唇にできるニキビの原因とは? 対処法や予防法を解説

唇にできるニキビの原因とは? 対処法や予防法を解説

この記事では、唇の近くにできるニキビの原因、対処法や予防法を解説します。

               
唇の近くにニキビができる理由は、内臓が不調な影響と外部からの刺激を受けやすいからです。食生活やストレスが原因となることも多いため、普段の生活習慣を見直すことが、ニキビの改善や予防に効果的です。

毛穴がないのに唇にニキビ?

唇などの口周りにできるニキビは、目立ったり治りにくかったりと悩む方も多いかもしれません。
実は、ニキビは毛穴がある箇所にできるため、唇にできることは通常ありません。しかし、唇に近い場所にできたニキビが炎症を起こすと、唇まで腫れてしまうことがあります。唇などの口周りにできてしまう理由や、ニキビと間違えやすいヘルペスとの違いを解説します。

唇の周りにニキビができやすい理由

唇の周りにニキビができる理由は、ニキビができやすい環境と普段の生活習慣が影響しています。ここではなぜ唇の周りにニキビができやすいのか、原因になってしまう行為についてご紹介します。

外部の刺激を受けやすい

唇などの口周りにニキビができやすい主な理由は、外部からの刺激を受けやすいことです。
マスクの摩擦や食事をするとき、カミソリを使用するときなど、外部からの刺激を受けやすい場所のため、ニキビができやすくなります。
ニキビの原因となる外部からの刺激は、摩擦による刺激や雑菌の増殖を引き起こす要因となるものです。具体的に以下のものがあります。
  • 食事の食べかすや油分
  • マスクによる摩擦・蒸れ
  • リップクリームや口紅による毛穴づまり

内臓の不調が表れやすい

唇は内臓の不調があらわれやすい部位です。消化器官と関係することが多いため、胃腸の不調がニキビを引き起こす原因となることもあります。
たとえば、胃腸の血流が悪化すると唇の周辺の肌に栄養が運ばれず、肌のバリア機能低下や、肌のターンオーバーの乱れにつながり、ニキビの原因となります。

腸内環境の悪化も唇や口周りのニキビの要因です。便秘になると悪玉菌が増加し、有害物質を発生させます。この有害物質が皮脂などと一緒に排出されるときに皮脂や角質と結びつくことで、ニキビの原因となる毛穴のつまりを引き起こすのです。

唇の周りのニキビと口唇ヘルペスの違い

唇や口周りのニキビと間違えやすい病気に口唇ヘルペスがあります。
口唇ヘルペスとは、「単純ヘルペスウイルス」というウイルスが原因で発症します。口唇ヘルペスはニキビと違い、症状を改善するためは抗生物質を使った治療が必要で、再発することも多いため、違いをきちんと把握しておくことが大事です。
もし判断が難しいようであれば、医療機関に相談するようにしましょう。

症状の違い

ニキビとヘルペスの大きな違いは症状です。
口唇ヘルペスは、前兆として軽い痛みや違和感、かゆみが発生します。また、症状がひどくなると水ぶくれが発生することがあります。「炎症がなく、皮膚が盛り上がっている」、「ピリピリとした痛み・かゆみがある」といった症状の場合は、口唇ヘルペスである可能性が高いです。
一方、ニキビは「中心に白い芯が見える」、「触らなければ痛くない」などの症状があります。

発生原因の違い

口唇ヘルペスの発症原因は、ヘルペスウイルスに感染することです。ウイルスに感染した時点では無症状であることが多く、免疫力が低下したときにウイルスが活性化します。周りにヘルペスにかかっている方がいたり、風邪などで免疫力が低下していたりするときはヘルペスの疑いがあります。
一方、ニキビは皮脂が毛穴につまり、アクネ菌が増殖して皮膚が炎症することが原因です。ストレスや生活習慣の乱れによって皮脂が過剰に分泌されて発生します。

ニキビができる主な原因

ニキビができる原因は1つではなく、複数の原因が影響しているためとも考えられますが、主な原因はホルモンバランスの乱れです。唇や口周りのニキビは、他の部位に比べて治りにくく、再発を繰り返しやすいといわれています。

内臓不調

唇などの口周りにニキビができるのは胃腸など内臓の不調が影響しているおそれがあります。必ずしも唇に限ったことではありませんが、胃腸の血流や栄養素を吸収する機能が低下することで、唇周辺に適切な栄養素が運ばれず、ニキビという肌トラブルが発生するためです。また、便秘などで胃腸内に悪玉菌が増えると、それが有害物質を多く生成し、血液に乗って唇や口周りのトラブルを引き起こすこともあります。唇や口周りは皮膚が薄く日光や汚れにさらされやすい部位でもあるため、とくにこうした内臓の不調があらわれやすいといえます。

ホルモンバランスの影響

ホルモンバランスの乱れによって皮脂分泌が過剰になったり、皮膚のターンオーバーに影響したりします。女性は生理前になるとプロゲステロンが増加し、肌のターンオーバーの乱れによってニキビができやすくなります。妊娠中や更年期も、ホルモンの変動が大きく肌トラブルを発生しやすい時期です。
思春期にもホルモンバランスの乱れはニキビの原因となり、皮脂腺の多いTゾーンやおでこ、頬にできやすいという特徴があります。
疲労やストレス、睡眠不足による自律神経の乱れによって、突然ニキビが発生する場合があります。男性ホルモンであるアンドロゲンは、主にストレスによって増加し、皮脂分泌を増やします。

むし歯が影響することもある

実は唇や口周りのニキビが、意外にもむし歯が原因でできることがあり、その理由は主に3つ挙げられます。
1つ目は、むし歯の痛みによるストレスが自律神経やホルモンバランスの乱れにつながることです。
2つ目は、むし歯によって歯肉が化膿し、膿が皮膚から排出されることです。このタイプのニキビを「外歯瘻(がいしろう)」といいます。
3つ目は、むし歯の痛みによってしっかり食べ物を咀嚼せずに飲み込むと、消化不良に陥るおそれがあり、胃の不調やニキビなどの症状につながります。

むし歯が原因で発症するニキビには、いつも同じ場所にできる点が特徴です。むし歯と近い位置にある顎や口周りにできやすく、むし歯によるニキビは、口臭も引き起こしやすいといわれています。
むし歯によるニキビを防ぐために、まずはむし歯を治療することが大切です。
唇の近くにニキビができる理由は、内臓が不調な影響と外部からの刺激を受けやすいからです。食生活やストレスが原因となることも多いため、普段の生活習慣を見直すことが、ニキビの改善や予防に効果的です。
唇や口周りにできてしまったニキビの対処法をご紹介します。

すぐにできるセルフケア

皮膚へのダメージを防ぐと共に、きちんと余分な皮脂と汚れを洗い流すことが有効です。過度な洗浄は肌のバリア機能を失って逆効果になるため、低刺激の洗顔料で優しく洗い、洗顔後はすぐに保湿を行いましょう。
洗顔料は、グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、アラントインといったニキビや肌あれ、炎症を抑える抗炎症作用のはたらきをする成分を含んだものがおすすめです。

皮膚科の治療

セルフケアでは治りにくいと感じる場合は、皮膚科や美容皮膚科で専門的な治療や薬の処方を受ける選択肢もあります。
医療機関での治療には、レーザーや光治療、ケミカルピーリングなどがあります。処方される治療薬は、炎症を抑える外用薬や内服の抗生物質、ホルモン治療薬などがあり、症状や肌質、ライフスタイルに応じて組み合わせられます。
自分に合わない薬や誤った使い方によって副作用を引き起こす可能性があるため、疑問があればしっかり医師に確認しておきましょう。

唇や口周りのニキビの予防法

唇や口周りのニキビを発生させないための予防も大事です。唇や口周りのニキビの原因は普段の生活習慣が影響することも多いため、すぐにでも改善できることをご紹介します。

生活習慣の改善

食生活の乱れや睡眠不足、慢性的なストレスは、ニキビを発生させる要因です。食事については、糖分や脂質を過剰摂取しないようにし、野菜やタンパク質、良質な油をバランスよく取り入れるようにしましょう。
また、規則正しい睡眠や運動習慣は、ホルモンバランスや肌のターンオーバーを整えるのに効果的です。具体的には以下のような習慣を取り入れてみましょう。
  • 就寝前のスマホやパソコンの使用を控え、睡眠時間を確保する
  • 夕食は就寝2~3時間前までに済ませ、就寝までに十分消化させる
  • 軽い有酸素運動やヨガ・ストレッチで自律神経を整え、ストレスを発散させる
  • 間食や夜食に甘いものの過剰摂取を避ける

スキンケアを見直す

普段の洗顔や保湿の方法を見直すことも効果的です。ポイントは以下の通りです。

 洗顔料の選択:低刺激タイプを使用し、泡で包み込むように洗う
 洗顔の温度 :熱すぎないぬるま湯(体温程度)で洗う
 タオルの使用: 清潔なタオルで軽く押し当てて水分を吸収させる
 保湿のタイミング:洗顔直後に行う

季節の変わり目や体調・年齢の変化で肌質は変わることがあるため、定期的にスキンケアアイテムを選び直すことも大事です。

メイクを見直す

リップや口紅、ファンデーションなどが唇や口周りのニキビに影響している可能性もあります。口の周りは汗や皮脂が溜まりやすく、ファンデーションが浮いてしまいます。
メイクを重ねるほど毛穴づまりを起こすリスクが高まるため、軽めのベースメイクやノンコメドジェニック処方のリップや下地を使うのがおすすめです。ノンコメドジェニックとは、ニキビのもとになる「コメド」ができにくいように作られた化粧品やスキンケア製品のことです。

定期的な皮膚科受診

ニキビが再発しやすい方や、ニキビ跡が残りやすい方は、定期的に皮膚科で受診することも選択肢です。
抗生物質やホルモン治療薬の処方の相談をしたり、長期的な予防策として再発を防ぐための食事や睡眠など生活指導を受けられたりします。

唇や口周りのニキビをつくらないために生活習慣を見直そう

唇や口周りのニキビの原因はさまざまですが、普段の生活習慣による影響が多くなります。ニキビだと思っていたものがヘルペスだったという間違いを避けるためにも、判断がつかない場合は皮膚科を受診するのがおすすめです。
ニキビの原因はむし歯が関係している可能性もあります。できてしまったニキビの改善だけでなく、予防もするためにも食生活や睡眠の習慣を見直したり、口内環境を清潔に保ってむし歯を予防したりしましょう。

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