【ヘルシーレシピ】ポリグルタミン酸とは?納豆のネバネバ成分の働きや上手な摂り方【管理栄養士監修】

【ヘルシーレシピ】ポリグルタミン酸とは?納豆のネバネバ成分の働きや上手な摂り方【管理栄養士監修】

この記事では、納豆に含まれる「γ-ポリグルタミン酸(γ-PGA)」を中心に、特徴や期待される働きを管理栄養士が解説します。納豆を使った「チーズ入り納豆とろろ焼き」のレシピもご紹介します。

               
ポリグルタミン酸は、納豆のネバネバを作る成分です。カルシウムの吸収や食後の血糖値など、健康との関わりが研究されています。この記事では、γ-ポリグルタミン酸の働きや上手な摂り方、簡単レシピをご紹介します。

ポリグルタミン酸を含む納豆を使った「チーズ入り納豆とろろ焼き」のレシピ

ポリグルタミン酸を含む納豆を使った「チーズ入り納豆とろろ焼き」のレシピをご紹介します。

納豆とすりおろした長芋、チーズなどの材料を混ぜて焼くだけで手軽に作れ、おかずの一品やおつまみにもぴったりです。

納豆にはγ-ポリグルタミン酸のほか、タンパク質やカルシウム、食物繊維などが含まれています。さらにチーズや長芋を組み合わせ、カルシウムや食物繊維も補えるようにしています。

歯や骨の形成に欠かせないカルシウムも補給できる、栄養面でもうれしいレシピです。

<材料>(2人分)調理時間:15分

  • 納豆:2パック
  • 長芋:100 g
  • ピザ用チーズ:20 g
  • 薄力粉:大さじ2
  • 納豆の付属のたれ:1袋
  • 塩:少々
  • ごま油:適量
  • 酢じょうゆ(お好みで):適量

<作り方>

  1. 長芋はすりおろします。
  2. ボウルに納豆、長芋、ピザ用チーズ、薄力粉、付属のたれ、塩を入れてよく混ぜます。
  3. フライパンにごま油を入れ中火で熱し、2をスプーンで一口大に落とします。
  4. 片面2〜3分焼き、上下を返して1〜2分焼きます。器に盛り、お好みで酢じょうゆを添えます。

<ポイント>

生地は小さめに落とし、焼き色がしっかりついてから上下を返すと、形が崩れにくくなります。

ポリグルタミン酸の特徴

ポリグルタミン酸(PGA)は、アミノ酸の一種であるグルタミン酸が多数つながった成分です。

納豆に含まれるのは「γ-ポリグルタミン酸(γ-PGA)」で、納豆菌が大豆を発酵させる過程で作られます。納豆のネバネバを構成する、主な成分のひとつです。

γ-ポリグルタミン酸は、カルシウムを溶けやすい状態に保つ働きや、食後の血糖値上昇との関係など、健康へのさまざまな影響が研究されています。

ポリグルタミン酸に期待されている働き

γ-ポリグルタミン酸について、期待されている働きを詳しく見ていきましょう。

カルシウムの吸収を助ける

γ-ポリグルタミン酸には、カルシウムの吸収を助ける働きが期待されています。

カルシウムは骨や歯の形成に欠かせないミネラルで、腸内で溶けた状態になることで吸収されやすくなります。

γ-ポリグルタミン酸には、腸内でカルシウムを溶けやすい状態に保ち、吸収を助ける可能性があると考えられています(※1)。

食後血糖値の上昇との関係

γ-ポリグルタミン酸には、食後の血糖値の上昇を穏やかにする働きが期待されています。

γ-ポリグルタミン酸を多く含む納豆を用いた研究では、食後早期の血糖値上昇が抑えられたと報告されました(※2)。

この働きには、γ-ポリグルタミン酸の粘り気が関係していると考えられています。食べ物の粘度が高まることで、胃から腸への移動や糖質の吸収が緩やかになった可能性があるためです。

ただし、詳しい仕組みについては、今後さらに研究が必要とされています。

ポリグルタミン酸と口や歯の健康との関係は?

γ-ポリグルタミン酸は、歯を酸から守る働きについても研究されています。

歯は酸によってミネラルが溶け出す「脱灰(だっかい)」と、唾液の働きでミネラルが戻る「再石灰化(さいせっかいか)」を繰り返しています。歯の健康を保つには、この2つのバランスが大切です。

γ-ポリグルタミン酸を歯の表面に直接使った実験では、ミネラルが溶け出すのを抑える可能性が報告されています(※3)。また、再石灰化を助ける素材としても研究が進められています。

ただし、これらは歯に直接作用させた実験であり、納豆を食べることでむし歯を予防できると確認されたわけではありません。

歯の健康を守るためには、バランスの良い食事とともに、毎日の歯磨きや定期的な歯科受診を心掛けましょう。
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ポリグルタミン酸の1日の摂取量の目安はある?

ポリグルタミン酸は、健康を維持するために必ず摂る必要はなく、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも推奨量や目安量、耐容上限量は設定されていない成分です。

なお、先ほど紹介した食後血糖値に関する研究では、γ-ポリグルタミン酸を439.6 mg含む納豆40 gが使われました(※2)。ただし、この439.6 mgは研究で使用された量であり、毎日摂るべき量を示したものではありません。

γ-ポリグルタミン酸の量だけにこだわらず、納豆を日々の食事に取り入れ、さまざまな栄養素をバランス良く摂ることを意識しましょう。

ポリグルタミン酸はどのような食べ物に含まれる?

γ-ポリグルタミン酸を含む代表的な食品は納豆です。

納豆は蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させた食品で、発酵が進む過程でγ-ポリグルタミン酸が作られ、独特のネバネバとした食感が生まれます。

市販の納豆34点を分析した1995年の研究では、γ-ポリグルタミン酸の含有量は、納豆100 gあたり平均328 mgと報告されています(※4)。40 g入りの納豆1パックでは、約131 mgとなる計算です。

ただし、含有量は納豆菌の種類や製造条件などによって異なるため、あくまで目安として考えましょう。

また、納豆以外には、韓国の大豆発酵食品である「チョングッチャン」のほか、ネパールの豆発酵食品である「キネマ」といった発酵食品に、γ-ポリグルタミン酸が含まれています。

ポリグルタミン酸を上手に取り入れるポイント

納豆には、カルシウムの吸収を助ける働きが期待されるγ-ポリグルタミン酸に加え、100 gあたり90 mgのカルシウムも含まれています。両方を一緒に摂れる点も、納豆の魅力です。

さらに、しらすやチーズ、小松菜などのカルシウムを含む食材と組み合わせると、食事から摂れるカルシウムを増やせます。

また、納豆は加熱すると粘り気が弱くなるため、加熱せずに食べた方が良いのか気になる方もいるでしょう。

しかし、家庭での加熱調理によって、γ-ポリグルタミン酸がどの程度変化するのかは、まだ十分に明らかになっていないのが現状です。

納豆は加熱するかどうかにこだわらず、好みの食べ方で楽しみながら取り入れましょう。

納豆を毎日の食事に取り入れよう

γ-ポリグルタミン酸は、納豆のネバネバを構成する成分のひとつです。カルシウムの吸収や食後血糖値との関係が研究されており、歯を酸から守る素材としても期待されています。

ただし、健康への働きには研究段階の部分もあり、納豆を食べるだけで特定の効果が得られると確認されているわけではありません。

納豆には、タンパク質や食物繊維、カルシウムなどの栄養素も含まれています。今回紹介したレシピも参考にしながら、毎日の食事に取り入れてみましょう。

【参考】
※1:谷本浩之ら,ポリグルタミン酸配合カルシウムサプリメントのヒトカルシウム吸収促進効果,日本農芸化学会誌 2003;77(5):504–507.
※2:Risa Araki, Takeshi Yamada, Kazushi Maruo, Akihiro Araki, Rena Miyakawa, Hiroaki Suzuki, Koichi Hashimoto,"Gamma-Polyglutamic Acid-Rich Natto Suppresses Postprandial Blood Glucose Response in the Early Phase after Meals: A Randomized Crossover Study”Nutrients. 2020 Aug 8;12(8):2374.
※3:Zeeshan Qamar, Zubaidah Binti Haji Abdul Rahim, Gan Seng Neon, Hooi Pin Chew, Tayyaba Zeeshan,"Effectiveness of poly-γ-glutamic acid in maintaining enamel integrity”,Arch Oral Biol. 2019 Oct:106:104482.
※4:Akishige KANNO and Haruki TAKAMATSU,Studies on “Natto” Part V. Determination of γ-Polyglutamic Acid in “Natto” Using Cetyltrimethylammonium Bromide.,Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology .1995;42(11):878–886.

執筆者:広田千尋さん(管理栄養士)

病院、保育園、保健センターで13年にわたり幅広い年代の栄養サポートに携わる。
現在はフリーランスの管理栄養士として、コラム執筆のほか、身近にある材料で栄養満点なレシピの提案などを行っている。
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