口内炎が繰り返しできる原因とは? 病気との違いや対策を紹介

口内炎が繰り返しできる原因とは? 病気との違いや対策を紹介

この記事では、口内炎が繰り返しできる原因や病気との違い、対策について紹介します。

               
口内炎ができる原因はさまざまですが、繰り返しできたり複数箇所にできたりする場合は病気のおそれもあります。一般的に口内炎は1~2週間で治るため、2週間以上続いたり複数同時に発生したりする場合は医療機関を受診することが大切です。

口内炎とは?

口内炎は、頬の内側や歯ぐき、舌といった口の中の粘膜に発生する炎症のことです。
口腔粘膜疾患のうち、口内炎は比較的よく見られる疾患とされています。
2024年に株式会社スマイルモアが実施したアンケート調査では、全国の300人の女性のうち147人(49%)が「よくできる・たまにできる」と回答しています。また、口内炎ができた場合の対処について質問したところ、216人(72%)が「特に何もしない」と回答しています。多くの方が経験し、特に対処しない口内炎ですが、繰り返しできる場合は病気が原因であるケースもあります。本記事で詳しく解説していますので、ぜひ知識を深めてください。

(参考)株式会社スマイルモア:アンケート調査
https://clearsmile.jp/articles/survey-qi0100

口内炎の種類と特徴

一口に口内炎といっても、さまざま種類や症状があります。ここでは、さまざまな口内炎の特徴をご紹介します。

アフタ性口内炎・再発性アフタ性口内炎

口内炎の中でもっとも多く見られるのがアフタ性口内炎です。主な原因は免疫力の低下とされており、これによってタンパク質分解酵素の一種であるプラスミンが発生します。プラスミンが増加すると、炎症を引き起こすヒスタミン、痛みのもととなるプロスタグランジンやブラジキニンが働き、炎症や痛みが現れます。炎症が続くと白いただれを起こし、その部分がえぐられて腫瘍(アフタ)が出現し、口内炎となります。
アフタの見た目の特徴は、境界線がはっきりとしていて表面が白か黄色の膜で覆われ、周りが赤くなった状態です。
頬の内側や舌、唇の裏側、歯ぐきにできやすく、症状は痛みを伴う、食べ物がしみるといった特徴があります。
通常では約1~2週間で自然に治ることがほとんどですが、再発を繰り返すものを「再発性アフタ性口内炎」と呼びます。

カタル性口内炎(外傷性口内炎)

カタル性口内炎は、口の中の粘膜に赤い炎症や斑点、水ぶくれ、ひび割れなどの状態が現れます。主な症状には、口の中が赤く腫れる、食べ物がしみる、唾液が増える、口臭が発生するなどがあります。
カタル性口内炎の主な原因は、物理的刺激の影響が多いと考えられています。例えば、入れ歯や矯正器具の接触や、頬の内側を噛むなど粘膜が傷ついた部分の細菌の繁殖、薬品や熱いものの刺激などがあります。適切な処置をすれば、通常は数日で症状は治まります。

ヘルペス性口内炎(ウイルス性口内炎)

ヘルペス性口内炎とは、ヘルペスウイルスの感染によって発症する口内炎です。唇や舌、歯ぐきなどだけでなく、唇の外側やのどに近い粘膜など、広範囲に現れることもあります。
ヘルペス性口内炎の主な症状として、発熱を伴う、赤く腫れる、水疱ができる、強い痛みなどがあります。
ウイルス性の口内炎であるヘルペス性口内炎は、医師の治療を受けるのがおすすめです。投薬によって通常10日ほどで症状は治まります。

カンジダ性口内炎

カンジダ性口内炎は、口内でカンジダというカビが過剰に増えて発症する口内炎です。急性型と慢性型があり、多く見られるのは急性型の偽膜性カンジダ症です。症状として、粘膜上に白い膜ができ、口内の違和感や舌のしびれ、味覚障害が発生することもあります。
カンジダというカビは、もともと口の中に存在している常在菌の1つであり、健康な状態においてカンジダ性口内炎はなりにくいとされています。そのため、症状が現れた時は重大な病気が隠れているおそれもあるため、医師に相談することをおすすめします。

ニコチン性口内炎

ニコチン性口内炎は、その名の通り、タバコが原因で発生する口内炎です。口内の粘膜や舌に白斑ができます。痛みは少なく自覚症状はほとんどない場合が多いとされていますが、時には飲食物がしみることもあります。
喫煙は口の中を乾燥させ、口内が不衛生になるため、口内炎のリスクも高まります。ニコチン性口内炎ががんに進行するリスクも指摘されており、できるだけ禁煙や本数を減らす努力をすることが大切です。

口内炎や間違いやすい症状がある病気

口内炎だと思っていた症状が、実は全身の疾患が関係していることもあります。口内炎が繰り返しできたり、複数箇所に同時に発生したりする場合は、病気のサインであるおそれがあるため注意が必要です。また、発熱や関節の痛み、皮膚の発疹など全身にも症状が現れることも特徴です。
ここでは、口内炎を繰り返す、多発するといった症状が見られる病気をご紹介します。

ベーチェット病

ベーチェット病ではほとんどの場合、初期症状として「口腔内再発性アフタ性潰瘍」が現れることが多いとされています。口内炎の同時多発や再発が起こりやすく、強い痛みを伴うのが、ベーチェット病の特徴です。症状自体は1~2週間で治りますが、何度も繰り返し現れて持続期間が長くなります。
ベーチェット病が進行すると、関節や血管、消化器といった全身にも影響が現れるため、口内炎を繰り返す場合は、ベーチェット病が原因である可能性も考えられます。

白板症

白板症は、舌や頬の粘膜、歯ぐきの一部が白くなる口腔粘膜疾患です。食べ物がしみる、歯ブラシが当たると痛いなど口内炎と似た見た目や症状があるため、口内炎と間違えやすいですが別の疾患です。
白板症が進行すると、白い部分が厚く硬くなって、びらんや潰瘍、しこりが見られるようになります。こすっても取れない白い部分がある場合、口腔がんに進展するおそれがあるため検査をする必要があります。
口内炎は約2週間で治ることがほとんどですが、2週間以上改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

舌がん

舌がんの症状は、主に舌の縁に硬いしこりが現れます。一見アフタ性口内炎とよく似ており、初期の舌がんは自覚症状がないため見過ごしてしまう場合もあります。
舌がんが進行すると、痛みや出血が持続的に起こる、口臭が気になる、といった特徴があります。2週間以上口内炎が治らなかったり、しこりがあったりする場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

口内炎が繰り返しできる原因と対策

口内炎が治ったと思ってもすぐ再発したり、複数広範囲にできたりすると、理由がわからず心配になるかもしれません。生活習慣に関わることも多いため、繰り返しできてしまう原因と対策をご紹介します。

ストレスや疲労

口内炎の主な原因として、よくいわれるのがストレスです。
仕事や人間関係などでストレスを感じる期間が継続すると、体内の免疫力が低下し、口内炎ができやすい状態になります。
ストレス解消には、適度な運動やリラックスできる時間をもつことが効果的です。深呼吸やストレッチなどを日常的に取り入れることも、ストレスをためないためにおすすめです。
毎日睡眠時間をしっかり確保し、規則正しい生活リズムに整えることで、体内リズムが整い、免疫力アップにつながります。

生活習慣・栄養バランスの乱れ

夜更かしなどの睡眠不足や不規則な睡眠時間は、免疫力の低下につながり、口内炎を引き起こしやすくなります。
また、食事面では、口内炎の改善や予防には粘膜の働きを促進するビタミンB群や鉄分が効果的です。しかし、食事を抜いたり偏った食生活を続けたりすると、これらの栄養素が不足し、口内炎を繰り返す可能性が高くなります。ビタミンB群やビタミンC、鉄分が含まれる緑黄色野菜や魚類を積極的に取るように意識しましょう。

口内の細菌増加と炎症

口の中には、多くの常在菌が存在していますが、通常はバランスが保たれています。
しかし、歯磨きが不十分だったり、口内が乾燥したりすると、悪玉菌が増えて細菌バランスが崩れてしまいます。悪玉菌が増えすぎると、粘膜に炎症や損傷を起こしやすく、口内炎の原因となるのです。
また、入れ歯や矯正器具、飲食物による刺激なども、粘膜を傷つけて炎症ができるリスクが高まります。入れ歯や矯正器具は定期的にメインテナンスしたり、歯磨きやうがいで口内を清潔に保ったりするようにしましょう。

口内炎を繰り返さないために生活習慣を見直そう

口内炎が繰り返す原因は、日々の生活習慣が関係している場合も多くあります。まずは口内炎の原因となる習慣を改善してみてはいかがでしょうか。歯磨きなどのセルフケアを見直して口内を清潔に保つことが予防の第一歩になります。
ただし、再発が続いたり、2週間以上口内炎が改善しなかったりする場合は、病気のおそれもあるため、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

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