【ヘルシーレシピ】アルギニンの働きとは?血流・運動機能との関連、豊富な食べ物と簡単レシピ【管理栄養士監修】

【ヘルシーレシピ】アルギニンの働きとは?血流・運動機能との関連、豊富な食べ物と簡単レシピ【管理栄養士監修】

この記事では、アルギニンの働きや期待されている効果、取り入れ方を解説します。また、アルギニンが豊富な食べ物を使った「ケチャップで作る簡単ハヤシライス」のレシピも紹介しています。

               
アミノ酸の一種であるアルギニンは、タンパク質として体づくりに使われるだけでなく、血流改善や運動機能・免疫機能との関連が知られている栄養素です。1日の目安量、過不足の影響、豊富な食べ物に加えて、アルギニン補給にぴったりなレシピを紹介します。

アルギニンが豊富な食材を使った「ケチャップで作る簡単ハヤシライス」のレシピ

アルギニンが豊富な食材を使った「ケチャップで作る簡単ハヤシライス」のレシピを紹介します。

食材は牛肉・玉ねぎ・しめじの3つだけで、さらにケチャップやウスターソースなどの身近な調味料で簡単に作れます。トマト缶やデミソース缶、ルウを使わずに作れ、牛肉のうまみたっぷりの濃厚な仕上がりです。

牛肉にはアルギニンをはじめ、必須アミノ酸がバランスよく含まれています。さらに、鉄や亜鉛も豊富であり、成長期の子どもや活動量の多い方にもぴったりです。

また、口の健康を保つためには、タンパク質や鉄などの栄養素を不足させないことも大切です。ご飯・タンパク源(牛肉)・野菜・きのこ類を一度にとれる今回のレシピは、栄養バランスを整えながら、口の健康づくりにも役立つ一品といえるでしょう。

<材料>(2人分)調理時間:20分

  • 牛こま切れ肉:150 g
  • 玉ねぎ:1/2個
  • しめじ:1/2パック
  • 薄力粉:大さじ1
  • サラダ油:適量
  • (A)ケチャップ:大さじ2
  • (A)ウスターソース:大さじ1
  • 水:120 ml
  • コンソメスープの素(顆粒):小さじ1
  • バター:5 g
  • 塩:少々
  • こしょう:少々
  • ご飯(温かいもの):適量

<作り方>

  1. 牛肉は大きければ食べやすい大きさに切り、薄力粉をまぶします。玉ねぎは薄切り、しめじは硬い部分を除いてほぐします。
  2. フライパンにサラダ油を入れ中火で熱し、玉ねぎ、牛肉、しめじを順に炒めます。
  3. (A)を加えて1〜2分炒めます。
  4. 水、コンソメスープの素を加え、煮立ったら沸騰が続く程度に火を弱めます。時々かき混ぜながら、約3〜4分煮込みます。
  5. バター、塩、こしょうを加えて混ぜ、火を止めて器に盛ったご飯にかけます。

<ポイント>

ケチャップとウスターソースを炒めることにより、酸味が飛んでコクが出ます。

しめじはマッシュルームやエリンギなどのお好みのきのこに変更してもOKです。

アルギニンとは?

アルギニンはアミノ酸の一種で、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうちのひとつです。

アルギニンは体内でも合成されますが、成長期には十分な量が作られないため「準必須アミノ酸」とも呼ばれます。

アルギニンはタンパク質として体を作る働きのほか、血流改善や運動のパフォーマンス維持、免疫機能との関連が知られている成分でもあります。

アルギニンに期待される効果・効能

アルギニンに期待される働きにはどのようなものがあるか、詳しく見てみましょう。

血流改善・血管の保護

アルギニンは体内で一酸化窒素(NO)の生成に関わるアミノ酸です。

一酸化窒素は血管を拡張させ、血流を良くする働きがあります。また、血栓ができるのを防いで血管を守る作用も期待されており、動脈硬化や循環器疾患の予防に役立つのではないかと考えられています。

さらに、血流改善により、冷えやすい手足や血流が滞りやすい肩などにも、温かな血液が行き届きやすくなるでしょう。

運動のパフォーマンスサポート

アルギニンから作られる一酸化窒素は、血流を促し、筋肉へ酸素が運ばれるのを助けると考えられています。筋肉へ酸素が効率的に供給されれば、運動時のパフォーマンス維持につながるでしょう。

また、運動時には、筋肉内のグリコーゲンが消費されて疲労感につながります。一酸化窒素の血流改善により筋肉へのグルコース供給が促されることで、疲労回復を支えるのではないかとも考えられています。

さらに、アルギニンの摂取により筋力アップにつながるのでは、ともいわれています。しかし、実際に効果があるかどうかは、はっきりとわかっていません。

このように、アルギニンと運動との関連は示されているものの、現時点では補助的な役割として捉えるのが適切でしょう。

免疫機能との関連

アルギニンは免疫細胞の働きを支え、免疫機能の維持に関わっていると考えられています。

医療現場では、術後の合併症予防(免疫強化)や回復促進の目的でアルギニンが投与される場合もあります。しかし、実際の効果については試験によるばらつきがあり、評価は一様ではありません。

免疫機能はアルギニン以外にも多くの栄養素が関わっているため、アルギニンが“体づくりの一部を担っている”とイメージするのが良いでしょう。

歯・歯ぐきとの関係

唾液中のアルギニンは、口内をアルカリ側に保つ働きがあるとされています。口内環境が酸性に傾くと、脱灰(歯の表面にあるエナメル質が酸によって溶け出す現象)が起きやすくなり、むし歯や知覚過敏などさまざまなトラブルの原因となります。

実際に、海外ではアルギニンを配合した歯磨き粉が多く市販されています。
こうした背景から、アルギニンはオーラルケア分野で注目度が高い成分といえるでしょう。

※ただし、日本ではアルギニン配合の歯磨き粉は一般的ではなく、輸入品として販売されている状況です。

アルギニンの1日の摂取量の目安はある?

厚生労働省による日本人の食事摂取基準では、アルギニンのみの1日の摂取量の目安は示されておらず、タンパク質全体の目標量が示されています。

国際的な報告(WHO/FAO/UNU 合同専門協議会報告)で必須アミノ酸の必要量が示されていますが、アルギニンは必須アミノ酸ではないため、個別の必要量は設定されていません。

アルギニンは体内でも合成されることから、通常の食生活を送っていれば、摂取量を過度に気にする必要はないと考えられます。

アルギニンが不足するとどうなる?

アルギニンはタンパク質が豊富な肉・魚・卵・大豆製品などさまざまな食べ物に含まれており、体内でも作られるため、通常の食生活ではアルギニンだけが不足するとは考えにくいものです。

しかし、タンパク質を含む食べ物をとらないなど、極端な食生活を続けると、タンパク質自体が不足するおそれがあります。その場合、筋肉量の低下や免疫機能の低下、成長期では成長遅延など、タンパク質不足によるさまざまな影響が懸念されます。

アルギニンの過剰摂取の影響はある?

一般的な食生活であれば、アルギニンだけを過剰に摂取する可能性は低いと考えられます。

アルギニンを含めたタンパク質自体を長期的に過剰摂取した場合は、腎臓の働きへの負担や、カロリーの過剰摂取から肥満につながる可能性が考えられるでしょう。

また、サプリメントなどからアルギニンを過剰摂取した際に、胃腸の不快感などが報告されています。健康食品を利用する際は、表示された目安量を確認し、適切な範囲で取り入れることが重要です。

アルギニンが豊富な食べ物

アルギニンは肉や魚、大豆、卵、乳などのタンパク源に幅広く含まれています。どのような食べ物に豊富に含まれているのか、分類ごとに紹介します。

鶏ささみや豚ひれなどの肉類

アルギニンは肉類のなかでも、脂質の少ない部位に多く含まれています。鶏肉であればささみやむね肉、豚肉や牛肉であればももやひれなどを選ぶと良いでしょう。

特に牛肉には鉄や亜鉛も豊富に含まれており、成長期の栄養補給にも役立つ食べ物です。

▼100 gあたりのアルギニン含有量
食品名 含有量
鶏ささみ 1,600 mg
鶏むね(皮なし) 1,500 mg
豚ひれ 1,400 mg
鶏手羽先 1,400 mg
豚もも 1,300 mg
鶏もも(皮なし) 1,300 mg
牛ひれ 1,300 mg

えびやまぐろなどの魚類

魚介類のなかでは、えび・まぐろ・かつおなど、脂質の少ない種類にアルギニンが豊富に含まれます。

魚介類にはDHAやEPAといったオメガ3脂肪酸も含まれており、血管の健康維持に関わる栄養素をあわせて摂取できます。動脈硬化予防の観点からも、積極的に取り入れましょう。

▼100 gあたりのアルギニン含有量
食品名 含有量
えび 1,800 mg
まぐろ(赤身) 1,500 mg
かつお 1,400 mg
1,300 mg
たい 1,300 mg
ぶり 1,200 mg
さば 1,200 mg
あじ 1,200 mg

鶏卵やチーズなどの卵・乳類

卵・チーズ・ヨーグルトなどにもアルギニンが含まれています。これらは調理の手間がかからず、手軽に取り入れられるのが魅力です。毎日取り入れる習慣をつけると良いでしょう。

▼100 gあたりのアルギニン含有量
食品名 含有量
鶏卵(全卵) 840 mg
粉チーズ 1,800 mg
プロセスチーズ 830 mg
クリームチーズ 300 mg
ヨーグルト 120 mg

大豆ミートやきなこなどの豆類

アルギニンは大豆製品にも豊富で、特に高野豆腐や大豆ミート、きなこなどに多く含まれています。

大豆ミートは肉の代替品として利用されることが多く、脂質を抑えながらタンパク質を補給したい場合に適しています。体重管理やトレーニング中の食事にも活用しやすい食品です。

ほかにも、きなこや納豆、豆腐なども日常的に取り入れやすく、アルギニンを含むタンパク質の補給に役立つでしょう。

▼100 gあたりのアルギニン含有量
食品名 含有量
高野豆腐 4,400 mg
大豆ミート 3,900 mg
きなこ 2,800 mg
油揚げ 2,000 mg
おからパウダー 1,500 mg
納豆 950 mg
厚揚げ 910 mg
木綿豆腐 600 mg

ピーナッツやごまなどの種実類

アルギニンはピーナッツやごまなどの種実類にも含まれています。手軽に栄養補給できるため、間食などに取り入れると良いでしょう。

ただし、脂質が多いため、1日20〜25 g程度を目安にして、食べすぎには注意してください。

▼100 gあたりのアルギニン含有量
食品名 含有量
ピーナッツ 3,200 mg
いりごま 2,900 mg
くるみ 2,300 mg
アーモンド 2,300 mg
ピスタチオ 1,800 mg

アルギニンは体を支えるアミノ酸

アルギニンは一酸化窒素の産生に関わり、血流を保つ働きが期待されているアミノ酸です。運動や免疫機能への影響についても研究が進められていますが、現時点では補助的な役割と考えるのが良いでしょう。

また、アルギニンを含むサプリメントなどがたくさんありますが、通常の食生活で不足する可能性は高くありません。まずは肉や魚、大豆製品などのタンパク源をバランスよく取り入れることを基本とし、必要に応じて利用を検討すると良いでしょう。

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
ホームページ>
https://hirotachihiro.com/
Instagram>
https://www.instagram.com/chihiro_eiyo/

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