この記事では、9月が旬の野菜・果物の栄養価や特徴について解説します。今日から取り入れられるレシピも紹介しています。
9月が旬のしょうが、マッシュルーム、りんごは、健康づくりに欠かせない栄養素や成分を豊富に含んでいます。旬のおいしさを味わいながら、積極的に取り入れてみましょう。
この記事では、これら3つの食材を選ぶときのポイントや特徴的な栄養素、おすすめの調理法について解説します。
また、秋にうれしい、体が温まるおすすめレシピも紹介します。
生薬としてさまざまな効能がある「しょうが」
一般的に出回っているしょうがは「根しょうが」といい、9〜11月頃に収穫されます。貯蔵施設で保存され、1年を通して流通しています。6〜8月頃に収穫される、根元の赤い「新しょうが」に比べ、根しょうがは香りや辛みが強いのが特徴です。
しょうがを選ぶ際は、皮に傷がなく、肉厚でふっくらとしたものがおいしいサインです。また、切り口がみずみずしいものが良いでしょう。
栄養素
しょうがにはカリウム(270 mg/100 g)や食物繊維(2.1 g/100 g)などのさまざまな栄養素が含まれます。
また、しょうがは古くから生薬として用いられており、吐き気止め、消化促進、血行改善など、さまざまな薬効が期待されています。
ジンゲロール・ショウガオールに期待される効能
しょうがに含まれる辛み成分であるジンゲロール、ショウガオールなどには、さまざまな健康効果が期待されています。生のしょうがに多く含まれるのがジンゲロールであり、ショウガオールはジンゲロールが加熱分解されることで作られます。
どのような効能が期待されているのか、詳しく見てみましょう。
体を温める・体脂肪燃焼
しょうがには、体を温める作用が期待されています。これは、ジンゲロール、ショウガオールなどの辛みによって交感神経が刺激されて活発になり、体温を上昇させるためと考えられています。
また、脂肪燃焼を促す効果も期待されており、ダイエットに良いのではないかとして注目されている成分です。
なかでも、ショウガオールは体を温める作用が強いと考えられています。ショウガオールは加熱することで生成されるため、体を温める作用を期待したいときは、しょうがを加熱すると良いでしょう。
胃腸の働きを助ける・食欲増進
ジンゲロールやショウガオールには、胃腸の血行を促すことにより、胃腸の働きを助ける作用が期待されています。実際に、しょうがには健胃作用があるとされ、生薬として多くの漢方薬に配合されています。
また、しょうがの良い香りによって、食欲増進の効果も期待できます。
食欲がないとき、胃腸の調子が整わないときなどに、しょうががぴったりといえるでしょう。
殺菌作用
ジンゲロールなどのしょうがの辛み成分には、高い殺菌作用があることが知られています。食品の保存性を高めるのに役立ち、食中毒予防に効果が期待できます。
おすすめの調理法
しょうがに含まれるジンゲロールなどの辛み成分は、皮の近くに多く含まれています。そのため、しょうがは皮ごと使うようにすると良いでしょう。
また、チューブ入りのしょうがを活用してもOKです。ジンゲロールやショウガオールなどの辛み成分はチューブにも含まれているため、効能を期待できると考えられます。
さらに先ほども伝えた通り、体を温める作用を期待したいときは、ショウガオールが生成されるよう、加熱したしょうがを取り入れましょう。
唯一生で食べられるきのこ「マッシュルーム」
マッシュルームの旬は、9〜12月頃の秋から冬にかけてです。和名は「ツクリタケ」といい、味にクセのないホワイト種や、濃厚な味わいのブラウン種などがあります。
マッシュルームを選ぶ際は、カサをチェックしてみましょう。カサが開いておらず、すべすべとしたものが良いマッシュルームの証拠です。
栄養素
マッシュルームには、カリウム(350 mg/100 g)、ビタミンD(0.3 μg/100 g)、食物繊維(2.0 g/100 g)などの栄養素が含まれます。
特に、不溶性食物繊維(1.8 g/100 g)やビタミンB2(0.29 mg/100 g)が豊富です。
期待される効能
マッシュルームに含まれる栄養素には、下記の効能が期待されています。
不溶性食物繊維:便秘の予防・解消
マッシュルームに含まれる不溶性食物繊維は、便の材料となり、便秘の予防や解消に役立ちます。腸内で水分を吸収して膨らむため、腸を刺激して、排便をスムーズにしてくれます。
ビタミンB2:脂質の代謝に関わる
ビタミンB2は脂質の代謝に関わる働きがあります。体内の脂肪酸がエネルギーになる際に必要なため、ダイエットに欠かせない栄養素として注目されています。
おすすめの調理法
マッシュルームに含まれるビタミンB2は、脂質の代謝に関わるため、脂質を含む食べ物と相性が良いといえます。脂っこい肉料理や油を使った料理などと組み合わせると良いでしょう。
また、ほかのきのこは生食ができませんが、マッシュルームは唯一、生で食べられます。
生で食べる場合は、購入して日にちが経ったものや、カサが開いているものは避け、新鮮なものをすぐに食べるようにしましょう。加熱したマッシュルームとは違った、高い香りとシャキッとした歯ざわりを楽しめます。
医者いらずともいわれる栄養価を持つ「りんご」
りんごの旬は品種によってやや異なりますが、9〜2月頃の秋から冬にかけてです。りんごは通年出回っていますが、この時期に収穫されたものが貯蔵され、翌年まで出回っています。
りんごは、色や形が良く、ずっしりと重たいものを選びましょう。つるが太く、みずみずしいものはおいしくて新鮮なサインです。
栄養素
りんごは「1日1個のりんごは医者を遠ざける」といわれるほど、栄養豊富な果物です。
りんご(皮つき)には、カリウム(120 mg/100 g)や水溶性食物繊維(0.5 g/100 g)などが含まれています。なかでも注目すべき成分に「リンゴポリフェノール」があります。
期待される効能
りんごに含まれる栄養素や成分には、具体的にどのような効能が期待できるのでしょうか。詳しく解説します。
水溶性食物繊維(ペクチン):生活習慣病対策・腸活に
りんごに含まれる水溶性食物繊維のひとつであるペクチンには、血糖値の上昇を穏やかにしたり、コレステロール値を低下したりする働きが期待されています。
また、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれるため、腸活にもぴったりです。
リンゴポリフェノール:強力な抗酸化作用
りんごに含まれるポリフェノールは「リンゴポリフェノール」とも呼ばれ、なかでもプロシアニジン類が多く含まれています。
プロシアニジン類はほかの抗酸化物質に比べて、強力な抗酸化作用を持つことが知られています。美白作用(シミの原因となるメラニンの生成抑制)、がん予防、悪玉コレステロール値の低下など、美容、健康に良い数々の効能が期待されています。
おすすめの調理法
りんごの食物繊維やポリフェノールをムダなく摂取したい場合は、皮ごと食べるようにしましょう。
また、りんごとヨーグルトは相性が良い組み合わせです。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内で善玉菌として働き、りんごに含まれる水溶性食物繊維が善玉菌を増やしてくれます。
りんごは生で食べる以外にも、ジャムやコンポートにして楽しむ方法もあります。しかし、リンゴポリフェノールは熱に弱い特徴があるため、より効果を期待したいときは生のまま食べるようにしましょう。
9月が旬の食材を使った「マッシュルームと根菜のしょうがポトフ」のレシピ
秋が旬のマッシュルームと、根菜を使ったしょうが入りのポトフです。秋野菜をたっぷりとれ、体がぽかぽかと温まります。
多めに作って、作り置き保存も可能です。冷蔵庫で保存して、3日程度を目安に食べ切りましょう。
ゴロッと大きめにカットするのでよく噛んで食べられ、口のまわりの筋肉を鍛えたり、唾液の分泌を促したりしてくれるため、歯と口の健康づくりにもぴったりです。
<材料>(2~3人分)調理時間:25分
- 鶏もも肉:160 g
- 玉ねぎ:1/2個
- にんじん:1/2本
- さつまいも:1/4本
- れんこん:1/3節
- マッシュルーム:5~6個
- しょうが:1片
- 水:500 ml
- コンソメスープの素(顆粒):小さじ2
- しょうゆ:大さじ1/2
- 塩:少々
- こしょう:少々
- パセリ(あれば):少々
<作り方>
- 鶏肉は一口大に切ります。玉ねぎはくし切り、にんじん、さつまいも(皮ごと)、れんこんは乱切り、マッシュルームは縦半分に切り、しょうがは皮ごと薄切りにします。
- 鍋に1と水、コンソメスープの素、しょうゆを入れて火にかけます。沸騰したら弱火にしてアクを取り、ふたをして約10〜15分、野菜がやわらかくなるまで煮ます。
- 塩、こしょうで味をととのえて器に盛り、あれば刻んだパセリを散らします。
<ポイント>
野菜の切り方が大きすぎると加熱時間が長くなってしまうため、スプーンに乗る程度の大きさにカットしましょう。お好みでごぼうやきのこを加えるのもおすすめです。
秋の訪れを感じる9月が旬の食材をたっぷり取り入れよう
9月が旬のしょうが、マッシュルーム、りんごは、秋の訪れを感じさせてくれる食材です。健康づくりに取り入れたいものばかりなので、旬の時期は積極的に活用しましょう。