秋バテとは?夏バテとの違いや秋バテに効く食べ物を紹介

秋バテとは?夏バテとの違いや秋バテに効く食べ物を紹介

(2023年8月31日公開)
熱い夏を乗り越え食欲の秋を迎えても、夏の疲れが取れず、食欲もわかない経験をされたことはないでしょうか。それは「秋バテ」かもしれません。
季節の変わり目で体調を崩すことは知られていますが、秋バテを意識して予防する方は多くいません。秋バテの症状が出ている場合、体力回復に向けた対策をする必要があります。
食欲の秋を存分に楽しむために、夏を乗り越えたあとも元気でいられる体づくりを目指しましょう。本記事では、秋バテと夏バテとの違いと、秋バテの予防・対策法 について解説します。

               

秋バテとは?

自律神経が乱れることで、食欲減退や疲労など、身体がだるく感じる症状の続く状況が秋バテです。自律神経の乱れは、生活習慣や食生活、外気の寒暖差などにより自律神経が刺激を受けることが原因です。
夏バテは対策に取り組む方は多いため、夏はなんとか乗り切ることができます。一方で、気が抜けた秋頃になって夏に蓄積されたダメージが秋バテとして出てきます。

夏バテとの違い

夏は特に身体の異変を感じなかったのに、秋になるとバテる症状が出る方もいます。夏バテと秋バテに違いがありそうですが、夏バテも秋バテも原因は同じです。食生活や環境の変化がもたらす自律神経の乱れによって、特有の症状に悩まされます。夏バテも秋バテも冷たいものの摂りすぎや体を冷やす環境に長くいることで体へのダメージが徐々に蓄積され、忘れた頃にだるさとして現れるのです。

秋バテの主な症状

秋バテによって現れる主な症状は以下のとおりです。リストにあてはまる症状に心当たりがある場合、秋バテの疑いがあります。

・    食欲がない 
・    疲れが取れない
・    立ちくらみやめまいが起こる
食欲の秋なのに食べたい気持ちが溢れてこない、食欲がないのは秋バテの代表的な症状です。少ない食事量でも胃のもたれを感じる場合は自律神経が乱れている証拠です。涼しさを感じられるようになったものの、朝起きるのがつらい、疲れが取れないのも秋バテの特徴のひとつです。
疲れがとれないと、家事や仕事に身が入らない事態になります。食欲が減退し活発な日常生活を送れていないことに加え、立ちくらみやめまいが起こるケースもあります。明らかに体調が良くないと感じる場合は無理をしないことが大切です。

秋バテが起こる原因

夏のダメージや気温の変化などが秋バテの原因です。

夏のダメージによる影響

夏の暑さを耐えるためにしていたことが体にダメージを与えている場合があります。
たとえば、冷たいものの取り過ぎです。冷たいものを取り過ぎると、胃酸が薄まってうまく食べ物を消化できなくなります。すると、食欲が減退してしまったりお腹を壊してしまったりすることがあります。また、夏場に冷たいものを取り過ぎて自律神経が乱れるといったケースがあります。
冷房環境による自律神経の乱れも夏に蓄積されるダメージの一つです。自律神経は発汗による体温調整をおこなっているため、冷房の効いている部屋で長時間を過ごすと体温のコントロール機能が失われます。その結果、冷えに対する調整能力が低くなり、場合によっては手足のしびれや疲労を感じる方もいます。

急な気温の変化

気温が涼しくなり突然肌寒くなったり、涼しくなったと思ったらまた急に気温が上昇したりするのが季節の変わり目です。「日中は暑いのに夜は寒い」といった気温差が大きくなると、外気の急激な変化に体内での調整が追いつかず、自律神経の乱れが発生します。自律神経は、呼吸や血液の流れ、食べ物の消化など、人の生命活動のコントロールを担っています。そのため、自律神経の調整ができなくなると体調を崩してしまうのです。

気圧の変化・天気の影響

夏から秋にかけての時期は台風の多い季節であり、気圧の変化が起こりやすい時期でもあります。台風が近づくと頭痛に悩まされるといった方も多いのではないでしょうか。台風の接近による気圧の変化は、体にも影響を及ぼし、自律神経が刺激されます。その結果、頭痛や体調不良などを引き起こします。
気圧の変化は体調の悪化以外に歯の痛みも引き起こすことがあります。
天気の変化に伴って歯に違和感のある方は下記の記事もあわせてご覧ください。

秋バテにならないための対策

身体を温めること、生活のリズムを調整することが秋バテの対策です。

湯船につかり身体を温める

お湯の温度を38〜40℃にしたぬるめの湯船につかり、リラックスしましょう。湯船につかることには温熱効果と水圧のマッサージ効果があり、ともに血の巡りを良くします。さらにリラックス効果で自律神経が安定します。シャワーは温熱効果と水圧効果はありますが、入浴に比べてリラックス効果が弱い傾向があります。
つかっている時間は、ぬるめのお湯なら1時間程度の入浴でも大丈夫です。また、半身浴で15分くらいでもリラックス効果を得られます。
なお、お湯の温度が42℃を超えると自律神経を刺激するので注意してください。熱いお湯で肩までつかり長い時間すごすと、活発化してもリラックスはしないため、自律神経のバランスはとれません。

適度な運動を心掛ける

副交感神経を刺激して自律神経の調節機能を高めるために、適度な運動をおこないます。適度な運動の目安は、息が軽くはずんで気持ちがよいと思える程度のもので、ウォーキングやヨガ、ストレッチがおすすめです。長い距離を走ったりスピードの速かったりするジョギングやランニングは、負荷が高くて交感神経を刺激するため、リラックスと真逆の効果になります。

寒暖差対策を行う

極端な寒暖差に身体をさらさないことが大切です。羽織モノを用意して身体を冷やし過ぎない、カイロなどで筋肉や内臓を温める、なども効果的な手段です。また、暑過ぎないときはエアコンを使わず、窓を開けて外気を取り込むようにすると、身体の冷やし過ぎを予防できます。

水分補給を怠らない

夏だけでなく、春や秋など気温が急激に変化する時期にも脱水は発生します。乾燥で皮膚から気づかないうちに水分が失われる、かくれ脱水もあるため注意してください。脱水症状になると体温調節機能がうまく働かず、体の調子を崩します。
夏に比べて水分補給を忘れがちになるため、夏と同様に補給することで対策します。一度にたくさん飲んでも適切な水分補給ができないので、コップ一杯程度の水を1日5~6回飲み、トータルで1日1.2~1.5リットルの水分を摂取するようにしましょう。ただし、この目安は食事からも水分を摂取できている場合です。食事がちゃんと取れていないときは水分不足にも注意しましょう。
のどが渇く前や、発汗しやすい就寝・入浴のあとは水分補給の欠かせないタイミングです。運動したときは塩分も一緒に摂取してください。

温かい飲み物・身体を温める食材をとり入れる

秋バテ予防のためには、飲み物を温かいものにシフトしましょう。朝の水分補給に白湯を飲むだけでも違いを実感できるはずです。通勤・通学前など、外出のタイミングで温かい飲み物を飲むと寒暖差対策にもなります。
食べ物も身体を温める食事を意識すると、自律神経の調節機能を取り戻せます。
ただし、身体を元気にしようとスタミナメニューを取り入れるのは注意です。いわゆるスタミナメニューには脂っこいものが多いため、胃に負担をかけてしまい逆効果になるおそれがあります。

疲労回復によい食事をとる

秋バテによる食欲減退で失った栄養を取り込む必要があるため、疲労回復によい食事を取りましょう。体力を失っているため、少ない量の食事でも回復できるような内容の食事を取ることが大切です。
弱った胃腸と相談しながら、栄養価の高い食べ物を食べる必要があります。秋は「食欲の秋」と呼ばれるほど美味しい食材が揃う季節です。本来であれば胃腸が活発に動く季節でもあるため、食事の美味しい時期に健康な生活ができるよう、体調を崩しやすい季節の変わり目は生活習慣に加えて食事にも注意を払いましょう。

秋バテに効く食べ物は?

秋バテ予防に効果を期待できる具体的な食材をご紹介します。

ビタミンB1で疲労回復に

ビタミンB1はチアミンと呼ばれる水溶性のビタミンで、糖質の代謝をサポートする働きがあります。糖質を燃焼させてエネルギーに変えるプロセスに欠かせない栄養素です。ビタミンB1が不足するとエネルギーが不足して、倦怠感や食欲不振につながります。食事では過剰摂取になることはないため、ビタミンB1を多く含む食べ物を積極的に取っていきましょう。
豚ヒレ肉(赤身)や豚モモ肉(赤身)、鶏・豚レバーやうなぎに多く含まれています。
ビタミンB1の効果や、ビタミンB1の豊富な食材を活かしたレシピについては、こちらの記事もご覧ください。

旬の食材や身体を温める食材がおすすめ

旬の食材を選ぶメリットは、比較的安い価格で手に入りやすいため、毎日の食事に取り入れやすいからです。
また、今の時代は通年で同じ食材を手に入れられるようになっていますが、時期によって食材に含まれる栄養素には大きな違いがあります。
魚は養殖で一年中食べられますが、一般的に産卵時期が旬であり一年でもっとも脂が乗っています。旬な食材は新鮮で栄養価が高いのが特徴です。また、旬の食材には、その季節に発生しやすい不調から身体を守る栄養が多く含まれています。
体を温める食材として、生姜、シナモン、ねぎ、根菜類があります。生姜はショウガオールが体を温め、シナモンはシンナムアルデヒドの働きにより血行促進が期待できます。シナモンは漢方でも「桂皮」という呼び名で体を温める効能で知られています。ねぎの辛味成分であるアリシンは血行を良くして体を温め、葉に含まれるビタミンCは風邪予防にも効果があります。にんじんやかぼちゃなどの根菜類は、水分が少なくミネラルを多く含み、血液を作る栄養素が詰まっています。

まとめ

秋バテの原因は、夏バテと同様に冷たいものの取り過ぎや冷房環境、それに加えて外気温の急激な変化が挙げられます。夏を過ぎても食欲不振や疲労感、めまいに悩まされる場合は、秋バテのおそれがあります。体を温めるための食事や生活習慣を意識し、ビタミンB1を含む食材や秋にとれる旬な食材を食事に取り入れ、食欲の秋を楽しめるよう対策に取り組んでいきましょう。

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