寝起きの口臭が気になる方へ|原因と今日からできる対策ガイド

寝起きの口臭が気になる方へ|原因と今日からできる対策ガイド

この記事では、目覚めたときに感じる口臭の仕組みと日常でできる改善策、受診の目安までを解説します。

               
朝起きたときの口臭が気になる方は少なくありません。睡眠中の唾液分泌の低下や口呼吸など、いくつかの要因が重なることで、寝起き特有のニオイが強まりやすくなります。原因を正しく理解し、生活習慣や口内ケアを見直すことで、朝の不快感をやわらげることが可能です。本記事では、寝起きの口臭の原因と自宅でできる具体的な対策、受診の目安を詳しく解説します。

男女7割が寝起きの口臭を気にしている

朝目覚めたときに感じる口臭は、「生理的口臭」と呼ばれる自然な現象です。2017年にシャボン玉石けん株式会社が20〜60代の男女519人を対象に行った調査では、「寝起きの口の中のネバネバがとても気になる」「やや気になる」と回答した方は全体の63%にのぼり、「あまり気にならない」は29%でした。また、「寝起きの口臭が気になる」という問いに対しても、合計69%が「気になる」と回答しており、年代を問わず多くの方が寝起き特有の口臭や不快感を自覚していることがわかります。

参考:マイナビニュース_寝起きの口臭が気になる人の割合は?

寝起きに口臭が発生しやすい理由

寝起きは1日の中でとくに口臭が発生しやすいタイミングです。その背景には、睡眠中に起こる口内環境の変化が深く関係しています。唾液の分泌が減ることで細菌が増えやすくなり、さらに口呼吸や舌苔(ぜったい)の付着、食生活など複数の要因が重なってニオイが強まります。また、生活習慣病や全身疾患が関与しているケースもあり、寝起きの口臭は体の状態を映すサインとなることもあります。

睡眠中に起こる口内環境の変化

日中は会話やそしゃくによって唾液が分泌され、口の中が常に洗い流される状態にあります。しかし、寝ている間は体が休息モードに入ることで唾液腺の働きが低下し、分泌量が大きく減ります。唾液には細菌の増殖を抑えたり、ニオイ成分を薄めたりする働きがありますが、就寝中はこの自浄作用が弱まるため、細菌が増えやすくなります。

その結果、揮発性硫黄化合物(VSC)をはじめ、細菌が作り出すさまざまなニオイ成分が発生しやすくなり、寝起きに口臭を強く感じやすくなるのです。

口呼吸や舌苔、食生活との関わり

睡眠中に鼻づまりやいびきなどで口呼吸になると、口が開いたまま乾燥した状態が続きます。乾燥すると唾液の自浄作用が低下し、細菌が増えやすくなるため、翌朝の強い口臭につながります。

口臭の主な原因の1つが、舌の表面に付着する舌苔です。これは食べかすや細菌、剥がれ落ちた粘膜などが混ざり合ってできるもので、細菌が繁殖する温床になります。そのため、睡眠中は唾液の分泌が減るために残りやすく、ニオイの強いガスを発生させやすくなります。

さらに、寝る前の食生活も翌朝の口臭に影響します。糖質の多い食事や甘い飲み物は細菌のエサとなり、就寝前のケアが十分にできていないと、睡眠中の細菌繁殖を促す原因になります。一方、にんにくなどの強い香りをもつ食材は、消化・吸収後に血流を介して呼気として排出されるため、翌朝までニオイが残りやすくなります。

生活習慣病との関連

口臭には、病気が関係しない「生理的口臭」と、何らかの病気が原因で起こる「病的口臭」があります。病的口臭のうち、約9割は歯周病・むし歯・舌苔といった口内の問題によるものですが、糖尿病や肝機能・腎機能の障害など、全身性の疾患が関与する場合もあります。

例えば糖尿病では、血糖値が高い状態が続くと体がエネルギー不足を補うために脂肪を分解し、ケトン体(アセトン)が増えます。アセトンは呼気として排出されますが、就寝中は食事をとらず絶食状態が長く続くため脂肪分解が進みやすく、寝起きにアセトン臭が強くなることがあります。

また、肝臓や腎臓の機能が低下している場合、体内で処理しきれなかった老廃物が血中に残り、アンモニア臭のような刺激臭として呼気に現れることがあります。就寝中は水分をとらないため、軽度の脱水状態となりやすく、アンモニアが濃縮されて寝起きにニオイが強く感じられることがあります。

朝の口臭は軽視されがちですが、口内の問題だけでなく全身疾患が隠れているおそれもあります。自己判断に頼らず、歯科または内科を受診して原因を特定し、適切な治療につなげることが大切です。

寝起きの口臭を招くリスク要因と自宅でできるチェック法

朝の口臭は一時的な生理的現象ですが、日常の習慣や体質によって強まることがあります。ここでは、口臭を悪化させる主な要因と、自分でできる確認法を詳しくご紹介します。

寝起きの口臭のリスクとなる生活習慣

口を開けて寝る

鼻づまり、花粉症、慢性的な鼻炎、いびきなどがあると、無意識に口呼吸になりやすくなります。また、枕が高すぎる・合っていない、口周りの筋肉が弱い方も、就寝中に口が開きやすくなります。口呼吸になると口内の乾燥が進み、唾液の自浄作用が弱まるため、細菌が増殖しやすく翌朝の強い口臭につながります。

寝る前の飲酒や喫煙習慣

アルコールには利尿作用があり、睡眠中に体の水分が不足して口内が乾燥しやすくなります。さらに、アルコールが肝臓で代謝される際には、悪臭を伴う中間生成物「アセトアルデヒド」が発生します。このアセトアルデヒドや体内に残った未分解アルコールは血流に乗って肺から排出されるため、翌朝の口臭を強める原因になります。

また、泥酔してそのまま歯磨きをせずに寝てしまうと、歯間や舌表面に残った食べかすや汚れが細菌のエサとなり、睡眠中に一気に発酵が進みます。アルコールによる乾燥と磨き残しが重なることで、通常より強い口臭が生じやすくなる点にも注意が必要です。

喫煙も唾液の量と質を低下させ、口内の血流を悪化させるため、細菌の繁殖が進んで口臭を悪化させる要因となります。

不十分なオーラルケア

歯と歯の間や舌の表面に残った食べかすや舌苔は細菌の温床となり、睡眠中に発酵して口臭の原因になります。とくに、歯間の磨き残しや舌苔が多いと、寝起きの口臭が強くなりやすくなります。

寝る前に水分をとらない

就寝前にほとんど水分をとらないと、睡眠中に体全体が脱水気味になり、唾液量も低下します。口内が乾燥することで細菌が増えやすくなり、翌朝の口臭につながります。

自宅でできる口臭セルフチェック方法

口臭は自分では気づきにくいことが多く、客観的に確認できるセルフチェックを取り入れることが大切です。自宅でも簡単にできる方法を以下にご紹介します。

唾液のニオイチェック

清潔な手で舌の表面や歯と歯ぐきの間を触り、指に付着した唾液を嗅いでニオイを確認します。唾液が強く臭う場合、自覚がなくても口臭が発生しているおそれがあります。

コップやスプーンを使った方法

清潔なコップに息を吐きかけ、数秒置いてからニオイを嗅ぎます。また、スプーンで舌を軽くこすり、数十秒置いてからスプーンのニオイを確認する方法も有効です。自分の呼気や舌苔のニオイを直接チェックできます。

市販の口臭チェッカーを使用する

市販の簡易的な口臭測定器は、呼気に含まれるニオイ成分を数値化し、おおまかな強さを把握できます。歯科医院の精密な測定に比べると精度は劣るものの、自分の状態を知る目安として役立ちます。市販の口臭チェッカーは 複数のメーカーから販売されており、インターネットでも購入可能です

寝起きの口臭をやわらげる生活習慣・ケア方法

寝起きの口臭は、就寝前と起床後のケアを少し工夫することで軽減できます。ここでは、効果的なケア方法と、実際に役立つアイテムをご紹介します。

寝る前のオーラルケアを徹底する

夜間は唾液が減り、細菌が増えやすい時間帯です。そのため、就寝前のオーラルケアが口臭対策のカギとなります

就寝前にできるオーラルケア

  • 歯間ブラシやフロスで隙間の汚れを落とす
  • 舌ブラシで舌の汚れをやさしく取る
  • ノンアルコールのマウスウォッシュで仕上げる

口呼吸を防ぐ工夫をする

就寝中に口呼吸をする癖があると、口内が乾燥して唾液が十分に分泌されず、翌朝の口臭が強くなることがあります。口呼吸が起きる原因に目を向けることが大切です。

口呼吸を防止する対策

     
  • 就寝前に蒸しタオルなどで鼻を温めて鼻づまりを解消
  • 枕の高さを調整する
  • 口呼吸防止のマウステープを使う
  • あいうべ体操

あいうべ体操のやり方

  1. 「あー」大きく口を開ける
  2. 「いー」首に筋が張るくらい、口を大きく横に広げる
  3. 「うー」タコのように唇をすぼめて、前に強く突き出す
  4. 「ベー」顎の先を目指して、舌をしっかり下に伸ばす
  5. 1〜4を1セットとして、毎食後10セットを目安に行う

口の乾燥を防ぐ

就寝中は水分補給ができず、体の脱水が起こりやすくなります。これが口内の乾燥につながり、口臭の原因になります。睡眠中の脱水予防に、寝る前にコップ1杯の水を飲んでおくのがおすすめです。冬場やエアコン使用時は乾燥しやすいため、加湿器を使って適度な湿度を保ちましょう。

起床後におすすめの習慣

寝ている間に口の中で増殖した細菌を、まずはスッキリと洗い流すことが、寝起きの口臭対策には有効です。起床後すぐに歯磨きをしないまま食事をすると、口内の細菌が一緒に飲み込まれてしまい、心臓や大腸などの臓器に影響を及ぼすことが指摘されています。

実際に、鹿児島大学の研究では、口腔細菌の一部が大腸に到達し、大腸がんの発生に関与している可能性があることが示されました。

こうした理由から「起きたら、まず歯磨き」という習慣を身に付けることが望ましいでしょう。時間のない朝は、うがいをするだけでも増えた細菌をある程度洗い流せます。

寝起きの口臭ケアに役立つ市販ケアグッズ

最近は、就寝前のナイトケアとして使える口臭予防アイテムが増えています。寝る前に取り入れることで、睡眠中の細菌増殖を抑え、朝の不快な口臭をやわらげることに役立ちます。

モンダミン ナイトクリア

殺菌成分CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)が口内に長く留まり、寝ている間の細菌繁殖を抑制します。ノンアルコールタイプで刺激が少なく、就寝前でも使いやすいのが特徴です。

GUM(ガム) マウスウォッシュ ナイトケア 薬用洗口液

薬用成分CPCが歯面をコートし、寝ている間の原因菌をしっかり殺菌。ハーブのやさしい香りとノンアルコール仕様で、就寝前でも刺激が少なく使えるのが魅力です。

口臭が強いとき・続くときはどうする? 受診・相談の目安

歯科で相談すべきサインや症状

通常、起床時の口臭は一時的なもので、時間の経過とともに軽減します。しかし、セルフケアをしても日中まで強い口臭が続く場合や、ニオイの種類が明らかにいつもと違う場合は、口の中や全身の病気が潜んでいるおそれがあります。

とくに以下のような症状がある場合は、歯周病やむし歯、舌の病変などが疑われるため、早めの歯科受診がおすすめです。

気になる口臭のセルフチェック

  1. 口臭が日中も強く、人から指摘される
  2. 腐った玉ねぎのようなニオイがする
  3. 生ゴミやドブのような生臭いニオイがする
  4. 歯ぐきが腫れてブヨブヨしている
  5. 歯ぐきから血が出る
  6. 舌や頬の粘膜に白い斑点やただれがある
  7. 口内炎がなかなか治らない

一般的な治療の流れ

歯科医院での口臭治療は、一般的に次のような流れで診療が行われます。

問診・カウンセリング

まず、口臭が気になり始めた時期や生活習慣、既往歴、服薬状況などを確認します。起床直後と日中の口臭の違い、自己評価のニオイの強さなども丁寧に聞き取り、原因を絞り込んでいきます。

検査

複数の検査を組み合わせ、口臭の原因を多角的に分析します。主な検査は以下のとおりです。
  • 口臭測定器によるVSC測定
  • 官能検査(訓練を受けた専門家がニオイを評価)
  • 唾液検査(唾液の量・粘性・pH・細菌数などの確認)
  • 歯周ポケット測定、歯石の付着状況の確認
  • レントゲン検査によるむし歯の有無・歯周病の進行度の確認

治療計画の立案・実施

検査結果に基づき、治療計画を立てます。例えば、むし歯がある場合はむし歯の治療。歯周病がある場合は歯石除去や歯周ポケットの洗浄などを行います。

再発予防と定期検診

口臭を根本から改善するには、日々のセルフケアの見直しが欠かせません。歯磨きやフロスの使い方、舌ケア、マウスウォッシュの選び方などを歯科で指導してもらうことで、再発リスクを抑えられます。加えて、定期検診で歯石を取り除き、口内状態を継続的にチェックしていくことが重要です。

近年注目されている新しい治療法

口臭の原因菌を効率よく減らす方法として、近年注目されているのが「ブルーラジカル治療」 です。東北大学と国内ベンチャー企業が共同開発した先端的な治療法で、薬剤を歯周ポケット内に入れ、青色LEDを照射することで活性酸素(ラジカル)を発生させ、歯周病やむし歯、口臭の原因となる細菌を 99.99%という高い殺菌率で除去します。

光と薬剤のみで治療が完結するため、メスを使う処置が不要で、治療中の痛みやストレスが少ない点が大きな特徴です。従来の歯周病治療と比べて心身への負担が軽いことから、重度歯周病の患者に対しても導入が広がっています。

口臭対策は口内ケアだけでは不十分

寝起きの口臭は、口の中の状態だけでなく、腸内環境や生活習慣の乱れが起因している場合もあります。そのため、一般的な口内ケアに加えて、体の内側からのケアを意識することも大切です。ここでは、内側から取り組める具体的なケア方法をご紹介します。

「腸活」が口臭改善につながる

腸内環境が乱れると、有害物質やガスが血流を介して全身に巡り、寝起きの口臭を強めることがあります。腸を整えるためには、発酵食品や食物繊維を意識的に取り入れ、善玉菌が働きやすい環境をつくることが大切です。腸内フローラが安定すると、翌朝の不快な口臭の軽減にもつながります。

ストレスと口臭の関係

ストレスや睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、唾液の分泌が低下します。唾液が減ると睡眠中に細菌が増殖しやすくなり、翌朝の口臭が強まりやすくなります。軽い運動や深呼吸、ストレッチなどで心身をリラックスさせる習慣を取り入れることは、良質な睡眠の確保に役立ちます。その結果、口内環境が整い、寝起きの口臭の軽減にもつながっていくでしょう。

まとめ|寝起きの口臭対策は生活習慣の見直しから

寝起きの口臭は、睡眠中の唾液分泌低下や口呼吸など、さまざまな要因が重なって生じます。就寝前の丁寧なオーラルケアや起床後の歯磨き、水分補給、鼻呼吸の習慣づけ、腸活やストレス対策など、生活習慣を見直すことが改善につながります。対策を行っても口臭が続く場合は、病的な原因が潜んでいるかもしれません。早めに歯科医院での検査を検討しましょう。

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