のど飴はなめ過ぎ注意? のど飴の効果やおすすめの食べ方、注意点まで徹底解説

のど飴はなめ過ぎ注意? のど飴の効果やおすすめの食べ方、注意点まで徹底解説

(2023年4月30日公開)
のど飴は、のどに違和感があるときや気分転換がしたいときに、手軽にのどをすっきりできますよね。ついついたくさん食べてしまう方も多いのではないでしょうか。のど飴には、医薬品に分類されるものや、味や清涼感を楽しむものとして食品に分類されるものなど、様々な種類があります。そのため、悩みや目的に合わせてより良いものを選びやすい反面、有効成分や食べ方に注意しないと、逆効果になるおそれもあります。のど飴の分類ごとの有効成分や、食べ方の注意点などについてご紹介します。

               

のど飴の種類は3つに分類される

のど飴は、「医薬品」「指定医薬部外品」「食品」の3つに分類されます。それぞれ有効成分や効果、商品例をご紹介します。

医薬品

医薬品ののど飴は、医薬品として効果・効能が認められたものであり、市販薬と同じように、医薬品を販売できる薬局やドラッグストアのみで取り扱いをしています。さまざまな効果・効能が期待できる一方で、用法用量を守らなければ副作用のおそれもあるため、服用する際には注意が必要です。

有効成分と効果

つらい咳や痰、のどの腫れや痛みなどの症状に効果が期待できる成分が配合されており、気管支を拡張し咳を鎮めたり、痰切れをよくしたりする効果があります。また、殺菌や消毒作用もあり、のどの炎症を抑えてくれます。

商品例

    第2類医薬品
  • 浅田飴・浅田飴せきどめ(株式会社浅田飴)
  • ルルメディカルドロップ(第一三共ヘルスケア株式会社)

    第3類医薬品
  • 南天のど飴(常盤薬品工業株式会社)

指定医薬部外品(薬用)

指定医薬部外品(薬用)ののど飴は、医薬品ののど飴とは異なり販売許可は必要ないため、スーパーやコンビニでも気軽に購入できます。

有効成分と効果

口内の殺菌や消毒作用があり、のどの痛みや炎症を緩和させる効果があります。医薬品ののど飴に比べると効果は穏やかで、症状の改善ではなく予防目的に効果的です。

商品例

  • 浅田飴ガードドロップ(株式会社浅田飴)
  • ヴィックスドロップ(大正製薬株式会社)
  • 薬用エスタックのど飴A(エスエス製薬株式会社)

食品

食品に分類されるのど飴はいわゆるお菓子にあたり、のどの症状への効果が医学的に証明された成分を含んではいません。ハチミツやミントなどのさまざまな味のものがあったり、食感や香りも楽しめたりするなど、多種多様な商品が販売されています。

有効成分と効果

症状が緩和される成分は配合されていませんが、飴をなめるとのどが潤うため乾燥対策になり、のどの不快感から気分をリフレッシュさせてくれます。

商品例

  • 龍角散ののどすっきり飴120max(龍角散)
  • 透き通ったミントのおいしいのど飴(UHA味覚糖)
  • キシリクリスタル シトラスハーブミントのど飴(モンデリーズジャパン)

のど飴のなめすぎに注意! 一日にたくさん食べすぎると逆効果?

のど飴は、有効成分によってのどの症状を改善・緩和してくれるなど、のどにとってはよい効果があるものの、1日にたくさん食べると逆効果になるおそれがあります。

「食べ過ぎ」はどれくらいから?

のど飴には糖分が多く含まれています。のど飴1粒に含まれている糖分はおよそ5gです。5gであればたいした量ではないように感じますが、たくさん食べると糖分の過剰摂取につながるおそれがあります。1日に4粒以上食べると、糖分を摂取しすぎていることになります。
糖分の過剰摂取だけではなく、その他にも心配されることがあります。

のど飴をなめすぎることで起こりうる口内トラブル

のど飴をなめすぎると口内環境は変化し、口内トラブルにつながるおそれがあります。

細菌やウイルスに感染しやすくなる

のど飴をなめすぎると繊毛(せんもう)運動の働きが低下します。繊毛運動とは、体内に侵入したウイルスなどの異物を体外に排除する仕組みの一つです。呼吸によって体内に侵入したウイルスは、鼻やのどの表面を覆う粘膜にある粘液に付着します。この粘液の下にはたくさんの繊毛があり、粘液にキャッチされたウイルスはこの繊毛によって運ばれて体外に排出されます。
繊毛の機能を維持するには唾液の働きが不可欠です。唾液には粘膜を保護・修復する作用があります。ただし、唾液は食べ物の消化にも使われます。口内に食べ物が入っている状態では、唾液は消化の働きをするため、粘膜を保護する作用が不足します。その結果、体内に侵入したウイルスをうまく排除できずに、感染しやすくなってしまうのです。

有効成分が口内やのどの粘膜を傷めてしまうおそれ

医薬品・指定医薬部外品ののど飴に含まれる有効成分は、用量を正しく守ることで効果を発揮します。用量を守らずになめすぎると有効成分を過剰に摂取しすぎてしまい、かえって口内やのどの粘膜を傷つけるおそれもあります。

口内が酸性の状態が長く続くことで、むし歯のリスクが高まる

正常な状態の口内は唾液の働きによっておおよそ中性を保っていますが、食事をすると中性から酸性へと傾きます。これは、口内のむし歯菌が原因です。
むし歯菌は、口内に入ってきた食べ物を使って酸を作り出します。この酸によって歯の表面が溶かされてしまい、その状態が長く続くことでむし歯になります。
規則正しい食事を心がけていれば、食事後には酸性に傾いた口内は、唾液の働きによって中性へと戻りますが、間食を続けていると中性に戻ることなく酸性のままの状態が続きます。
また、ジュースや酸味のある果物などは、酸性度の高い飲食物です。間食の回数が多い、ジュースをよく飲む、だらだらと長時間食べているといった食生活では、口内が酸性に傾いている環境が長く続き、むし歯になるおそれがあるのです。

口内トラブルに考慮したのど飴の食べ方

のど飴を食べ続けていると、口内トラブルが発生するおそれがあります。口内トラブルに考慮したのど飴の食べ方についてご紹介します。

なめた後にはうがい、歯磨きをする

のど飴をなめた後には、うがいや歯磨きをして口内の糖分を洗い流しましょう。口内に糖分を含んでいる時間を短くすることで、口内トラブルを予防できます。
ただし、なめた後にうがいや歯磨きをすればいくらでもなめていいわけではありません。うがいを頻繁に行うと繊毛運動の働きが悪くなり、細菌やウイルスへの抵抗が弱くなるおそれがあります。

なめる時にあわせて水を飲むようにする

口内の水分量は常に一定に保つようコントロールされていますが、のど飴をなめ続けると口内が乾燥状態になっていきます。乾燥状態が続くと、ヒリヒリと痛みが生じるおそれもあります。乾燥状態を防ぐため、水分補給がおすすめです。

自分の症状にあう効能の「のど飴」を選ぶ

のど飴にも効果が期待できる医薬品と、医薬品に準じた医薬部外品、あくまで気分転換などを目的としたお菓子の飴があります。購入する際には、まず分類を確認するようにしましょう。症状の改善を期待するのであれば医薬品を選び、のど飴の有効成分を確認して、自身の症状にあうタイプを選ぶようにしましょう。

服用回数を守って食べる

医薬品や指定医薬部外品ののど飴は、服用回数や数量が定められています。また2時間以上の間隔を空けるように注意書きがあるものもあります。説明書をしっかり確認して、連続して食べないようにしましょう。症状が改善・緩和されているにもかかわらず、長期間食べ続けるのも危険です。

なめるタイミングを決めるのもオススメ

のど飴はついついなめたい時になめてしまいますが、口内トラブルを防ぐためにも、タイミングを決めておくのがおすすめです。ついついだらだらとなめてしまうと、うがいや歯磨きもおろそかになり、口内が中性に戻らないなどの口内トラブルにつながります。むし歯予防のためにも1日上限4個とし、タイミングを決めておくようにしましょう。

妊娠中は医薬品のど飴は避けよう

妊娠中は、医薬品ののど飴は避けましょう。医薬品ののど飴の場合、妊娠中の服用は推奨されておらず、「基本的には服用しないように。服用されたい場合は、医師または薬剤師に相談すること。」と注意喚起されています。
医薬部外品ののど飴は、妊娠中の制限なく服用できるとされていますが、不安な方は医師や薬剤師に相談してから購入すると安心です。

食品ののど飴ではあれば問題ないというわけではありません。妊娠中は、さまざまな要因によって口内環境は変化するため注意が必要です。

妊娠中に口内環境が変化する要因

女性ホルモンの影響

妊娠すると、女性ホルモンが多く分泌されます。分泌された女性ホルモンは唾液にも混じり、女性ホルモンを好む歯周病菌が活性化します。またホルモンバランスが変化することで、唾液が粘性を増し、歯周病菌が繁殖しやすい環境になります。

つわりの影響

つらいつわりの時期には、歯磨きによっても吐き気をもよおす妊婦さんもおられます。そのような状態であれば、きちんと歯磨きができていない状態のため、汚れが十分に落とせていないことが考えられます。また、つわりによって酸っぱいものを好むことや、少量の食事をこまめにとるなどから口内が酸性に傾いている時間が長くなっていることも考えられます。

免疫力低下の影響

妊娠すると免疫力は低下し口内にも影響します。むし歯菌や歯周病菌に対する抵抗力が低下するため、口内トラブルが起きやすくなります。
妊娠中はさまざまな要因によって口内環境が変化しているため、のど飴を食べる際には口内トラブルに考慮した食べ方に十分注意しましょう。
また妊娠にかかわらず、過剰摂取は口内トラブルに発展するおそれもあるため、注意が必要です。

妊娠中の口内環境に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ 気分でなく目的に応じて時間をおいて食べよう

のど飴は分類によって特徴も異なるため、自身の症状や目的にあわせてのど飴を選ぶようにしましょう。ついついたくさん食べてしまうのど飴ですが、口内と歯の健康のためにも、食べ過ぎや食べ方に注意が必要です。

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