周病菌などが増えて、口臭やむし歯、歯周病のリスクが高まります。

乾燥による体調不良の対策

こまめに水分を摂取することで、口内のうるおいを保つことができます。特に寝る前や起床時に水を飲むことを習慣化すると効果的です。
唇には保湿力の高いリップクリームを、喉には加湿器や濡れマスクを使用することで、乾燥を防ぐことができます。加湿器を使う際は、カビ防止のために定期的な清掃と毎日タンクの水を交換して清潔に保ちましょう。

暖房器具による体調不良(口、口内、唇、喉への影響)

11~12月は冷え込むため、暖房器具を使い始める方が多いでしょう。暖房器具を使うと、室内の湿度が低下し、乾燥がさらに進行します。口や喉の粘膜が乾燥して炎症を起こしやすくなり、唇もひび割れやすくなります。

暖房による体調不良の対策

湿度が40%以下だと乾燥しているといえるため、適切な湿度の目安である50%前後になるように加湿器を使用したり、濡れタオルを部屋に干したりしましょう。

室温に対して快適な湿度に調整するように作動する加湿器を使えば、湿度計を確認しながら機器をON・OFFする必要がありません。

また、保湿クリームで肌や唇を定期的に保湿することも大切です。

インフルエンザの流行

インフルエンザは例年12月から4月にかけて流行し、1月から3月にピークを迎えます。ウイルスは低温で乾燥した環境を好むため、乾燥しやすい11~12月にも感染者が多く見られます。

インフルエンザ対策

インフルエンザの予防としては、手洗いやうがい、マスクの着用、人混みを避けるといった対策に加え、口内の清潔を保ち、唾液の分泌を促進することが重要です。唾液は口内の自浄作用を高め、ウイルスや細菌の侵入を防ぐ役割を果たします。よく噛んで食べることやガムを噛むことで唾液分泌を促進できます。また、適度な水分補給も口内の乾燥を防ぐことに役立つため、こまめに水分を補給しましょう。

月ごとの注意点のチェックリスト

9月
  • ダニアレルギーのリスクが高まるため、定期的な掃除と布製品の洗濯を徹底する。
  • ブタクサやヨモギなどの花粉が飛散するため、外出時はマスクや眼鏡を着用。帰宅後は衣服をよく払い、顔を洗うなどして花粉を除去する。
  • 秋雨前線や台風による気圧変化で頭痛や歯痛が発生しやすい。リラックスできる環境を整え、十分な睡眠を確保する。

10月
  • 日中と夜間の気温差が大きいため、薄手のカーディガンやジャケットを携帯して体温調節を行う。寒暖差が7℃以上になる場合は特に注意。
  • 自律神経のバランスを保つために、入浴で体を温める。

11月
  • 口や喉、唇が乾燥しやすい時期のため、こまめに水分補給を行い、保湿力の高いリップクリームや加湿器を使用して乾燥を防ぐ。
  • 暖房器具の使用で室内が乾燥しやすいため、加湿器を併用して湿度を50%前後に保つ。

12月
  • インフルエンザの流行期に入るため、手洗いやうがいを徹底し、人混みを避ける。
  • 唾液の分泌を促進するために、よく噛んで食べることやガムを噛む習慣を取り入れる。
  • 冬は乾燥がさらに進むため、引き続き水分補給と保湿ケアを怠らないようにする。

まとめ:季節の変わり目における体調不良に備えましょう

これから迎える季節の変わり目に備えて、月ごとの注意点と対策をしっかりと押さえておくことで、体調不良を未然に防ぎ、健康な毎日を過ごすことができます。花粉や乾燥、感染症など、行うべき対策は多岐にわたります。今回、解説した内容を参考に季節の変化に備えましょう。

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