気になる“口のニオイ”、みんなはどうしてる?歯科衛生士が教える正しい口臭対策【歯科衛生士監修】

 気になる“口のニオイ”、みんなはどうしてる?歯科衛生士が教える正しい口臭対策【歯科衛生士監修】

この記事では、みなさんの口臭対策を分析し、歯科衛生士の立場から口臭を防ぐためのポイントを解説します。

               
私たちは日常生活の中で、ふとした瞬間に「自分の口のニオイが気になる」「相手の口臭が気になる」と感じることがあります。

そこで今回、20歳から59歳の男女1,030名を対象に、口臭に関する悩みや、実際に行っている対策についてアンケート調査を実施しました。

「どのくらいの人が口臭を気にしているのか」「実際にどんなケアをしているのか」など、日常のリアルな声をもとに分析します。そして、歯科衛生士の立場から、みなさんが行っている対策に本当に効果があるのか、またより効果的に口臭を防ぐためのポイントについても解説します。

口臭を気にしている人はどれくらいいる?悩みの実態調査

Q:自分の口臭が気になったことがありますか?
Q:他人の口臭が気になったことがありますか?
今回のアンケートでは、自分の口臭を「よく気にする」と答えた人が23.7 %、
他人の口臭では、「よく気になる」と答えた人が22.5 %という結果でした。
どちらも2割を超えており、自分の口臭も、他人の口臭も、気にする人が少なくないことがわかります。

さらに「たまに気になる」まで含めると、自分の口臭は70.4 %、他人の口臭は79.5 %にのぼりました。つまり、10人中7〜8人が口臭に関して何らかの悩みや意識を持っているということです。

近年では自分の口臭にも注意を払う人が増えているようです。その背景には、職場や人間関係における「スメルハラスメント」への意識の高まりや、マスク生活を通じて自分の口臭を実感する機会が増えたことなどが関係していると考えられます。
また、近年は「歯科検診」「口内ケア」「予防歯科」などの意識が高まり、お口の健康と口臭の関係を意識する人が増えてきています。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、2009年には34.1 %だった歯科検診受診率が、2023年には58.8 %に上昇しているというデータがあります。
単なる「ニオイのケア」というだけでなく、「健康のバロメーターとして口臭を捉える」考え方が広がっているのかもしれません。

他人の口臭が気になる場面トップは「会話中」

先のアンケートでは、他人の口臭が気になることがあるかという質問では、「よくある」「たまにある」と答えた人が全体の約8割にのぼりました。

そこで、口臭が気になる場面についてのアンケートを実施したところ、最も多かったのは「相手と会話をしているとき」という結果でした。
やはり会話中は相手と向き合っていることが多く、比較的ダイレクトに口臭を感じやすい状況だといえます。

2位は「電車やバスなどの公共交通機関」でした。
混雑時には人との距離が近くなるうえ、不特定多数の人が利用する環境であるため、食後・飲酒後・喫煙後・ケアが不十分など、さまざまな生活背景を持つ人が集まることで、様々なニオイが集まる環境です。

同じように気になりそうな「オフィスや会議室などの室内」は意外にも上位ではありませんでした。これは、室内では会話をしない時間も多く、ニオイを感じる場面が限定的であるためと考えられます。

興味深いのは、マスクをしている状態でも「口臭を感じる」と答えた人が多かった点です。
マスクをしているのに口臭を感じてしまうという人も多く、自分がしている状況でも相手がしている状況でも口臭をカバーするのは難しいということがわかります。
では、他人に口臭を感じさせないように、実際にどのような対策をしているのでしょうか。

口臭対策、多いのは「歯磨き」&「マウスウォッシュ」

アンケート結果から見えてきた、みんなが実践している口臭ケアの方法と、歯科衛生士の視点から見た効果的な取り入れ方について解説していきます。

日常的な口臭対策

Q:次のうち、日常的に口臭対策の意図を含めて実施していることはありますか?
アンケートで日常的に行っている口臭対策を聞いたところ、
1位は「歯磨き」という結果で73.2%もの人が実践していました。さらに、口臭対策用の歯磨き粉を使用している人も21.1%おり、多くの方が毎日の歯磨きを“口臭ケア”としても取り入れていることがわかります。

では、歯磨きだけで口臭対策は十分なのでしょうか?

実は、歯磨きだけでは口臭の原因となる汚れを十分に落とすことができません。
歯と歯の間・舌の上・歯周ポケット内などにもニオイの原因菌は潜んでいます。

口臭対策を意識した歯磨きでは、
  • 舌ブラシで舌苔を除去する
  • デンタルフロスや歯間ブラシで歯間の汚れを取る
  • 仕上げにマウスウォッシュを行う
など、複数のケアを組み合わせることがポイントです。

また、歯磨き粉を選ぶ際には、殺菌成分が配合されたものを選ぶと、より効果的です。
殺菌成分成分で代表的なものには、歯周病菌に作用するCPC(塩化セチルピリジニウム)・IPMP(イソプロピルメチルフェノール)・CHX(塩酸クロルヘキシジン)などがあげられます。

2位には「マウスウォッシュ」がランクインし、32.6 %の回答となっています。
マウスウォッシュは、「出かける前に使う」という使い方をしている方が多いですが、実は日常的に使うことで、口臭の発生源にアプローチすることができます。
特に、殺菌・抗炎症作用のある成分を含むものは、ニオイの原因となっている細菌を抑える働きが期待できます。
ただし、アルコールが配合されたマウスウォッシュは、人によっては刺激が強く感じられたり、口の乾燥感が出てしまうことがあります。
もともと口が乾きやすい方やドライマウス傾向のある方が長期間使い続けると、かえって口臭が悪化する場合もあるため注意が必要です。


続く3位は歯間ケア(32.1%)、4位はこまめな水分補給(23.5%)となっています。
フロスや歯間ブラシを使った歯間ケアは、歯ブラシだけでは届かない部分のプラーク(歯垢)を除去することができるので、非常に効果的な口臭対策です。

また、水分補給は唾液の分泌を促し、口内の自浄作用を高めて、口臭を防ぐ基本的な習慣といえます。

人と会う前の口臭対策

「人と会う前の口臭対策」でも、日常の対策と変わらず1位は歯磨き(56.8 %)、2位はマウスウォッシュ(28.3%)でした。
日常の対策では無かった「ミントタブレットを口にする」と回答した人が20.8%になることから、外出前など、ニオイを残したくないタイミングで、短時間でできるケアを選ぶ傾向がうかがえます。

このような直前のケアは、一時的なニオイのリセットには有効ですが、根本的な対策にはつながりません。日常的なケア+直前ケアの両方を行うダブル習慣が理想です。

タブレットや飴は効果がある?

自由回答では、口臭対策用のタブレットや飴などを挙げる人が見られました。
これらは一時的に口の中をすっきりさせる効果がありますが、実際には香りでニオイをカバーしているだけのケースがほとんどです。
例えば、ミント系タブレットやガムは口臭の原因そのものを除去するわけではなく、一時的に香料が強く香ることでニオイを感じにくくしている状態となります。

また、砂糖入りの飴を頻繁に舐めると、口内が酸性に傾き、むし歯菌が繁殖しやすくなるリスクもあります。

歯科衛生士の立場から見ると、これらのアイテムはダメではありませんが、これだけに頼るのはおすすめできません。細菌繁殖などのリスクを考えると、頻繁に使用しない方が良いと言えます。人と会う前の緊急時のケアとしては良いですが、口臭の原因になる細菌・食べかすなどの塊である歯垢(プラーク)や舌苔の除去、乾燥対策などのケアを欠かさないことの方が、根本的な対策に重要です。

外出先で「効果を感じた」口臭対策ランキング

日常的に口臭対策をしており、人と会う前に口臭対策をするという方の内、外出先で効果があったと感じることについて回答していただきました。

効果を実感した対策としては
①ガムを噛む:81.1%
②マウスウォッシュ:60.3%
③こまめな水分補給:59.1%
④舌磨き:50.5%
⑤歯磨き:45.1%

という結果になっています。

半数以上の人が効果を実感したのは、ガム・マウスウォッシュ・舌磨きでした。
外出先では時間や設備が限られるため、短時間でできるケアが実感につながりやすいと考えられます。
ガムやマウスウォッシュは、比較的場所を選ばず実施できます。どこでもいつでもサッと使用できるので、即効性を実感する人が多いのではないでしょうか。特に、ガムは唾液の分泌を促すため、口の乾燥を予防することができ、口臭予防におすすめです。
ただし、糖分を含むガムや飴はむし歯リスクを高めるため、「キシリトール配合」のものを選ぶようにしましょう。キシリトール配合のものを選ぶ時には、「ショ糖」や「砂糖」が含まれていない「キシリトール100%」のものを選びましょう。

マウスウォッシュについては、殺菌作用のあるタイプであれば一定の効果がありますが、香料でごまかすタイプを使うとすっきり感だけで終わってしまうケースもあります。
使用後すぐに食事をすると効果が薄れることもありますので、このような特徴を理解しつつ、補助的な対策として使用をするのが良いでしょう。

一方、歯磨きや舌磨きは、非常に効果的な方法ですが、外出先でできない状況にあることも多く、結果的に十分なケアができていないおそれがあります。

今回の調査で、歯磨きで効果を感じた方は半数以下でした。舌磨きの方が比較的短時間で行うことができるため、半数を上回っていたのではないかと考えられます。

歯科衛生士として興味深いのは、ガムの効果実感が81.1%と最も高かった点です。
これは「ニオイを抑える」のではなく、唾液分泌の生理的効果をうまく活かしている結果なのでは無いでしょうか。

逆に、歯磨きでの実感がやや低かったのは、
「効果が出にくい方法」ではなく、「外出先では十分に行えない」という環境的な要因が大きいと考えられます。

口臭を予防するためには、日常的に歯磨きなどにより、十分に口内のケアを行なった上で、ガムやマウスウォッシュなどを使用するのがおすすめです。

口臭が気になったら誰に相談する?

口臭が気になったとき、みなさんはまずどうしていますか?
今回のアンケートでは、最も多かったのは「Web検索(36.2%)」という結果でした。
続いて「歯科医院に相談する(34.4%)」が僅差で2位となりました。
他には「家族や友人」「SNSで聞く/調べる」といった回答も見られました。

Web検索を選ぶ理由としては、「人に相談しにくい」「手軽に情報を得たい」「まずは自分で調べたい」などが考えられます。

確かに、Webで気になる症状を調べれば、すぐに多くの情報を得ることができます。
しかしその一方で、正確性に欠ける情報や、個人の体験談に偏った内容も多いのも事実です。
口臭の原因は、むし歯・歯周病・舌苔・口の乾燥・鼻や喉の疾患・内臓疾患などさまざまで
見た目やセルフチェックだけで判断するのは難しいものです。
誤った情報を鵜呑みにしてしまうと、対策をしても改善しない、逆に悪化するといったケースもあるので注意が必要です。

そのため、Web検索はあくまで基礎知識の確認にとどめ、症状が続く場合は専門家の診察を受けることが大切です。

口臭の原因として、歯科的な問題があるケースも多いです。そのため、多くの歯科医院では口臭について気軽に相談することができます。最近では、口臭外来を運営している歯科医院もあります。

歯科医院では次のような流れで診察を行うことが多いです。
  • 問診・カウンセリング:生活習慣や口臭が気になる時間帯などのヒアリング
  • 口内チェック:プラーク(歯垢)の付着状態、歯ぐきの状態、舌苔、詰め物や被せ物の状態、むし歯の状態の確認
  • 口臭測定器による検査:口臭ガスの成分や強さを客観的に数値化
  • 必要に応じて歯周病治療・虫歯治療・クリーニングなどの実施
口臭は、誰でも起こりうる身近なトラブルです。
ひとりで悩まず、正しい知識と専門的なケアで向き合うことが大切です。
「最近口臭が気になるかも…」と思ったら、自己判断せずに、まずは歯科医院へ相談してみましょう。

歯科衛生士が答える口臭対策Q&A

Q:マウスウォッシュだけで口臭を防げる?
A:一時的なカバーはできますが、恒久的な対策にはなりません。
マウスウォッシュには殺菌成分や消臭成分・香料が含まれており、使用直後はスッキリ感が得られます。およそ30分程度は効果が持続し続けます。
しかし、ニオイの原因となるプラーク(歯垢)や舌苔などの「汚れそのもの」を取り除けるわけではありません。
一時的にニオイを抑えるには有効ですが、根本的な改善にはブラッシングや舌清掃との併用が必要です。

Q:飲食の後、最短で抑えるとしたらどんな方法がありますか?
A:まずは口を潤すようにしましょう。食後に水やお茶を必ず飲むだけでも違います。
すぐできる対策として、ガムを噛んだり、マウスウォッシュを活用したりするのもおすすめです。
食後すぐに歯磨きできない環境では、水で口をゆすいで食べかすを洗い流すことが第一歩です。
その後、ガムを噛んで唾液の分泌を促すと、細菌の繁殖を抑え、ニオイの発生を予防できます。
ミント系タブレットも一時的な口臭カバーには有効ですが、あくまで“緊急対策”として取り入れ、帰宅後にはしっかり口内ケアを行いましょう。

Q:外出時に対策を取りにくいのですが、おすすめの対策はありますか?
A:持ち歩けるケアアイテムを組み合わせましょう。
外出先では、洗面所を使えない・時間がないなどの制約があります。
そんなときにおすすめなのが、「携帯用マウスウォッシュ(使い切りタイプ)」「舌専用シートや口内ふき取りシート」「キシリトールガム」「口臭対策タブレット」です。
それから、乾燥対策として水分補給も行うようにしましょう。

Q:口臭対策をしてもニオイが気になるのはなぜ?
A:口以外に原因がある場合もあります。
口内に汚れが少なくても、鼻や喉の炎症、胃の不調、糖尿病などの全身的な要因で口臭が発生することがあります。
セルフケアをしても改善しない場合は、耳鼻科や内科を受診し、全身の健康チェックをすることも大切です。
また、心理的な要因で口臭が過剰に気になることがあります。心因性口臭と言われます。そのような場合は、心療内科への受診のほか、歯科医院で口内の検査をしてもらうことで、安心でき、症状の改善につながるでしょう。

Q:口臭対策を長続きさせるコツはありますか?
A:完璧を目指さず、できる範囲で続けることが大切です。
歯磨きの回数が少ない場合には、回数を増やせるようにしたり、1日1回だけでも舌のケアをしたりするなど、目標を立ててみましょう。
キシリトールガムを持ち歩くようにするのも良いですね。
歯間ケアのグッズを探しに、ドラッグストアに足を運んで見てはどうでしょうか。
無理なく続けるために、お気に入りのアイテムを見つけることから始めてみましょう。

まとめ

今回のアンケートから、多くの人が自分や他人の口臭を気にし、何らかの対策を行っていることがわかりました。
一方で、歯磨きやマウスウォッシュといった基本的なケアだけでは、「効果を実感できない」と感じる人も少なくありません。
口臭対策で大切なのは、原因に合わせたケアを正しく継続することです。セルフケアで改善しない場合は、歯科医院で専門的なチェックを受けてみましょう。
【アンケート調査情報】
・調査機関:SillHa.com
・調査対象:男女20代~50代 1,022名
・期間:2025/10/27~2025/11/03
・方法:Webアンケート

執筆者:真野 彩乃(歯科衛生士)

約20年にわたり、街の歯科医院や行政機関でさまざまな年代の方の歯の悩みに寄り添ってきました。現在は、歯科衛生士養成専門学校での教育、地域の歯科保健活動に携わりながら、フリーランスとして歯科医療専門のライターとして活動中。

ホームページ:https://www.ayadw.com/

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