マウスピース矯正で顔が変わるのは本当?印象が変わる理由を紹介【歯科医師監修】

マウスピース矯正で顔が変わるのは本当?印象が変わる理由を紹介【歯科医師監修】

この記事では、マウスピース矯正の仕組みと顔の印象が変わったように感じる理由について解説します。

               
マウスピース矯正を行うことで、顔の歪みが改善された、小顔になった気がするなどの声を聞いたことがあるかもしれません。マウスピース矯正で顔が変わることがあるのか、疑問に思っている方も多いでしょう。
この記事では、マウスピース矯正の仕組みや、顔の印象の変化などについて詳しく解説いたします。またマウスピース矯正によくある質問も合わせてご紹介しております。

マウスピース矯正で顔は変わる?

マウスピース矯正を行うことで、顕著に顔の形が変わることはありません。マウスピース矯正は、歯を動かして矯正するものであり、歯並びや噛み合わせを改善しても顔の骨格までは変えることはできないためです。しかし、歯並びや噛み合わせが矯正されることで、口元や顔周りの印象が変化することはあります。
マウスピース矯正で改善が期待できる歯並びは、出っ歯や受け口、ガタガタの歯並び、すきっ歯などです。これらの歯並びが改善されれば、閉じにくかった口が閉じられるようになったり、左右の噛み合わせが整い顔の歪みがなくなったりすることにより、顔の印象が変化する可能性があります。

マウスピース矯正の仕組み

マウスピース矯正は、透明のマウスピースを歯に装着して矯正する治療法です。
自身の歯並びから、理想とする歯並びまで、段階を追ってマウスピースを作り変えて、歯を動かしていきます。矯正する期間は、症状にもよりますが、半年〜2年くらいです。
マウスピース矯正は、メリットの多い歯科矯正です。金属のブラケットを装着する矯正とは異なり、近くで見ないと気づかれにくく目立ちません。またブラケット矯正は、直接歯に取り付けるため簡単に取り外しができませんが、マウスピース矯正は自分での装着と取り外しが簡単です。食事や歯磨きのときに取り外せて管理も簡単です。

歯並びの影響で顔の歪みが生じていた場合、マウスピース矯正によって歯並びが整うことで、顔の形まで変化した気がしたり、印象に変化があったと感じたりする場合があります。一方で、顔の歪みがどれくらい起きているかは個人差もあり、歯並びが良くなっても顔の印象が変化したと感じないケースもあります。

顔が歪む原因

そもそもなぜ歯並びの影響で顔が歪むのでしょうか。
上と下の歯の位置がずれていたり、噛んだときに奥歯以外の歯同士がぶつからなかったりする場合には、顔の筋肉のアンバランスが生じて顎がずれやすい状態になり、顔の歪みを引き起こす原因になってしまいます。
また、歯並びが悪くて口が閉じにくい場合も、顔が歪む原因となります。
さらに、歯ぎしりをしていたり、むし歯などの影響でどちらか一方で噛むクセがあったりする場合も、顔の歪みを引き起こすおそれがあります。

歯並びを矯正したり、歯ぎしりを防いだりすることで、顔の歪みを引き起こす原因を防くことができます。その効果的な方法の一つがマウスピース矯正です。

マウスピースを付けていると顔の形が変わる?

マウスピースと聞くと、格闘技などスポーツの時に装着するマウスピースを想像されるかもしれません。そのため、装着することで口元が膨らんだりして見た目に違和感が生じないか心配な方もいらっしゃることでしょう。
しかし、実際にこのような心配はありません。
マウスピース矯正で使用するものは透明で薄いマウスピースであり、ほとんど目立ちません。マウスピースを装着することで、口内に違和感を覚える可能性はありますが、口元が膨らんで見えるなどの大きな変化はないといえます。
ただし、マウスピース矯正によって歯並びが改善されたり、歯並びの改善によって口元の筋肉の強ばりがほぐれたりすることによって、顔の形が変わったように感じることがあるかもしれません。

マウスピース矯正で顔の印象が変わる理由

それでは、マウスピース矯正で顔の印象が変わったように感じるのはどのようなケースでしょうか。その理由と合わせて詳しくご紹介いたします。

顔の歪みが整うから

マウスピース矯正によって歯並びや噛み合わせが整うことにより、顔の歪みが改善される場合があります。
顔の歪みは、歯並びや噛み合わせが悪かったり、うまく口が閉じられなかったりする場合に起きることがあります。
マウスピース矯正で、歯並びや噛み合わせが整い、本来閉じるべき位置で口が閉じられるようになることにより、顔の歪みが整うことが考えられます。

エラの張りが改善されるから

マウスピース矯正によって、エラの張りが改善されることがあります。
エラの張りには大きく2つの原因があります。元の骨格の場合と、咬筋と呼ばれるエラ部分の筋肉が発達している場合です。元の骨格が影響している場合には、マウスピース矯正による改善はできません。しかし、咬筋が影響している場合には、改善する可能性があります。
咬筋は、歯の噛み合わせが悪く歯ぎしりをするなどが原因で発達してしまいます。
マウスピース矯正によって噛み合わせを整え、歯ぎしりを防げれば、咬筋の強ばりがほぐれてエラの張りが改善され、顔の印象が変わることがあります。

Eライン(横顔)が整うから

Eラインとは、欧米の方を基準とした理想的な横顔の指標です。顔を横から見て、鼻先と顎先を結ぶ一直線上のライン上もしくは内側に口先がある場合、バランスが良いとされています。
マウスピース矯正により、出っ歯や受け口などが解消されることで、Eラインに変化が出る場合があります。その結果、顔の印象が変わることがあります。

口元がすっきりするから

マウスピース矯正は、出っ歯や受け口、すきっ歯、ガタガタの歯並びといった歯並びを矯正していきます。これらの症状が改善されることで、口元の凹凸がおさまり、すっきりする効果が期待できます。
上の歯が下の歯よりも突出している出っ歯や、反対に上の歯よりも下の歯が出ている受け口の場合、矯正後には口が閉じやすくなるため、口元がすっきりした印象になります。
また、ガタガタの歯並びや、歯間にすき間のあるすきっ歯の場合も、会話をするときや笑顔を見せた際に歯の審美性が高まり、口元の印象がすっきりするでしょう。

マウスピース矯正に関するよくある質問

ここではマウスピース矯正に関する、よくある質問についてご紹介します。ただし、症状によって効果は異なる場合があるため、疑問に思うことは歯科医院で相談されるとよいでしょう。

【質問1】ほうれい線は治る?逆にほうれい線が出ることもある?

マウスピース矯正がほうれい線に影響することはないため、治ったり濃くなったりすることはありません。しかし症状によっては、ほうれい線の見え方に変化を感じることもあります。
たとえば、出っ歯によって口元の皮膚が伸びていた場合、歯並びが整い皮膚の伸びは自然な位置に戻るため、口元の皮膚の感覚や見た目に変化が出ることがあります。そのため、ほうれい線に変化を感じるケースも考えられるでしょう。

【質問2】鼻の下が伸びるのは本当?

マウスピースを装着すると、マウスピースの違和感によって、鼻の下が伸びるような感覚があるかもしれません。しかしマウスピースは非常に薄いため、実際に鼻の下が伸びるような影響は与えません。矯正を始めてすぐのころは、装着に違和感を覚えるかもしれませんが、数週間で慣れていきます。

【質問3】小顔になれる?

マウスピース矯正で歯並びが整えば、顔の歪みが改善されたり、エラ張りが改善されたりすることで顔の印象が変化する場合があるため、顔のサイズにも変化を感じるケースはあるかもしれません。
しかし、変化を感じるかは元の状態によるため、必ず小顔になれるわけではありません。

【質問4】歯の大きさも変わる?

マウスピース矯正で歯の大きさを変えることはできません。他の歯科矯正でも難しいでしょう。しかし、歯の生える向きが異なっている場合や、隣の歯が重なって見えている場合などは、歯並びが整って歯の見える向きが変わることで、歯の見え方に変化が出ることがあります。
たとえば、前歯の2本だけが大きく見えていたとしても、隣の歯が横にキレイに並ぶことで、大きさが目立たなくなるといったケースもあります。

矯正で顔の変化が大きくなる例

マウスピース矯正だけで顔が大きく変わることはありませんが、抜歯や外科手術をともなう矯正の場合には、顔の変化を大きく感じる場合もあります。

抜歯を伴う矯正

歯並びの状態によっては、一部の歯を抜くことにより空いたスペースに歯を動かすことで矯正をする場合があります。このようなケースでは歯の移動距離も長くなり、抜歯をしない矯正よりも、顔に変化が現れやすくなります。

外科手術を伴う矯正

もっとも変化を感じる可能性があるのは、外科手術をともなう矯正です。
上顎と下顎の大きさのバランスや左右差など、骨格が影響して歯並びが乱れている場合には、外科手術を必要とするケースもあります。この場合は骨を削る手術となり、骨格から変化をするため、顔の形やサイズなども変わる可能性があります。

まとめ 元の状態によって影響も変わる

マウスピース矯正は、目立たない透明のマウスピースを装着して矯正をする治療法です。マウスピースを装着することや、マウスピース矯正のみによって大きく顔が変わることはありませんが、噛み合わせや歯並びが整うことで、顔の印象に変化が出ることはあります。不安に感じる方は、歯科医院で相談するようにしましょう。

監修医師からのコメント

マウスピース矯正に関して昨今とても注目されて手ごろに始められる、ブラケットがないことなども含めとてもいい治療法だと思います。ですがマウスピース矯正に向かない場合など不適切なケースで治療を行い、最初よりかみ合わせが悪くなるケースも拝見します。歯科医院でしっかり話を聞いて自分に合った方法を選びましょう。

監修歯科医師:吉竹啓介先生

東京都中央区京橋駅直結の「京橋 銀座みらい歯科」院長。
2010年神奈川歯科大学 卒業。2014年に医療法人社団港成会 理事に就任し、同年にせたがや歯科室を開設。2020年に京橋 銀座みらい歯科を開設し、翌年移転・名称変更。現在は京橋 銀座みらい歯科として東京スクエアガーデン2Fで診療を行っている。

京橋 銀座みらい歯科のホームページはこちら
https://www.miraishika-ginzain.tokyo/

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