口の中をやけどしたら?すぐできる応急処置と早く治すための対処法、症状を紹介【歯科医師監修】

口の中をやけどしたら?すぐできる応急処置と早く治すための対処法、症状を紹介【歯科医師監修】

(2024年2月24日更新)
【歯科医師監修】
熱い物を飲んだり食べたりして、口の中をやけどしたときに【すぐできること】と【早く治すには】についてご紹介します。口の中をやけどをすると、痛みや皮がむける、水ぶくれなどの症状が出ます。口の中が回復しきっていないときに皮がむけた天井を舌や指で触ったり、皮をむいたりして患部を刺激してしまうと、症状が悪化したり、治りにくくなったりする場合があるため、やけどした後は注意が必要です。この記事では、対処法の他にも控えておくべき食べ物・おすすめの食べ物について解説します。

               

【すぐにできること】口の中をやけどした時の応急処置

やけどをした際の応急処置としては、患部を冷やすことが最優先です。口の中をやけどした際の応急処置についてご紹介します。

冷たい水でゆすぐ

まずは、やけどした箇所の熱を逃がすことが重要です。口に冷たい水をふくんで、ゆすぐのを何回か繰り返しましょう。
繰り返しゆすぐことで、口内を冷やすだけでなく口内の細菌を排出することにもなります。そのため、患部に細菌が付着するのを抑えることにもつながります。

氷を口に含む

口を一通りゆすいだら、氷を口に含むと良いでしょう。患部を冷却することで、腫れを抑えます
<SillHa.com編集部メモ>
氷で口のなかを冷やすときは、水で氷を少し湿らしてから口に含むようにしましょう。
冷凍庫から出した氷を直に口に入れようとすると、皮膚に張り付いて思わぬ怪我の元となります。

【早く治すには】やけどが治るまでの対処法

口内のやけどは、症状にもよりますが、治るまでに数日かかります。その間は、「患部を刺激しない」ことが重要です。ここからは、やけどした箇所の症状が悪化しないために、具体的にどうするべきかをご紹介します。

患部を刺激しない

患部を指や舌で触ったり、剥がれかけた皮を無理に引っ張ったりすると、そこから細菌が入り、症状が悪化することがあります。患部が気になっても、刺激を与えることはやめましょう
タバコやアルコールも口内を刺激します。やけどが治っていない間は控えましょう

毎食後に歯磨きをする

口内に悪い細菌が繁殖していると、患部に細菌が付着して、水ぶくれや口内炎になり、治るまでに余計に時間がかかってしまうおそれがあります。毎食後の歯磨きは、欠かさずするようにしましょう。
その際、患部に歯ブラシが当たると傷つき悪化してしまう場合があります。患部を歯ブラシでゴシゴシとこすらないようにしましょう。

はちみつをなめる

スプーン1杯のはちみつをなめることも、やけどに効果的です。はちみつには、粘膜や皮膚の再生を助けるビタミンB群が多く含まれています。抗菌作用もあるため、口内細菌から傷口を保護する効果が期待できます。食事の際など、1日3回程度が摂取の目安です。
また、はちみつなどの甘いものを舐めると、鎮静作用のある「エンドルフィン」というホルモンが分泌されるため、やけどによる痛みを軽減できます。さらに、はちみつには粘性があるため、舐めることで傷口が保護・保湿され、やけどの痛みが和らぐことにもつながります。
ただし、患部に直接はちみつを塗るのは、患部を刺激して悪化する可能性があるため控えましょう

※はちみつは生後1歳未満の乳児には与えないでください。乳児ボツリヌス症を発症する恐れがあります。
乳児ボツリヌス症について、詳しくは消費者庁の「ハチミツによる乳児のボツリヌス症」でご確認ください。

市販の鎮痛薬を使用する

痛みが辛い時には、市販の鎮痛薬を使用する方法もあります。塗り薬でも飲み薬でもどちらでも構いませんが、塗り薬の方が即効性に優れています
また、患部に細菌が入って炎症が起きないように、殺菌・消毒効果のあるうがい薬でうがいをするのもいいでしょう。

症状が改善しない場合は歯科か耳鼻科を受診する

口の中のやけどは、通常であれば2週間以内に治まりますが、それ以上長引く場合は歯科か耳鼻科を受診しましょう。そのまま放置していると、患部に細菌が入り口内炎ができやすくなるなど、悪化してしまうおそれがあります。市販の鎮痛薬が合っていない場合も、自分で判断せずに、医療機関に相談してみるといいでしょう。

口の中のやけどの症状

口の中をやけどすると、口内のヒリつきを感じたり、粘膜の皮が剥けたり、水ぶくれになったりします。どの症状も基本的には2週間ほどで治ります。どのような症状が出るのかを確認しましょう。

口内がヒリヒリする

口の中がやけどすると、その箇所がヒリヒリとして痛み赤く腫れることもあります。

粘膜の皮が剥ける

口内の粘膜が傷つくと、表面の皮が剥けたりはがれたりすることがあります。

水ぶくれや口内炎ができる

口内の粘膜が傷ついて粘膜の下に体液が溜まると、水ぶくれができます。

口の中ならではのやけどの症状

口の中をやけどすると、身体の他の場所をやけどした場合とは異なる特有の症状が出てしまう場合があります。次に、口の中ならではの症状について解説します。

口内炎になる

やけどした箇所で細菌が繁殖したり刺激が加わったりすると口内炎になることもあります。

味を感じにくくなる

舌をやけどすると、舌の表面にある味を感じ取る部分が傷ついてしまい、味覚が鈍くなることがあります。
舌のやけどに関しては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

口の中をやけどしているときの食べ物

口内がヒリついたり、腫れたりしているときは、食べ物で患部を刺激してしまうと治りにくくしてしまうおそれがあります。ここでは、口内をやけどしている際に控えるべき食材と、やけどをしている時におすすめの食材をご紹介します。

控えておくべき食べ物

刺激の強い食べ物は控えましょう。
例:唐辛子やわさび、からし、山椒、マスタード、スパイスなどの辛みのあるもの
  レモンや梅干し、酢などの酸味があるもの

そのほかに、硬いもの熱いものも避けたほうがいいでしょう。

おすすめの食べ物

粘膜や皮膚の再生に効果的な、ビタミンB群が豊富な食べ物を摂取するといいでしょう。ビタミンB群は水溶性で、すぐに体外に排出されてしまうため、こまめに摂取するのが効果的です。
例:ヨーグルト、きのこ、豆

また、やけどの症状がある間は、やわらかく口当たりのいい食べ物、ジュレ状のものやとろみのあるものなど、刺激が少なく食べられるものがいいでしょう。
例:ゼリー、プリン、豆腐

口の中のやけど 応急処置と対処法まとめ

口の中をやけどして病院に行けるまでの間は、まずは応急処置を行いましょう。患部の冷却と、細菌による炎症予防のためにうがいをし、必要であれば市販薬のうがい薬でうがいをするのもおすすめです。通常のやけどは2週間程度で治りますが、口の中にヒリつきが残っている間は、食事は滑らかな口当たりのものを選び、辛みや酸味といった刺激の強い食材は避けましょう。

唾液検査「シルハ」で口内環境をチェックしよう

口内をやけどして歯科医院を受診する際には、水で10秒すすぐだけで口内環境を見える化できる唾液検査シルハも検討してみてください。
むし歯菌の活性度や、歯を溶かす酸の強さがわかる酸性度、酸に対する防御力の緩衝能、口内の炎症がわかる白血球タンパク質の量、口内清潔度の指標となるアンモニアの6項目を検査・測定できます。

下記サイトから、かかりつけの歯科医院でシルハが導入されているかどうか確認することができます
サイトに記載がない医療機関でもシルハを導入している場合があるので、「唾液検査のシルハは利用できますか? 」と聞いてみてくださいね。

ひぐち歯科クリニック 樋口 均也先生

ひぐち 歯 科 クリニック院長。大阪大学歯学部を卒業。インターネット医科大学口腔内科教授。歯科治療に対する患者様の不安や恐怖心を緩和するため「痛みのコントロール」を徹底し、安全性を最重視した無痛治療を行っている。

ひぐち 歯 科 クリニックさんのホームページはこちら
https://higuchidc.com/

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