歯ぐきマッサージで健康的な口元に! 効果的なやり方、注意点を解説

歯ぐきマッサージで健康的な口元に! 効果的なやり方、注意点を解説

健康な歯ぐきを保つためには、歯ぐきマッサージが効果的です。マッサージの方法や注意すべきポイントをご紹介します。

               
歯ぐきマッサージとは、文字どおり、歯ぐきをマッサージする方法です。歯ぐきは、歯を支えるだけでなく、口の中の健康を保つうえで重要な役割を果たしています。歯ぐきマッサージは、口内の健康を維持するために有効な手段です。歯肉炎や歯周炎の予防、歯ぐきの引き締めなどに役立ちます。ここでは、歯ぐきマッサージで得られるメリットや効果的なやり方、注意点を解説します。

歯ぐきマッサージとは

歯ぐきマッサージとは、指の腹や歯ブラシを使って、歯ぐきをもみほぐしたり、刺激を与えたりすることをいいます。ガムマッサージとも呼ばれており、歯ぐきの健康を保つうえで有効な方法です。歯ぐきマッサージを診療メニューに取り入れている歯科医院もありますが、歯ぐきの腫れや出血などのトラブルがなければ自宅でも行えます。

歯ぐきケアの重要性と健康への影響

歯ぐきは、歯とその周囲にある骨(歯槽骨)を取り囲む粘膜組織です。歯を支えるとともに、食べかすや細菌などが歯の根っこの先に侵入するのを防いだり、食べ物などを噛む時に歯に加わる衝撃を和らげたりして、歯を守るよろいのような働きがあります。

つまり、歯ぐきを健康に保つことは、歯を守ることにつながるのです。歯ぐきの健康が損なわれてしまうと、歯を支えきれなくなって、歯がぐらついたり、抜け落ちてしまったりするおそれがあります。また、歯ぐきが痩せて下がってくると、歯の根っこが露出して歯が長くなったように見え、老けた印象を与えてしまいます。

歯ぐきはその他の組織や器官と同じように、年齢を重ねるごとに退化したり、萎縮したりします。しかし、日頃から適切なケアをして、口の中を健康な状態に保つことで、歯ぐきの老化を遅らせることは可能です。

健康な歯ぐきの条件

健康な歯ぐきは次のような条件を満たしています。

淡いピンク色をしている

健康な歯ぐきは血行がよく、毛細血管が透けて見えるため、淡いピンク色をしています。ただし、喫煙習慣がある方は、血管収縮による血行不良により、歯ぐきが紫色に見えることがあります。

歯ぐきが引き締まっている

健康な歯ぐきは、弾力があって引き締まっているので、歯と歯の間に歯ぐきが入り込み、先端がシャープな三角形に見えます。触ってみてブヨブヨしている歯ぐきは、炎症を起こして腫れているおそれがあるので要注意です。

歯のくびれ部分をおおっている

健康な歯ぐきは、歯のくびれた部分(歯頸部)をしっかりおおっています。歯ぐきが痩せて後退すると、エナメル質のない歯の根元がむき出しになるため、むし歯や知覚過敏などのトラブルを起こしやすくなります。

スティップリングがある

健康な歯ぐきには、スティップリングと呼ばれるみかんの皮のようなプツプツした小さなくぼみが見られます。これは歯ぐきの繊維が表面を引っ張ることで現れるもので、歯ぐきに張りがあり歯の面と密着している証拠です。歯周病などによって歯ぐきに炎症が生じると、スティップリングは消失します。

歯ぐきマッサージを行うメリット

歯ぐきをマッサージすることで、血行促進や唾液分泌の促進などさまざまな効果が期待でき、歯周病や口臭予防にもつながります。

歯ぐきの血行促進

歯ぐきマッサージをすると、血行が促されて、歯ぐきの細胞の生まれ変わりに必要な酸素や栄養が補給されるため、細胞の正常な再生サイクルを促せます。これにより細菌などに対する歯ぐきの抵抗力がアップし、歯周病やむし歯になりにくい健康的で丈夫な歯ぐきを維持できます。

歯ぐきに溜まった老廃物の除去

歯ぐきマッサージにより血流やリンパの流れがよくなることで、歯ぐきの中に溜まった老廃物を排出しやすくなり、歯ぐきの引き締め効果が期待できます。

唾液分泌の促進

唾液には、口内の汚れや細菌を洗い流す自浄作用や、細菌の増殖を抑える抗菌作用などがあります。歯ぐきマッサージにより唾液の分泌が促されることで、口臭やむし歯の予防につながります。また、唾液にはムチンと呼ばれるネバネバした成分が含まれており、歯ぐきの表面をコーティングして、粘膜が傷つかないように保護する働きがあります。

口周りの筋肉の緊張緩和

硬い食べ物の噛み砕きや睡眠時に無意識に行われる食いしばりは、歯ぐきや顎の筋肉を緊張させます。その緊張は首や肩の筋肉にも影響し、頭痛や肩こりの原因になることもあります。歯ぐきマッサージにより、歯ぐきや口の中にあるツボを刺激することで、筋肉の緊張やこわばりが緩和され、リラクゼーション効果が期待できます。

歯ぐきマッサージのやり方

歯ぐきマッサージには、やわらかい歯ブラシを使う方法と手指を使う方法があります。それぞれのやり方について解説します。

歯ブラシでマッサージをする方法

歯ぐきマッサージをする際は、まずやわらかい歯ブラシを用意しましょう。かたい歯ブラシを使用すると歯ぐきを傷つけるおそれがあるからです。普段からやわらかい歯ブラシを使っている場合は、そのまま併用してもかまいません。いつも「ふつう」や「かため」の歯ブラシを使っている方は、歯ぐきマッサージ用にやわらかい歯ブラシを用意するか、歯ぐきマッサージ用の歯ブラシも販売されているのでそれを購入してもよいでしょう。

マッサージのやり方は、歯ブラシの毛先を歯間の歯ぐきに当てて、歯磨きの時よりも弱い力で優しく動かします。歯ブラシをゴシゴシ横に動かさず、小刻みにゆっくりと震わせるように動かしてください。

歯磨き粉には発泡剤が配合されており口をゆすぎたくなるため、長い時間じっくりマッサージする時の使用には向いていません。また、研磨剤が入っている歯磨き粉は歯ぐきを傷つけるおそれがあります。何もつけなくてもマッサージできますが、研磨剤が入っていない歯ぐきマッサージ用のジェルを使うと滑りがよくなります。歯周病を予防する効果がある成分を加えたジェルも市販されているので、気になる方は試してみるのもいいでしょう。

指でマッサージする方法

人差し指の腹の部分を歯ぐきに当て、前歯から奥歯に向かって円を描くようにゆっくりと動かしていきます。とくに歯と歯ぐきの間や、歯ぐきの付け根部分を丁寧にマッサージしましょう。次に、親指と人差し指で歯ぐきを挟んで軽く圧を加えます。最後の仕上げとして、唇や頬の内側の粘膜を人差し指でうちから外へ伸ばすようにマッサージしましょう。その際、爪で歯ぐきを傷つけないように注意してください。

歯ぐきマッサージを行う際のポイント

歯ぐきをマッサージする際に衛生面などに注意する必要があります。ここでは、注意するポイントについて解説します。

清潔な手で行う

指を使って歯ぐきマッサージをする際は、事前に爪を短く切り、手をしっかり洗って清潔にしてから始めましょう。指の爪が長いままだと、口内を傷つけて、その傷口から細菌が入って炎症を起こし、歯ぐきが腫れてしまうおそれがあります。

力を入れすぎない

マッサージを行う際に力を入れすぎると、歯や歯ぐきを傷つける原因になります。やわらかい歯ブラシか人差し指の腹を使って、気持ちいいと思う程度の圧をかけましょう。歯ブラシを使用する場合、鉛筆を持つように持つと、余計な力が入りにくく細かい動きができます。

専用のジェルを使う

摩擦が気になる場合は、歯ぐきマッサージ用のジェルを使うのがおすすめです。専用ジェルを使うと滑りがよくなり、マッサージしやすくなります。さまざまな成分、種類のものがあるので、自分の好みや歯ぐきの状態に合ったジェルを選びましょう。

歯科医院でも歯ぐきマッサージを受けられる

歯科医院の中には、歯の治療前や治療後、メインテナンスのタイミングに合わせて、歯ぐきマッサージを行ってくれるところもあります。歯科医院では歯ブラシを使わず、歯科衛生士が手指を使って歯ぐき全体のマッサージを行います。歯科医院では、口内ケアのプロフェッショナルである歯科衛生士からそれぞれの口の状態に合ったマッサージを受けられるのがメリットです。歯ぐきの腫れや出血などのトラブルがある場合は、歯ぐきが傷つくリスクが高くなるため、セルフケアを始める前に歯科医師や歯科衛生士に相談することをおすすめします。ただし、歯科医院でマッサージを受ける場合は、保険適用外となるため全額自己負担となります。

歯ぐきマッサージで口の中の健康を守ろう

歯ぐきマッサージは、口内の健康を維持するのに有効な方法です。歯ぐきはデリケートな組織なので、力を入れすぎず優しくマッサージしましょう。歯ぐきマッサージは自宅でもできますが、やり方を詳しく知りたい方や、専門家によるケアを受けたい方は、歯科医院で一度施術を受けてみることをおすすめします。

近隣のクリニックを検索

関連記事

ピックアップ

医療機関の方へ

シルハは口腔環境6項目を簡単操作で5分でスクリーニングできる唾液検査です。
製品情報・お問い合わせはコチラ

SillHa.comでは全国の歯科医院の情報を掲載しています。
より詳細なご施設情報の掲載をご希望される場合はこちら