正しい歯ブラシの選び方。子どもの年代別から大人用、歯の矯正中の人まで

正しい歯ブラシの選び方。子どもの年代別から大人用、歯の矯正中の人まで

毎日の当たり前の習慣とも言える歯磨き。しかし、歯ブラシの種類が多くて選び方に迷ったり、何を基準に選んで良いのか分からなかったりしますよね。清潔な口内環境を保つためには、自分に合った歯ブラシを使い、正しいケアを行うことが大切です。この記事では歯ブラシの種類や選び方、仕上げ磨きのポイントを紹介します。

               

歯ブラシの種類

歯ブラシは口の中を清潔に保つために欠かせないもの。馴染みのある手動ブラシや電動ブラシ、タフトブラシなどさまざまな種類が発売されています。まず初めに、それぞれの特徴を知っていきましょう。

手動ブラシ

手動ブラシは、自分の手を動かしながら歯を磨く歯ブラシのこと。リーズナブルで、薬局やスーパーなどで気軽に手に入れやすいのが特徴です。磨き残しや力加減など取り扱いに少し難しさはありますが、自分に合う製品と正しい磨き方を見つけられた時は、コスパが高いと感じられるはずです。

電動ブラシ

電動ブラシは手動ブラシと比べると高価ですが、手動ブラシでは落としづらい歯垢を比較的簡単に、かつ短時間で落とせます。また、磨き残しに個人差が出にくいところもポイント。しかし、自分に合っていないものを使うと歯ぐきを傷つけてしまう恐れがあります。電動ブラシの使用が心配な人には、力が強すぎると止まったり、光ったりして教えてくれるタイプがおすすめです。

タフトブラシ

タフトブラシとは、奥歯のうしろや歯と歯の間を磨くのに適したブラシのこと。ブラシが筆のようにまとまっているので、歯ブラシが届きにくい場所も磨きやすいですよ。

小回りが利くので、歯並びに悩みがある人、抜けた歯がある人、矯正中の人、かぶせ物をしている人などに適しています。また、磨き残しが気になる人にもおすすめです。

歯ブラシの選び方に関する4つのポイント

歯ブラシを選ぶ際は、大切にしてほしいポイントが4点あります。どんなポイントがあるのか1つずつチェックしていきましょう。

1.ヘッドの大きさ

歯ブラシのヘッド部分は小さめがおすすめです。ヘッドが大きすぎると正しく磨けず、汚れが残りがちに。リスクを少なくするためにも、歯の隙間までキレイに磨ける小さいヘッドの歯ブラシを選んでみてくださいね。

2.ブラシの毛の硬さ

毛の硬さは、基本的に「やわらかめ」「普通」「かため」の3種類に分けられます。発売元や製品によって硬さに差はありますが、歯ぐきが弱い人や炎症のある人には「やわらかめ」がおすすめです。どんな人でも使いやすいのは「普通」タイプ。「かため」の歯ブラシは歯垢を落としやすいメリットはありますが、歯や歯ぐきを傷つけてしまうリスクがあります。

3.ブラシの形状

歯ブラシの毛先の形状は、主に「平ら」と「山型」の2種類です。平らなブラシは歯に均等に当てられるので、バランス良く歯垢が落とせる特徴があり、歯並びが良い人に向いています。一方の山型のブラシは、歯にフィットしやすく歯間も磨きやすいのがポイント。歯並びが複雑な人には山型がおすすめです。

4.持ち手の形

歯ブラシの持ち手は、握る時と磨く時の力の強さで選ぶと良いでしょう。歯ブラシを握る手に力が入ってしまう人、強い力で歯磨きをしてしまう人には、真っ直ぐ(フラット)で細めの持ち手が適しています。

高齢者や子どもなど、歯ブラシを握る手に力が入らない人は、太めの持ち手を選ぶと磨きやすいですよ。実際にいくつか使用してみて、握ってみた時に使いやすいものを選ぶことが大切です。

子どもの歯ブラシの選び方

子ども用の歯ブラシは乳児期、幼児期、児童期によって選び方を変えることが大切です。こちらでは、それぞれの選び方を紹介します。

乳児期(0歳〜2歳)

乳児期は、歯ブラシに慣れさせるところから始めます。子どもが使いやすいように、持ち手は握りやすい「まっすぐで太め」を選ぶのがポイント。万が一の時に備えて、歯ブラシが喉にささらないような、持ち手部分が曲がるタイプを選ぶと良いでしょう。

歯磨きは突然始めると嫌だと感じる子どもが多いので、まずは口に触れるなどのスキンシップから始めてみてくださいね。子どもが1〜2歳になったら歯ブラシを持たせ、歯磨きの習慣を身につけさせていきましょう。

幼児期(3歳〜5歳)

幼児期はまだ手が小さいので、手にフィットする持ち手の歯ブラシを選びましょう。毛の硬さは、しっかりと磨ける「普通」タイプが適しています。ブラシの毛の形状は、バランス良く磨ける「平ら」がおすすめ。

幼児期は、乳児期よりもひと回り大きいヘッドの歯ブラシの方が磨きやすいです。この時期はブラシの毛を噛んでしまう子が多く、毛先がすぐに広がってしまうことも。こまめにチェックして、毛先が広がっていれば交換してあげてくださいね。

子どもの歯は、3歳を目安に奥歯まで生え揃うとされています。子どもの歯を守るためにも、仕上げ磨き用の歯ブラシも用意し、保護者が仕上げ磨きをしてあげることが大事です。

児童期(6歳〜12歳)

児童期は乳歯から永久歯に生え変わり、むし歯のリスクが高まる重要な時期です。そのため、ブラシの持ち手が真っ直ぐで、むし歯になりやすい奥歯までしっかり届く長さの歯ブラシを選びましょう。

磨き残しを少なくするために、ヘッドは小回りが効く小さめを選ぶのがポイント。また、ヘッドが薄いタイプにすると奥歯の奥までブラシが入り、隅々までしっかり磨けます。「奥までしっかり磨けた?」と声かけして、子どもの磨き残しを予防してくださいね。

大人や矯正中の人向け歯ブラシの選び方

歯ブラシの選び方は子どもと大人で異なります。続いては、大人の歯ブラシの選び方と併せて、矯正中の人向けの選び方も紹介します。

大人

大人は自分が使いやすい歯ブラシを悩みや目的に合わせて選ぶと良いでしょう。むし歯を予防したい人には毛の硬さは「普通」、ヘッドは小さめ(上顎の前歯2本分が目安)の歯ブラシが適しています。

歯周病を予防したい人には、毛の硬さは「やわらかめ」、毛先のタイプは「細め」の歯ブラシがおすすめです。もしも歯ぐきが腫れている場合は、毛先の硬さは「やわらかめ」、毛先の形は毛の先端が3本に分かれている「3本毛」のタイプを選ぶと良いでしょう。歯周病は歯ぐきが腫れて起こる場合もあるため、歯磨きで歯ぐきを傷つけないよう注意が必要です。

高齢者

高齢者は年齢を重ねるごとに唾液の量が減り、歯ぐきや歯は弱くなるので、毛の硬さは「やわらかめ」、毛先のタイプは「細め」がおすすめ。手動の歯ブラシを使った歯磨きの他、超音波を始めとする電動歯ブラシの使用を検討してみてください。

矯正中の人

矯正中の人は、ワイヤーやブラケットが邪魔で歯を上手に磨けないことがあります。そのため、手動の歯ブラシを使用する場合は、狭い隙間にも入り込める「先端極細毛」がおすすめです。

メーカーによっては矯正器具のブラケット周りと、ワイヤーの下部分を磨きやすい「屋根形カット」の歯ブラシや、毛先がワイヤーの下にしっかり届くよう、毛先の中央が短くなった歯ブラシなどを販売しています。矯正中の人向け歯ブラシは、歯科医院の他にネット通販でも購入可能です。隅々までキレイにできるよう、歯間ブラシやタフトブラシも併用してみてくださいね。

仕上げ磨きに適した歯ブラシの選び方とポイント

子どもが小さいうちは、お母さんが仕上げ磨きをしてあげましょう。小学校に上がるタイミングでやめてしまう人も多いですが、9歳くらいまでやってあげる、もしくは子どもの歯磨きを見守るのが理想です。最後に、仕上げ磨きに適した歯ブラシの選び方やポイントを紹介します。

仕上げ磨きの歯ブラシの選び方

仕上げ磨きをする時の歯ブラシは、大人が持ち手をペングリップで持てて、奥歯まで届く長さのあるものがおすすめです。ペングリップとは、鉛筆と同じように歯ブラシを握る方法のこと。持ち手が丸みを帯びたタイプが、ペングリップに向いています。さらに、薄くて超コンパクトなヘッドなら、子どもの小さい口と歯でも磨きやすいですよ。

子どもの口を傷つけないように、毛の硬さは「やわらかめ」を選んでくださいね。毛の形状は「平切カット」を選び、均等に磨いてください。

歯ブラシとデンタルフロスを併用する

子どもの成長とともに、歯同士の間隔は狭くなっていきます。歯間はブラシが入りづらく、むし歯になるリスクが高まります。仕上げ磨きの最後にデンタルフロスで掃除してあげると、口の中がよりキレイな状態になりますよ。

歯ブラシの選び方はライフステージに応じて変えることが大切

子どもは年齢、大人はライフステージに応じて歯ブラシの選び方を変えることで、家族の口内環境はより良いものとなります。ヘッドの大きさや毛の硬さ、手動や電動など、さまざまなポイントを押さえた上で家族にぴったりな歯ブラシを見つけてくださいね。子どもと大人で歯ブラシの選び方を変えて、家族みんなの口内環境を整えましょう。

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