ふとした瞬間に気になる口臭。実は多くの方が悩みを抱えており、原因も生活習慣や体調などさまざまです。本記事では、すぐにできるセルフチェック方法や、口臭を悪化させる行動の見直し、そして正しいケア方法までをわかりやすく解説します。
日本人の口臭事情は? 統計でチェック!
やや古いデータにはなりますが、2016年に日本歯科医師会が全国の10〜70代の男女1万人を対象に行ったアンケート調査(※1)では、「自分の口臭が気になった経験がある」と答えた人が全体の80.6%にものぼりました。また、他人から口臭を指摘された経験がある人は全体の41.5%と、口臭は多くの方が抱える身近な悩みであることがわかります。
さらに、2019年に全国の20~60代の男女4,700人を対象に実施された口臭白書2019「口臭ケアの意識」調査(※2)でも、90.6%が「自分の口臭が気になった経験がある」と回答しており、近年の傾向としても同様の結果が報告されています。
しかし、「口臭が気になったときに歯科を受診する」と答えた人はわずか9.4%(※1)にとどまり、多くの方がセルフケアで対応しているのが現状です。まずは、自分の口臭を客観的に把握し、正しいケアを取り入れることが改善への第一歩といえるでしょう。
※1 日本歯科医師会「10代〜70代の男女1万人に聞く、お口の臭い調査」(2016年6月発表)
※2 ブレス・ハザードプロジェクト「口臭白書2019」(2019年5月発表)
さらに、2019年に全国の20~60代の男女4,700人を対象に実施された口臭白書2019「口臭ケアの意識」調査(※2)でも、90.6%が「自分の口臭が気になった経験がある」と回答しており、近年の傾向としても同様の結果が報告されています。
しかし、「口臭が気になったときに歯科を受診する」と答えた人はわずか9.4%(※1)にとどまり、多くの方がセルフケアで対応しているのが現状です。まずは、自分の口臭を客観的に把握し、正しいケアを取り入れることが改善への第一歩といえるでしょう。
※1 日本歯科医師会「10代〜70代の男女1万人に聞く、お口の臭い調査」(2016年6月発表)
※2 ブレス・ハザードプロジェクト「口臭白書2019」(2019年5月発表)
特別な機器不要! 口臭の簡単セルフチェック方法
口臭が気になっても、他人にはなかなか相談しづらいものです。そんなときに役立つのが、自宅でできる簡単なセルフチェックです。特別な機器や専門知識がなくても、日常生活の中で手軽に自分の口臭の状態を確認できます。ここでは、代表的な5つのチェック方法をご紹介します。
コップ呼気チェック法
清潔なコップに息を吹きかけ、すぐに蓋をしたあと、数回深呼吸をしてから閉じ込めた呼気を嗅いでみる方法です。口内だけでなく、呼吸器や胃腸など体の内部に由来する口臭の有無を確認できます。コップの代わりにビニール袋を使っても同様にチェックが可能です。
唾液チェック法
手を洗って清潔なタオルやハンカチで拭いたあと、手首や手の甲を軽く舐めて乾かし、その部分のニオイを嗅いでみましょう。主に口内の汚れや細菌が原因となる口臭を調べる際に有効で、口内の清潔度を簡単に把握できます。ほかにも、スプーンやコップに唾液を垂らして乾かしてからニオイを確認する方法もあります。
舌苔・舌の色チェック法
鏡の前で舌の表面を観察してみましょう。白や黄色っぽい苔(舌苔)が広く付着している場合、細菌の繁殖や食べかすの蓄積、口内の乾燥などが原因で口臭が発生しているおそれがあります。舌の状態は口内環境を映す鏡といわれるため、日常的にチェックする習慣をつけることが大切です。
デンタルフロス・歯間ブラシチェック法
デンタルフロスや歯間ブラシを使ったあと、器具に付いたニオイを直接嗅いでみる方法です。強いニオイがする場合は、歯の間に汚れがたまっているほか、歯ぐきが炎症を起こしている場合もあります。定期的に確認することで、口臭の早期発見と予防につながります。
寝起きチェック法
朝起きた直後に、口の中の状態を確認してみましょう。睡眠中は唾液の分泌が減少し、細菌が繁殖しやすくなります。そのため、寝起きは1日の中でもとくに口臭が強く出やすいタイミングです。粘つきや乾燥を感じたら、口臭のサインとして意識しておくとよいでしょう。
口臭リスクを確認! 生活習慣セルフチェック
口臭の原因は、歯や舌の汚れといった口内環境だけでなく、毎日の生活習慣とも深く関係しています。何気ない行動が口臭を悪化させていることも少なくありません。
以下のチェックリストに当てはまる項目が多いほど、口臭リスクが高まるおそれがあります。まずは、自分の習慣を見直してみましょう。
以下のチェックリストに当てはまる項目が多いほど、口臭リスクが高まるおそれがあります。まずは、自分の習慣を見直してみましょう。
口臭リスク習慣チェックリスト
- 毎日コーヒーやお酒をよく飲む
- 喫煙習慣がある
- 口呼吸の傾向がある
- 水分をあまり摂らない
- 偏った食生活(野菜不足・肉中心)
- 朝食を抜くことが多い
- 寝る前に歯磨きをしない日がある
- 歯間ケア(デンタルフロスや歯間ブラシ)をしない
- ストレスを感じることが多い
- 1年以上、歯科検診を受けていない
- 舌の清掃をしたことがない
なぜこれらが口臭の原因になるのか?
生活習慣の中には、一見関係がなさそうでも口臭を悪化させる行動が多くあります。ここでは、その主な理由を見ていきましょう。
口呼吸や水分不足
口内が乾燥すると唾液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすくなります。唾液は口の中を洗浄し、ニオイのもとを流す役割をもつため、分泌量が減ると口臭が強まりやすくなります。
喫煙習慣
タバコに含まれるタールやニコチンは独特のニオイを発するだけでなく、口内の血流を悪化させ、唾液の分泌を抑制します。さらに歯周病を悪化させ、口臭の原因菌を増やす要因にもなります。
偏った食生活・朝食抜き
食事を抜いたり、肉中心の偏った食事を続けたりすると、唾液の分泌リズムが乱れ、消化機能にも悪影響を及ぼします。その結果、胃腸由来の口臭が起こることもあります。
歯間ケア不足・歯科検診を受けない
歯と歯の間に残った食べかすや歯垢(プラーク)は、時間が経つと歯石に変わり、歯周病の原因になります。歯周病が進行すると、歯ぐきから出る膿や血液のニオイが強くなり、慢性的な口臭を引き起こします。
ストレス
強いストレスは自律神経のバランスを崩し、唾液の分泌量を減少させます。さらに、胃腸の働きも低下するため、消化不良からくる口臭の一因にもなります。
今すぐできる口臭対策
特別な道具を使わなくても、身近な習慣を少し変えるだけで口臭改善につながります。ここでは、すぐに実践できる代表的な対策をご紹介します。
こまめな水分補給
水分不足は唾液の分泌を減らし、細菌の繁殖を促すことで口臭を悪化させますが、十分な水分を補給することで唾液の分泌を促し、唾液の量を維持することができます。また、こまめに水を飲むことは口内を潤し、ニオイの原因を洗い流す効果も期待できます。なお、糖分の多い飲料はむし歯菌のエサになりやすいため、無糖の水やお茶を選ぶのが理想です。
うがい
外出先や仕事中でも簡単にできるケア方法です。食後や乾燥を感じたときに水でうがいをすると、食べかすや細菌を洗い流せます。口の中をゆすぐ「すすぎうがい」と、喉をゆすぐ「喉うがい」を組み合わせるとより効果的です。マウスウォッシュを使う場合は、アルコールフリーのタイプを選ぶと刺激が少なく、乾燥を防ぎやすくなります。
唾液腺マッサージ
唾液の分泌を促すには、耳の下(耳下腺)、顎の下(顎下腺)、舌の下(舌下腺)にある3つの唾液腺をやさしく刺激するのが効果的です。唾液量が増えることで口内の自浄作用が高まり、口臭予防だけでなく、むし歯や歯周病の予防にもつながります。
唾液腺マッサージの方法
1.耳下腺マッサージ
耳の横に指を添え、後ろから前へ円を描くように10回ほどゆっくり回す
耳の横に指を添え、後ろから前へ円を描くように10回ほどゆっくり回す
2.顎下腺マッサージ
親指を下顎の骨の内側のやわらかい部分に当て、耳の下から顎の中央に向かって5か所ほどを、順番に5回ずつ押す
親指を下顎の骨の内側のやわらかい部分に当て、耳の下から顎の中央に向かって5か所ほどを、順番に5回ずつ押す
3.舌下腺マッサージ
両手の親指をそろえ、顎の真下から舌を突き上げるように5回ほどグッと押す
両手の親指をそろえ、顎の真下から舌を突き上げるように5回ほどグッと押す
鼻呼吸
口呼吸は口の中を乾燥させ、細菌が増える原因になります。意識的に鼻で呼吸することを習慣づけましょう。鼻呼吸に慣れるには、口周りの筋肉を鍛える「あいうべ体操」を取り入れたり、就寝時に鼻呼吸を促すテープを使ったりする方法があります。
あいうべ体操の方法
- 「あー」大きく口を開ける
- 「いー」首に筋が張るくらい、口を大きく横に広げる
- 「うー」タコのように唇をすぼめて、前に強く突き出す
- 「ベー」顎の先を目指して、舌をしっかり下に伸ばす
- 1〜4を1セットとして、毎食後10セットを目安に行う
舌磨き
舌の表面に付着する白い苔(舌苔)は、口臭の原因となる細菌のかたまりです。やわらかい舌ブラシを使い、奥から手前へ軽くなでるように磨きましょう。強くこすりすぎると粘膜を傷つけるおそれがあるため、やさしい力で1日1回程度を目安に行うのがポイントです。
歯磨き・デンタルフロス
歯と歯ぐきの境目、奥歯の裏側、歯の内側など、磨き残しが多い箇所を意識して丁寧にケアしましょう。歯ブラシでは落としきれない歯間の汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで除去できます。こうした毎日のオーラルケアが、口臭予防の基本です。
ガム
ガムを噛むと唾液の分泌が促され、口内の洗浄効果が高まります。とくにキシリトールガムは、むし歯菌の酸生成を抑制し、口臭原因菌の活動を抑える効果もあるのでおすすめです。
ガムを噛むことの健康効果について、こちらの記事でも詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
ガムを噛むことの健康効果について、こちらの記事でも詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
やりがちだけどNGな口臭対策とは?
口臭をどうにかしたいと思うあまり、間違ったケアを続けていませんか? 一見効果がありそうでも、実は逆効果になるケースもあります。ここでは、つい陥りやすいNG行動と注意点をご紹介します。
ミントタブレットの過剰摂取
ミントタブレットは、手軽に口臭をカバーできる便利なアイテムですが、一時的にニオイを和らげるだけで、根本的な改善にはつながりません。砂糖を使用した製品は、むし歯菌の増殖を助長する原因になることもあります。また、摂りすぎると消化不良を引き起こし、胃腸の不調からかえって口臭を悪化させるおそれもあります。あくまで応急処置として、適量を守って使用しましょう。
殺菌作用のある洗口液の多用
強い殺菌作用をもつマウスウォッシュは、使いすぎると口内が乾燥しやすくなるだけでなく、常在菌のバランスを崩してしまうことがあります。その結果、かえって口臭を悪化させる原因にもなります。マウスウォッシュはあくまで補助的なケアとし、歯磨きやデンタルフロスと併用しながら、1日1〜2回の使用にとどめましょう。
「香りでごまかす」ことへの依存
フレグランススプレーや香り付きマスクなどで、一時的にニオイを隠す方法は便利ですが、それだけに頼るのは危険です。口臭の原因が歯周病やむし歯、内臓疾患などの場合、放置すると症状が悪化するおそれがあります。まずは歯科医院へ相談して、原因を突き止めることも大切です。
うがいのしすぎ
口臭が気になるからといって、強いうがいを何度も繰り返すのは逆効果です。勢いよくガラガラうがいをすると、口臭予防に欠かせない唾液まで洗い流してしまい、乾燥を招くことがあります。うがいは1日2〜3回を目安に、喉の奥で水をゆっくりと振動させるような感覚で行いましょう。
歯磨きのしすぎ
強い力でゴシゴシと磨くと、歯ぐきや歯の表面を傷つけてしまうおそれがあります。歯磨きは1回3分程度を目安に、軽い力で毛先を歯と歯ぐきの境目に当てて細かく動かしましょう。磨き残しやすい歯間部は、デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると、より効果的に汚れを除去できます。
舌磨きのやりすぎ
舌磨きは口臭ケアに役立ちますが、歯ブラシで強くこすったり頻繁に行ったりすると舌の粘膜を傷つけ、炎症や細菌繁殖を招くことがあります。専用の舌ブラシを使い、奥から手前へ軽い力で1~2往復を目安に行うと良いでしょう。過剰なケアは逆効果になるため、1日1回を目安に行いましょう。
サプリメントや市販グッズの過信
近年は、口内環境を整えるタイプのサプリメントも多く登場しています。乳酸菌やビフィズス菌、オーラル専用の善玉菌(L.ロイテリ菌など)を配合した製品は、口内フローラのバランスを整えることで、口臭の原因となる悪玉菌の増殖を抑える効果が期待できます。また、緑茶カテキンやポリフェノールなどの成分を含む製品は、一時的にニオイを抑える作用をもちます。
ただし、これらはあくまで補助的なアイテムです。歯垢(プラーク)や舌苔、食べかすなどの汚れを除去しなければ、根本的な改善にはつながりません。サプリメントやグッズを取り入れる際は、日常の歯磨き・デンタルフロス・舌ケアなどの基本的なオーラルケアと併用し、継続的に取り組むことが大切です。
ただし、これらはあくまで補助的なアイテムです。歯垢(プラーク)や舌苔、食べかすなどの汚れを除去しなければ、根本的な改善にはつながりません。サプリメントやグッズを取り入れる際は、日常の歯磨き・デンタルフロス・舌ケアなどの基本的なオーラルケアと併用し、継続的に取り組むことが大切です。
まとめ|口臭が気になる方は歯科医院の受診も検討を
口臭は誰にでも起こり得るもので、生活習慣やオーラルケアの質によって大きく左右されます。セルフチェックや日常的なケアを続けても改善が見られない場合は、歯科医院や口臭外来の受診を検討しましょう。専門的な検査によって原因を明確にし、適切な治療やアドバイスを受けることで、根本的な解決へとつなげることができます。一人で悩まず、専門家に相談して、自信をもって会話を楽しめる毎日を取り戻しましょう。