【唇のできもの】白いブツブツやザラザラの原因は? 症状別に解説【医師監修】

【唇のできもの】白いブツブツやザラザラの原因は? 症状別に解説【医師監修】

(2023年2月20日公開)
(医師監修)
唇にブツブツやざらつきなどの症状がでると気になりますよね。炎症や腫れなどの症状が強く痛みがともなうケースでは、食事や歯磨きなどの日常生活にも支障がでてしまいます。また、ウイルスが原因の場合には、放置をしているとご家族などの周りの方に感染させるおそれもあり、自己判断によるセルフケアだけでの対処には注意が必要です。本記事では、唇にできる白いブツブツやザラザラについて、より細かな症状別の原因や対処法を解説します。

               

唇にできる白いブツブツやザラザラはなに?

唇にできる白いブツブツやザラザラの症状は、次の3つのいずれかに該当することが多いです。
  • 口角炎・口唇炎
  • 口唇ヘルペス
  • フォアダイス
  • それぞれで細かな症状や治療方法が異なり、セルフケアだけで治まるものもあれば、医療機関を受診したほうがよいケースもあります。それぞれについて詳しくご紹介します。

    【唇の炎症・亀裂・腫れが起こる】口角炎・口唇炎

    唇に、炎症や亀裂、腫れなどの症状がある場合、口角炎(こうかくえん)や口唇炎(こうしんえん)のおそれがあります。

    口角炎・口唇炎の症状と原因は? 

    炎症や亀裂、腫れなどの症状が口角(口の端の部分)に出る場合には「口角炎」、端だけでなく唇の様々な部分に症状が出る場合には「口唇炎」といいます。体調不良や食生活の乱れ、化粧品などによる影響、日焼けや乾燥によるものなど原因はさまざまです。

    口角炎・口唇炎ができた場合の対処法

    口角炎・口唇炎ができた場合に自身で行なえるケア方法は、患部を清潔に保ち保湿することです。放置していても自然に治癒することが多いですが、患部をこする、皮をめくるなどの行為は症状が悪化する原因となりますので、頻繁に触れないようにします。使用している化粧品などが原因のケースもありますので、その場合は使用を控えて医療機関を受診しましょう。なかなか改善しない場合や悪化する場合も、無理をせずに医療機関への受診をおすすめします。

    口角炎・口唇炎の予防法

    口角炎・口唇炎の予防法は、栄養バランスのとれた食生活を心がけることが大切です。ビタミン不足が続くと起こりやすくなるといわれています。

    【ピリピリした違和感・赤みの発疹ができる】口唇ヘルペス

    唇やその周辺に小さなプツプツとした水疱ができ、ピリピリした違和感や赤みを帯びた発疹などの症状がある場合、口唇ヘルペスのおそれがあります。

    口唇ヘルペスの症状と原因は?

    口唇ヘルペスは、唇だけではなくその周囲にも症状がでることがあります。原因は、「単純ヘルペスウイルス」への感染です。単純ヘルペスウイルスが原因の場合は、幼少期にすでにウイルスに感染していて、体内にウイルスが潜伏しています。疲労の蓄積や風邪などにより体の免疫力が低下しているときに、潜伏していたウイルスが再活性化して症状を引き起こします。ヘルペスウイルスは、感染者との直接の接触や、食器やタオルの共有により感染します。

    口唇ヘルペスができた場合の対処法

    口唇ヘルペスの症状が出た場合には、早めに医師へ相談することが適切です。内服薬や塗り薬が処方されます。また、患部に触れた手でそのまま顔や目に触れると、感染部位が広がっていくおそれがあります。患部と手を清潔に保ちましょう。周囲の方への感染を防ぐには、患部に触れるものを共有しないようにしたり、人との接触を避けたりするなどの対策が必要となります。

    口唇ヘルペスの再発予防法

    口唇ヘルペスは症状が治まっても再発するおそれがあります。上述したとおり免疫力が低下したり体力を消耗したりすると、再発を繰り返すのが特徴です。一度感染すると生涯にわたりウイルスが体内に潜んでいるため、日頃から免疫力の低下や疲労の蓄積に注意をしましょう。

    【小さな複数の白いブツブツができる】フォアダイス

    唇や頬の内側に白や黄色の小さなブツブツができる場合は、フォアダイスであると考えられます。

    フォアダイスの症状と原因は? 

    フォアダイスの症状は、白や黄みを帯びた小さな複数のブツブツができ、唇だけでなく頬の内側にまで症状が現れます。かゆみやひりつきがないのが特徴です。フォアダイスの原因は、皮膚の油分を分泌する脂腺の分泌によるもので、表皮の中にできた脂肪の粒が皮膚の表面に見えている状態です。ビタミン不足などの食生活や、長時間の血行不良などが影響していると考えられます。

    フォアダイスができた場合の対処法

    フォアダイスは病気が原因で症状に現れるのではなく、生理現象として現れるものです。人への感染リスクもなく、放置していても問題ない場合が多いです。しかし症状が悪化したり、1~2週間経過しても改善したりしない場合には、医療機関の受診をおすすめします。別の病気が原因であることも考えられます。

    フォアダイスの予防法

    フォアダイスは生理現象であるためとくに予防法はありませんが、唇の周りはビタミン不足が影響して様々な症状がでやすい部分であるため、普段からバランスのとれた食事を心がけることが大切です。唇を清潔に保ち保湿ケアすることも、菌やウイルスの繁殖を抑える効果があるため、口周りのトラブルの予防になるといえるでしょう。

    【唇のできもの】対処せずに放置しているとどうなる? 

    唇のできものを放置した場合に考えられるケースをそれぞれご紹介します。

    口角炎・口唇炎

    口角炎や口唇炎は、炎症や腫れが悪化してただれなど症状がひどくなるおそれもあります。1週間ほどで自然に治ることが多いですが、なかなか改善せずに症状が悪化すると、口を開けるたびに口角が裂けたり、感染症に罹りやすくなったりして、ますます症状が悪くなってしまうケースもあります。

    口唇ヘルペス

    口唇ヘルペスは1週間~10日ほどで自然に治癒することもありますが、そのあいだに他の人へうつすおそれがあります。口唇ヘルペスを放置すると水疱がどんどん増えていき、傷跡が口の周りに残ることも考えられます。また弱った皮膚にヘルペスウイルス以外の細菌が入るなど二次的な症状にもつながりかねません。

    フォアダイス

    フォアダイスは生理現象のため、放置していても問題ありません。しかし、かゆみをともなう、症状が悪化するなどの場合には、別の原因も考えられます。何か見た目以外の症状がある場合は自己判断をせずに医療機関を受診しましょう。

    【唇のできもの】病院に行くべき症状の目安と何科を受診すればいい? 

    口唇ヘルペスが疑われる場合には感染の拡大を防ぐためにも早めに受診しましょう。口角炎や口唇炎は、軽症の場合には、セルフケアによって症状もだんだんと落ち着いていきます。しかし治りが遅い場合や、炎症や腫れなどの症状がひどい場合には、医療機関に相談してみましょう。特に痛みや腫れなどの症状もなくフォアダイスが考えられる場合には、すぐに医療機関を受診する必要はありません。

    「唇のできものは何科を受診すればよいか? 」という疑問については、皮膚科を受診すれば問題ないです。症状によっては、歯科口腔外科も対応できる歯科医院や、耳鼻咽喉科でも受診できます。

    まとめ

    唇にブツブツなどの症状がでる原因としては、乾燥やウイルスによるもの、食生活の乱れや疲れの蓄積など、さまざまなことが考えられます。症状を改善するための対処は必要ですが、日頃から栄養バランスのとれた食事や、生活リズムを整えて免疫力を高めておくことも大切です。なかには別の病気が潜んでいるおそれもあるため、症状がすぐに治まらないなど心配な場合は自己判断をせずに医療機関で診察をしてもらいましょう。

    監修医師:吉岡 容子 先生

    さいたま市の「医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科」院長。
    東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座に入局。
    麻酔科を退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科に勤務。院長を務める。
    平成24年より現在の医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科を開設。院長として勤務。現在は医師監修など数多くのメディアで活躍中。

    医院公式サイト:https://www.takanashi-hp.com/
    医院公式ブログ:https://ameblo.jp/takanashiiin/

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