舌ブラシの効果的な使い方を解説 使用時の注意点や選び方も紹介【歯科医師監修】

舌ブラシの効果的な使い方を解説 使用時の注意点や選び方も紹介【歯科医師監修】

(2022年5月18日更新)
【歯科医師監修】
舌の表面についた白い汚れを落とすには「舌ブラシ」を使うのが有効ですが、「汚れが取れない」「効果が感じられない」と思っている方は、使い方を見直してみる必要があるかもしれません。この記事では、舌ブラシの効果的な使い方や使う際の注意点、選び方まで紹介します。

               

舌磨きの必要性

舌の表面は舌乳頭(ぜつにゅうとう)という細かい突起の密集により、デコボコしています。ここに食べかすや、口内ではがれた粘膜が溜まって、細菌のすみかになります。これらが集まると舌苔(ぜったい)という舌に付着した白い汚れになるのです。

舌苔は、ストレスや体調不良によって口内が乾燥して唾液量が減少すると増加する傾向があります。舌苔を除去しないと口臭が強まり、さらに蓄積すると味覚障害になる恐れもあります。舌苔は、うがいや歯磨きだけでは落としきれないので舌磨きが必要です。

舌苔は凹凸の深い部分に溜まっているため、歯ブラシでは汚れを落としきれません。例えるなら、ほうきで絨毯を掃いているような状態と言えます。そこで、舌ブラシが必要になるのです。また、力を入れすぎてしまい、傷をつけてしまう可能性もあります。

舌ブラシの効果的な使い方・手順

舌ブラシは正しく使わないと逆効果になることもあります。また喉の奥の方まで入れるため、嘔吐反射が出てしまうケースも多いです。ここでは舌ブラシの効果的な使い方・手順を解説します。

①鏡を見ながら行う

舌ブラシが舌苔の部分にきちんとあたっているか、鏡で確認しながら行いましょう。このとき、舌に傷などの異常がある場合は舌磨きを控えてください。

②舌をしっかりと前に出す

舌ブラシを喉の奥まで入れすぎると、嘔吐反射が起こります。舌を思い切り前に出したり、数秒間息を止めたりして舌を磨くと、嘔吐反射を防げます。

③「奥から手前」の方向にブラシを動かす

舌ブラシは奥から手前の方向へ動かしてください。反対に手前から奥にブラシを動かすと、舌苔に含まれている細菌を喉の奥へと送り込みかねません。
ゴシゴシとこするのではなく、軽い力で磨くのがポイントです。

④口をゆすぐ

ブラッシングをしたら、食べかすなどの汚れが口の中に残らないよう、しっかりと口をゆすぎます。

舌ブラシを使うときの注意点

軽い力で磨く

舌はとてもデリケートなので、強い力で磨いてはいけません。舌を傷つけると、味覚障害になることもあります。また過剰な舌磨きで口内が乾燥することで、舌苔が常態化する恐れもあります。毎日小さな傷がつき、刺激され続けた舌の細胞はがん化する可能性もあるようです。くれぐれも、軽い力で優しく磨きましょう

継続して行う

長い時間をかけて蓄積した舌苔は、舌ブラシで一度磨いただけでは落とせません。毎日ケアを続けることで次第に落ちやすくなるので、根気よく続けましょう。

使用頻度は起床時に1日1回でOK

舌ブラシの使用頻度は、基本的に1日1回で構いません。舌はデリケートなため、やりすぎは禁物です。舌を傷つけないためにも、1日に何回も舌を磨くのは控えましょう。
舌磨きのベストなタイミングは起床時です。就寝中は唾液量が減少するため、起床時は1日の中で最も舌苔量が多くなります。毎日継続して舌磨きを行い、舌苔を落としていきましょう。

舌ブラシの交換タイミングは1カ月程度

舌ブラシのタイプにもよりますが、ブラシタイプであれば1カ月程度を交換の目安にしましょう。ただし、1カ月未満でも、ブラシの毛が抜けたり、毛が広がってきたりした場合すぐに交換しましょう。
舌ブラシを交換せずに使い続けると、清掃効率が落ちた状態で舌を磨き続けることになるので、本来の効果が得られにくくなります。衛生的にも良いとは言えないので、適宜買い替えましょう。

舌ブラシの選び方

舌ブラシにはブラシやヘラ、上記画像のスクレーパーなどの形状があり、素材や長さ、持ち手なども種類によって異なります。ここでは舌ブラシの選び方を解説します。

①形状

初めて舌磨きをする人や、舌に入り込んだ細かい汚れを掻き出したい人にはブラシタイプがおすすめです。毛先が硬いと、舌を磨いているときに傷をつけてしまう恐れがあるため、毛先がやわらかいものを選んでください。


できるだけ舌に刺激を与えたくない人は、舌を撫でながら汚れを掻き出せるヘラタイプがおすすめです。

広範囲にわたって効率良く汚れを落としたい人は、両手で使う形状のスクレーパータイプを選んでみてください。

スクレーパータイプの使い方は下記のとおりです。
1. 両端を手にもつ
2. 口を開け舌を大きく出す
3. 舌の奥から手前にやさしく滑らせる(何度か繰り返す)
4. 口をゆすぐ

②素材

素材は、ソフトな感覚で舌をケアできるシリコン素材が良いでしょう。舌を傷つけにくいので初心者にもおすすめです。ただし、シリコン素材は耐久性が低いため、定期的に交換をする必要があります。
金属製のものは、耐久性も高く、長く使用できます。一方で、舌に金属を当てる感覚が苦手な人には使いにくいかもしれません。

③長さ

舌磨きは、舌の奥の汚れや雑菌もしっかりとかき出す必要があります。舌の奥の方まで届くよう、一般的な歯ブラシと同じくらいの長さのものを選びましょう。

④持ち手

ブラシ型やヘラ型の場合、持ち手は、必ずしなるものを選んでください。そのほうが舌を磨きやすく、また嘔吐反射を防ぐ効果もあります。

舌ジェルの併用について

口内が乾燥しやすい人や、口臭が強い人舌ジェルを使って磨くのがおすすめです。舌ジェルを使う場合、ジェルを舌表面に広げやすいブラシタイプが良いでしょう。

舌ブラシの効果を唾液検査でチェック

舌ブラシは舌に付着した舌苔をケアするアイテムです。誤った使い方をすると、舌苔内の細菌を体内に送り込んでしまったり、嘔吐反射が出たりすることもあります。舌ブラシを正しく使い、口内環境の改善につなげましょう。

唾液検査「シルハ」で口内環境をチェックしよう

舌ブラシが正しく使えているかどうかが気になったり、舌のトラブルがあった場合などは、歯科医院を受診してみましょう。その際は、お口を10秒すすぐだけで口内環境を見える化できる「SillHa」(シルハ)を試してみるのがおすすめです。
むし歯菌の活性度や、歯を溶かす酸の強さがわかる酸性度、酸に対する防御力の緩衝能、口内の炎症がわかる白血球、タンパク質の量、口内清潔度の指標となるアンモニアの6項目を検査・測定できます。
アンモニアの数値が高いと、舌の汚れが落としきれていないかもしれません。
下記サイトから、かかりつけの歯科医院でシルハが導入されているかチェックができます。サイトに記載がない医療機関でもシルハを導入している場合があるので、「シルハの唾液検査は利用できますか? 」と聞いてみてくださいね。

監修歯科医師:吉竹 啓介 先生

東京都中央区京橋駅直結の「京橋 銀座みらい歯科」院長。
2010年神奈川歯科大学 卒業。2014年に医療法人社団港成会 理事に就任し、同年にせたがや歯科室を開設。2020年に京橋 銀座みらい歯科を開設し、翌年移転・名称変更。現在は京橋 銀座みらい歯科として東京スクエアガーデン2Fで診療を行っている。


京橋 銀座みらい歯科さんのホームページはこちら
https://www.miraishika-ginzain.tokyo/




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