ガミースマイルの治療法は?リスクや費用などを解説

ガミースマイルの治療法は?リスクや費用などを解説

この記事では、ガミースマイルの治療法をはじめ、それぞれのリスクや費用、治療によって得られるメリット・注意点について詳しく解説します。

               
笑ったときに歯ぐきが大きく見える「ガミースマイル」。
見た目が気になって人前で笑えなかったり、写真を避けたりと、日常生活に影響を感じている方もいるのではないでしょうか。

ガミースマイルの原因は、骨格や歯並び、歯ぐきの形状、筋肉の動きなどさまざまです。治療法も、軽度であれば注射や粘膜の処置、重度であれば矯正や外科的手術など、原因に応じた方法が選ばれます。

ガミースマイルの治し方

ガミースマイルにはさまざまな原因があるため、原因に合わせた治療法が必要です。上述したガミースマイルになりやすい原因に合わせて有効な治療法をご紹介します。

ブラケット矯正

骨格に問題がある場合は、矯正治療単独または、矯正治療と外科手術を併用することで改善できます。
金属のワイヤーを使ったブラケット矯正では、歯の位置を調整していくことで、ガミースマイルの症状が改善されます。
外科手術を併用するケースでは、上顎の骨を一部切除して再度繋ぎ直す方法が行われます。

歯肉切除術

歯肉切除術は、ガミースマイルの改善を目的に、レーザーや歯肉専用のバーを用いて歯茎をトリミングする治療法です。

施術時間は5分程度と短く、術後の痛みや腫れもほとんどないのが特徴です。1回で処置が完了し、費用も3万円〜5万円程度と比較的安価なため、軽度のガミースマイルに適しています。

一方で、歯槽骨にはアプローチしないため、数ヶ月で歯茎が元の状態に戻ってしまうリスクがあります。また、骨格的な問題がある重度のガミースマイルには効果が限定的で、症例によっては他の治療法が必要になります。

歯冠長延長術

歯冠長延長術は、ガミースマイルの根本的な改善を目指す治療法です。本来の歯の大きさをすべて露出させるために、歯肉の切除に加えて、歯を支える歯槽骨の整形も行います。歯ぐきの後戻りを防ぎながら、自然な歯の見た目を取り戻すことができます。

治療期間は比較的短く、通院の回数も少ないため、スケジュールの負担を抑えながら進められます。費用の目安は、6~8本で30万~40万円程度です。

メリットは、後戻りしにくく、確かな効果が得られる点にあります。一方で、歯槽骨の整形を伴うため、術後に腫れや痛みなどのダウンタイムが生じることがある点がデメリットです。

ボトックス注射

ボトックス注射は、筋肉の働きが原因で起こるガミースマイルに効果的な治療法です。笑ったときに上唇が過剰に引き上がるのは、上唇を持ち上げる筋肉が過度に働いているためです。

ボトックスを注射することで、ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質が持つ筋肉の緊張を緩める作用により、歯ぐきの露出を抑えることができます。

約半年ごとに継続して注射を行うことで、筋肉の反応が穏やかになり、効果の持続期間が延びるほか、必要な注射量も減っていく傾向があります。

上唇粘膜切除術

上唇粘膜切除術は、上唇の内側を切開・切除して縫合する治療法です。上唇が上がりすぎたり、めくれたりしにくくなるため、ガミースマイルの改善が期待できます。

上唇粘膜切除術は、1回の手術と1〜2週間後に抜糸を行います。術後には腫れる可能性がありますが、しばらくすると腫れも収まります。

ガミースマイルの症状が軽度の場合には、上唇挙筋のセルフトレーニングによって改善できることもあります。口角を上げて笑うことを意識するトレーニングで、顔のたるみ改善にも効果が期待できます。

ガミースマイルの治療にかかる費用

ガミースマイルの治療費は、選択する治療方法によって大きく異なります。たとえば、ボトックス注射のような手軽なものは1万円程度から始められる一方で、歯列矯正などの長期的な治療では、数十万円から100万円を超えることもあります。

目安としては、数万円~30万円前後が比較的多く選ばれている治療費のボリュームゾーンですが、歯列矯正や外科手術を伴うケースでは50万~100万円以上になることもあります。治療目的によって、保険診療での治療が可能となるケースもあります。ガミースマイルを審美目的で治療する場合、保険が適用されません。しかし、歯周病の治療や噛み合わせの改善など、機能的な問題を改善するケースや、日常生活に支障があるケースの場合には、保険が適用されるようになります。

美容外科などで相談してみたものの、高額な費用で諦めてしまっていた方もいらっしゃるかもしれません。その場合には一度、ガミースマイル以外の口内トラブルのことも含めて歯科医院に伝えて、どのような治療法が自分に最適なのか、保険診療が可能なのかを相談することをおすすめします。

ガミースマイルを治療するメリット

ガミースマイルを治療するメリットについてご紹介します。

見た目の悩みが解消される

ガミースマイルは、見た目を改善できる点が大きなメリットになります。笑ったときに歯ぐきが見えてしまうことが気になり、人前で笑顔になれないといった悩みをお持ちの方にとって、治療により状態を改善できれば、見た目の自信にもつながり、気持ちも明るくなれます。

歯周病のリスクを軽減できる

ガミースマイルがある場合、歯周病のリスクも高くなることがあります。ガミースマイルの原因が歯並びや噛み合わせにある場合、食べかすなどが口内に残りやすくなっているためです。治療を行うことで歯並びや噛み合わせが整うことにより、歯磨きがしやすくなれば、口内環境をキレイに保ちやすくなり、歯周病のリスクを下げることにつながります。

むし歯や口臭のリスクが軽減される

ガミースマイルの治療は歯周病だけではなく、むし歯や口臭の予防にもなります。歯周病と同じように、ガミースマイルの原因が歯並びなどにある場合は、食べかすや歯垢が溜まりやすくなっています。さらに、ガミースマイルによって口が閉じにくい場合には、口内が乾燥しやすい状態となっています。口内が乾燥すると雑菌が繁殖しやすくなり、むし歯や口臭リスクを高めるといった悪循環につながるのです。ガミースマイルの治療は口が閉じやすくなるため、結果的にむし歯や口臭が予防できます。

ガミースマイルを治療するリスク

ガミースマイルの治療では、手術を伴うケースもあります。術後の経過やリスクを把握して、適切な治療を受ける必要があります。

術後の痛みや出血の可能性がある

歯冠長延長術は、痛みや腫れが少ない手術ですが、口内環境や体質などによって、3日ほど腫れや痛みを伴う場合があります。この場合には、痛み止めを飲んで緩和させるケアをします。

知覚過敏を引き起こす可能性がある

歯冠長延長術は、歯ぐきの切除によって歯の面積が大きくなります。その結果、歯の根が露出しやすくなり、知覚過敏の症状が出るおそれもあります。知覚過敏にならないよう、本来の出るべき部分のみを処置する手術が必要です。

後戻りする可能性がある

歯肉切除術だけでは治療後の状態をキープすることが難しく、術後に元に戻る可能性があります。歯冠長延長術であれば、歯ぐきの裏側の骨を切除することで後戻りは起きにくくなります。
また上唇粘膜切除術では、術後に筋肉が再発達して後戻りするケースが稀にあります。さらに、上唇挙筋の発達がガミースマイルの原因ではなかった場合には、上唇粘膜切除術ではキープできないといったおそれもあります。
そのため、治療前にしっかり原因を探り、適切な治療を行なう必要があります。

まとめ|ガミースマイルの治療は原因に合った方法を選ぶことが大切

ガミースマイルは見た目の印象に影響するため、コンプレックスに感じている方にとっては治療によって大きな変化が得られる可能性があります。治療法には、ボトックス注射や歯肉切除、歯冠長延長術、外科手術、矯正治療などがあり、原因や症状の程度に応じて選択することが大切です。

治療にはメリットがある一方で、痛みや後戻り、費用の負担といったリスクもあります。特に外科的処置や矯正は高額になることもあるため、費用面や治療計画について医師とよく相談することが重要です。

ガミースマイルは、保険診療の対象となるケースもあるため、美容外科だけでなく歯科医院での相談も視野に入れてみてください。見た目だけでなく、口腔環境や健康面でもプラスの変化が期待できる治療です。気になる方は、一度専門医に相談してみましょう。

近隣のクリニックを検索

関連記事

ピックアップ

医療機関の方へ

シルハは口腔環境6項目を簡単操作で5分でスクリーニングできる口内環境測定システムです。
製品情報・お問い合わせはコチラ

SillHa.comでは全国の歯科医院の情報を掲載しています。
より詳細なご施設情報の掲載をご希望される場合はこちら