口内炎にも! はちみつに期待できる効果やその選び方・取り入れ方

口内炎にも! はちみつに期待できる効果やその選び方・取り入れ方

(2025年9月13日更新)
この記事では、栄養価が高くて抗菌作用もあることから口内炎に効くとされる、はちみつの選び方・取り方を解説します。

               
はちみつは栄養価が高く、抗菌作用などもあることから、口内炎に効くと言われています。
そこでこの記事では、はちみつが実際に口内炎に対して効果を発揮した研究例を紹介すると共に、その効果を及ぼす理由や、より効果が期待できるはちみつの種類と取り方を解説します。

※1歳未満の赤ちゃんがハチミツを食べることによって乳児ボツリヌス症にかかることがあるため、与えないようにしましょう。
引用:ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。(厚生労働省)

口内炎にはちみつが効くといわれる理由

はちみつが口内炎に効くといわれるのは、いくつか理由があります。たとえば、はちみつがもつ作用や含まれる栄養素があげられます。
はちみつについては様々な研究がありますが、その1例としてにサウジアラビアの国立サルマン・ビン・アブドゥルアジーズ大学の研究があります。
この研究では、アフタ性口内炎のある94例の被験者を、①はちみつ塗布群、②ステロイド外用薬塗布群、③軟膏塗布群の3郡に分けて、5日間の試験を行い、その効果の違いを観察しました。
その結果、①のはちみつ塗布群が他の群に比べて口内炎の大きさ、痛み、炎症が有意に低減したと報告されています。

参考:Efficacy of honey in comparison to topical corticosteroid for treatment of recurrent minor aphthous ulceration: A randomized, blind, controlled, parallel, double-center clinical trial
Sally A El-Haddad, et al.
Quintessence Int. 2014 Sep;45(8):691-701.
ではなぜ、はちみつがこのような効果を発揮するのでしょうか。
続いて、はちみつがどのようなメカニズムで口内炎に作用するといわれているのかを解説します。

殺菌作用と抗炎症効果

はちみつにはグルコースオキシダーゼという酵素が含まれており、過酸化水素(オキシドール)を生成します。この過酸化水素がもつ一般的な消毒液のような抗菌作用によって、炎症を引き起こす細菌の増殖を抑制する効果があると考えられています。

また、はちみつには抗炎症作用のある成分も含まれており、口内炎の痛みや炎症を和らげる可能性があります。

はちみつを摂取してすぐ効果が得られるかについて明確に示した報告は確認できていませんが、口内炎の症状を軽減する効果や、取り入れる回数を増やすことで完治までの期間を短縮できる可能性は期待できるでしょう。

ビタミンB

はちみつの主成分はブドウ糖や果糖などの糖類で約8割を占めていますが、他にもビタミンやミネラル、アミノ酸、ポリフェノールなどさまざまな栄養素が含まれています。

その中でもビタミンB群には免疫力を高める効果があり、とくにビタミンB2とビタミンB6は皮膚や粘膜の健康維持の作用があるため、摂取することで口内炎の改善や予防に効果的です。
口内炎は口の中の粘膜に起こる炎症の1つであるため、傷んだ粘膜を保護し、自然な治癒を促進する効果が考えられるのです。

口内炎の原因はさまざまなため確実な治療法を知ることは困難ですが、はちみつをとることは口内炎の症状の改善や予防に役立つ可能性があります。

はちみつが口内炎を悪化させるといわれる理由

はちみつが口内炎に効果的である理由をご紹介しましたが、一方ではちみつが口内炎を悪化させるという声もあるようです。これは、はちみつに豊富に含まれる糖質が影響していると考えられます。

はちみつにはフルクトースやグルコースなどの糖質が含まれています。これらの糖質は口内の細菌の栄養源となるため、場合によっては、はちみつを摂取することで口内の環境が悪くなり、口内炎を悪化させてしまうリスクも予想できます。

はちみつを摂取するかどうかに関係なく、口内炎ができたときには口内環境を清潔に保つようにすることが大事です。

はちみつの種類と特徴

はちみつにはさまざまな種類があります。ここではそのなかでも、口内炎に対してより効果が期待できるはちみつの種類と、それぞれの特徴をご紹介します。

マヌカハニー

マヌカハニーは、ニュージーランドの「マヌカ」という植物の花から採れる特別なはちみつです。
特徴として、通常のはちみつよりも高濃度の MGO(メチルグリオキサール) という抗菌成分が含まれており、強力な抗菌作用によって細菌の繁殖を抑える働きがあります。
マヌカハニーには、抗菌作用と抗炎症作用が期待できます。

純粋はちみつ

純粋はちみつとは、余計な混ぜものが入っていない天然成分100%のはちみつのことです。

はちみつでも、比較的価格が安いはちみつは「加糖はちみつ」が多いです。
加糖はちみつは水あめや甘味料などを加えて水増しされたものです。加糖はちみつでは添加物が加わって、はちみつ本来の成分が薄まってしまっているため、口内炎に対する効果もあまり期待できません。また加糖はちみつの場合、添加されている糖分によって口内の細菌を増やしてしまうおそれもあります。

口内炎対策の効果を期待してはちみつを摂取するのであれば、純粋はちみつを選びましょう。

非加熱はちみつ

市販されているはちみつのほとんどは「加熱はちみつ」です。
加熱はちみつは、熱を加えることでサラサラの液状に変化するため、フィルターを通して不純物を取り除きやすく、効率的に製造できます。
一方で、はちみつに含まれる成分の中には、熱に弱いビタミンや酵素なども多く含まれているため、加熱することにより、これらの成分が損なわれてしまいます。

非加熱はちみつとは、高熱処理がされていないはちみつのことです。
非加熱のため、ドロドロと粘度があり、細かいフィルターに通しにくく製造に手間がかかります。しかしながら、免疫力を高めるためのビタミンCやビタミンB群、ミネラル、アミノ酸などの栄養素を含んでおり、口内炎に対する効果も期待できるといわれています。

はちみつのおすすめの取り方

効果が期待できるとされているはちみつを選んでも、その取り入れ方を間違えてはもったいないことになります。ここでは、はちみつのおすすめの取り方をご紹介します。

梅干しや生姜と一緒に口にする

口内炎に対するはちみつの効果を高めるために、梅干しや生姜を組みわせて取ることもおすすめです。
梅干しはクエン酸、生姜はジンゲロールやショウガオールといった成分を含んでおり、どちらも抗菌作用と抗炎症作用がある成分です。そのため、はちみつと一緒に梅干しや生姜を摂取することで、口内炎の症状を軽減する効果が期待できるでしょう。
注意点として、梅干しに含まれるクエン酸による酸味や生姜の辛味は口内炎の患部を刺激するおそれがあるため、口内炎の症状を見ながら慎重に取りましょう。

はちみつうがいをする

口内炎にははちみつうがいもおすすめです。準備するものと方法をご紹介します。

準備するもの

  • 水 適量
  • はちみつ 15cc(大さじ1)
  • ぬるま湯 150cc(4分の3カップ)

方法

  1. はちみつをぬるま湯に溶かしておく。
  2. はちみつ湯を口に含み、口の中をすすぎうがいする。
  3. はちみつ湯を口に含み、真上を向いてガラガラうがいをする。
はじめにすすぎうがいをするのは、口の中の細菌やウイルスがはちみつ湯に混じって喉についてしまうことを防ぐためです。
ぬるま湯に溶かすだけであれば、はちみつの成分が損なわれることはありません。はちみつを直接患部に塗るのには抵抗がある、という方にも取り組みやすいのでおすすめです。

正しくはちみつを活用しよう

はちみつは口内炎の症状を改善するのに効果が期待できるという研究結果もあります。
ただし、はちみつをとるだけで治そうとするのではなく、生活習慣の改善や口内のケアも必要です。
また、口内炎が続く場合は、病気や感染症が原因となっていることもあるため、自分で判断せずに受診することも重要です。

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