(2024年6月1日公開)
笑ったときに歯ぐきが大きく露出してしまうため、気になってしまって笑顔が作れないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その状態は「ガミースマイル」かもしれません。
歯ぐきが露出する原因はさまざまであり、原因に合わせて適切な治療を行なうことで、ガミースマイルを改善できます。
この記事では、ガミースマイルの原因と治療法、ガミースマイルを治療することでのメリット・デメリットについてご紹介します。
笑ったときに歯ぐきが大きく露出してしまうため、気になってしまって笑顔が作れないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その状態は「ガミースマイル」かもしれません。
歯ぐきが露出する原因はさまざまであり、原因に合わせて適切な治療を行なうことで、ガミースマイルを改善できます。
この記事では、ガミースマイルの原因と治療法、ガミースマイルを治療することでのメリット・デメリットについてご紹介します。
ガミースマイルとは?
ガミースマイルとは、笑うと歯ぐきが3 mm以上見える状態のことをいいます。
ガミースマイルの場合、笑ったときに歯ぐきが見える範囲が広いため、人目が気になってしまい、口を開けて笑ったり話したりできない方もいます。
ガミースマイルの原因はさまざまであり、その治療法も原因によって異なります。具体的な治療法としては各種の矯正治療、歯ぐきを切除する歯冠長延長術(しかんちょうえんちょうじゅつ)、上唇粘膜切除術(じょうしんねんまくせつじょじゅつ)などの外科手術などがあります。
また、治療目的によって、保険診療での治療が可能となるケースもあります。ガミースマイルを審美目的で治療する場合、基本的には保険が適用されません。しかし、歯周病の治療や噛み合わせの改善など、機能的な問題を改善するケースや、日常生活に支障があるケースの場合には、保険が適用されるようになります。
美容外科などで相談してみたものの、高額な費用で諦めてしまっていた方もいらっしゃるかもしれません。その場合には一度、ガミースマイル以外の口内トラブルのことも含めて歯科医院に伝えて、どのような治療法が自分に最適なのか、保険診療が可能なのかを相談することをおすすめします。
ガミースマイルの場合、笑ったときに歯ぐきが見える範囲が広いため、人目が気になってしまい、口を開けて笑ったり話したりできない方もいます。
ガミースマイルの原因はさまざまであり、その治療法も原因によって異なります。具体的な治療法としては各種の矯正治療、歯ぐきを切除する歯冠長延長術(しかんちょうえんちょうじゅつ)、上唇粘膜切除術(じょうしんねんまくせつじょじゅつ)などの外科手術などがあります。
また、治療目的によって、保険診療での治療が可能となるケースもあります。ガミースマイルを審美目的で治療する場合、基本的には保険が適用されません。しかし、歯周病の治療や噛み合わせの改善など、機能的な問題を改善するケースや、日常生活に支障があるケースの場合には、保険が適用されるようになります。
美容外科などで相談してみたものの、高額な費用で諦めてしまっていた方もいらっしゃるかもしれません。その場合には一度、ガミースマイル以外の口内トラブルのことも含めて歯科医院に伝えて、どのような治療法が自分に最適なのか、保険診療が可能なのかを相談することをおすすめします。
ガミースマイルの原因
ガミースマイルの特徴は、歯ぐきが目立つことです。しかし、原因は歯ぐきにあるのではなく、骨格や歯、口周りの筋肉などが原因となっていることがあります。また、原因は一つだけではなく複数重なっているというケースもあります。ひとつひとつ解説していきます。
骨格
ガミースマイルは、骨格が影響しているケースがもっとも多いです。
上顎の位置が低い(過蓋咬合)
上顎の位置や歯の生える位置が低い場合、ガミースマイルの原因となります。上顎の位置が低い場合には、過蓋咬合(かがいこうごう)となるケースもあります。過蓋咬合とは、噛み合わせが深いことで上の前歯が下の前歯に覆いかぶさっている状態です。前歯の噛み合わせが合っていないため、ガミースマイルになりやすくなる上に、奥歯の噛み合わせもあっていないことが多く、顎関節症などの他のトラブルの原因にもなります。
上顎が前に出ている(出っ歯)
上顎が前に出ている場合には、口元が閉じにくくなるため、歯ぐきが見えやすくガミースマイルの原因となるケースがあります。
上顎の骨が長い
上顎の骨が長いと上唇よりも歯ぐきが下がった位置になるため、ガミースマイルの原因になります。
歯ぐき
ガミースマイルは、歯ぐきが影響している場合もあります。
歯ぐきが歯に被りすぎている
前歯を覆うほど歯ぐきが発達しているケースがあります。この場合、歯ぐきが多く見えてしまうため、ガミースマイルの原因となることがあります。
歯のサイズ
ガミースマイルには、骨格や歯ぐきに原因がなくても、歯のサイズが影響しているケースがあります。
歯が小さいまたは短い
歯のサイズが小さかったり短かったりする場合には、歯ぐきの見える面積が多くなります。その結果、ガミースマイルになりやすくなります。
口回りの筋肉
ガミースマイルには、口周りの筋肉が関係しているケースもあります。
上唇挙筋の働きが強い
上唇挙筋(じょうしんきょきん) とは、口周りにある筋肉の一種で、上唇を上げる筋肉です。上唇挙筋が過剰に発達していると、笑ったときに上唇がめくれあがり、歯ぐきが露出してガミースマイルとなります。
上唇が薄い
上唇が薄く縦幅が短い場合、口を少しだけ開いた状態でも歯ぐきが露出しやすいため、ガミースマイルになりやすくなります。
ガミースマイルの治し方
ガミースマイルにはさまざまな原因があるため、原因に合わせた治療法が必要です。上述したガミースマイルになりやすい原因に合わせて有効な治療法をご紹介します。
骨格の問題
骨格に問題がある場合は、矯正治療単独または、矯正治療と外科手術を併用することで改善できます。
金属のワイヤーを使ったブラケット矯正では、歯の位置を調整していくことで、ガミースマイルの症状が改善されます。
外科手術を併用するケースでは、上顎の骨を一部切除して再度繋ぎ直す方法が行われます。
金属のワイヤーを使ったブラケット矯正では、歯の位置を調整していくことで、ガミースマイルの症状が改善されます。
外科手術を併用するケースでは、上顎の骨を一部切除して再度繋ぎ直す方法が行われます。
歯ぐきの問題
歯ぐきに問題がある場合は、歯肉切除術や歯冠長延長術によってガミースマイルの症状を改善できます。
歯肉切除術とは、歯ぐきを切除してその形を整える手術です。一方、歯冠長延長術は、歯ぐきを切除して歯ぐきの裏側の骨を整える方法です。歯肉切除術は術後に歯ぐきが元に戻る可能性がありますが、歯冠長延長術では骨の形も整えるため、術後も後戻りなく歯ぐきの形状をキープできます。
歯肉切除術とは、歯ぐきを切除してその形を整える手術です。一方、歯冠長延長術は、歯ぐきを切除して歯ぐきの裏側の骨を整える方法です。歯肉切除術は術後に歯ぐきが元に戻る可能性がありますが、歯冠長延長術では骨の形も整えるため、術後も後戻りなく歯ぐきの形状をキープできます。
歯のサイズによる問題
歯のサイズが小さい、また歯が短いといった場合には、歯ぐきに問題がある場合と同じく、歯肉切除術や歯冠長延長術で改善できることがあります。歯ぐきによって隠れている部分が多いために歯が小さく見えているケースがこれにあたります。
一方で、歯が実際に小さい矮小歯の場合には、歯のサイズを調整する治療法として、歯冠長延長術に併用してセラミック製の被せ物を装着するセラミック矯正も有効です。歯のサイズだけはなく、色味や形状なども整えられます。
一方で、歯が実際に小さい矮小歯の場合には、歯のサイズを調整する治療法として、歯冠長延長術に併用してセラミック製の被せ物を装着するセラミック矯正も有効です。歯のサイズだけはなく、色味や形状なども整えられます。
口回りの筋肉の問題
口周りの筋肉や唇の薄さが問題の場合には、ボトックス注射や上唇粘膜切除術などの方法があります。
ボトックス注射は、シワを軽減する美容治療としてよく知られています。ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質には筋弛緩作用があり、筋肉による引き寄せを弱める効果があります。上唇挙筋の発達が原因の場合には、ボトックス治療によって筋肉による引き寄せを緩めることで上唇が上がるのを防ぎ、ガミースマイルを改善できます。小鼻の横に注射するだけの施術で済むため費用も安く手軽ですが、半年ほどの効果しかないため、継続して行う必要があります。
上唇粘膜切除術とは、上唇の内側を切開・切除して縫合する治療法です。上唇が上がりすぎたり、めくれたりしにくくなるため、ガミースマイルの改善が期待できます。
上唇粘膜切除術は、1回の手術と1〜2週間後に抜糸を行います。術後には腫れる可能性がありますが、しばらくすると腫れも収まります。
ガミースマイルの症状が軽度の場合には、上唇挙筋のセルフトレーニングによって改善できることもあります。口角を上げて笑うことを意識するトレーニングで、顔のたるみ改善にも効果が期待できます。
ボトックス注射は、シワを軽減する美容治療としてよく知られています。ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質には筋弛緩作用があり、筋肉による引き寄せを弱める効果があります。上唇挙筋の発達が原因の場合には、ボトックス治療によって筋肉による引き寄せを緩めることで上唇が上がるのを防ぎ、ガミースマイルを改善できます。小鼻の横に注射するだけの施術で済むため費用も安く手軽ですが、半年ほどの効果しかないため、継続して行う必要があります。
上唇粘膜切除術とは、上唇の内側を切開・切除して縫合する治療法です。上唇が上がりすぎたり、めくれたりしにくくなるため、ガミースマイルの改善が期待できます。
上唇粘膜切除術は、1回の手術と1〜2週間後に抜糸を行います。術後には腫れる可能性がありますが、しばらくすると腫れも収まります。
ガミースマイルの症状が軽度の場合には、上唇挙筋のセルフトレーニングによって改善できることもあります。口角を上げて笑うことを意識するトレーニングで、顔のたるみ改善にも効果が期待できます。
ガミースマイルを治療するメリット
ガミースマイルを治療するメリットについてご紹介します。
見た目の悩みが解消される
ガミースマイルは、見た目を改善できる点が大きなメリットになります。笑ったときに歯ぐきが見えてしまうことが気になり、人前で笑顔になれないといった悩みをお持ちの方にとって、治療により状態を改善できれば、見た目の自信にもつながり、気持ちも明るくなれます。
歯周病のリスクを軽減できる
ガミースマイルがある場合、歯周病のリスクも高くなることがあります。ガミースマイルの原因が歯並びや噛み合わせにある場合、食べかすなどが口内に残りやすくなっているためです。治療を行うことで歯並びや噛み合わせが整うことにより、歯磨きがしやすくなれば、口内環境をキレイに保ちやすくなり、歯周病のリスクを下げることにつながります。
むし歯や口臭のリスクが軽減される
ガミースマイルの治療は歯周病だけではなく、むし歯や口臭の予防にもなります。歯周病と同じように、ガミースマイルの原因が歯並びなどにある場合は、食べかすや歯垢が溜まりやすくなっています。さらに、ガミースマイルによって口が閉じにくい場合には、口内が乾燥しやすい状態となっています。口内が乾燥すると雑菌が繁殖しやすくなり、むし歯や口臭リスクを高めるといった悪循環につながるのです。ガミースマイルの治療は口が閉じやすくなるため、結果的にむし歯や口臭が予防できます。
ガミースマイルを治療するリスク
ガミースマイルの治療では、手術を伴うケースもあります。術後の経過やリスクを把握して、適切な治療を受ける必要があります。
術後の痛みや出血の可能性がある
歯冠長延長術は、痛みや腫れが少ない手術ですが、口内環境や体質などによって、3日ほど腫れや痛みを伴う場合があります。この場合には、痛み止めを飲んで緩和させるケアをします。
知覚過敏を引き起こす可能性がある
歯冠長延長術は、歯ぐきの切除によって歯の面積が大きくなります。その結果、歯の根が露出しやすくなり、知覚過敏の症状が出るおそれもあります。知覚過敏にならないよう、本来の出るべき部分のみを処置する手術が必要です。
後戻りする可能性がある
歯肉切除術だけでは治療後の状態をキープすることが難しく、術後に元に戻る可能性があります。歯冠長延長術であれば、歯ぐきの裏側の骨を切除することで後戻りは起きにくくなります。
また上唇粘膜切除術では、術後に筋肉が再発達して後戻りするケースが稀にあります。さらに、上唇挙筋の発達がガミースマイルの原因ではなかった場合には、上唇粘膜切除術ではキープできないといったおそれもあります。
そのため、治療前にしっかり原因を探り、適切な治療を行なう必要があります。
また上唇粘膜切除術では、術後に筋肉が再発達して後戻りするケースが稀にあります。さらに、上唇挙筋の発達がガミースマイルの原因ではなかった場合には、上唇粘膜切除術ではキープできないといったおそれもあります。
そのため、治療前にしっかり原因を探り、適切な治療を行なう必要があります。
まとめ 原因に合わせた処置で笑顔に自信を
ガミースマイルは病気ではないため、必ず治療しなければならないものではありません。しかしコンプレックスに感じている方もいらっしゃると思います。
ガミースマイルは症状や治療法によっては保険適用も可能であり、矯正治療を合わせて行なうと噛み合わせまで改善できます。ガミースマイルの改善は見た目以外にも、歯周病やむし歯のリスクを低減できるといったメリットもあります。お悩みの方は一度歯科医院で相談してみましょう。
ガミースマイルは症状や治療法によっては保険適用も可能であり、矯正治療を合わせて行なうと噛み合わせまで改善できます。ガミースマイルの改善は見た目以外にも、歯周病やむし歯のリスクを低減できるといったメリットもあります。お悩みの方は一度歯科医院で相談してみましょう。