唇の皮むけの6つの原因 剥けたときに忘れがちな対策とおすすめ予防法

唇の皮むけの6つの原因 剥けたときに忘れがちな対策とおすすめ予防法

(2024年2月21日更新)
唇の皮がむけてしまうのは、空気の乾燥だけが原因ではありません。ほかにもさまざまな原因で唇の皮はむけてしまいます。この記事では唇の皮むけの主な原因について解説するとともに、皮がむけたときの対処法と、皮がむけないための予防法についてご紹介します。

               

唇の皮がむける主な原因

唇の皮がむける主な原因としては、乾燥、日焼け、栄養不足、アレルギー反応が挙げられます。唇の皮むけの解消や予防をするために、まずは唇の皮がむける原因を把握しましょう。

天候・環境の変化による唇の乾燥

そもそも唇はほかの皮膚に比べて角質層が薄く、皮膚のうるおいを守る皮脂膜も形成されないため、乾燥しやすくバリア機能も低い部位です。そのため、外部からの影響を受けやすく、空気が乾燥していると唇がカサカサして、皮がむけた状態になります。
特に冬場は湿度が低く乾燥しているので、唇の皮がむけやすい季節です。加えて、冬場は汗をあまりかかないため、水分補給する機会を忘れやすいです。そのため、体内の水分が不足することで唇が乾燥して皮がむけることもあります。
また、夏場でも冷房を使用している部屋では空気が乾燥しやすいため、唇の乾燥が進み、皮がむけることがあるので気をつけましょう。

紫外線による日焼け

紫外線による日焼けも唇の皮がむける原因になります。唇は、バリア機能が低いだけではなく、紫外線によるダメージを防ぐメラノサイト(色素細胞)が少ないという特性があります。
そのため、太陽にさらされる時間が長くなると唇の皮がめくれるだけでなく、「唇が赤くなる」「唇がヒリヒリと痛む」「唇が腫れる」「唇が黒ずむ」などの症状を引き起こすこともあります。
夏場は特に紫外線が強くなる時期です。海や山などの屋外で過ごす際は、唇が紫外線にさらされる時間が長くなるため注意しましょう。
実は、冬にも注意が必要です。紫外線は夏場に比べて弱いですが、日差しも弱くなり気温も低くなるため、避ける意識も低くなりがちです。より一層に唇など皮膚へのダメージを意識した紫外線対策をしましょう。
唇の日焼けのケア方法や予防方法についてこちらの記事を参考にしてみてください。

唇の舐め過ぎによる乾燥

唇が乾燥すると、つい舌で唇を舐めてしまうクセはありませんか。実は、唇を舐める行為は、一時的にうるおっているように感じますが、水分が蒸発すると余計に乾燥させてしまうため、唇の皮がむける原因になります。舐める行為は、唇に刺激を与えることにもなります。
また、唇を舐めるクセ以外にも、「唇をかむ」「唇を触る」といったクセも唇に強い刺激を与えます。これらの癖は唇の乾燥や皮がむける原因になるだけでなく、唇のひび割れや出血にもつながるため、行わないように意識することが大切です。なかには「唇の皮をむく」という癖をもつ方もいますが、無理にむくと出血や炎症を招くため、皮がむけそうでも無理に皮をむかずに自然とはがれるのを待ちましょう。皮膚のターンオーバー周期は一般的に28日程度と言われていますが、唇のターンオーバーは3~4日と非常に短いため、きちんとケアすればすぐに治ることが多いです。

塩分による乾燥

野菜を塩もみすると水分が抜けるのと同様に、塩分の多いものを食べていると、脱水作用によって唇の水分が抜けてしまいます。その結果、唇が乾燥し皮むけにつながります。食べ続けていると、ヒリヒリと痛みをも伴う場合もあります。

ビタミンやミネラルなどの栄養不足

過度なダイエットや暴飲暴食、偏った食生活による栄養不足も唇の皮がむける原因です。特にビタミンやミネラルは、肌荒れ防止や肌の修復に不可欠な栄養素です。たとえば、ビタミンB2は皮膚の健康を保つために、ビタミンEは紫外線や外的刺激から肌を守るために、亜鉛や鉄などのミネラルは皮膚の機能を高めるために必要な栄養素です。
また、ストレスや睡眠不足、運動不足、過度な喫煙、飲酒といった生活習慣の乱れも唇の荒れにつながります。ストレスや生活習慣の乱れは自律神経のバランスを崩したり、免疫力や内臓機能の低下を招いたりするため、唇の状態も悪くなり、唇の荒れや皮むけを引き起こします。

化粧品や食品などへのアレルギー反応

使用している口紅やリップクリームなどの化粧品やスキンケア用品、歯磨き粉などのオーラルケア製品、食べ物など、口に触れるものに入っている物質にアレルギーがあると、アレルギー反応により唇の皮がむけるケースもあります。
特に化粧品やスキンケア用品、歯磨き粉にはさまざまな成分が含まれています。唇以外にも顔などに湿疹やかゆみ、腫れなどの症状があらわれることがあります。アレルギーは、呼吸や血圧など全身に重篤な症状のあらわれるアナフィラキシーを起こすこともあります。アレルギーであることが疑わしい場合には、早めに医療機関を受診し、アレルギーの原因を特定しましょう。
また、アレルギーではなくても唇に刺激を与える行為も皮がむける原因になります。たとえば、辛いものを食べる、洗顔料や歯磨き粉を使った際にすすぎ残しがある、食後に口元をティッシュなどで強くふき取るといった行為は、唇に負担がかかるので注意してください。

唇の皮がむけたときにおすすめの対処法

唇の皮がむけたときは無理に皮をはがすのは控えましょう。水分補給で唇の状態を戻す下地を整え、唇のうるおいを取り戻すことが大切です。

適度に水分を補給して体内から保湿する

前述の通り、唇の皮がむける大きな原因のひとつが乾燥です。唇の皮がむけるのが乾燥に伴うものであるならば、適度な水分補給を心がけ、体内から保湿しましょう。体内の水分が不足すると、細胞の水分が減るとともに血液循環も鈍くなります。その結果、十分な水分と栄養素が体内に届けられなくなり、唇が乾燥しやすくなります。そのため、体内から皮膚を保湿し、唇の乾燥や皮がむける症状をやわらげるには適度な水分補給が大切です。
特に空気が乾燥する冬場や、夏場のエアコンが効いた涼しい部屋では、ついつい水分補給するのを忘れてしまいがちになるため、意識してこまめな水分補給を心がけましょう。
なお、水分補給をするときは利尿作用のあるカフェインが含まれているコーヒーや紅茶などは避け、水や麦茶、ルイボスティーなどノンカフェインのものを選びましょう。また、体が冷えると血流が悪くなるため、なるべく冷たい飲み物は避けて常温や温かい飲み物を選ぶのが望ましいです。

リップクリームやワセリンで唇を保湿する

体内からの保湿だけではなく、唇そのものの保湿も重要です。保湿性のあるリップクリームやリップバームを使い、こまめに塗布してしっかりと保湿しましょう。特にリップバーム(軟こうタイプ)は、唇に密着する分、リップクリームよりも保湿効果が持続しやすいため、乾燥が気になる季節や場所での使用におすすめです。
また、保湿成分にもこだわりましょう。集中的にケアしたいならワセリンやシアバターといった保湿成分が含まれたものを選ぶのがおすすめです。唇の乾燥を防ぎ、乾燥からくる不快感の緩和にも役立ちます。
ただし、唇の皮がむけやすい方や肌が弱い方は、肌に合わない成分が入ったリップクリームやリップバームを使うとかえって唇に刺激を与え、唇が荒れることがあります。このような方がリップクリームやリップバームを選ぶ際は、できるだけ低刺激なものを選び、配合されている保湿成分を確認しましょう。
気になる方は、皮膚の目立たない部分でパッチテストをしてから使うと良いでしょう。それでも乾燥や肌荒れ、皮むけが続く場合には、使用を中止して、早めに医療機関を受診しましょう。
<自宅でできるパッチテストの方法>
  1. 二の腕やひじの内側を清潔にし、化粧品を500円玉大に塗布します。
  2. 化粧品を塗ったところに、かゆみ、赤み、刺激感などが起こらなければ、再度同じように塗布します。
  3. 3日連続で行って変化がなければ、使用しても問題ありません。
※アレルギーは体調によって症状がでやすいことがあります。 ※テスト中にかゆみ、赤み、刺激感などの異常があれば、すぐにこすらず水で洗い流しましょう。

唇の皮がむけないための予防・リップケアの方法

唇の皮がむける原因がわかれば、その原因に対して適切なケアをすることで唇の皮がむけるのを防げます。

唇を舐めない

唇の乾燥が気になってつい舐めてしまう場合には、リップクリームやリップバームを使って唇を保湿しましょう。また、「唇を舐める」以外に、「唇をかむ」「唇を触る」「唇の皮をむく」といった行為が無意識で癖になっている方も意識してなおしましょう。

紫外線対策効果のある化粧品で日焼け対策をする

太陽からの紫外線も唇の皮むけの原因になります。外出する際には紫外線対策効果のある化粧品で日焼け対策するのが有効です。たとえば、紫外線カット効果のある口紅やリップクリーム、唇専用の日焼け止めを外出前に唇に塗りましょう。外出時はこまめに塗り直し、あわせて日傘や帽子などを使って直射日光から唇を守るとより安心です。
唇の紫外線対策については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。

栄養バランスが取れた食事を摂取する

皮膚と唇の健康を保つには、日ごろから栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。特に皮膚や唇の健康のためにはビタミンとミネラルの摂取が欠かせません。たとえば、皮膚の健康を維持するビタミンB2はレバーやアーモンドなどに多く含まれています。また、紫外線や外的刺激から肌を守るビタミンEは卵やアボカド、免疫力アップが期待できる亜鉛はレバーやカボチャの種などに多く含まれているため、唇の荒れや乾燥が気になるようなら積極的に摂取するとよいでしょう。

ストレスを溜め込まずに発散する

長期的にストレスがかかると無意識に唇を舐めたり、かんだりする方がいるため、日ごろからストレスを溜めないようにすることも大切です。
また、ストレスが溜まることで自律神経の乱れが生じると血行不良になり、唇に十分な水分や栄養が行き渡らなくなることでも唇が荒れて皮がむけやすくなります。
そのため、ストレスや疲れを溜めないように日ごろから運動や趣味など自分に合ったストレス解消法で発散しましょう。また、睡眠不足、過度な喫煙、飲酒といった生活習慣の乱れもストレスになるため、生活習慣の見直しもあわせて行いましょう。

唇の皮むけを繰り返すのは病気のおそれもある

唇の皮むけが繰り返し起こる場合、病気の可能性も考えられます。代表的な病気としては、口角炎と口唇炎の2つがあります。

口唇炎

口唇炎は、唇全体に炎症が起こる病気です。原因は、乾燥や日焼け、栄養不足、化粧品などによる刺激物質やウイルス感染、金属アレルギーなどです。症状として、唇の腫れやかゆみを伴います。悪化すると、皮むけやひび割れ、出血を引き起こすことがあります。

口角炎

場合によっては併発しているおそれもあるため、唇の皮むけが繰り返し起こる、なかなか治らないときは早めに皮膚科を受診しましょう。
口角炎は唇の端に炎症を起こす病気です。原因は、唇の乾燥や日焼け、栄養不足、ストレスなどさまざまです。症状は、両側または片側の口角に炎症が生じて、赤みや腫れ、皮むけ、ただれ、かゆみを生じます。大きく口を開けると口角が裂け、痛みや出血を伴うことがあります。

唇の皮がむける原因を知って、適切な対応を

唇の皮がむける主な原因は、乾燥、日焼け、栄養不足、アレルギーなどさまざまです。そのため、まずは唇の皮がむける原因を把握してから、自分に合った対処法や予防法を実践しましょう。それでも繰り返し唇の皮がむけたり、なかなか治らなかったりする場合には、早めに皮膚科を受診しましょう。

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