【ヘルシーレシピ】5月が旬の野菜はどんな栄養素がある?うれしい効能やレシピを紹介【管理栄養士監修】

【ヘルシーレシピ】5月が旬の野菜はどんな栄養素がある?うれしい効能やレシピを紹介【管理栄養士監修】

この記事では、5月が旬の野菜のなかから、そらまめ、春キャベツ、にんにくの3つをピックアップして、含まれている栄養素や、期待されている効能について、詳しく解説します。
最後には、旬の野菜をたっぷり使った簡単レシピも紹介します。旬ならではの味わいを、ぜひお楽しみください。

               

春ならではの味わい「そらまめ」

そらまめの旬は4〜6月頃です。1年のなかでも限られた時期にしか出回らないため、春から初夏にかけての「旬の味覚の食材」といえます。

そらまめは空に向かってさやが実ることから「空を向いた豆」が名前の由来となっています。

おいしいそらまめを選ぶなら、さやの緑色が濃く、ハリとツヤのあるものにしましょう。また、さや全体に白いうぶ毛が生えているものは、新鮮な証拠です。

栄養素

そらまめは鉄(2.3 mg/100 g)、ビタミンC(23 mg/100 g)、タンパク質(10.9 g/100 g)、食物繊維(2.6 g/100 g)などの栄養素を含みます。

ほかにも、ビタミンB1(0.30 mg/100 g)、カリウム(440 mg/100 g)などが豊富です。

期待される効能

そらまめに含まれる栄養素は、どのような効能が期待できるのか見てみましょう。

ビタミンB1:糖質の代謝をサポート

そらまめに含まれるビタミンB1は、糖質の代謝をサポートする栄養素です。そらまめは糖質の量がやや多めのため、効率的に栄養補給できます。

ビタミンB1が不足すると、疲労感や倦怠感などを生む原因となります。元気な毎日を送るためにも、欠かさずに摂りたい栄養素です。

カリウム:むくみ解消・高血圧予防

そらまめに豊富に含まれるカリウムは、むくみ解消や高血圧予防に役立つ栄養素です。

これはカリウムに、むくみや高血圧の原因となるナトリウムを体外に排出する働きがあるためです。そらまめは美容や健康づくりに役立ってくれるでしょう。

おすすめの調理法

そらまめに含まれるビタミンB1やカリウムなどの栄養素は水溶性のため、茹でると減ってしまいます。ゼロになるわけではありませんが、ムダなく栄養素を摂りたい場合は、蒸したり焼いたりして調理するようにしましょう。

また、そらまめの薄皮は剥いて食べるのが一般的ですが、薄皮も食べられる部分です。旬のものはやわらかく食物繊維を豊富に含むので、食物繊維をムダなく摂りたい場合は、そのまま食べたり料理に使ったりして活用してみましょう。

みずみずしく栄養素もたっぷり「キャベツ(春キャベツ)」

1年を通して手に入るキャベツは「春キャベツ(4〜6月)」「夏秋キャベツ(7〜10月)」「冬キャベツ(11〜3月)」があります。夏秋・冬キャベツはずっしりとして葉が硬いのに対し、春キャベツは巻きがふんわりとしていて、葉がやわらかいのが特徴です。

おいしい春キャベツを選ぶなら、持ったときに重みを感じるものにしましょう。また、芯の切り口が変色しておらず、みずみずしいものは新鮮です。

栄養素

春キャベツと普通のキャベツの栄養価の違いは、日本食品標準成分表には掲載されていません。そのため、栄養価に大きな変わりはないと考えて良いでしょう。

キャベツに含まれる栄養素は、カリウム(190 mg/100 g)、食物繊維(1.8 g/100 g)、葉酸(66 mg/100 g)などがあります。

ほかにも特徴的な栄養素にビタミンU、ビタミンC(38 mg/100 g)があります。

期待される効能

春キャベツはさまざまな栄養素を含むため、健康づくりや美容に欠かせない食材です。具体的にどのような効能が期待されるのか、解説します。

ビタミンU:胃腸の調子を守る

キャベツには、ビタミンUという特徴的な成分が含まれています。ビタミンと名前がついていますが、実際は「ビタミン様物質」であり、ビタミンのように不足したときの影響などはわかっていません。

ビタミンUは「キャベジン」ともいい、キャベツから発見されたことが名前の由来です。ビタミンUは胃腸の粘膜を正常に保つ作用があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や治療薬として用いられています。

胃腸の調子が整いづらいときに、キャベツを使ったスープや煮物を取り入れてみても良いでしょう。

ビタミンC:歯と口の健康を守る

キャベツに含まれるビタミンCは、抗酸化作用があり、歯ぐきを炎症から守るのに役立ちます。また、ビタミンCはコラーゲンの生成に関わるため、歯ぐきの修復を助けて歯周病の予防にも役立ちます。

キャベツにバストアップ効果はある?

「キャベツにバストアップ効果がある」と聞いたことがあるかもしれませんが、これは信ぴょう性の低い情報と考えられます。

そもそもこのように言われるのは、キャベツに含まれるとされている「ボロン(ホウ素)」という物質が理由です。いくつかの研究で、ボロンは女性ホルモンであるエストロゲンを増やす作用があると報告されています。

確かにエストロゲンは女性らしい体を作るのに欠かせない働きをします。しかしながら、キャベツを食べることで、バストアップが期待できるほどエストロゲンを増加させられるのかはわかりません。

また、前述の研究も、ボロンのサプリメントを摂取した場合の研究例です。キャベツにどれくらいのボロンが含まれているのかは不明です。
実際に、キャベツ栽培のためには、比較的多くのボロンが必要とされます。しかし、キャベツがどのくらいのボロンを含んでいるのか、データを見つけることができませんでした。
バストアップをしたいなら、他の方法を選択した方が良さそうです。

おすすめの調理法

キャベツに含まれるビタミンCやカリウムなどの栄養素は、熱に弱く水に流れ出やすい性質があります。そのため、栄養素をムダなく摂るなら、水にさらしたり茹でたりせずに生のまま食べるのがおすすめです。

また、キャベツの外葉の色の濃い部分にはβ-カロテンが豊富です。捨ててしまいがちかもしれませんが、きれいに水洗いして調理するようにしましょう。

パワーみなぎる毎日に「にんにく」

1年中手に入りやすいにんにくですが、国産のにんにくがもっとも出回るのは5〜6月頃です。日本では、青森県産のにんにくが生産量の7割を占めています。

にんにくは、粒が大きくて締まりがあり、ふっくらと丸みのあるものを選びましょう。しっかり乾燥していて、皮が白いものもおいしいにんにくの証拠です。

栄養素

にんにくには、ビタミンB1(0.19 mg/100 g)、食物繊維(6.2 g/100 g)、カリウム(510 mg/100 g)などが含まれます。

なかでも、アリシン、ビタミンB6(1.53 mg/100 g)が豊富に含まれているのが特徴です。

期待される効能

にんにくは「健康に良い」というイメージがありますが、実際にどのような効能が期待されているのでしょうか?

アリシン:滋養強壮や抗菌作用などを期待

にんにくに含まれるアリシンは、滋養強壮や抗菌作用などが期待されている成分です。アリシンはにんにくの香り成分であり、刺激的な強い香りが特徴です。

アリシンは香りで食欲を高めると共に、ビタミンB1の吸収を助けることで、滋養強壮に良いと考えられています。

また、アリシンはカビやピロリ菌と結合して、抗菌作用を示すことも知られています。抗菌作用が強いため、にんにくを食べすぎると、腸内細菌へ影響を及ぼすこともあるほどです。

ビタミンB6:タンパク質の代謝をサポート

にんにくに含まれるビタミンB6は、タンパク質の代謝に欠かせない栄養素です。そのため、にんにくはタンパク質を含む肉や魚を使った料理との相性が良いといえます。

ビタミンB6が極端に不足すると、貧血、皮膚炎、口角炎、舌炎、免疫機能の低下に関連することが知られています。

無臭にんにくと何が違う?

無臭にんにくは「ジャンボリーキ」と呼ばれる西洋ねぎの仲間です。植物の分類では、普通のにんにくとは別の種類となっています。

無臭にんにくは、香り成分であるアリシンの量が少ないため、普通のにんにくよりにおいが気になりにくいのです。ただし、アリシンが少ない分、無臭にんにくはアリシンの効能を期待しづらくなります。

においが気になるときにはありがたい存在ですが、アリシンの効果を期待したい場合は普通のにんにくを選ぶと良いでしょう。

おすすめの調理法

にんにくに含まれるアリシンは、ビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。そのため、ビタミンB1を豊富に含む豚肉や魚介類との相性がバッチリです。

ただし、にんにくが体に良いからといって、食べすぎは禁物です。食べすぎにより、胃腸に負担をかけたり、腸内細菌のバランスを乱してしまったりすることが考えられます。

にんにくの1日の適量は、決まった目安はありませんが、通常の料理に使用する量である1日1〜2片ほどにすると良いでしょう。

また、においが気になる場合は加熱調理がおすすめです。におい成分であるアリシンは、熱に弱い性質があるため、加熱することでにおいを抑えられます。

ただし、アリシンによる効果は期待しづらくなります。効能を期待したい場合とにおいが気になる場合とで、食べ方を選んでみると良いでしょう。

5月が旬の食材を使った「春野菜とあさりのぺペロン蒸し」のレシピ

5月が旬の食材である春キャベツ、そらまめ、にんにく、あさりを使った、ぺペロン蒸しのレシピを紹介します。

春が旬のあさりは、鉄や亜鉛、ビタミンB12などの栄養素が豊富であり、低脂質・低糖質なのがうれしい食材です。ミニトマトを加えて、彩りやリコピンなどの栄養成分もプラスします。歯と口の健康に良いビタミンCなどの栄養素も、たっぷり摂れますよ。

フライパンで蒸して作るので、栄養素がムダにならず、食材のうまみもたっぷり感じられるメニューです。

<材料>(2人分)調理時間:15分

  • あさり(殻付き・砂抜きしたもの):120 g
  • 春キャベツ:150 g
  • そらまめ(むき身):50 g
  • ミニトマト:6個
  • にんにく:1片
  • 赤唐辛子(輪切り):少々
  • オリーブ油:大さじ1
  • 酒:大さじ1
  • 粗びき黒こしょう:少々

<作り方>

  1. キャベツはざく切りにします。そらまめは塩茹でします。にんにくはみじん切りにします。
  2. フライパンににんにく、赤唐辛子、オリーブ油を入れて弱めの中火にかけ、香りが立ってきたらキャベツを加えてサッと炒めます。
  3. 2にあさり、ミニトマト、酒、粗びき黒こしょうをふり、ふたをして蒸し焼きにします。
  4. 3のあさりの口が開いたらふたを開け、そらまめを加えて全体をサッと混ぜ合わせます。

<ポイント>

そらまめは薄皮ごと食べられるため、剥かずに調理していますが、気になる場合は塩茹でしたあとに剥きましょう。

あさりに塩気があるため味付けは黒こしょうのみですが、味見をしてみて物足りないときは塩を加えて調整してください。

お子さんが食べるときは赤唐辛子を入れずに作り、取り分けたあとに加えるようにしましょう。

5月が旬の食材で、パワーあふれる毎日を!

5月が旬の食材は、健康づくりや元気な毎日を送るために欠かせない栄養素を含むものばかりです。また、旬の食材は栄養価だけでなく、おいしさもたっぷり詰まっているのもうれしいポイントです。ぜひさまざまなメニューで旬の食材を楽しんでくださいね。

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
ホームページ>
https://hirotachihiro.com/
Instagram>
https://www.instagram.com/chihiro_eiyo/

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