インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース型の矯正装置のことです。この記事ではインビザラインと他の矯正との違い、また、インビザラインのメリット・デメリットや価格の相場などについて紹介します。インビザラインの特徴を理解して、キレイな口元を目指してくださいね。
インビザラインとは
インビザラインとは、オーダーメイドのマウスピースを使って行う矯正治療のことです。クリンチェックと呼ばれる、コンピュータ画像による3Dシミュレーションで治療計画を作り、治療期間や必要なマウスピースの枚数を決めます。
インビザラインは基本的に1日20~22時間ほど装着しなければなりません。また、2週間程度で次のマウスピースに交換しながら、歯を動かしていきます。
インビザラインと他の矯正との違い
矯正にはインビザラインの他にも、ワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正があります。それぞれの特徴や、違いを紹介します。
インビザライン以外の主な矯正の種類
矯正は主にワイヤー矯正(表側矯正、裏側矯正)、マウスピース矯正の2つに分かれます。
ワイヤー矯正はさまざまな歯並びの治療が可能ですが、表側矯正の場合、付ける器具の種類によっては目立ちやすいという特徴があります。
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットという装置を取り付けてそこにワイヤーを通す矯正方法です。歯の裏側は複雑な形状になっているため、表側矯正に比べて歯科医師や歯科技工士の技術が必要となります。
インビザラインを含むマウスピース矯正は、個人の歯型に合わせたマウスピースで矯正していく方法です。しかし、コンピューターでマウスピースが作成されるインビザラインと異なり、他のマウスピース矯正では何度も歯型をとったり、マウスピースを頻繁に作り直す必要がある場合もあります。また、最初に大体の費用が分かっているインビザラインに比べ、他のマウスピース矯正では、状態に応じて検査や処置代、マウスピースの作成代がその都度かかるため、総額が読みにくいという違いがあります。
他の種類との違い
先述した2つの矯正治療では、費用や歯型の採取方法、治療期間などが異なります。それぞれの目安について紹介します。
<費用目安>
ワイヤー矯正の中でも表側矯正は他の矯正費用と比べると、比較的安く、約60万~100万円程度とされています。一方、高度な技術が必要となる裏側矯正は、一般的に100万~150万円程度かかるようです。また、インビザラインを含むマウスピース矯正は、約75万~110万円程度が目安とされています。
<歯型の採取>
ワイヤー矯正とインビザラインはあまり頻繁に歯型を採ることはなく、治療前に1、2回程度、また3Dスキャナーを導入しているクリニックでは、一度も歯型を採らずに済むことも多くなりました。インビザライン以外のマウスピース矯正では、歯が動く度に歯型をとり、次のマウスピースを製作するケースもあります。一般的には2週間~1ヵ月に1回、歯型を取る必要があるようです。一方、インビザラインの場合は製作時の1回だけ歯型を採取します。ただし、インビザラインでも追加矯正が必要な場合には、歯型や3Dスキャンの採取とマウスピースの追加作成であるリファインメントが必要となります。
<治療期間の目安>
どの矯正も全体の矯正では、治療期間の目安としては1~3年ほどとされています。また、インビザラインに関しては、最初の検査時におおよその治療期間がわかります。
<痛み>
ワイヤー矯正は、ワイヤーやブラケットが口内の粘膜に触れたときに痛みが出ることがあるようです。一方、マウスピース矯正では、ワイヤー矯正と比べると、痛みは少なく済むようです。
インビザラインのメリットとデメリット
矯正していても目立ちにくいインビザラインですが、他にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、インビザラインのメリットとあわせて、デメリットについても紹介します。
インビザラインのメリット
インビザラインの特徴とも言える大きなメリットは、マウスピースが透明なので目立ちにくく、さらに、治療中に何回も歯型をとる必要がある他のマウスピース矯正と違って歯型とりが治療開始前の1回だけなのが挙げられます。忙しい人でも通院しやすく治療を続けやすい矯正方法と言えるでしょう。
また、治療期間中は矯正器具を外すことができないワイヤー矯正に比べ、マウスピースは取り外すことができるため、食事の内容や歯磨きにも影響を与えません。さらに、マウスピース自体を洗浄することもできるため、衛生的でもあります。
そのほか、インビザラインは金属を使用していない矯正器具であるため、金属アレルギーがある人も安心して治療が受けられる点も、大きなメリットです。
インビザラインのデメリット
インビザラインにはデメリットもあります。まず、インビザラインが比較的新しい治療法であるため、症例数が少ないことです。
また、歯並びの状態によっては、ワイヤー矯正と併用する必要もあったり、ワイヤー矯正などに比べると噛み合わせなどの微調整がしにくかったりします。さらに、ワイヤー矯正では主に前歯から動かしますが、マウスピース矯正では奥歯から動かすケースが多いため、一番見えて気になる前歯が後回しになりがちです。結婚式に備えて見た目を改善したい場合などは、担当医とよく相談しましょう。加えて、マウスピース矯正全般で言えることですが、1日約20時間以上のマウスピース装着が必要であるため、サボらずにマウスピースを毎日装着する努力が必要というデメリットもあります。
費用面においては、インビザラインは最新のテクノロジーを使用してマウスピースを作成したり、他の治療法と併用する場合もあったりするため、比較的高くなる場合が多いでしょう。
インビザラインの価格相場と期間
インビザラインの価格や期間は、歯並びの状態や歯科医院などにより異なります。ここではインビザラインの平均的な相場や期間を紹介します。
インビザラインの価格相場
インビザラインは歯並びの程度や歯科医院の立地などの条件により価格が異なります。都内の相場は75万円~110万円とされています。さらに、通院のたびにかかる調整料と技術料、検査料が別途必要な場合もあります。インビザラインの価格に検査料などが含まれているのか、別途必要なのかは、歯科医院によって異なるため、事前に確認しておくと安心でしょう。歯科医院によっては、分割払いが可能なところもありますよ。
インビザラインの矯正期間
インビザラインの矯正期間は、動かしたい歯の本数やその移動量により異なり、数ヵ月~2年半です。
インビザラインの注意点
インビザラインは、食事中に取り外すことや紛失しないようにすることなど、いくつかの注意点があります。矯正治療をしっかり成功させるためにも、チェックしてくださいね。
飲食時は必ず外す
まず、飲食時は必ずマウスピースを外しましょう。装着したまま飲食すると、変色したり破損したりする恐れがあります。また、インビザラインと歯の間に食べかすが挟まると、むし歯の原因にもなりかねません。ただし、水を飲むときは、インビザラインを装着したままでも大丈夫です。
マウスピースの紛失に気を付ける
インビザラインはオーダーメイドのため、無くさないように気を付けましょう。もしも無くしてしまったときは、まずは歯科医院に連絡します。この場合、状況にもよりますが1つ前のマウスピースを装着して過ごし、再注文を行うケースが多いようです。1番してはならないのは、紛失したまま何もせずに放置することです。歯が後戻りし、最悪の場合治療のやり直しになることもあるので注意してくださいね。
矯正開始前に口内トラブルを治療しておく
むし歯や歯周病などの口内トラブルがある人は、それらの治療を終えてから矯正治療を始めましょう。また、矯正中にむし歯ができてしまったときは、矯正を中断しむし歯の治療を優先するようにします。ただし詰め物をすると、歯の形が変わり、マウスピースが合わなくなることもあるので、治療開始後はむし歯にならないように、しっかりとケアしてくださいね。
唾液検査をして口内環境を把握しよう
インビザラインの治療を始める前に、自分の口内環境を把握しておくと、むし歯予防にも役立ちますよ。最後に、自分の口内環境がわかる唾液検査シルハについて紹介します。
シルハで簡単に口内環境をチェックできる
インビザラインの治療中にむし歯にならないためにも、事前に唾液検査を受けて、自分の口内環境をチェックしておきましょう。唾液検査は、口をすすぐだけで簡単にできるシルハがおすすめです。
シルハでは、むし歯菌の活性度や歯を溶かす酸の強さがわかる酸性度など、口内トラブルを予防するのに役立つ6項目について分かります。
シルハは全国の歯科医院で導入されている
シルハの唾液検査をしたい人は下記のクリニック検索から、導入されている医療機関をチェックしてみましょう。掲載されていない場合でも、シルハを導入している医療機関もあるので、気になる人は医療機関に直接確認してみてくださいね。
インビザラインについて理解し、矯正治療をしよう
インビザラインはオーダーメイドのマウスピースを用いて行う矯正治療です。透明のマウスピースを用いるため目立ちにくく、比較的痛みも少ないため世界中で採用されています。一方、食事のときなどは取り外せますが、1日20時間以上は装着が必要という面もあります。インビザラインの特徴を知り、自分に合った矯正治療を行ってくださいね。