唇が荒れる原因は、一般的な乾燥だけでなく、病気の症状によって起きる場合があります。自分でできる対処法を試しても改善されない場合は、医療機関を受診したほうがよいでしょう。
唇が荒れる原因とは?
唇は通常の皮膚と違って角質が薄く、もともと乾燥しやすい部位です。また、メラニン色素も薄いため、紫外線にも弱くデリケートでもあります。唇が荒れると、ひび割れ、唇全体が赤く腫れる、皮がむける、出血するといった症状が現れます。
唇の荒れに悩む方は乾燥が原因だと思っているかもしれませんが、唇の荒れには他にもさまざまな原因があるのです。
唇の荒れに悩む方は乾燥が原因だと思っているかもしれませんが、唇の荒れには他にもさまざまな原因があるのです。
乾燥
唇が荒れる原因のひとつに乾燥があります。冬場はとくに空気が乾燥する季節ですが、空調をよく使う時期も、屋内の空気が乾燥して唇が荒れやすくなります。
唇の皮膚は他の皮膚と比べて角層が薄く、汗腺や皮脂腺がなく、肌のように潤いを保つことができません。そのため、水分が蒸発しやすく保水が難しいため、乾燥の影響を受けやすい部位です。
また、乾燥をやわらげようとして唇をなめると、唾液が蒸発する際に唇に必要な水分も一緒に蒸発させてしまい、さらに乾燥が進んでしまいます。
口呼吸、ドライマウスなども唇が乾燥する原因となります。口呼吸は、唇に何度も風があたることと同じため、乾燥を進めてしまいます。ドライマウスの状態では唾液の分泌が少なくなっています。唾液には、実は唇を潤す役割もあります。そのため、ドライマウスになると唇が乾燥してしまいます。
また、体内の水分が不足すると肌の水分不足にもつながり、新しい細胞が生まれにくくなるため、皮膚のターンオーバーが乱れて乾燥しやすくなる原因になります。入浴中や睡眠中は水分が不足しがちなため注意が必要です。
唇の皮膚は他の皮膚と比べて角層が薄く、汗腺や皮脂腺がなく、肌のように潤いを保つことができません。そのため、水分が蒸発しやすく保水が難しいため、乾燥の影響を受けやすい部位です。
また、乾燥をやわらげようとして唇をなめると、唾液が蒸発する際に唇に必要な水分も一緒に蒸発させてしまい、さらに乾燥が進んでしまいます。
口呼吸、ドライマウスなども唇が乾燥する原因となります。口呼吸は、唇に何度も風があたることと同じため、乾燥を進めてしまいます。ドライマウスの状態では唾液の分泌が少なくなっています。唾液には、実は唇を潤す役割もあります。そのため、ドライマウスになると唇が乾燥してしまいます。
また、体内の水分が不足すると肌の水分不足にもつながり、新しい細胞が生まれにくくなるため、皮膚のターンオーバーが乱れて乾燥しやすくなる原因になります。入浴中や睡眠中は水分が不足しがちなため注意が必要です。
ビタミンB2・B6の摂取不足
ビタミンB2・B6が不足すると、唇が荒れる病気や下唇だけ荒れるといった症状が現れることがあります。ビタミンB2・B6は、表皮を形成するために必要な栄養素です。そのため、ビタミンB2・B6が不足すると、ターンオーバーが乱れ、唇が荒れる要因となります。
内臓の不調
唇の荒れが頻繁に起きる場合、内臓の不調が原因の場合もあります。
胃腸障害や肝障害、腸内環境の悪化が原因で、ビタミン不足になると唇の荒れを引き起こすことがあります。腸内の善玉菌はビタミンB群を産生するため、腸内環境が悪化するとその働きが抑えられてしまうからです。
胃腸障害や肝障害、腸内環境の悪化が原因で、ビタミン不足になると唇の荒れを引き起こすことがあります。腸内の善玉菌はビタミンB群を産生するため、腸内環境が悪化するとその働きが抑えられてしまうからです。
紫外線
肌に強い刺激を与える紫外線は唇にも刺激が強いです。皮膚にはメラノサイトという細胞があり、この細胞がメラニンを作ることで紫外線から肌を守っています。唇は、他の皮膚に比べてメラノサイトが少ないため、紫外線によるダメージを受けやすく、唇が荒れる原因となります。
物理的な刺激
口紅やリップを落とす時の物理的な摩擦が原因となるケースもあります。
また、唇をなめたり触ったりする癖がある方も注意が必要です。唇をなめると、唾液が蒸発する時、唇に必要な水分も蒸発させてしまうため、より乾燥してしまうことになります。
また、唇をなめたり触ったりする癖がある方も注意が必要です。唇をなめると、唾液が蒸発する時、唇に必要な水分も蒸発させてしまうため、より乾燥してしまうことになります。
ストレス・疲労
疲労の蓄積や過度なストレスは、前述のように免疫を低下させて感染症に罹りやすくしてしまうだけではありません。唇に必要な栄養素が全身で消費されてしまう上、血行不良にもつながります。すると、十分な栄養や酸素が唇まで届かず、唇が荒れる原因となります。
唇が荒れる病気
唇の荒れは一般的な乾燥や刺激が原因ではなく、病気が関連している場合があります。
たとえば、唇や口角のただれ・亀裂・出血・強い痛みなどがある、セルフケアを試してもなかなか改善せず、再発を繰り返す、といった症状がある時は病気のおそれを疑う必要があります。早めに医療機関を受診しましょう。
たとえば、唇や口角のただれ・亀裂・出血・強い痛みなどがある、セルフケアを試してもなかなか改善せず、再発を繰り返す、といった症状がある時は病気のおそれを疑う必要があります。早めに医療機関を受診しましょう。
口唇炎
口唇炎とは、唇の一部または全体に、炎症を伴う湿疹や亀裂などが発生する病気です。重症化すると、炎症が唇の周りに広がったり、唇の表皮が剥離し、亀裂、出血などを発症したりします。飲食物やリップクリームなどに触れた時、しみるような痛みを感じるといった特徴もあります。
口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルスによって発症します。ヘルペスウイルスに感染する、または過去にかかったヘルペスウイルスが再活性することが原因です。口唇ヘルペスの症状には以下の特徴があります。
- チクチク感があった後、唇が赤く腫れる
- 水疱ができ、水疱は破れると潰瘍が残る
- 潰瘍の部分がかさぶたになる
- 5～10日後にかさぶたが取れる
唇の日焼けや歯科処置、糖尿病や悪性腫瘍など免疫力が低下する病気が原因になりやすいといわれています。
扁平苔癬（へんぺいたいせん）
扁平苔癬は、歯科用金属などのアレルギーやストレスなどが原因で発症すると考えられていますが、はっきりとした理由は解明されていません。扁平苔癬の症状には以下の特徴があります。
- 唇がただれる
- 浅い潰瘍ができる
- 水疱ができる
- 痛みが出る
- 口の中に枝状や線状の形をした青白い斑ができる
女性や過去に歯科用金属などでアレルギーがある方、ストレスの多い生活を送っている方などが扁平苔癬にかかりやすいといわれています。
口腔アフタ潰瘍
アフタ潰瘍は一般的によくみられる病気です。免疫力の低下、睡眠不足、栄養不足などが原因と考えられていますが、はっきりとはわかっていません。症状の特徴として、痛みがある、口内炎が複数できる、などがあります。
なかなか治らない、範囲が広い、何度も再発するといった症状がある場合、よく似た症状が起きる疾患としてベーチェット病なども考えられるため、早めに受診しましょう。
なかなか治らない、範囲が広い、何度も再発するといった症状がある場合、よく似た症状が起きる疾患としてベーチェット病なども考えられるため、早めに受診しましょう。
口唇カンジダ
カビの一種であるカンジダが唇に感染する病気です。カンジダは普段から人の肌に存在し、健康な状態では人体に悪影響を及ぼすことはありません。しかし、免疫力が低下すると菌のバランスが乱れてカンジダが優位になり、症状が現れることがあります。
症状の特徴として、白い塊のような湿疹やかゆみを伴い、悪化すると唇の表皮がはがれるケースもあります。
症状の特徴として、白い塊のような湿疹やかゆみを伴い、悪化すると唇の表皮がはがれるケースもあります。
口腔アレルギー症候群
口腔アレルギー症候群は、食物アレルギーの一種で、りんご、もも、梨などの果物や大豆などを摂取すると唇や口内、喉などに強いかゆみや腫れなどが生じる病気です。
時にはアナフィラキシーショックにより、呼吸困難や血圧低下などの症状を引き起こすことがあります。
時にはアナフィラキシーショックにより、呼吸困難や血圧低下などの症状を引き起こすことがあります。
ベーチェット病
ベーチェット病とは、口腔粘膜のアフタ性潰瘍や眼症状、皮膚症状、外陰部潰瘍などの症状が起きる全身性の炎症性疾患です。
ベーチェット病にかかると、口腔アフタ潰瘍が発症して唇が荒れる症状が多くみられます。女性やストレスが多い生活の方はかかりやすい病気といわれています。
ベーチェット病にかかると、口腔アフタ潰瘍が発症して唇が荒れる症状が多くみられます。女性やストレスが多い生活の方はかかりやすい病気といわれています。
唇の荒れの対処法
唇の荒れの改善は、自分で対処できる場合もありますが、なかなか改善されなかったり、原因が病気だったりする場合は、医療機関を受診する必要があります。
保湿
唇の潤いを保つために、日ごろからワセリンなどの油分をたっぷりと塗って保湿しましょう。唇の荒れが気になる方は、「トコフェロール酢酸エステル」や「グリチルレチン酸ステアリル」配合のリップクリームがおすすめです。外出時はUV効果のリップで紫外線対策をすることも大事です。
室内でも、夏や冬はエアコンで乾燥しやすくなります。唇の潤いを逃がさないためには、部屋が乾燥しないように加湿器などを適切に使い、乾燥を予防しましょう。
室内でも、夏や冬はエアコンで乾燥しやすくなります。唇の潤いを逃がさないためには、部屋が乾燥しないように加湿器などを適切に使い、乾燥を予防しましょう。
癖を治す
日常で唇が荒れる原因となる行動にはさまざまありますが、それを避けるようにいつも意識することが大切です。
具体的には、唇をなめない、こすらないなど、唇にできるだけ刺激を与えないようにすることが大事です。食事の際、唇についた食べ物や飲み物を拭き取る時も、強くこすらないようにしましょう。
具体的には、唇をなめない、こすらないなど、唇にできるだけ刺激を与えないようにすることが大事です。食事の際、唇についた食べ物や飲み物を拭き取る時も、強くこすらないようにしましょう。
低刺激なものを使う
メイクを落とす際は、リムーバーは低刺激のものを選び、こすらず優しく落としましょう。無香料、無着色、パラベン・アルコールフリー、アレルギーテスト済み、低刺激処方などの記載があるものは、刺激が少ないためおすすめです。
ビタミンB2・B6の摂取
唇が荒れる原因の1つがビタミンB2やB6の不足です。
ビタミンB2とB6には、粘膜の修復、細菌の抵抗力アップ、皮膚の代謝を高めるといった働きがあり、唇のトラブルと直結します。ビタミンB2を含む食品は、納豆、牛乳、うなぎ、卵、ほうれんそうなど、ビタミンB6を含む食品は、牛・豚肉、まぐろ、かつお、玄米、バナナなどが挙げられます。これらを積極的にとると効果的です。
ビタミンB2とB6には、粘膜の修復、細菌の抵抗力アップ、皮膚の代謝を高めるといった働きがあり、唇のトラブルと直結します。ビタミンB2を含む食品は、納豆、牛乳、うなぎ、卵、ほうれんそうなど、ビタミンB6を含む食品は、牛・豚肉、まぐろ、かつお、玄米、バナナなどが挙げられます。これらを積極的にとると効果的です。
- ビタミンB1：豚肉、ナッツ、大豆、ほうれん草
- ビタミンB2：豚レバー、アーモンド、納豆
- ビタミンB6：カツオ、バナナ
- ビタミンB12：しじみ、あさり
市販薬を使用する
口角炎、口唇炎であれば、市販薬が使用できる場合もあります。
市販薬を使用するタイミングは、抗炎症成分配合の商品は唇に腫れなどの症状が現れている時、組織修復成分や保湿成分を配合している商品は、効果の出やすい朝の洗顔後や夜の入浴後の濡れた状態や、就寝前などに使用するのが効果的です。
しかし、市販薬を間違って使用するとかえって症状が悪化してしまう場合もあるため、自己判断せず必ず薬剤師に症状を相談した上で市販薬を購入しましょう。
市販薬を使用するタイミングは、抗炎症成分配合の商品は唇に腫れなどの症状が現れている時、組織修復成分や保湿成分を配合している商品は、効果の出やすい朝の洗顔後や夜の入浴後の濡れた状態や、就寝前などに使用するのが効果的です。
しかし、市販薬を間違って使用するとかえって症状が悪化してしまう場合もあるため、自己判断せず必ず薬剤師に症状を相談した上で市販薬を購入しましょう。
医療機関を受診する
唇の荒れの原因は乾燥だけではなく、先述した病気が原因のおそれもあります。原因や対処法を自己判断せず、早めに医療機関を受診することも大切です。
唇の荒れが続く時は医療機関を受診しましょう
唇の荒れは単なる乾燥によるものではなく、内臓の不調や病気が原因であるケースがあります。気になる症状が続いたり、なかなか症状が改善しなかったりする場合は、早めに医療機関を受診しましょう。