プロリンはコラーゲンに欠かせないアミノ酸|その効果や豊富な食べ物、簡単レシピ【管理栄養士監修】

プロリンはコラーゲンに欠かせないアミノ酸|その効果や豊富な食べ物、簡単レシピ【管理栄養士監修】

この記事では、プロリンの働きと過不足による影響、豊富な食べ物について紹介します。また、プロリンが豊富な食材を使った「カット野菜で簡単!麩チャンプルー」のレシピもご紹介します。

               
プロリンはタンパク質を構成する20種類のアミノ酸のひとつです。コラーゲンを構成する主要なアミノ酸であり、体の機能を支える重要な役割を担っています。1日の目安量や過不足の影響、おすすめレシピを紹介します。

プロリンが豊富な車麩を使った「カット野菜で簡単!麩チャンプルー」のレシピ

プロリンが豊富な車麩を使った「カット野菜で簡単!麩チャンプルー」のレシピを紹介します。

車麩とカット野菜を使った、包丁いらずで手軽に作れるチャンプルーです。卵をまとった車麩はふんわりとした食感で、お肉のような食べごたえがあります。

車麩は小麦グルテンを主原料として作られており、プロリンを豊富に含む食材です。タンパク質が多く、脂質が少ないため、ヘルシーにタンパク質を補給したいときにも役立ちます。

さらに、鉄や亜鉛などのミネラルも含まれており、歯や口をはじめ、全身の健康づくりをサポートしてくれるでしょう。

<材料>(2人分)調理時間:10分(水で戻す時間を除く)

  • 車麩 3個(約30 g)
  • カット野菜(炒め用) 1袋(200 g)
  • (A)溶き卵 2個分
  • (A)水 小さじ2
  • (A)めんつゆ(3倍濃縮)小さじ1
  • (A)塩 少々
  • ごま油 大さじ1
  • (B)酒 大さじ1
  • (B)めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1
  • (B)鶏がらスープの素(顆粒) 小さじ1/2
  • 塩、こしょう 適量

<作り方>

  1. 車麩はたっぷりの水に浸し、パッケージ記載の時間通りに戻します。
  2. 車麩の水気をしっかりと絞り、一口大にちぎって(A)を絡めます。
  3. フライパンにごま油大さじ1/2を入れ中火で熱し、2の車麩を並べます(余った卵液は取っておきます)。両面に焼き色がついたら、いったん取り出します。
  4. 車麩を取り出したフライパンにごま油大さじ1/2を入れて中火にかけ、カット野菜を炒めます。
  5. 野菜に火が通ったら3で取り出した車麩を戻し入れ、(B)を加えて炒め合わせます。
  6. 余った卵液を回し入れてサッと炒め、塩、こしょうで味を調えます。

<ポイント>

車麩の水気をしっかり絞ることで、卵液や調味料がよくしみこみます。お好みで豚肉やハムなどを入れても良いでしょう。

プロリンの特徴

プロリンはタンパク質を構成する20種類のアミノ酸のひとつです。体内でも合成できる非必須アミノ酸に分類され、グリシンなどとともにコラーゲンを構成する主要なアミノ酸として知られています。

プロリンの特徴は、ほかのアミノ酸とは異なる環状構造を持つことです。この構造により、コラーゲン特有の丈夫な三重らせん構造を支える役割があると考えられています。

コラーゲンは皮膚だけでなく、骨や軟骨、血管、腱、靱帯、歯ぐきなど、全身のさまざまな組織に存在するタンパク質です。プロリンはコラーゲンの材料となるため、これらの組織の健康維持を支える大切な成分といえるでしょう。

プロリンとともにコラーゲンの主成分となる「グリシン」については、下記の記事で詳しく解説しています。

プロリンに期待される効果・効能

プロリンにはどのような働きがあるのか、詳しく見てみましょう。

皮膚を健やかに保つ

プロリンはグリシンとともにコラーゲンを構成しており、健やかな皮膚を維持するために欠かせない材料です。

コラーゲンは皮膚の真皮に豊富に含まれており、肌のハリや弾力を支える役割を担っています。

血管・関節・骨・靭帯など結合組織を支える

コラーゲンは皮膚だけでなく、骨、軟骨、腱、靱帯、血管など全身のさまざまな組織に含まれています。

これらの組織では、コラーゲンが強度や柔軟性を保つ役割を担っており、プロリンはコラーゲンの材料となるアミノ酸として、健康維持を支える大切な成分です。

細胞を守る働き

近年の基礎研究では、プロリンには活性酸素を取り除いたり、細胞をさまざまなストレスから守ったりする働きがあることが報告されています(※1)。

活性酸素が体内で増えすぎると、酸化ストレスによって細胞がダメージを受け、肌の老化や動脈硬化などとの関わりがあることが知られています。そのため、活性酸素から細胞を守る仕組みは、美容や健康の面でも注目されています。

ただし、これらは細胞や基礎研究で得られた知見であり、ヒトでも同様の働きが得られるかについては、現時点では十分な根拠があるとはいえません。 今後の研究成果が期待される分野です。

歯・歯ぐきとプロリンの関係

歯ぐき(歯肉)や歯と骨をつなぐ「歯根膜(しこんまく)」、歯を支える「歯槽骨(しそうこつ)」などの歯周組織には、コラーゲンが豊富に存在しています。

プロリンはコラーゲンを作るアミノ酸であり、歯ぐきをはじめとした歯周組織の健康を支える材料となる成分です。

歯ぐきは日々の刺激を受けやすい組織です。そのため、傷ついた組織の修復や、年齢とともに変化しやすい歯ぐきの健康を保つためにも、コラーゲンが適切に作られることが大切と考えられています。

【豆知識】皮膚や関節の健康づくりに注目の「コラーゲンペプチド」とは?

近年、皮膚や関節の健康づくりをサポートする成分として「コラーゲンペプチド」が注目されています。

コラーゲンはプロリンやグリシンなどのアミノ酸からできていますが、そのままでは分子が大きく、体内で吸収される過程でアミノ酸や小さなペプチドに分解されます。そのため近年では、あらかじめ吸収しやすい大きさまで分解した「コラーゲンペプチド(低分子コラーゲン)」を利用した研究が多く行われています。

コラーゲンペプチドについては、皮膚の弾力や水分量の維持、関節機能のサポート、運動後の回復、傷やケガの治癒過程への関与など、さまざまな働きが報告されています。一方で、効果の現れ方には個人差があり、現在も研究が進められている段階です。

プロリンの1日の摂取量の目安はある?

プロリンは体内で合成できる非必須アミノ酸であるため、厚生労働省による日本人の食事摂取基準では、プロリン単独の摂取量の目安は定められていません。示されているのは、プロリンを含むタンパク質全体の摂取目標量です。

一方、プロリンを多く含むコラーゲンペプチドについては、サプリメントなどの健康食品では1日5〜10 g程度を摂取目安量としている製品が多く見られます。

ただし、この量はあくまで製品の目安であり、毎日摂取しなければならない必要量を示すものではありません。

プロリンは体内でも合成されるため、まずは肉・魚・大豆製品などからタンパク質を十分に摂ることを基本とし、必要に応じてコラーゲンペプチドなどを上手に活用すると良いでしょう。

プロリンが不足するとどうなる?

プロリンは肉や魚、大豆製品など、さまざまなタンパク源に含まれています。さらに、体内でも合成できるため、通常の食生活でプロリンだけが不足する可能性は低いと考えられます。

ただし、極端にタンパク質を控えた食生活が続くと、プロリンだけでなく、体を作る材料となるさまざまなアミノ酸が不足するおそれがあります。

タンパク質の不足は、筋肉量や筋力の低下をはじめ、体力の低下や免疫機能への影響、皮膚や髪の健康状態の悪化などにつながりかねません。

プロリンだけを意識するのではなく、肉や魚、卵、大豆製品などのタンパク源を毎日の食事にバランスよく取り入れることが大切です。

プロリンを過剰摂取するとどうなる?

プロリンはさまざまな食べ物に含まれているため、通常の食生活でプロリンだけを過剰に摂取する状況は考えにくいでしょう。

ただし、プロリンを補おうとして肉類や加工肉などの動物性食品に偏ると、タンパク質だけでなく脂質やエネルギーの摂取量も増えやすくなります。食べすぎが続けば、体重増加や生活習慣病のリスクにつながる可能性もあるため注意が必要です。

また、プロリンをサプリメントなどから摂取する際は、食事以外から追加で摂取する量の目安として、1日4.5 g以下が望ましいとする報告もあります(※2)。

サプリメントを利用する場合は、製品に記載された摂取目安量を守り、複数のサプリメントを重ねてとらないようにしましょう。

ビタミンCと一緒に摂るのがポイント

プロリンを上手に取り入れるには、ビタミンCも欠かさずに摂ることが大切です。

コラーゲンが作られる過程では、プロリンの一部が「ヒドロキシプロリン」というアミノ酸に変化します。この反応にはビタミンCが必要であり、ヒドロキシプロリンが作られることで、コラーゲンの丈夫な構造が保たれると考えられています。

このため、コラーゲンの材料となるプロリンなどのアミノ酸だけでなく、コラーゲンづくりを助けるビタミンCも合わせて摂ることが大切なのです。

プロリンは肉や魚、ゼラチンなどの動物性食品に多く含まれていますが、これらの食品はビタミンCをほとんど含みません。サラダや温野菜を添えたり、食後に果物を取り入れたりして、ビタミンCを含む食品と組み合わせると良いでしょう。

ビタミンCについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

プロリンが豊富な食べ物

プロリンはコラーゲンを構成する主要なアミノ酸であることから、コラーゲンを多く含む動物性食品に豊富です。ほかにも、大豆製品や乳製品、小麦製品など、身近な食品にも含まれています。

ここでは、プロリンを多く含む食品を種類ごとに紹介します。

ゼラチンや鶏肉などの肉類

プロリンは、ゼラチンをはじめ、鶏肉や豚肉、レバーなどの肉類に豊富です。とくに手羽先や手羽元、皮付きの鶏肉など、コラーゲンを多く含む部位にはプロリンも多く含まれています。

▼100 gあたりのプロリン含有量
食品名 含有量
ゼラチン 13,000 mg
手羽先 1,200 mg
砂ぎも 1,100 mg
レバー(豚・牛) 1,100 mg
鶏もも(皮つき) 950 mg
豚ひき肉 930 mg
レバー(鶏) 910 mg
豚ロース 890 mg

いくらやえびなどの魚介類

魚介類では、いくらやえび、いか、うなぎなどにプロリンが豊富です。魚介類は高タンパク・低脂質なものが多く、健康づくりにも取り入れやすいでしょう。

▼100 gあたりのプロリン含有量
食品名 含有量
かつお節 2,700 mg
いくら 1,800 mg
ちりめんじゃこ 1,600 mg
えび 1,100 mg
数の子 1,100 mg
いか 990 mg
うなぎ 990 mg

高野豆腐や粉チーズなどの豆・卵・乳類

大豆製品やチーズ、卵などにもプロリンが含まれています。とくに高野豆腐や大豆ミートはタンパク質が豊富で、プロリンの補給にも役立つ食品です。

また、チーズや卵は手軽に食べられるため、毎日の食事に取り入れやすいでしょう。

▼100 gあたりのプロリン含有量
食品名 含有量
高野豆腐 3,100 mg
大豆ミート 2,700 mg
きなこ 2,100 mg
油揚げ 1,400 mg
おからパウダー 1,300 mg
粉チーズ 5,300 mg
プロセスチーズ 2,600 mg
全卵 510 mg

車麩や麺などの穀類

穀類では、小麦に含まれるタンパク質「グルテン」にプロリンが多く含まれています。そのため、小麦粉自体はもちろん、小麦粉を使った麺類や、小麦グルテンを主原料とする焼き麩に、プロリンが豊富に含まれます。

▼100 gあたりのプロリン含有量
食品名 含有量
車麩(焼き麩) 4,100 mg
中華麺(乾) 1,600 mg
スパゲッティ・マカロニ(乾) 1,600 mg
蕎麦(乾) 1,300 mg
そうめん(乾) 1,200 mg

プロリンはコラーゲンづくりを支える大切なアミノ酸

プロリンはコラーゲンを構成する主要なアミノ酸であり、全身の健康維持に欠かせない成分です。一方で、プロリンだけを多く摂れば良いわけではなく、コラーゲンの合成にはほかのアミノ酸やビタミンCなども必要となります。

肉や魚、大豆製品、小麦製品などを上手に取り入れ、野菜や果物も組み合わせた、バランスの良い食事を心掛けましょう。

【参考】
※1:Changbin Chen and Martin B. Dickman,Proline suppresses apoptosis in the fungal pathogen Colletotrichum trifolii,Proc. Natl. Acad. Sci,102 (9) 3459-3464
※2:G Schaafsma,Safety of protein hydrolysates, fractions thereof and bioactive peptides in human nutrition,European Journal of Clinical Nutrition (2009), 1–8
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
ホームページ>
https://hirotachihiro.com/
Instagram>
https://www.instagram.com/chihiro_eiyo/

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