はちみつがむし歯にならないのは本当?その真相を解説!

はちみつがむし歯にならないのは本当?その真相を解説!

(2023年11月29日公開)
「はちみつは、むし歯にならない」という話を聞いたことはないでしょうか。はちみつは抗菌作用や栄養価も高いため、古くから健康や美容に効果があるとされ、様々な用途で使われています。では、むし歯に対して効果はあるのでしょうか。この記事では、本当にはちみつにむし歯予防の効果があるのかについて解説していきます。

               

はちみつが体に良いと言われる理由

はちみつとは、ミツバチが花の蜜から作った甘い液体です。古くから健康食品として親しまれており、さまざまな健康効果が期待されています。本題に入る前に、はちみつが体に良いと言われる理由について解説します。

1.栄養価が高い

はちみつには、甘味になるグルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、マルトース(麦芽糖)などの糖質が約80%も含まれています。はちみつは、これ以上分解できない単糖類であるフルクトースとグルコースが多く、体内でもエネルギー源として使われやすいことも特徴です。そのため、日常だけでなくスポーツ時に摂取するのもおすすめです。
糖質の他にも、はちみつの効能に関係する成分には、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素など、さまざまな栄養素があります。
  • ビタミン
    ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリンなど
  • ミネラル
    カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、ナトリウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、セレンなど
  • アミノ酸
    アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、スレオニン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、メチオニンなど
  • 酵素
    グルコースオキシダーゼ、ジアスターゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチン分解酵素、セルラーゼなど
これらの栄養素は、体内のさまざまな機能をサポートし、健康維持に役立ちます。ただし、はちみつの成分は、蜂が採取する花の種類によっても異なりますので、必要とする成分が含まれるはちみつを選びましょう。

2.抗菌・殺菌作用がある

はちみつには、グルコン酸や過酸化水素、ポリフェノールという成分が含まれており、これらが殺菌作用を発揮します。
そのため、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防や、口内炎、喉の痛みの改善などに効果が期待できます。
また、はちみつは、歯周病菌の増殖を抑える効果もあることが研究で示されています。

3.腸内環境を整える

はちみつに含まれるオリゴ糖は、腸内細菌の餌となり、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える効果があります。腸内環境が整うことで、免疫力アップや便秘解消、アレルギー症状の改善などの効果が期待できます。
このように、はちみつはさまざまな健康効果が期待できるため、毎日の食生活に取り入れたい食品の一つです。ただし、はちみつは砂糖と同じようにカロリーが高いため、摂りすぎには注意が必要です。

はちみつもむし歯になるおそれがある

はちみつは健康に良いとされていますが、むし歯に対してはどうでしょうか。

実は、歯にとっては、むし歯になりやすいおそれがあります。
むし歯菌は、フルクトースやグルコースなどの糖質を材料として、酸を産生します。この酸によって歯の成分であるカルシウムやリンを溶かして歯をもろくしてしまうことが、むし歯の主な原因の一つです。
はちみつは、フルクトースとグルコースが主成分です。そのため、はちみつに含まれる糖質も砂糖と同様にむし歯菌が酸を産生する材料として使われ、むし歯の原因となるおそれがあります。
はちみつで歯を磨く方法が、むし歯予防として紹介されていることがあります。はちみつもむし歯の原因となるおそれがあると考えると、あまりおすすめはできません。

はちみつがむし歯にならないと言われる理由

はちみつには、抗菌・殺菌作用や免疫力向上作用などを持つ成分が含まれています。それらの成分を含むはちみつを適量で摂取することで、むし歯や歯周病の原因となる細菌に対する効果があるという報告がされています。具体的に以下の成分にむし歯菌に対する抗菌作用が期待されています。
  • 過酸化水素:むし歯菌などの細菌を殺傷する作用
  • ポリフェノール:抗菌・抗炎症作用
  • オリゴ糖:むし歯菌の活動を抑える作用
また、マヌカハニーやその他天然のはちみつを用いた研究では、はちみつの種類に限らず、ミュータンス菌に対する有効性が研究室レベルでは確認できたという報告があります。
ただし、これらの研究では、はちみつの品質や濃度について考慮されていません。むし歯菌に対するはちみつの作用は、その品質や濃度も重要な要素になると報告されているため、今後の研究が待たれます。
引用:Deglovic J, Majtanova N, Majtan J. Antibacterial and Antibiofilm Effect of Honey in the Prevention of Dental Caries: A Recent Perspective. Foods. 2022 Sep 2;11(17):2670..

はちみつを効果的に摂取する方法と注意点

これまで述べてきた通り、はちみつには様々な健康効果が期待できる一方で、むし歯に対する効果について悪い面もありそうです。では、はちみつを効果的に摂取するにはどんなポイントがあるのでしょうか。

純度の高い天然のはちみつにする

はちみつには、加熱処理やろ過処理などをされた加工品と、これらの処理をしていない天然のはちみつがあります。加工品は、栄養価や風味が劣ることがあります。また、加熱処理やろ過処理をすることで、はちみつの抗菌作用が失われてしまうという報告があります。
はちみつによる健康効果を期待するのであれば、純度の高い天然のはちみつを選ぶようにしましょう。

大さじ2杯を目安にしましょう

はちみつの摂取量については1日あたり大さじ2杯(30 g)程度がよいでしょう。WHO(世界保健機関)が推奨する1日あたりの糖類の摂取量は 25 gです。はちみつには糖類が約80%含まれるため、糖類25 gを含むはちみつの量は31.25 gとなります。そのため、はちみつを摂取する際は、1日大さじ2杯を目安にしましょう。

加熱しない

先述した通り、はちみつの成分には熱に弱い成分もあります。抗菌効果が期待されるポリフェノールや一部の酵素は60 ℃以上で壊れてしまいます。そのため、はちみつを使用する際には50 ℃以下を目安にしましょう。加熱料理だけでなく、凝固したはちみつを溶かす際にも50 ℃以下で加熱し、加熱時間も短くするようにしましょう。

食後は歯磨きを行う

はちみつに含まれるフルクトースやグルコースは、むし歯菌が酸を作り出す原料となるため、むし歯の原因となるおそれがあります。人によって口内環境が違いますが、はちみつを食べた後も歯磨きをして口内をきれいにする方が良いでしょう。

乳児には与えない

1 歳未満の赤ちゃんがハチミツを食べると、乳児ボツリヌス症にかかることがあります。 乳児ボツリヌス症は食中毒の一種です。1歳未満だと腸内環境が整っていないため、便秘や哺乳力の低下などの症状を引き起こすことがあります。また、加熱をしてもボツリヌス菌は死滅しないため、はちみつだけでなく、はちみつが含まれるものも与えないようにしましょう。

むし歯予防が目的ならキシリトールがおすすめ

むし歯予防を目的とするなら、はちみつの代わりにキシリトールを使うのも効果的です。キシリトールは、砂糖やはちみつと違いむし歯の原因となる酸の材料となりません。また、むし歯菌の一種であるミュータンス菌の活動を弱める作用もあります。そのため、キシリトールはむし歯予防に効果的な甘味料とされています。
しかし、キシリトールには、はちみつのような栄養素は含まれていません。そのため、栄養補給や風邪予防、健康維持などの目的の場合は、キシリトールではなくはちみつを選ぶとよいでしょう。
キシリトールについて、詳しくはこちらの記事でも解説しています。

まとめ 歯への影響も意識して取り入れよう

結論として、はちみつは糖質が多いため、食べたあとにオーラルケアをしないとむし歯のリスクも高くなると考えられます。はちみつの持つむし歯予防の効果については、まだ研究段階のため効果があるとは断言できません。
一方で、はちみつの栄養価は高く、抗菌・殺菌作用や免疫力向上作用など、さまざまな効果が期待できる天然の甘味料です。はちみつの健康効果は、花の種類や純度、保存状態が影響するため、選び方に注意して生活に上手く取り入れると良いでしょう。むし歯や肥満の原因になるおそれもあるため、摂取する量や方法にも注意し、摂取後は歯磨きをしっかりと行いましょう。

近隣のクリニックを検索

関連記事

ピックアップ

医療機関の方へ

シルハは口腔環境6項目を簡単操作で5分でスクリーニングできる唾液検査です。
製品情報・お問い合わせはコチラ