(2023年12月20日更新)
口角炎の主な原因は、口唇ヘルペスやカンジダ症といった感染症の他、免疫力の低下や栄養不足、唇の乾燥などが挙げられます。ストレスや疲れを溜め込まないようにすることが口角炎を予防するに当たって重要ですが、唇を乾燥から守り、潤いを保つことも大切です。原因と対処法・予防法について詳しく紹介します。
口角炎とは
口角炎とは、唇の端(口角)に生じる炎症です。両側または片側の口角に、赤みや亀裂、ただれなどの症状が表れます。ただれや亀裂が生じると、口を動かす時に痛みや出血を伴うこともあります。
通常は、3日程度で自然に治癒しますが、1週間以上長引く場合には皮膚科や歯科医院を受診し、相談しましょう。
名称の似ている口唇炎は、唇全体に乾燥、腫れや皮むけ、亀裂、かゆみなどの症状が出ている場合を言います。
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口角炎の主な原因5つ
口角炎は、感染症の他、免疫力の低下や栄養不足、唇の乾燥が発症の主な原因です。それぞれについて紹介します。
【感染症】口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウィルスに感染することで、唇周辺に赤く小さな水疱ができる疾患です。この水疱が口角付近にできると、口角炎の原因になります。口唇ヘルペスは、まず唇にピリピリした違和感やかゆみ、熱感などが表れます。やがて皮膚が赤く腫れ、水ぶくれになり、かさぶたができて1~2週間ほどで治っていきます。
【感染症】カンジダ
カンジダとはカビ菌の一種であり、繁殖すると口角炎を発症する原因となります。カンジダは口内や皮膚表面に常に存在していますが、唾液による抗菌作用などによって普段は繁殖が抑えられています。ストレスなどで免疫力が低下したり、唾液の分泌量が減ってしまったりすると、菌の活動が活発になり、炎症を引き起こします。
ストレスなどによる免疫力の低下
ストレスなどによる免疫力の低下は、ヘルペスやカンジダなどによる感染症を引き起こす原因となります。普段は悪影響を及ぼさない菌も、ストレスなどで免疫力が下がると活発になりやすく、疾患を発症しやすくなります。
ビタミンなどの栄養不足
ビタミンB2、B6の不足も口角炎を引き起こす原因の1つです。これらの栄養素は、皮膚や粘膜を正常に保つはたらきを持っています。偏った食生活はもとより、アルコールの大量摂取などによって十分にビタミンが吸収できない場合にも、ビタミンB2、ビタミンB6が不足してしまうことがあります。
唇の乾燥
唇が乾燥していると、口角炎になる恐れがあります。口角は特に皮膚が薄いため、乾燥した状態で口を大きく開けると亀裂が入る可能性が高まります。
唇をなめる癖がある人も、唾液中の消化酵素によって余計に唇が乾燥してしまい、口角炎になりやすいです。特に唾液分泌が多い乳幼児は、自身のよだれによって口角炎が起きることもあります。
口角炎の対処法・予防法
口角炎ができてしまったとき、どのように対処したらいいのでしょうか。対処法に加えて予防法についても紹介します。
ストレスや疲れを溜め込まないようにする
口唇ヘルペスやカンジダ症などの感染症は、免疫力の低下によって発症したり、悪化することが多いです。ストレスを溜め込まないように、適度に発散することが大切です。
また、免疫力を維持する上では、十分な睡眠やバランスの取れた食事は欠かせません。生活リズムの乱れを整えるよう意識しましょう。
ビタミンB2・B6を積極的に摂取する
ビタミンB群、特にB2・B6を豊富に含む食材を積極的に摂取することも、口角炎の改善や予防に効果的とされています。下記を参考に、日々の食事に取り入れましょう。
栄養素 |
食材 |
ビタミンB2
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・牛・豚・鶏のレバーやハツ
・焼きのり
・干しシイタケ
・アーモンド
・納豆
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ビタミンB6
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・マグロ
・バナナ
・牛レバー
・ニンニク
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唇の乾燥を防ぐ
ワセリンやリップクリームなどで保湿し、唇が乾燥しないようにすることも対処法の一つです。皮膚を保護したり潤いを保つ軟膏など市販の塗り薬を使用してみるのもいいでしょう。
また、唇をなめて潤そうとしても、唾液中の消化酵素によってかえって逆効果になります。唇をなめる癖がある人は、意識してなめないようにしましょう。
唇を刺激しないようにする
口角炎の患部がかゆかったり、かさぶたができて気になると、触りたくなってしまうことがあるかもしれません。しかし、患部を刺激すると治りが遅くなるため、控えましょう。
紫外線も唇にとっては刺激になります。UVカット成分の入ったリップクリームなどを使用するといいでしょう。
口紅など、唇につける化粧品は口角炎が治るまで控えることをおすすめします。
1週間以上長引く場合は皮膚科や口腔外科を受診する
口角炎は通常3日程度で自然治癒します。上記の対処法を試して1週間以上たっても治らない場合は、皮膚科か口腔外科を受診し、薬を処方してもらうなどしましょう。
口角炎の原因 まとめ
口角炎は、感染症や免疫力の低下などが主な原因です。皮膚の疾患ではありますが、菌の繁殖などによりダメージを受けて発症したり、悪化したりします。
紹介した対処法・予防法に加えて、口内環境を良好に保って唾液中の菌の繁殖を抑え、口角炎を予防しましょう。
唾液検査SillHa(シルハ)で口角炎予防に役立てよう
シルハは、お口を水で10秒すすぐだけで、口内環境を数値化できる唾液検査です。口角炎の原因にもなる唾液分泌量の低下は口内環境にも表れます。シルハで自分の口内環境を客観的に把握することで、口角炎の予防に役立ててください。むし歯や歯周病や口臭に関わる口内環境も検査できるため、様々な口内トラブルの予防にもつなげられるでしょう。
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監修歯科医師:横山知芳先生
神奈川県横浜市にある横山歯科医院 院長。鶴見大学歯学部卒業。学生時代はラグビー部に所属しチームプレーを学んだことから、チーム医療での患者様のサポートをモットーとしている。歯科の最新の技術にアンテナを張り、勉強やトレーニングにも積極的に力を注いでいる。第87期JIADSペリオコース修了。皆川アカデミーインプラントコース修了。国際インプラント学会認定医(DGZI)。
横山歯科医院のホームページはこちら
http://www.yokoyamashikaiin.jp/