歯列矯正はやめたほうがいいって本当? リスクと対策、大人・子どものやめるべきケースも解説【歯科医師監修】

歯列矯正はやめたほうがいいって本当? リスクと対策、大人・子どものやめるべきケースも解説【歯科医師監修】

(2023年1月31日公開)
【歯科医師監修】
近頃、歯列矯正を勧めるような広告を多く見かけるようになりました。歯並びを気にする人にとっては、歯列矯正をすることを検討している方も多いでしょう。しかし、歯列矯正することをやめたほうがいい理由が多く存在します。もちろん、歯列矯正にはメリットもあるので、メリットもデメリットも踏まえながら、歯列矯正を検討していきましょう。

               

「歯列矯正はやめたほうがいい」といわれる理由とその対策

歯列矯正をやめた方がいいと言われるのは、高い費用を払っても効果が薄かったり、思ったよりも治療中の負担が大きかったり、元に戻ってしまったりした失敗例が少なくないからです。
歯列矯正に失敗したと感じるケースはさまざまです。その事例をあらかじめ知っておくことによって、後悔しない矯正ができるでしょう。ここでは歯列矯正にありがちな失敗例とその対策について紹介していきます。

想定以上の費用になることもある

歯列矯正を検討していくうえで、1番気になるのは“金額“です。「治療費が思っていた金額よりも高くなった」という声を多く聞きます。

月ごとの金額が安かったので契約してみたものの、歯列矯正が終了した後も通院が必要なことをわかっておらず、続けてお金を払い続けなければいけなくなった、というようなケースもあります。
このような事態に陥らないためには、事前に『歯列矯正にかかるトータル金額』を確認することが大切です。また、歯科矯正以外にかかる治療費や歯科矯正後にかかるメインテナンス費用なども事前に確認しておくといいでしょう。

治療中の痛みがつらい

歯列矯正には、口内の違和感や痛みが伴います。時間が経つにつれて痛みは治ってきますので、はじめの1〜2週間は様子をみてみましょう。特にワイヤー矯正は、吐き気がしたり、食事がしづらくなったり、最悪な場合は痛くて眠れないといった話をよく聞きます。その場合は、我慢せずに医師に相談しましょう。

一方でマウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないといわれています。1本ごとの歯に合わせてオーダーメイドで作られているので、必要以上に歯に負担をかけずにすみます。

口コミサイトにおいても、マウスピース矯正は絶賛されているようです。見た目に違和感がなく、歯磨きもしやすいうえに、半年という短い期間で終えることができたと、いう声が上がっているのも事実です。

希望どおりの仕上がりにならないこともある

治療を続けていると、「思いどおりの仕上がりにならない・・・」と感じることがあります。高い金額を払うだけに、これは大変ショックですよね。

歯列矯正を検討の相談をする際は、『歯列矯正専門』の歯科医師に相談しましょう。実際、歯列矯正の知識や経験が浅い医師が担当しているケースもあります。このような歯列矯正の経験が豊富ではない医師が、効果的ではない歯の動かし方を提案したり、本来ならば矯正できる歯列を見て矯正、不可能と判断したりすることが理由で、適切な矯正が行われずに思いどおりに仕上がらないケースもあります。

治療を開始する前に、矯正後のイメージ画像を作成してもらい、現在の歯列からどう変わるのか見せてもらうようにしましょう。仕上がりのイメージとの差が起きにくくなり、治療内容の選択がしやすくなります。

治療後歯並びが元に戻ってしまうこともある

「せっかく矯正したのに、歯並びが元に戻ってきた」というケースもあります。こうなってしまうと、お金をかけた意味がなくなってしまいます。

歯列矯正は、矯正器具をつけて歯並びを整えることができれば終わり、というわけではありません。アフターケアも重要で、矯正後には『リテーナー』という器具を装着し、整った歯並びを定着させる必要があります。

『リテーナー』の1日あたりの着用時間や着用を続ける期間は歯の形状や治療内容に応じて決まります。自己判断で着用をやめてしまうと、歯が元に戻ってしまうため、必ず医師の指示に従って、正しく装着するようにしましょう。

生活で不便を感じることもある

矯正器具は、食事中や就寝中でも常に器具を装着しなければなりません。そのため、違和感や痛みに悩まされることがあります。歯磨きするのにも一苦労です。特に、就寝中は、歯の違和感を感じて眠れなかったとの話もあります。

食事や歯磨きなどで取り外しが可能なマウスピース矯正なら、違和感をあまり感じることなく、毎日を過ごすことができるでしょう。

歯に装着した矯正器具が目立つ

マウスピース矯正の場合、見た目が目立ちます。すると、人前で話すことが億劫になり、それがストレスになることもあるでしょう。
気になる方は、見た目が目立ちにくいマウスピース矯正や、マウスピースではなく歯の裏側に装着するタイプの矯正器具を選ぶことをおすすめします。

定期的に通院する手間がかかる

仕事やプライベートが忙しい方は、定期的に通院する時間が取れないのも大きな悩みです。
歯科医院によっては、オンライン診療で歯の具合を見ることで、通院頻度を少なくできる歯科医院もあります。

また、歯科医院によりますが、従来のワイヤー矯正は1か月に1回の通院が必要に対し、マウスピース矯正は1年間に6回ほどの通院で済む場合があるため、通院にかかる手間や時間も半減させることが可能です。

デメリットだけじゃない! 歯列矯正にはメリットも多い

歯列矯正はデメリットばかりではなく、それ以上にメリットも多いのが事実です。実際に、歯列矯正をしてよかったという声も多くあります。それでは、歯列矯正の成功例を紹介していきます。

メリット①口元に自信が持てて気持ちが明るくなる

歯並びや噛み合わせは、見た目に大きく影響します。矯正により見た目のコンプレックスが解消されることで、堂々と人と話をすることができます。口元に自信が持てると表情も豊かになり、自然と笑顔も増えてくるので、周りの方からの印象も変わり、コミュニケーションにもプラスの効果があります。

メリット②歯や歯ぐきの痛みやダメージが減る

歯並びや歯の噛み合わせが悪いと、歯ぎしりに悩まされることも多くなります。歯ぎしりは歯や歯ぐきに強い負荷をかけてダメージを与えるので、むし歯や歯周病になりやすくなったり、歯が欠けてしまったりします。歯列矯正により歯ぎしりが軽減されることで、これらの悩みが解消されます。

メリット③自分や家族の睡眠の質がよくなる

歯ぎしりをしていると、自分の歯ぎしりで目が覚めてしまうこともあるため、寝つきが悪いと感じる方もいます。しかも、歯ぎしりの音はとても大きいため、家族がうるさく感じているケースも多いです。
また、歯並びや噛み合わせは、いびきの原因にもなります。いびきも呼吸を妨げて眠りを浅くしたり大きな音を発したりするため、歯ぎしりと合わせて本人と家族の睡眠の質を悪くする元です。矯正により歯ぎしりを改善できると睡眠の質も改善できるメリットがあります。

メリット④歯磨きがしやすくなりむし歯や歯周病予防になる

歯並びがキレイになると、歯磨きもスムーズに行うことができます。歯並びが悪い状態だと、歯ブラシの毛先があたりづらくなるところができてしまい、磨き残しも多くなりがちです。それによって、むし歯や歯周病になるリスクも上がります。
歯磨きがしやすくなることで、隅々まで汚れが落とせるようになると、むし歯や歯周病予防だけでなく、爽快感も上がって歯磨きが気持ち良くなります。

メリット⑤顎の変形や関節への影響を防げる

歯並びの悪さは顎とも関係しています。歯並びが悪いと顎の形が変形し、その反対に顎の骨の変形が歯並びに影響することもあります。また場合によっては、筋肉の痛みや関節に支障をきたすこともあるでしょう。
歯並びをよくすることは、顎の健康状態の改善にもつながります。

メリット⑥食事がおいしく食べられる

食べ物を噛み切るのに苦労をする、歯に食べ物が引っかかるといった悩みはありませんか? 歯列矯正は、このような悩みを取り除くことができるので、ストレスなく食事を楽しむことができます。また、味を感じるには、しっかり噛むことで、食べ物を細かくすることと、唾液をしっかり出すことが大事です。歯並びがよくなると、しっかり噛めるようになるため、食べ物をより美味しく食べることができます。

子どもの歯列矯正は特にメリット大

子どもの歯並びや顎の形は成長に合わせて変化していくため、比較的動きやすい状態にあります。そのため、子どもの歯列矯正は、“子どもの成長“を利用しながら行うことができます。
子どもの歯列矯正は早めに始めるのがベストです。大人になってから歯列矯正をする必要がなくなりますし、顎の成長していくバランスを整えることができます。また、歯並びが悪いと口呼吸になりがちです。矯正により鼻呼吸になるので、口の中の殺菌効果も大きくなります。

強く嫌がるときは再検討を

子どもの歯並びが気になるものの、子ども自身に必要性を感じてもらえず、悩んでいる保護者の方もいるかもしれません。
しかし、歯列矯正は子ども自身が進めていかなければなりません。子どもが歯列矯正を希望していない場合や子ども自身が歯医者に対する恐怖心を抱いている場合は、歯列矯正を考え直したほうが良いかもしれません。
子どもが定期的に治療・通院できるか、子どもと一緒に治療内容を確認してやる気を確かめてから行うようにしましょう。

実際にやめたほうがいい…歯列矯正がおすすめできないケースも

歯列矯正がおすすめできないケースもいくつかあります。ここでは、歯列矯正をおすすめできないパターンをご紹介します。

顎関節症を患っている

顎関節症の原因はさまざまであり、共通の原因が歯並びの悪化に影響している場合があります。そのため、顎関節症を治療せずに歯列矯正をしても効果がなかったり、整った歯並びが再び悪くなるおそれがあります。また、顎関節症は噛み合わせが悪い場合にも起こりますが、歯列矯正をすることで顎関節症が治るとは言い切れません。場合によっては、歯列矯正より顎関節症の治療のほうが優先されることがあります。しかし、顎関節症の場合でも歯列矯正ができることがあるので、まずは歯医者に相談してみましょう。

むし歯や歯周病の治療中

歯列矯正をすることで、むし歯や歯周病が進行することがあります。重症の場合は、むし歯や歯周病の治療が優先されますが、進行具合によっては歯列矯正と並行に治療を行える場合もあります。気になる方は歯科医師に相談しましょう。

費用の工面が難しい

歯列矯正は、部分矯正でも最低10万円はするといわれています。費用が足りない場合は、お金が貯まるまで待つのがいいでしょう。

なぜなら、歯列矯正は途中で中止することができないからです。また基本料金の他にも、通院費などの追加料金がかかることもあるので、治療前にしっかり確認しておきましょう。
まとまった費用を準備できない場合はデンタルローンという選択肢もあります。

歯列矯正すべきか迷ったら歯科医師に相談

自分の歯並びに違和感があって悩んでいたら、まずは歯科医師に相談しましょう。本当に歯列矯正をすべきなのか、今の状態で歯列矯正を行っても大丈夫なのかをチェックしてもらうことが大切です。

まとめ 仕上がりや費用をしっかり歯科医院に確認

今回は、歯列矯正におけるメリット・デメリット、子どもの歯列矯正のことや注意すべきことを詳しく紹介してきました。歯列矯正は歯並びや噛み合わせを改善できる治療法ですが、思いどおりにならなかったという声もあり、驚いた方も多いのではないでしょうか。

何よりも、費用面も高額で治療期間も長いので、の後悔しないように歯列矯正を行っていきたいですね。少しでも歯列矯正をやってみたいと思ったら、歯科医師に相談してみましょう。どのクリニックを選ぶのかも重要なポイントなので、複数を比較検討することをおすすめします。

監修歯科医師:吉竹啓介先生

東京都中央区京橋駅直結の「京橋 銀座みらい歯科」院長。
2010年神奈川歯科大学 卒業。2014年に医療法人社団港成会 理事に就任し、同年にせたがや歯科室を開設。2020年に京橋 銀座みらい歯科を開設し、翌年移転・名称変更。現在は京橋 銀座みらい歯科として東京スクエアガーデン2Fで診療を行っている。

京橋 銀座みらい歯科のホームページはこちら
https://www.miraishika-ginzain.tokyo/

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